冬期薄川滝ノ沢溯行・腰越尾根下降(両神)

date 2008/2/24 晴(強風)
コース 日向大谷駐車場〜滝ノ沢下ノ滝〜間ノ滝〜玉簾滝〜1020M左岸枝沢〜1180M岩峰東端〜腰越尾根下降〜滝ノ沢下ノ滝〜薄川腰越滝〜日向大谷駐車場
実働 登り:3h50m、下り:1h55m、計:5h45m。
概要 新雪強風の滝ノ沢溯行、玉簾滝氷瀑巻き、左俣白糸氷瀑確認、腰越尾根下降。
メンバー すうじい(単独)
使用装備 登山靴、アイゼン、ヘルメット、ピッケル、E-1、11-22mmF2.8-3.5、μ725SW
不用装備 アイスハンマー、8mm x30mザイル、ハーネス、8環、ED7-14mmF4
行程 →:山道、**:アイゼン、:溯行、\\:藪漕ぎ、車:=。
【2月24日】 小雪のち晴(強風)
自宅3:30=6:30日向大谷駐車場7:40→**下ノ滝7:58**間ノ滝入口8:25**間ノ滝ゴルジュ上8:45**795M 9:15**9:45玉簾滝10:20**玉簾滝上10:38**2段8m2条11:00**11:35 1020M左岸枝沢出合11:55**1180M岩峰東端12:25**1010M肩13:10**13:55 725P 14:00**14:10下ノ滝14:15**14:20腰越滝14:30**→14:40日向大谷駐車場15:10=17:35自宅
記録  薄川の滝ノ沢には、玉簾滝という霧降状の滝がある。水量の少ない時期には、パッとしない滝なのだが、厳冬期には、立派な氷瀑が出現する。夏の溯行記録:滝ノ沢〜辺見岳'02-06は、MR442。前々回の玉簾滝氷瀑見物'03-02は、MR463、前回の玉簾氷瀑偵察'06-01は、MR558。今回は、その上流へと向かい、1010M左俣に懸かる白糸氷瀑も確認した。

 また、辺見岳から派生する腰越尾根を、冬期の下降に利用してみた。辺見岳「腰越尾根」・剣ヶ峰'07-05は、MR586。辺見岳「会所尾根」・「腰越尾根」下降'07-05は、MR587

【2月24日】 小雪のち晴(強風)
 少し寝坊をして、自宅を出る。関越道を走行中に、小雪が舞い始め、かなりビビる。花園ICからR140を辿り、秩父でR299に乗り換える。小鹿野バイパスのコンビニで、食糧を調達し、日向大谷へと向かう。途中、僅かに凍結箇所もあったが、ノーマルタイヤのまま、慎重走行で辿り着く。

 バス停横の駐車場は、うっすら雪が覆い、ワゴン車が1台停めてあった。雪・砂・小枝が吹き寄せられ、強風で車が横揺れする中、ちとビビリながら、1時間ほどかけて、モタモタと準備をする。目出帽の上からヘルメットを被り、手にピッケルを持って出発する。

 バス停横から、薄川左岸へと踏跡を下り、徒渉点でアイゼンを装着する。腰越滝は、帰りに見物することにして、滝ノ沢左岸の杣道へと入る。下ノ滝左岸から腰越尾根を戻るように続く、下り着く予定の林道跡を横目で見送り、デジカメで下ノ滝を撮影しておく。

 少し進んでから、歩きにくい新雪のゴーロを辿る。やがて、右岸側へと移り、下ノ滝から30分弱で、間ノ滝入口に到達する。新雪を被った間ノ滝2段5mを撮影後、右岸から越えて、間ノ滝上ゴルジュに入る。

 4段14mの第一段4mは、右岸バンド状から巻き気味に越える。右岸カンテ状から、第二段4mの凍結滝壺へと、慎重にクライムダウン。第二段、第三段4mCSの右壁を登って、左岸カンテ状裏の凹角を、第四段滝壺へと下降する。第四段2mは、左壁を落口へと斜上する。

 新雪ゴーロを進み、途中から右岸杣道跡へと上がり、新雪ラッセルも交え、795M右岸カレ枝沢出合まで30分。ここから杣道跡は左岸へと移り、850M左岸枝沢出合を経て、やがて再び右岸へと移る。左手に、880M右岸ルンゼの氷瀑が見えて来れば、本流の凍結した小滝越しに、玉簾氷瀑も目に入る。890M右岸カレ枝沢出合付近は、無雪期には、大岩や流倒木が堆積して、ややこしい地形となっている。

 本流凍結小滝の右岸沿いに登って行き、右岸カレ枝沢を見送り、雪を被った氷の流れを辿る。直下にある大岩は、右手から迂回せざるを得ない。大岩を右から迂回すると、自然と左岸斜面に乗ることになる。間ノ滝上ゴルジュ出口から1時間で、玉簾滝下に至る。

 滝正面の雪面へと下って、ザックを下ろす。カメラだけ持って、歩き回る。寒いので、新たに購入したステンレス保温水筒の紅茶を飲む。容量1.0Lにしたのは正解で、たっぷり飲めるし、保温効率も良い。パンを頬張りながら、玉簾滝上流へ向かうべく気合いを入れる。

 玉簾滝の巻きは、少し戻って890M右岸枝沢に入り、リッジ裏の凹角を登る。岩を覆う新雪が凍結しておらず、ちと登りにくい。木の根などを掘り出して、ホールドを捜す。最後は、落口近くのカンテ状を辿る。玉簾上流の5mトヨナメは、完全凍結で、氷の上を歩く。夏に左岸巻きに苦労した3mCSも、水流が凍結していれば、楽勝だ。

 2段10m滑滝も完全凍結しているので、中央突破する。その先では、少し水が出ている場所もあった。2段8m2条美瀑は、期待したほど氷が着いておらず、左岸から高巻く。'02-06の時と同様、左岸ガレ窪を登り、木の根を利用して、小尾根に取り付く。

 小尾根に乗ると、1010M二俣を見下ろしながら、バンドを利用して、右俣の4x7m滑2条も巻いてしまう。左俣のトヨナメの上に、30m白糸滝が垂直な氷瀑となって懸かるのが、木々の間から望まれる。左俣上流斜面では、時折、強風に煽られて、雪煙が舞う。

 この先で玉簾ゴルジュは終わり、開けた新雪ゴーロに降り立てば、1020M左岸枝沢出合となる。'02-06の溯行時には、この左岸枝沢をどうして見落としたのであろうか。予想通り、この枝沢は、緩やかな開けた地形である。腰越尾根へのツメに備え、安心して休憩しよう。

 始めは新雪ゴーロ登りで、次第に雪が腐って行き、アイゼン団子となる。最後は落ち葉の斜面となり、アイゼンに枯葉が分厚くくっついて難色であった。枝沢出合から、丁度30分の登りで、狙い通り、腰越尾根の1180M岩峰東端に突き上げる。

 そのまま尾根を辿り、1130M岩峰を右から迂回して、どんどん下って行く。1060M付近では、右下に、気持ち良さげな雪原となった、禁断の平坦地形が現れる。おそらく、滝ノ沢860M左岸枝沢ルンゼ源頭なのであろう。前回'07-05の腰越尾根下降では、この辺りで、ミスルートしかかったので、心してルートを見定める。

 特徴的な姿の針葉樹の生えた、1010M肩まで下ると、両神主脈が展望出来る。980M肩から先では、かなり傾斜が強くなるが、これを下ると900M肩で、かなり歩き易くなる。800Mの岩場も、左から容易く巻き下り、日向大谷の集落が、木々の合間に垣間見えるようになる。

 725Pを過ぎ、やがて崩れ易い急斜面となると、下ノ滝付近の林道跡へと下り着く。腰越尾根の下降は、予想外に順調だった。下ノ滝の撮影をしておこう。左岸沿いの杣道を辿り、出合から少し本流を溯り、腰越滝の撮影をする。滝壺右岸の暗い洞窟状に、氷柱が下がっているのに気付く。

 本流を徒渉し、アイゼンを外す。登り返しに喘いで、日向大谷バス停横駐車場に辿り着くと、今朝方のワゴン車は消えていた。代わりに、もう一台の車が停まっていた。車の男性から、声を掛けられた。間ノ滝まで二人で行ったが、同行者のみ玉簾滝へ向かったとのこと。こんな風の強い日に、物好きはいるものだ、と自分のことは棚に上げて思った。

 この日は、2時間半ほどで帰宅出来た。その夜判明したことだが、駐車場で会った男性は、いっきさんであった。そしてその同行者とは、あっきーさんであった。

溯行概念図

アルバム

間ノ滝
間ノ滝上ゴルジュ
4段14m下部
4段14m第二段4m
4段14m滝下部俯瞰
前衛小滝と玉簾滝
玉簾滝
玉簾滝
玉簾滝
玉簾滝上ゴルジュ
2段10m滑滝
ゴルジュ俯瞰
2段8m2条
左俣30m滝
下ノ滝
本流腰越滝

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