辺見岳腰越尾根・剣ヶ峰・大キギ・天理岳・犬曳尾根下降(両神)

date 2013/11/23-24 快晴、快晴
コース 日向大谷〜腰越尾根〜辺見岳〜一位ヶタワ〜清滝小屋〜剣ヶ峰〜前東岳(大キギ往復)〜天理岳〜犬曳尾根下降〜日向大谷
実働 第一日:6h55m、第二日:8h07m、計:15h02m。
概要 藪尾根周回縦走と大キギ往復。
メンバー すうじい、Ar君、Tn君
使用装備 軽登山靴、ヘルメット、ストック、コンデジTG620、GPS、携帯電話、ヘッドライト、炊事用具、シュラフ、細引10m、チェストハーネス
不用装備 アイスハンマー、テント一式
行程 →:山道・踏跡、:溯行、\\:藪漕ぎ・踏跡不明、**:アイゼン、車:=。
【11月23日】 快晴
コンビニ3:47=5:55日向大谷6:20→下ノ滝6:50\\8:03 900M肩8:18\\9:35 1180M岩峰西コル9:50\\10:50辺見岳北峰11:50\\南峰12:10→13:00キワダ平13:10→13:55エビヅルノ頭14:10→一位ヶタワ14:50→15:10清滝小屋(泊)

【11月24日】 快晴
清滝小屋6:50→7:55休憩所跡8:00→8:05\\(男笹清水偵察)\\8:25→8:40剣ヶ峰9:05→9:30前東岳9:35→\\10:22大キギ10:35\\→11:20前東岳11:25→12:40 1306P 12:55→14:14天理岳14:44→\\犬曳尾根取付15:50→16:15日向大谷16:40=両神荘(入浴)=コンビニ
記録  学生さん二人と両神山へ出掛けた。腰越尾根から辺見尾根、一位ヶタワから清滝小屋へ下って泊り、翌日剣ヶ峰へ登り、前東岳から大キギを往復して、天理尾根・犬曳尾根を下降した。

【11月23日】 快晴
 未明に自宅近くでピックアップしてもらい、レンタカーで日向大谷へ向かう。駐車場は既にほぼ満杯で、最後の1台分を残すのみであった。

 登山届をポストに入れ、バス停横の踏跡を下降する。積もった落ち葉を踏みながら、かなり荒れた踏跡を、徒渉点へと進む。薄川の水量は少なめで、濡れずに右岸へと渡る。滝ノ沢出合から少し進み、腰越滝をチラ見する。

 滝ノ沢に入り、左岸の荒れた踏跡を辿って、下ノ滝まで登る。そこから左岸尾根(腰越尾根)を戻り気味に斜上する、薄い道形を辿る。すぐに枝が鬱陶しい倒木に阻まれ、手前から不安定な急斜面に取り付く。これが大失敗で、かなりヤバい登りとなる。

 何とか尾根状に乗ると、やっと足元が安定する。籔は薄いので、その後は快適な尾根歩きとなる。落葉樹の林が続くので、周囲の尾根は垣間見えるものの、スッキリとした展望は得られない。・725を過ぎ、たまに岩場が出現するが、さほど困難は無い。900M肩で最初の休憩を入れる。

 1000M付近の展望岩まで登ると、隣の天理尾根が望まれ、両神主脈も見える。1020M付近からは、幅広尾根斜面を登るようになり、倒木もあり、針葉樹も増えてくる。落ち葉の積もった、傾斜のある登りは、結構しんどい。

 1130M岩峰の北側に至れば、その切り立つ北西壁が目に入る。正解ルートは、岩峰東面の岩根を辿る巻道である。岩根を斜上して、岩峰東稜のギャップへ向かい、さらに岩峰南面の踏跡を辿り、岩峰西側で尾根に戻る。

 1130M岩峰西側から、尾根を少し進めばすぐに、1180M岩峰東側に至る。ここは直登も可能だが、岩峰西面の下りがややこしいので、南面を巻くのが正解だ。岩峰南面の崩れ易い斜面を登り、西コルに出る。ここで、二度目の休憩とする。

 西コルから先は、幅広尾根の落葉樹林帯斜面を登って行く。倉沢ノ頭が近付き、岩場下に出たら、右に回り込んでから岩稜に乗る。黒木の藪尾根を登って、倉沢ノ頭を越える。コルまで下り、いよいよ辺見岳北峰への最後の登りだ。

 基本的には尾根沿いを登るが、岩場で右から登る巻道に入る場所が、二ヶ所ある。凹角を登ったりして、尾根に戻る。黒木の藪を漕いで、辺見岳北峰へと到達する。

 辺見岳北峰で、展望を楽しみつつ大休止しよう。ジェットボイルは、500mlの水が、2分強で沸騰する。各自好みの飲み物を頂く。ここからの両神主脈も、なかなか味がある。三芳岩の右奥には、白い頂が見えるが、木曾御嶽だろうか。西岳新道の尾根越しには、浅間山が望まれる。明日訪れる予定の天理岳越しに、二子山の岩壁が見える。

 辺見岳北峰からの下りでは、急斜面の下降で、細引を使用する。登り返した藪っぽい南峰からは、南西方面のみ、展望が得られる。南峰から西に続く尾根を辿ると、岩稜が始まる。小さなコル状から、南面のルンゼ右岸を下り、岩根沿いの踏跡を辿って下巻く。一旦尾根に戻り、再度岩稜南面バンドの踏跡を辿り、岩根下に降り立つ。

 岩稜帯を過ぎると、穏やかなキワダ平に出る。気持の良い林の中で、小休止しよう。1351Pを越え、続く二つ目のピークからの下りは、要注意だ。まっすぐの尾根筋は、すぐに小森川側の谷に落ち込むので、右手の尾根を下ろう。

 1325Mコルから1410Mのエビヅルノ頭まで、頑張って登り返す。ここには、天狗トリオが、両神山を仰いでいる。天狗トリオのそばで、最後の休憩をする。エビヅルノ頭からの下りは、天狗トリオの正面左後ろだ。始めは尾根がハッキリしないが、やがて踏跡が明瞭になり、コルに降り立つ。

 エビヅルノ頭先のコルから、一つピークを越え、三笠山東岩峰手前コルから、南面を岩根沿いに下巻く。東岩峰西コルに登り返し、三笠山を越える。山頂には、三体の神像が立っている。ロープが張られた一位ヶタワは、荒れ果てている。一位ヶタワから、落ち葉の降り積もった廃道を辿り、清滝小屋を目指す。最後の方で踏跡を外したが、強引に斜面をトラバースして、テント場の上に出る。

 当初、テント泊の予定であったが、立派な小屋の誘惑に負けて、小屋に泊ることにした。清滝小屋には、十数名の先客がいた。水場が涸れており、弘法井戸まで水汲みが必要であった。

【11月24日】 快晴
 朝日を浴びて、小屋を後にする。小屋裏の清滝を見に行くが、水は殆ど流れていない。斜面をジグザグに登り、産泰尾根に乗る。尾根道の岩場には、鎖とロープが固定されている。

 両社のピークに至ると、両神神社の鳥居をくぐる。鼻面の長い、狛狼が迎える。隣には、御岳神社があり、こちらも狛狼だ。かつて休憩舎のあった広場で、最初の休憩をする。最低鞍部に荷を置いて、かねてより気になっていた、男笹清水を探しに行ってみた。薄い踏跡は落ち葉に埋もれ、しばらくトラバースするも、不明であった。

 富士見坂を登り、剣ヶ峰山頂に至る。既に、数名の先客がいた。快晴なので、雁峠越しに富士山が姿を見せている。南八ヶ岳の山々が、少し白くなっている。八丁峠越しには、浅間山が望まれる。大展望に満足し、そろそろ大キギと天理尾根に向かおう。

 前東岳への縦走路にも、鎖場がある。前東岳に荷物をデポし、金山岳から東岳とのコル付近へと下る。この辺りに、大キギへの入口がある。薄い踏跡を辿って、大キギコルへの下降尾根へとトラバースする。下降尾根に出た所で、目印代わりにスリングを木枝に懸けておく。コルを目指し、籔っぽい下降尾根を下る。

 大キギコルは、両側が急斜面の馬ノ背状だ。始めは、岩稜南東面のバンドを斜上し、岩稜を跨いで北西面バンドに降り立つ。北西面バンドの足元は、スッパリ切れ落ちているが、立木があるので恐怖感は無い。バンドを慎重に斜上し、細引を要所に残置して登る。再び尾根上に戻り、尾根伝いに登って行く。黒木の籔尾根、脆い岩の肩状を経て、大キギ頂上に至る。なかなか踏むことの無い、貴重な頂だ。

 帰り道も、脆い岩の肩の通過に注意して、慎重に下る。残置しておいた細引を回収し、コルを経て登り返す。目印のスリングも回収し、前東岳へと戻る。

 前東岳で荷を背負い、樹林帯の斜面を下降する。八景岩の露岩帯を慎重に下って行くと、左手に大キギ・小キギが見えて来る。痩せ尾根の急降下を続け、ギャップから登り返して1510MPに至る。このピークからは、大キギは聳え立ち、小キギも間近に対峙する。

 更に大下りして、登り返せば、顕著な1306Pに至る。ここからは、大キギ・小キギも大分遠く見える。スズノ頭を越え、1140M岩峰西壁を攀じ登る。1145Pを越えると、最低鞍部は近い。天理岳が近付くと、林床の笹が目立つ登りとなる。次第に傾斜が増し、最後の急登をこなして、天理岳北峰・南峰コルに出る。

 天理岳南峰にて、最後の休憩を入れる。お湯を沸かして、お茶をたっぷり飲む。既に午後2時半を過ぎ、奈良尾沢峠経由では暗くなりそうだ。エスケープの犬曳尾根を選択しよう。天理岳南峰からの下り始めは、ザレた急斜面で、鎖場もある。やがて落ち葉の山道となり、歩き易くなる。

 1083.6三角点手前で右に下る、犬曳尾根下降点を捜しながら進むと、それらしき踏跡と目印があった。予想外に踏まれているらしい。尾根が細くなるにつれ、踏跡は次第にハッキリとして来る。920M付近から尾根筋が不明瞭になるが、その分目印が助けてくれる。目印無しでは、かなり苦労しそうな、暗い樹林帯斜面の下りが続く。最後は、崩れ易い落ち葉急斜面を下って、日向大谷からの表参道に降り立つ。

 午後4時前に、一般道に降り立つことが出来た。あとは、表参道を日向大谷へひたすら歩く。国民宿舎両神荘の温泉に入り、帰宅の途に就く。

ヤマレコ版山行記録はこちら

GPS軌跡

アルバム

日向大谷駐車場
腰越滝
下ノ滝
1000M展望岩より天理岳方面を望む
1000M展望岩より両神剣ヶ峰方面を望む
1060M付近を登る
1100M付近
1130M岩峰北西壁
1130M岩峰東面巻き
1130M岩峰の岩根を斜上
1130M岩峰東稜を回り込む
1180M岩峰東端
1180M岩峰南面を巻く
西コルから1180M岩峰を振り返る
1180M岩峰西コルから幅広尾根を登る
辺見岳北峰への岩場
北峰への岩場
辺見岳北峰から両神主脈
辺見岳北峰から天理岳・二子山
三芳岩の右奥には八ヶ岳か木曽御嶽?
辺見岳北峰から浅間山
北峰からの下りでロープを出す
辺見岳南峰からの展望
南峰西岩稜南面の下り
南峰西岩稜南面の下り
キワダ平
エビヅルノ頭の天狗トリオ
エビヅルノ頭より両神主脈
南西コルよりエビヅルノ頭を振り返る
三笠山東岩峰南巻
一位ヶタワ
一位ヶタワ
廃道化した道形を下る
清滝小屋に到着
朝の清滝小屋
ほぼ水流のない清滝
産泰尾根を登る
産泰尾根鎖場
両神神社
御岳神社
剣ヶ峰より、雁峠と富士山
南八ヶ岳
天狗岳と御座山
奥秩父
武信国境と八ヶ岳
八丁峠と浅間山
縦走路の鎖場を下る
大キギへの入口
大キギコル
北西面バンド斜上
大キギから東岳
大キギから前東岳
八景岩付近より大キギ・小キギ
1510MPより大キギ・小キギ
1306Pより大キギ・東岳・西岳
最低鞍部先にて
天理岳への登り
天理岳から両神山
天理岳からの下り
犬曳尾根下降点
犬曳尾根を下る
犬曳尾根取付付近
表参道に降り立つ
倉沢頭・辺見岳のシルエットを見上げる

MR682_ 天理尾根から剣ヶ峰・七滝遊歩道'12-03

MR639_ 薄川滝ノ沢・辺見岳'10-01

MR598_ 冬期薄川滝ノ沢溯行・腰越尾根下降'08-02

MR587_ 辺見岳「会所尾根」・「腰越尾根」下降'07-05

MR586_ 辺見岳「腰越尾根」・剣ヶ峰'07-05

MR581_ 日向大谷から剣ヶ峰・大キギ'06-12

MR428_ 薄川倉沢・辺見岳・三笠山'01-12

MR425_ 天理岳・剣ヶ峰・七滝沢遊歩道'01-11

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