薄川滝ノ沢・辺見岳(両神)

date 2012/12/28 曇のち小雪
コース 日向大谷〜薄川滝ノ沢〜1020M左岸枝沢〜倉沢ノ頭〜辺見岳〜一位ヶタワ〜清滝小屋〜日向大谷
実働 登り:4h45m、下り:4h05m、計:8h50m。
概要 玉簾滝氷瀑偵察、雪の無い辺見尾根。
メンバー すうじい(単独)
使用装備 登山靴、アイゼン、ピッケル、ヘルメット、ストック、コンデジTG620、E-P2、ED9-18mmF4-5.6、保温水筒、GPS、携帯電話、ヘッドライト
不用装備 8mmx30mザイル、ハーネス、8環、ED14-150mmF4-5.6
行程 →:山道・踏跡、:溯行、\\:藪漕ぎ・踏跡無し、**:アイゼン、車:=。
【12月28日】 曇のち小雪
自宅3:30=5:10小鹿野コンビニ5:30=6:00日向大谷6:55→\\7:55間ノ滝高巻8:15**9:15玉簾滝9:45**美ナメ8m 10:30**10:55 1020M左岸枝沢出合11:05\\11:25 1180M岩峰西コル11:40\\12:45辺見岳13:15\\→一位ヶタワ15:28→15:45清滝小屋16:00→会所17:00→17:35日向大谷17:55=18:30小鹿野コンビニ19:00=21:00自宅
記録  玉簾滝氷瀑を偵察し、辺見岳まで登ろうと考え、薄川滝ノ沢を溯行してきた。雪は全くと言って良いほど見当たらず、滝の凍結度も低かったが、それなりに充実した山行となった。

【12月28日】 曇のち小雪
 日向大谷までの県道は、雪・凍結共に皆無であった。バス停横の駐車場に駐車する。準備をしていたら、一台の車が到着した。山行計画の概要を話して、薄川へと下る。滝ノ沢出合から少し先の腰越滝をチラ見したが、全く氷が無い。

 滝ノ沢に入り、左岸沿いの杣道を進むが、下ノ滝も凍結度ゼロ。玉簾滝も氷瀑の期待は無理かなと、気分は落ち込む。下ノ滝の上流でゴーロに降り、655M右岸カレ枝沢出合を過ぎて、右岸斜面に取り付く。どうせ間ノ滝ゴルジュも凍結していないだろうから、ゴルジュ通しでは濡れそうだ。ゴルジュ内右岸トラバースも、結構大変なので、前回同様、右岸高巻き杣道の利用を目論む。

 右岸斜面を40Mほど登ると、廃道化した杣道の道形に出る。この杣道、この先、かなりヤバイ箇所があるのを前回経験している。アイゼンを装着し、トラバースの道形を辿って行くと、やがて眼下に間ノ滝ゴルジュを見下ろすようになる。この先のトラバースは、もはや道形とは言えないルートとなっている。急斜面の落ち葉に埋もれたルートを、足で慎重に探りながら、ピッケル片手に辿ることにしよう。

 核心部を通過しても、まだまだ不安定なトラバースが続く。そのまましばらく、右岸トラバースを続けるが、崩壊した急斜面のトラバースにウンザリしてくる。踏跡も不明瞭になるので、適当なところからゴーロに降り立つ。

 大岩の転がるゴーロを進むのは消耗なので、800M付近で左岸に移り、トラバース気味に進んで行く。880M付近で、ゴーロは氷が目立つようになる。沢床へと接近し、再び右岸側へと移る。枯れ枝越しに、白い玉簾滝が見えて来た。

 玉簾滝下に到達し、ザックを下ろして、撮影を開始しよう。玉簾滝は、一部凍結しているが、上半分の流心が露出している。保温水筒のコーヒーを飲んだりして、ここで30分ほど費やした。

 再びザックを背負い、右岸のカレ枝沢のゴーロを少し登ると、凹角状があるので、木の根頼りにそこを登る。玉簾滝落口上も、凍結は甘い。3mCS滝は、水流沿いの氷を騙して登る。

 '08-02の時は、完全凍結していて中央突破出来た2段10m滑滝も、今回は'02-06の時'10-01の時と同様、下段は左壁を登り、上段はそのまま右岸を木の根頼りに小さく巻く。ここは、始めから左岸側バンドを巻いた方が楽そうだ。1010M二俣手前の8m滝は、少し戻って泥ルンゼ状に入って、木の根が使える場所まで登って高巻く。

 今回も、左岸トラバースを途中で、1010M二俣の左俣ノ滝が凍結しているのを垣間見るが、先を急ぐ。トラバースルートは、以前よりも少し悪くなっていたが、1020M左岸枝沢出合へと無事に到達する。ここは、'08-02及び'10-01時のツメルート入口である。前回同様、今回も全く雪が無い。少し枝沢の涸れゴーロを登り、アイゼンを外す。

 腰越尾根に乗る直前の斜面にも、雪は全く着いていなかった。'08-02時は、腰越尾根を下降したので、1180M岩峰東端を目指した。今回も、'10-01時同様、無雪期と同様の速さで登れそうだとの感触に、強気になって辺見岳を目指すつもりで、1180M岩峰西コルへと向かう。

 1020M左岸枝沢出合から、25分の登りで、1180M岩峰西コルに到達する。西壁は、'07-05の腰越尾根を登った時、飛び降りた場所である。

 コルから南西に向けて、尾根を登る。途中、左手に緩傾斜地形を見て、1280M倉沢ノ頭に至る。倉沢ノ頭への最後の登りは、尾根沿いに直登してしまったが、倉沢側から登るのが正解かも知れない。

 倉沢ノ頭から、さらに藪尾根登りで、辺見岳北峰に至る。途中、2ヶ所の岩場は、右手から巻くように登るのが正解だが、少しややこしい所を登ってしまった。北峰山頂には、シンボル的な小岩があり、その前で展望を楽しみながら休憩する。

 北峰から一旦コル状へと下り、南峰へと登り返す。辺見尾根を、一位ヶタワ方面へと縦走開始する。南峰からの下降開始は、南面のザレたルンゼ状だ。滑落せぬよう、慎重に下る。岩稜の南面を岩根に沿うようにして下って行く。次の岩峰は、途中から南面へと下る。踏跡は、年々薄くなっているような気がする。やがてキワダ平の鞍部に至る。落葉樹の疎林は、気持ちが良い場所だ。

 時折、小雪が舞い、寒々としてくる。幾つかの小ピークを越えて尾根を辿ると、踏跡は天狗トリオの立つ1410Mエビヅルノ頭の南西面をトラバースして、1385Mエビヅルノ頭西コルに至る。この先の尾根上には、索道跡が残る。

 三笠山1400M東岩峰南東壁手前コルから、直登を避け岩根沿いに左手へと少し下る。三笠山東岩峰を下巻くように、岩根沿いに稜線まで登り返す。再び稜線に乗って少し登れば、三笠山の山頂で、天照・八幡・春日の三大神像が、両神山に向かって立っている。

 辺見岳から2時間強で、一位ヶタワに至る。休憩もせず、清滝小屋へ向けて、落ち葉の積もった廃道を下って行く。一位ヶタワへと突き上げるカレ窪の左岸側を、ジグザグに下って行き、やがてカレ窪のゴーロに出る。再びカレ窪の左岸へと移ると、廃道は清滝小屋へとトラバースして行く。テント場を抜け、清滝小屋の前に出る。

 清滝小屋前のベンチで、最後の行動食とコーヒーを摂る。午後4時に小屋を後にするが、途中暗くなるのは必至だ。小屋下の登山道は、凍結していたが、アイゼンは使わず下る。弘法井戸では、相変わらずチョロチョロと水が湧き出ていて、道が氷結していた。白藤滝も、パスしてひたすら下る。

 薄川本流である清滝沢の右岸には二度渡り、左岸に戻ってしばらく行くと、岩の窪みに不動像が立っている。ヘッドライトを点灯し、やがて七滝沢を渡って、会所を過ぎる。日向大谷に戻るまで、山の中では誰にも遭わずじまいであった。

 車のフロントガラスに、雪がうっすら積もり、道路の積雪が心配されたが、ノーマルタイヤでも、ゆっくりと下れば問題無かった。

GPS軌跡

アルバム

下ノ滝
極めて薄い間ノ滝右岸高巻道
右岸高巻道より間ノ滝ゴルジュ俯瞰
右岸高巻道
右岸高巻道を振り返る
進むにつれ、更に不明瞭になる右岸高巻道
玉簾滝が見えてきた
玉簾滝
玉簾滝
玉簾滝
玉簾滝
8m美滑滝
1010M左俣滝
1020M左岸枝沢
1180M岩峰南壁を右手に見て登る
1180M岩峰西コル
辺見岳から両神山
辺見岳から両神山
辺見岳から浅間山
辺見岳南峰下降路上部を振り返る
辺見岳南峰下降路
辺見岳南峰下降路を振り返る
キワダ平
三笠東岩峰南東壁
三笠山東岩根下巻
三笠山のトリオ
三笠山のトリオ
大天狗
三宝荒神
摩利支天

MR639_ 薄川滝ノ沢・辺見岳'10-01

MR598_ 冬期薄川滝ノ沢溯行・腰越尾根下降'08-02

MR586_ 辺見岳「腰越尾根」・剣ヶ峰'07-05

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