根子岳・四阿山・万座スキー縦走(北上信)

MR160 根子岳・四阿山・万座スキー縦走(北上信)

date 1983/3/14-16 
コース 菅平〜根子岳〜四阿山〜浦倉山〜毛無峠〜御飯山〜万座峠〜万座温泉
実働 第一日:35m、第二日:7h55m、第三日:4h50m、計:13h20m。
メンバー すうじい(単独)
概要 根子岳下りの岩場、四阿山山頂付近のナイフリッジ、破風岳のトラバースが要注意。
行程 →:ツボ足、:シール、**:アイゼン、:スキー

【3月14日】 雪
 上田=菅平高原16:15→16:30ダボスゲレンデ16:4518:05根子岳避難小屋(泊)

【3月15日】 快晴
 根子岳避難小屋6:007:10根子岳7:157:30岩場上7:45**8:05岩場下8:208:30 2039コル8:5010:25四阿山祠10:4510:50板履く10:55四阿山三角点P 11:0511:45 2189P 12:0513:35浦倉山14:0015:10 1779コル15:3516:25土鍋山西コル手前BP(泊)

【3月16日】 晴
 BP 7:409:05毛無峠9:2510:55御飯岳11:151899林道11:3011:50休12:0012:50万座峠13:1013:20万座スキー場林道コース13:2513:35ゲレンデ下13:40→13:50万座バスターミナル・・・ゲレンデでスキーの練習3本・・・万座バスターミナル15:40=万座鹿沢口駅
記録  1月に、Yk君と根子岳スキーツアーに出掛けた。その時、四阿山〜万座温泉のスキーツアーの話が出て、今回の縦走のプランが出来上がった。残念ながら、Yk君は、直前に体調を崩し、参加出来ず、すうじい単独で出掛けることとなった。とにかく、水平距離が長いので、日数・体力に余裕を持ちたいコースと言えよう。

【3月14日】 雪
 Yk君の体調不良で、出発を半日遅らせてはみたものの、やはり参加不能ということになる。やむなく、昼前の急行に乗り、すうじい一人上田へ向かう。駅前のスーパーで、食糧を若干買い足し、菅平高原行バスに乗る。

 菅平高原からダボスゲレンデまで歩き、シールを貼る頃には、雪が舞い始める。1月の山行で、勝手知ったるコースを、せっせと1ピッチ。雪で視界が悪く、やっと避難小屋に到着して、ホッとする。

 立派な避難小屋で、快適な夜を過ごす。22:00の気象通報で、明日の好天を確信し、横になる。

【3月15日】 快晴

 予想通りの快晴だ。うるさいヘリコプターが飛来せぬうちに、根子岳を越さないと・・・。朝の根子岳への登りでは、北アルプスや頸城山群、浅間に続く上信国境の山々が、美しく眺められる。シール1ピッチで、祠のある山頂に至る。山頂東の岩場まで、シールで進む。

 大岩の左(北)側を捲かねばならない所で、アイゼン・ピッケルに替える。僅か3m程の岩場のクライムダウンなのだが、大きなザックに着けたスキーが、大岩に引っ掛かって、バランスをとりづらい。ピッケルで雪をかき、何度も試行錯誤を繰り返した後、慎重に下る。更に少し行くと、岩々が雪に隠れるので、ここでスキーを履く。

 多少急ではあるが、広い雪の斜面を、大きな弧を描きつつ、快適に滑降する。昨日の新雪は、朝早いこともあって、実に軽い。快哉を叫びつつ、シュプールを描いて、2039コルの広い雪原に降り立つ。振り返れば、またまた感動的な光景だ。同行者がいないので、自分のシュプールをカメラに収め、シールを装着する。

 白衣を纏った針葉樹の間を縫って、四阿山へのシール登高に移る。樹林帯のシール登高は、深雪急登だが、斜登高で何とか切り抜ける。約1ピッチで、四阿山の肩に出て、ここからは緩い登りとなる。やがて尾根は次第に細くなり、山頂の祠に至る。

 風は強いが、稜線は雪稜状になっているので、シートラーゲンでツボ足になる。少し進むと、南東側に出る雪庇が大きめになり、それを避けて北側を歩こうとしたら、腰まで潜って消耗する。やむなく板を履き、小雪庇の付け根を、横滑りで下る。前は雪庇、後ろは崖の横滑りは、スリル満点。いつしか三角点を過ぎ、急なリッジを下れば、やや尾根は広くなるが、今度は雪が腐って、スキーが滑らない。濃いブッシュを縫って、2189Pまで下る。

 ここから先は、細かい登降が続くので、シールを着ける。2183Pの下りは、北への尾根に引き込まれやすいが、急斜面をテレマーク滑降して、北東側の主稜線に上手く乗る。2119P東面トラバースは、風倒木と暑さでウンザリだ。浦倉山への登りで大汗をかき、山頂でシールを外して、さあ大滑降だと思いきや、またまた大風倒木帯に行く手を阻まれて、難渋する。

 1850M付近で、やっと倒木から解放されて、1779コルまでスケーティングと歩き。1779コル付近の樹林の中に、快適そうなサイトがあるが、明日のことを考えて、更に1ピッチ、シールで登る。1952Pの南東面をトラバースし、土鍋山西側のコルの手前で、ツェルトを張る。結構風が強くて、雪が吹き寄せられてくる。

【3月16日】 晴
 朝、撤収していると、山スキー四人パーティに追い付かれる。四阿山山頂付近の痩せ尾根の横滑りのトレースのことであろうか、「スキーがお上手ですね。凄いところを滑ってますね。」と言われた。シールで土鍋山北西面をトラバースし、続いて破風岳南東面をトラバースする。四人パーティは、すうじいのトレースを、忠実に追ってくる。最後の急な沢の横断は、雪が腐っていて、とてもイヤラシイ。踵を固定して、シールのまま、毛無峠まで下る。

 この峠は展望が良く、浅間山が美しい。土鍋山の北東尾根が真っ白で、あれを下れば快適だったろうにと思う。四人組は、例の沢の横断で、悪戦苦闘している。毛無峠から車道沿いに少し行き、1930Pを捲いてから、御飯岳の登りにかかる。最初のうちのクラスト雪面では、スキーアイゼンが威力を発揮する。1時間半程の登りで、山頂に至る。この辺の針葉樹は、樹氷となっている。

 シールを外して、1899コルまで、快適な林間滑降が楽しめる。コルからは、車道沿いに、スキーのまま、スケーティングならぬラッセル歩きで行く。非常に疲れる林道歩きが、万座スキー場まで続く。ピステを滑降して、バスターミナルまで行ってみると、あと2時間弱、バスが無い。

 ボケーッとしていたら、例の四人組が下ってきて、「滑らないんですか?」と聞かれる。結局一回200円のリフトに三回乗って、ピステスキーを楽しむ。長いリフトなので、結構楽しめた。ピステトレーニングも含め、今回のスキー行は、内容が豊富で充実していた。大いに満足して、帰路に就く。

アルバムブログ
1:根子岳〜2039コル
2:四阿山〜毛無峠

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