赤石岳・荒川三山(南ア赤石)

MR154 赤石岳・荒川三山(南ア赤石)

date 1982/12/30-83/1/3
コース 長草利〜畑薙第一ダム〜椹島〜赤石小屋〜ラクダのコブ〜小赤石岳〜赤石岳〜小赤石岳〜大聖寺平〜2694コル〜荒川小屋上〜荒川前岳〜中岳〜悪沢岳〜千枚岳〜万斧沢ノ頭〜二軒小屋〜転付峠〜八丁峠〜広河原〜田代入口〜新倉
実働 第1日:6h25m、第2日:5h40m、第3日:5h53m、第4日:7h10m、第5日:4h45m、計:29h53m。
メンバー Tg氏(L)、すうじい、O君
概要 好天に恵まれた冬合宿、赤石山脈核心部縦走。
行程 →:ツボ足、**:アイゼン、=:バス
【12月30日】 晴
井川ダム6:15=6:55長草利7:15→8:05畑薙第二ダム8:20→9:20畑薙第一ダム9:50→10:05登山指導センター10:20→11:00トンネル11:10→12:10中ノ宿手前12:20→13:10休13:20→14:15聖沢橋14:35→15:30椹島(幕営)

【12月31日】 快晴
椹島6:30→7:20休7:35→8:30林道8:45→9:45休10:00→10:55 2325Pの先11:20→12:30赤石小屋13:10→14:00富士見平(幕営)

【1月1日】 快晴
富士見平5:55**7:20休7:35**7:50 2940Mコル8:00**9:10石の台地9:15**9:40小赤石岳9:45**10:15赤石岳10:20**10:23赤石岳避難小屋11:00**11:40 3030P 11:50**12:05ダマシノ平13:05**大聖寺平13:35**2694コル14:05**14:15荒川小屋上(幕営)

【1月2日】 快晴
荒川小屋上6:10**7:15 2900(三本稜の頭)凹地7:25**荒川前岳7:55**中岳8:10**8:15休8:30**9:55悪沢岳10:30**11:25千枚岳11:45**12:40万斧沢ノ頭13:10→14:05休14:25→15:30二軒小屋(幕営)

【1月3日】 快晴
二軒小屋5:45→6:45休7:00→7:35転付峠7:55→8:50保利沢小屋9:10→10:10広河原10:35→田代入口11:35→11:50新倉12:31=13:50身延
記録 【12月30日】 晴
 東京2325発大垣行を待つ行列は長く、座れず。見送りに来てくれた人々、差し入れをしてくれた人々に感謝。メッチャンコの混みようで、ワインの瓶が割れぬかと心配。金谷から大井川鉄道に乗り換えたのは、30人ほど。この時、井川ダムから先のバスは、明神橋付近で崩土のため、その手前までしか行かぬと聞かされ、少し暗い気持ちになる。

 千頭でマッチ箱電車に乗り換え、井川ダムに定刻より早く着いたため、寒い中でバス待ちを強いられる。バスは、長草利という所で降ろされる。2P余計に歩かされて、畑薙第一ダムへ。ダム内の展望室は、ポカポカ陽気。センターで登山届を出し、情報を得る。

 畑薙橋手前の林道流失跡付近では、細かい落石が断続する。初日の荷は重く、両肩に食い込んで、辛い。枯葉の衣も脱いだ木々の間から、偵察時には見えなかった小屋が現れる。センターから5Pで、椹島に到着。小屋が一棟、開放されている。水場のタンクをいじって、水を得易くし、土の出ている所に設営する。渇いた喉にワインが旨く、調理の最中に、眠る者もいた。

【12月31日】 快晴
 朝、出発時に、O君のスパッツがトラブる。昨夜は皆たっぷり眠ったようだが、荷はまだ重い。林道を過ぎた辺りから、雪が深くなる。東尾根の急登は、2480Pを越えれば、タラタラの楽なトラバースとなる。やがて、赤石小屋に至り、赤石岳・小赤石岳・聖岳などの展望を欲しいままにして、大タルミ。

 椹島から6Pで、富士見平に到着。吹き溜まりに設営し、すうじいとO君で、冬ルートへの取付付近を偵察しに出掛ける。先人のトレースが、バッチリ尾根通しに着いており、ハイマツもほぼ雪に埋まって、快適に登れることを確認して、引き返せば、Tgリーダーが、ココアを用意して待っていた。

【1月1日】 快晴
 元旦の朝も、満天の星。アイゼンを着け、ランプを点して出発。偵察時には大いに苦労した針葉樹のブッシュも、適当に雪に埋まり、快適に登降して、ラクダのコブを通過する。2Pで2940Mコルに至る。

 ここでザイルを出し、O君トップで、Tg氏が確保する。すうじい、暇なので、写真を撮る。ザイル40mでは、今一つ足りず、やや中途半端な所で、O君が確保。すうじいミッテルで、ほとんど効いてないプルージックで登り、そのままビレー解除して、「石の台地」の安全地帯まで登り切る。ラストのTg氏が登り、ツルベで安全地帯まで来て、O君が登り、ザイルを巻く。

 昨夜、赤石小屋に泊まったと思しき、後続パーティが、やって来ている。「石の台地」の終わりから、小赤石岳直下に至る「ザレザレ登り」は、雪で覆われてはいるが、雪がやや緩く、注意を要する。その後は、単なる登りで小赤石岳山頂だ。後続パーティは、ノーザイルで登って来るようだ。

 赤石岳への登りは、結構きつく、風も冷たい。ここまで来ると、人が多いのに驚く。山頂で写真を撮って、避難小屋へ下り、大タルミ。赤石岳を後にして、小赤石岳へと向かうと、女の子2人パーティが、ヤッケも着ないで、東尾根上部を、黙々と登ってくる。うーむ、凄いもんだ。

 3030Pからダマシノ平への急な下りは、アイゼンが良く効いて快適だが、どんどん下るうちに、膝や足首が痛くなる。ダマシノ平の平坦地に降りた頃、すうじいの膝が痛くなり、歩けない状態になる。やむなく、一時間の大タルミをする。風も止み、春山気分の雪原で、アイスハーケンを取り出して遊ぶ。

 大聖寺平へ下り、尾根通しに2694凹地コルまで進んで、荒川小屋上の緩い雪の斜面に設営せんと下る。テント内から、入口を通して富士を眺望出来る、素敵なサイトだ。

【1月2日】 快晴
 撤収してトレースを追い、尾根沿いに前岳へと向かう。問題の三本稜は、中央の岩稜の右側のルートを登る。無雪期には、ガレガレの浮石の急斜面だが、今は雪が凍ってフィックスされ、快適に登れる。登り切った所にある、2900M凹地で小休。さらに、尾根伝いに前岳に至り、中岳を越えた所で小休。

 トレースが雪の柱となって残っている、面白い景色をカメラに収め、やがて悪沢岳への登りである。雪の斜面をカッティングしつつ直登し、夏道通しに左へトラバースし、岩稜を攀じる。再び夏道に出て、あとは夏道通しで山頂に至る。悪沢岳山頂に、エビに似たメンバーが2人もいる「エビ山の会(すうじい命名)」パーティが休んでいたのには、ビックリした。悪沢岳は、赤石岳以上の人出で、常に10人以上の登山者がいる。

 千枚岳へは、ほとんど夏道通りで行く。一部雪が腐ってきて、ハイマツが顔をのぞかせ、うるさい。千枚岳への岩稜部の登りは、大したこともなく通過する。千枚岳山頂から、立派な小赤石岳とその奥の赤石岳をカメラに収め、東へと下る。ハイマツが丁度埋まり、複雑な地形を縫って行く。Tg氏がシリセードをしたりするうち、トラバースの夏道と合流する。

 そこから万斧沢ノ頭までは、暑いの何の・・・。千枚岳から一時間足らずで、万斧沢ノ頭に到着し、ヤッケ等を脱いでしまう。心配されたすうじいの膝も痛み出すことなく、さらに2Pで二軒小屋まで下る。夏より快適に下れる。吊橋直前の下りは、台風の後遺症で、悪い。

 二軒小屋ロッジの軒下に設営して、Tg氏が天気図を取っていると、例の女の子2人パーティが降りて来て、隣にツェルトを張る。負けるのう! 残った食糧を、ここで大胆に食べてしまう。

【1月3日】 快晴
 二軒小屋を後にして1P、落葉松帯になった所で、赤石岳・聖岳などを眺めつつ小休。転付峠でも休み。そのあと3Pで新倉へ。広河原から新倉までの車道歩き1時間15分。これで冬合宿はフィナーレだ。内河内の左岸に、立派な滝が懸かっている。早川を渡ると、新倉はすぐ近くだ。

 バス停ではビールで乾杯。天気に恵まれすぎた今回の合宿も、無事下山出来たことは、目出度い。身延から甲府に出て、上諏訪発の臨時快速に乗ると、車内は八ヶ岳帰りの岳人で混んでいた。

概念図

アルバムT:赤石東尾根〜小赤石岳

アルバムU:赤石岳〜荒川前岳・中岳

アルバムV:悪沢岳〜転付峠

MR144_ 千枚岳南尾根・荒川三山・赤石岳(南ア赤石)'82-10

MR147_ 赤石岳・荒川三山縦走(南ア赤石)'82-10〜11

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