薄川滝ノ沢・辺見岳(両神)

date 2010/1/31 曇時々晴
コース 日向大谷〜薄川滝ノ沢〜1020M左岸枝沢〜倉沢ノ頭〜辺見岳〜一位ヶタワ〜清滝小屋〜日向大谷
実働 登り:4h15m、下り:3h05m、計:7h20m。
概要 左俣ノ滝氷瀑見物、雪の無い辺見尾根。
メンバー すうじい(単独)
使用装備 登山靴、アイゼン、ピッケル、ヘルメット、ストック、μ725SW、E-1、ED12-60mmF2.8-4SWD、ED9-18mmF4-5.6、テルモス、GPS、携帯電話
不用装備 8mmx30mザイル、ハーネス、8環、アイスアックス
行程 →:山道・踏跡、:溯行、\\:藪漕ぎ・踏跡無し、**:アイゼン、車:=。
【1月31日】 曇時々晴
自宅3:30=5:10小鹿野コンビニ5:30=5:50日向大谷6:50→**8:40玉簾滝9:25**1010M二俣左俣ノ滝10:30**10:40 1020M左岸枝沢出合11:00\\11:25 1180M岩峰西コル11:30\\倉沢ノ頭11:50\\12:15辺見岳12:35\\→一位ヶタワ14:00→清滝小屋14:20→15:10会所15:25→15:55日向大谷16:15=16:50吉田コンビニ17:10=花園IC 17:55=19:20自宅
記録  玉簾滝氷瀑を見物し、辺見岳まで登ろうと考え、薄川滝ノ沢を溯行してきた。雪は全くと言って良いほど見当たらず、滝の凍結度も低かったが、それなりに楽しい山行となった。

【1月31日】 曇時々晴
 日向大谷までの県道は、雪・凍結共に皆無であった。バス停横の駐車場に駐車する。準備をしていたら、数台の車が到着した。登山計画書を登山届ポストに投函し、薄川へと下る。滝ノ沢出合から少し先の腰越滝をチラ見したが、全く氷が無い。

 滝ノ沢に入り、左岸沿いの杣道を進むが、下ノ滝も凍結度ゼロ。玉簾滝も氷瀑の期待は無理かなと、気分は落ち込む。下ノ滝の上流でゴーロに降り、655M右岸カレ枝沢出合を過ぎて、右岸斜面に取り付く。どうせ間ノ滝ゴルジュも凍結していないだろうから、ゴルジュ通しでは濡れそうだ。ゴルジュ内右岸トラバースも、結構大変なので、いっそのこと右岸高巻き杣道の利用を目論む。

 右岸斜面を40Mほど登ると、廃道化した杣道の道形に出る。この杣道、実はこの先、かなりヤバイ箇所があるのだ。トラバースの道形を辿って行くと、やがて眼下に間ノ滝ゴルジュを見下ろすようになる。この先のトラバースは、もはや道形とは言えないルートとなっている。急斜面の落ち葉に埋もれたルートを、足で慎重に探りながら、ピッケル片手に辿ることにしよう。

 核心部を通過しても、まだまだ不安定なトラバースが続く。そのまましばらく、右岸トラバースを続けるが、崩壊した急斜面のトラバースにウンザリしてくる。踏跡も不明瞭になるので、適当なところからゴーロに降り立つ。

 大岩の転がるゴーロを進むのは消耗なので、800M付近で左岸に移り、トラバース気味に進んで行く。880M付近で、ゴーロは氷の階段状に変化してくる。これは、なかなか魅力的な光景だ。沢床へと接近し、アイゼンを装着する。

 氷の階段と枯れ枝越しに、玉簾滝氷瀑が見えて来た。左岸斜面を登って行くと、玉簾滝正面の斜面に到達する。玉簾滝は、一応凍結しているが、残念なことに、一部が崩落してしまっている。ここは、今回の主目的でもあるので、ザックを下ろして、撮影を開始しよう。テルモスのコーヒーを飲んだりして、ここで45分ほど費やした。

 再びザックを背負い、斜面を下って玉簾滝下流に出る。右岸のカレ枝沢のゴーロを少し登ると、凹角状があるので、木の根頼りにそこを登る。玉簾滝落口上も、凍結は甘い。3mCS滝は、水流沿いの氷を騙して登る。

 一昨年は、完全凍結していて中央突破出来た2段10m滑滝も、今回は'02-06の時と同様、下段は左壁を登り、上段はそのまま右岸を木の根頼りに小さく巻く。1010M二俣手前の8m滝は、少し戻って小尾根に取り付き、泥ルンゼ状に入って、木の根が使える場所まで登って高巻く。

 今回は、左岸トラバースを途中で止め、1010M二俣の上の左岸ルンゼを下降する。凍結した左俣滑滝群を慎重に越えて、左俣ノ滝直下へと迫る。左俣ノ滝は、垂直部分が15mほど、その上に10mほどのトヨナメ部分がある。垂直部分の下に、滝壺と思しき場所まで5mほどの滑滝状があるので、全部で落差30mほどであろうか。

 帰りは凍結滑滝を避けて、二俣へは下らず、右岸斜面をトラバースし、1020M左岸枝沢出合へと簡単に到達する。ここは、一昨年のツメルート入口である。今回は、全く雪が無い。小休の後、ゴーロ沢に沿って登って行く。

 腰越尾根に乗る直前の斜面にも、雪は全く着いていなかった。一昨年は、腰越尾根を下降したので、1180M岩峰東端を目指した。今回は、無雪期と同様の速さで登れそうだとの感触に、強気になって辺見岳を目指すつもりで、1180M岩峰西コルへと向かう。

 1020M左岸枝沢出合から、25分の登りで、1180M岩峰西コルに到達する。西壁は、'07-05の腰越尾根を登った時、飛び降りた場所である。

 コルから南西に向けて、尾根を登る。途中、左手に緩傾斜地形を見て、20分ほどの登りで、1280M倉沢ノ頭に至る。倉沢ノ頭は、黒木に覆われた藪っぽい岩峰であるが、なんとか展望を得ることが出来る。逆光に聳える黒木のピークが、目指す辺見岳北峰である。

 倉沢ノ頭から、25分の藪尾根登りで、辺見岳北峰に至る。途中、2ヶ所の岩場は、右手から巻くように登る。北峰山頂には、シンボル的な小岩があり、その前で展望を楽しみながら休憩する。

 北峰から一旦コル状へと下り、南峰へと登り返す。辺見尾根を、一位ヶタワ方面へと縦走開始する。南峰からの下降開始は、南面のザレたルンゼ状だ。滑落せぬよう、慎重に下る。岩稜の南面を岩根に沿うようにして下って行くと、やがてキワダ平の鞍部に至る。落葉樹の疎林は、気持ちが良い場所だ。

 幾つかの小ピークを越えて尾根を辿ると、踏跡は天狗トリオの立つ1410Mエビヅルノ頭の南西面をトラバースして、1385M西コルに至る。この先の尾根上には、索道跡が残る。1400M岩壁手前から、左手に少し下って、三笠山東の岩根を下巻く。再び稜線に乗って少し登れば、三笠山の山頂で、天照・八幡・春日の三大神像が、両神山に向かって立っている。

 辺見岳から1時間半ほどで、一位ヶタワに至る。一位ヶタワでは休憩もせず、清滝小屋へ向けて、落ち葉の積もった廃道を下って行く。一位ヶタワへと突き上げるカレ窪の左岸側を、ジグザグに下って行き、やがてカレ窪のゴーロに出る。再びカレ窪の左岸へと移ると、廃道は清滝小屋へとトラバースして行く。テント場を抜け、清滝小屋の前に出る。

 清滝小屋は、最近無人となったようだ。非常時には避難小屋として利用するように、掲示してある。弘法井戸では、相変わらずチョロチョロと水が湧き出ていた。白藤滝も、氷瀑はさほど期待出来ないと思い、パスしてひたすら下る。

 薄川本流である清滝沢の右岸には二度渡り、左岸に戻ってしばらく行くと、岩の窪みに不動像が立っている。昔は清滝沢左岸沿いの岩の上に立っていたという、荒沢不動なのであろうか。七滝沢を渡って、会所のベンチで休憩する。結局、日向大谷に戻るまで、山の中では誰にも遭わずじまいであった。

GPS軌跡

溯行概念図

アルバム

薄川本流腰越滝
滝ノ沢下ノ滝
間ノ滝右岸杣道を振り返る
間ノ滝右岸杣道
間ノ滝右岸杣道からゴルジュ俯瞰
間ノ滝右岸杣道トラバース核心部
トラバース核心部を振り返る
間ノ滝右岸杣道からゴルジュ俯瞰
まだまだ続く右岸杣道
トラバースを振り返る
880M付近、左岸杣道から見た氷の階段
玉簾氷瀑現る
玉簾左岸斜面より玉簾滝氷瀑
玉簾滝氷瀑
玉簾滝氷瀑
玉簾滝氷瀑
玉簾滝氷瀑
玉簾滝氷瀑
玉簾滝氷瀑
少し下流へ戻って、玉簾氷瀑
890M左岸枝沢から玉簾滝氷瀑を振り返る
玉簾右岸巻きは、890M右岸枝沢左岸、木の根の張った凹角を登る
2段10m滑滝
8m滝左岸巻き
1010M二俣左俣30m白糸状滝氷瀑(左俣ノ滝)
左俣ノ滝氷瀑
左俣ノ滝氷瀑
下から見上げる左俣ノ滝氷瀑
右俣右岸斜面から左俣ノ滝氷瀑
1020M左岸枝沢出合
1180M岩峰西コルから1180M岩峰西壁
1180M岩峰西コルから、これから登る斜面
倉沢ノ頭から両神山
倉沢ノ頭から辺見岳北峰
辺見岳北峰山頂
辺見岳北峰から両神山
辺見岳北峰から浅間山
辺見岳北峰から天理岳(左手前)と二子山
辺見岳北峰から三芳岩・辺見尾根と両神山
南峰下降ルンゼ
キワダ平鞍部
三笠山東岩根下巻き
三笠山トリオ
一位ヶタワの祠
一位ヶタワから下る
一位ヶタワを振り返る
清滝小屋へトラバース
清滝小屋
荒沢不動?

MR692_ 滝ノ沢・辺見岳'12-12

MR598_ 冬期薄川滝ノ沢溯行・腰越尾根下降'08-02

MR586_ 辺見岳「腰越尾根」・剣ヶ峰'07-05

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