北鎌尾根・槍ヶ岳・北穂高岳(北ア)

date 2018/7/28-8/1 小雨のち晴、快晴のちガス、快晴のちガス、晴
コース 上高地〜槍沢ロッヂ〜大曲り〜水俣乗越〜天上沢下降〜北鎌沢右俣〜北鎌沢コル〜北鎌平〜北鎌独標〜槍ヶ岳〜大キレット〜北穂高岳〜南稜〜涸沢(定着)
実働 第一日:3h40m、第二日:9h15m、第三日:9h15m、第四日:5h44m、第五日:6h40m、計:34h34m。
概要 台風をやり過ごし、三度目の北鎌も水俣乗越から。
メンバー Km君、すうじい
行程 →:登山道、:溯行・下降、\\:藪漕ぎ・踏跡不明、=:車。
【7月28日】 雨(夜間に台風通過)
新宿西口7:05=11:45平湯12:00=12:30上高地12:50→13:35明神館13:45→14:30徳沢14:45→15:35横尾16:05→16:45一ノ俣16:55→17:35槍沢ロッジ(泊)

【7月29日】 小雨のち晴
槍沢ロッジ5:50→6:55大曲り7:05→7:45小休7:55→水俣乗越8:35\\9:30雪渓9:4010:40間ノ沢出合10:50北鎌沢出合11:2511:50二俣12:0012:50 2070赤滑滝上13:0013:40 2200Mゴルジュ下14:4016:05 2360M 16:15\\17:15北鎌沢コル(幕営)

【7月30日】 快晴のちガス
北鎌沢コル5:10→6:00小休6:15→7:05天狗ノ腰掛7:15→8:25ガレ岩壁上8:40→トラバース開始点9:05→9:50チムニー10:50\\11:05北鎌独標11:35→ニセ独標12:10→13:15小休13:25→14:25白ザレ峰先岩峰右巻終14:35→15:30トラバース中15:40→16:10 P15「諸君頑張れ」16:20→17:15北鎌平下コル(幕営)

【7月31日】 快晴のちガス
北鎌平下コル4:50→5:40 3040M 5:50→6:30岩壁下6:45→7:35槍ヶ岳7:55→8:25槍ヶ岳山荘9:30→10:35中岳北コル10:55→11:50無名肩12:06→12:50南岳13:05→13:15南岳小屋(幕営)

【8月1日】 快晴
南岳小屋6:05→7:05小休7:15→8:40A沢コル9:00→10:50北穂小屋11:00→12:15南稜梯子上12:30→13:20小休13:25→13:45涸沢(定着)

【8月2日〜4日】 涸沢定着

【8月5日】 快晴
涸沢7:25→8:25本谷橋8:30→9:20横尾9:30→10:20徳沢10:40→11:25明神館11:35→12:15小梨平12:20→12:30上高地12:45=14:34松本14:49=16:58立川
使用装備 軽登山靴、8mmx30mロープ、シュリンゲ、ストック、テント一式、コンロ一式、シュラフカバー、マット、シュラフ、ヘルメット、コンデジ、GPS
不用装備 細引、8環
記録  昨年、同じコースを予定していたのだが、横尾山荘までのアプローチで、ふくらはぎが痛み出し、断念したのであった。今回は、東から西へ移動する変な台風に見舞われたが、何とか無事縦走することが出来た。重荷を担ぎ付き合ってくれた、学生Km君に感謝。

【7月28日】 雨(夜間に台風通過)
 西へ向かう変な台風のせいで、朝新宿発の高速バスはガラガラ。中央高速も空いていて、僅かな遅れで平湯着。乗り換えて、上高地へ。小雨降る中を歩き、今夜通過する予定の台風を考え、槍沢ロッジに素泊まりする。夜中は結構な吹き降りで、小屋泊まりは正解。

【7月29日】 小雨のち晴
 雨は殆ど止んだ中、歩き出す。ババ平のテント場には、一張のみ。乗越分岐から急登2時間で、水俣乗越。ドコモ電波は三本立ちである。乗越から1時間の急降下で、雪渓横に出て小休止。ゴーロ歩き1時間で、間ノ沢の水流を渡る。

 更に30分弱で北鎌沢出合、30分弱で二俣を右に入る。水流は続く。2070M付近の赤滑滝上で小休止し、2200M付近のミニゴルジュ下で水を汲む。この後、私のハイドロシステムのパッキングが壊れ、水漏れにより尻を濡らす。ヘロヘロになって、北鎌沢のコルに上がり、テントを張る。

【7月30日】 快晴のちガス
 撤収して歩き出す。少々藪っぽい道を登って行く。時折、木の根岩角を掴んでよじ登る。天狗の腰掛で、大展望を得る。暫くハイマツの道を進み、ザレた岩壁を少し右へトラバースし、灌木帯手前沿いに騙して登る。日陰となっている岩陰で小休止する。

 少し登って独標トラバースの踏跡に入ると、時折ミヤマオダマキが可憐な花を付けている。独標取付チムニーでルート工作し、重荷でよじ登る。スラブ状を登り、ガレた草付から岩稜沿いに登って稜線に出れば、P10独標は近い。三度目の北鎌にして、初めて独標からの大槍を望む。

 稜線通しのP11(ニセ独標)への登りは、少し厳しい。C稜ノ頭の先は、岩穴のある岩峰手前で、稜線左側のルンゼを下るのが正解ルートだ。P13(2873P)の先、白ザレ峰手前の岩峰からは、千丈沢側のガリーを下るのだが、後続二人パーティに、「そこのひと〜、あまり巻かない方が良いですよ〜!」と声を掛けられる。「何度か下ってますから、大丈夫ですよ〜!」と返答する。彼らはどう下るのかな?と思っていたら、かなりしてから我々のルートを下って来た。

 白ザレ峰は、ザレを騙して直登し、その先の岩峰は千丈沢側を巻いて稜線に復帰する。P14付近で例の二人パーティに追い付かれ、「先程は失礼しました」と謝られた。軽装な彼らは、「今日中に大槍まで抜けないとヤバイです」と言いながら、トラバースルートを急いで行った。

 我々も、暫くトラバースルートを進み、適当な所から稜線へと戻る。「諸君頑張れ」のプレートのあるP15からの下りは、ちょっと自信無かったので、テープぐるぐる岩の一番新しいテープを支点に、ザイルを垂らして下降する。

 北鎌平下のコルに絶妙なサイトがあったので、ビバークサイトに決め、渇きに耐えつつ一夜を過ごす。

【7月31日】 快晴のちガス
 北鎌平への取付は、天上沢側から巻き気味に登る。不安定なガレ斜面で、疲れる。北鎌平には、数張分の良いサイトがある。ここなら、多少の強風に耐えられそうだ。北鎌平からは、ほぼ稜線沿いに登って行く。大槍が次第に近づいて来る。

 稜線左手に顕著な岩壁を見て、ほぼ正面の凹角に取り付く。数段登ったところで、ガリーが2本並んだ場所に出る。右側のガリーには、チョックストンがある。その右手のカンテに、更に右側から取り付いて乗越す。

 「お馴染みの二つのチムニーが出てこないなー」と思いながら登って行き、バンド状に出て、左右を偵察する。左手の岩稜に、見覚えのある白い杭を発見する。大槍山頂へ出るルンゼを示す目印である。簡単な登りで、山頂に至る。

 頂上には、10名程の登山者がいた。暫く休んで展望を楽しみ、下降開始しよう。槍ヶ岳山荘で大休止し、縦走を再開する。南岳山頂で、パワフル親父とその息子に出会った。65歳でリタイア後、山岳会に入って鍛えられ、75歳の現在、ほぼ週1の登山、週3のランニングをこなすと言う。やはり、普段からの鍛錬が必要ですな(反省)。

 この日は、南岳小屋のテント場泊。

【8月1日】 快晴
 体力的には、もはやヨレヨレだが、引き続きKm君に重いものを担いでもらって、歩き始める。
疲労が溜まっているため、日に日に歩くペースが落ちている。大キレット越えも、気が遠くなるような感覚だし、長谷川ピークへの登りが辛い。

 A沢ノコルで休憩して気合を入れる。飛騨泣きは、意外にスムーズに通過する。北穂高小屋までの最後の登りが辛かった。ガクガクする脚を騙して、涸沢まで下降する。

【8月2日〜4日】 涸沢定着

【8月5日】 快晴の下山日

:

GPS軌跡


アルバム

小雨降る中を歩き、横尾で大休止する
一ノ俣橋を渡る
二ノ俣橋を渡れば、槍沢ロッジまでもう少し
台風の通過に備え、今宵はロッジ泊りとしよう
大曲から、水俣乗越への急登が始まる
乗越沢右岸沿いの山道を辿る
水俣乗越から天上沢を俯瞰する
急な草付のジグザグ踏跡を下り、途中から灌木帯に入る
水俣乗越から天上沢俯瞰
左岸から出合う間ノ沢も見えている
天上沢雪渓左岸から、水俣乗越を振り返る
雪渓から北鎌独標を見上げる
間ノ沢は、心配したほど増水しておらず、簡単に渡る
間ノ沢出合から、下流側の川原
貧弱な北鎌沢出合
北鎌沢右俣を登る
赤滑滝
三日目朝、テント撤収した北鎌沢コル
天狗ノ腰掛から望む硫黄尾根と黒部源流の山々
天狗ノ腰掛から独標
北鎌独標
チムニー上の斜面を適当に登る
独標から槍ヶ岳を望む
ミヤマオダマキ
P15の岩に打ち付けられた「諸君頑張れ」のプレート
四日目の夜明、北鎌平下コルから八ヶ岳・富士・南アを望む
北鎌平下コルのビバークサイト付近
北鎌平から北方を望む
北鎌平から大槍
北鎌平の様子
岩壁下から穂高
岩壁下から富士山と南アルプスを望む
大槍から北鎌尾根
大槍から穂高方面
四日目、南岳小屋付近から笠ヶ岳を望む
キレットへ下降開始
槍ヶ岳を振り返る
A沢ノコルから南岳
北穂高小屋から北穂池方面俯瞰

MR751 北穂高岳東稜'18-08(北ア)

MR704_ 北鎌尾根・槍ヶ岳・北穂高岳'13-08(北ア)

MR363_ 横尾右俣・北鎌尾根・槍ヶ岳'97-08(北ア)

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