北鎌尾根・槍ヶ岳・北穂高岳(北ア)

date 2013/8/2-5 快晴、快晴、晴のち時々雨、雨
コース 上高地〜槍沢ロッヂ〜大曲り〜水俣乗越〜天上沢下降〜北鎌沢右俣〜北鎌沢コル〜北鎌独標〜槍ヶ岳〜大キレット〜北穂高岳〜南稜〜涸沢(定着)〜横尾〜上高地
実働 第一日:3h45m、第二日:8h25m、第三日:8h00m、第四日:8h05m、下山日:5h16m、計:33h31m。
概要 水俣乗越・北穂沢右俣快晴、独標は霧雨、大キレットも雨。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:登山道、:溯行・下降、\\:藪漕ぎ・踏跡不明、=:車。
【8月2日】 快晴
新宿西口7:00=11:20平湯11:30=11:58上高地12:20→13:00明神館13:10→14:00徳沢14:15→15:05横尾15:20→16:05一ノ俣16:20→二ノ俣16:28→17:00槍沢ロッヂ(泊)

【8月3日】 快晴
槍沢ロッヂ4:15→5:15大曲り5:20→6:00小休6:10→6:45水俣乗越6:50\\7:25雪渓7:307:48雪渓下ゴーロ8:138:55間ノ沢出合9:059:30北鎌沢出合10:00二俣10:2011:05 2070水場11:3012:10 2190M 12:2012:55 2280M水場13:10\\14:15北鎌沢コル14:25→15:10 2600MBP(幕営)

【8月4日】 晴のち時々雨
1160MBP 6:00→・2749 6:45→独標コル7:10→7:25ルートミス7:40→トラバース開始点7:50→8:15チムニー8:20\\8:45北鎌独標9:10→ニセ独標9:35→10:20 ・2873 10:40→12:20 P15「諸君頑張れ」12:40→12:55北鎌平下コル13:00→14:15壁下14:35→15:20槍ヶ岳15:30→16:00槍ヶ岳山荘(泊)

【8月5日】 雨
槍ヶ岳山荘7:00→8:00中岳8:20→南岳9:35→9:40南岳小屋10:15→12:05A沢コル12:15→13:45北穂小屋14:00→14:40小休15:00→16:45涸沢(定着)

【8月9日】 快晴
涸沢8:30→9:35小休9:40→本谷橋10:05→10:35小休10:50→11:23横尾11:30→12:10小休12:20→12:43徳沢12:50→13:40明神館13:55→14:45上高地16:15=21:30新宿西口
使用装備 軽登山靴、500mLx7本、ストック、テント一式、コンロ一式、シュラフカバー、マット、シュラフ、ヘルメット、コンデジ、GPS
不用装備 シュリンゲ、細引、ハーケン、アイスハンマー
記録  昨年、涸沢定着の帰りに、一ノ俣谷・二ノ俣谷を経て貧乏沢下降点に到達したものの、体力の限界で、最終目的の北鎌尾根を断念したのであった。今回は、涸沢定着の前に、上高地から水俣乗越経由で北鎌尾根を登ってみた。

【8月2日】 快晴
 新宿西口のバスセンターを朝出発し、平湯で上高地行に乗り換えて、正午頃上高地に到着した。昨年の重荷と比べたらまだマシだが、結構な荷重である。500mLのスポーツドリンク7本を、積極的に飲みながら、歩き始める。

 時折、明神〜前穂の稜線を見上げながら、まあまあのペースで、横尾まで至る。この分だと、予定通り、槍沢ロッヂまで行けそうだ。横尾からは、山道らしくなって来る。、一ノ俣橋先で最後の休憩をし、頑張って17時丁度に槍沢ロッヂ到着。

【8月3日】 快晴
 暗いうちに槍沢ロッヂを出て、ババ平手前でライトを消す。ババ平幕営地には、結構な数のテントがあった。大曲から、水俣乗越へ登る道に入る。かなりの急登で、途中休憩を入れる。水俣乗越では、多くの人が休んでいた。

 これから下降する天上沢を俯瞰すると、始めはかなりの急傾斜だ。実際に下り始めたら、16年前の北鎌の時に比べ、かなり踏まれているようだった。不安定な草付斜面に付けられた踏跡を辿り、ジグを切りながら下る。

 やがて急な樹林帯の踏跡を下降して、雪渓に降り立つ。スプーンカットを利用して、雪渓を下って行く。振り返れば、雪渓がくびれて急になっている所は、右岸の樹林帯を下ったようだ。天上沢のゴーロの岩石は不安定だし、段々大きくなって消耗させられる。間ノ沢が左から合流する辺りから、少し歩き易くなる。

 北鎌沢出合まで来ると、下流側から4人パーティが登って来た。貧乏沢を下って来たらしい。北鎌沢に取り付く4人パーティを見送り、大休止する。陽射しが強く、暑い。

 北鎌沢に入り、20分ほどで二俣だ。伏流ゴーロとなった右俣に入る。時折、水流が現れ、滑滝などもある。結構水量があるので、なるべく上流で水を汲もうと考える。2070M付近で水を汲んだが、2280M付近まで水汲み可能であった。

 単独行に追い付かれ、北鎌コルまで登り着くと、先行した4人パーティのテントがあり、ザイルワークの練習をしていた。小休止の後、ビバークサイトを求めて、北鎌尾根を登る。単独行には、追い付けなかった。2600M付近で適所を見出し、設営する。次第にガスが出て来て、展望はいまいちであった。

【8月4日】 晴のち時々雨
 撤収して、P8への登りに取り付く。振り返れば、北鎌尾根下部のP4からP7が俯瞰できる。 P8、P9を越え、・2749の西面を巻いて、独標コルに至る。コルのすぐ横に、北鎌沢左俣源頭の雪渓が残っていた。

 コルから一段登って、尾根の千丈沢側をトラバース気味に高度を上げる。明瞭な独標トラバース入口はまだ先なので、怪しい踏跡に気を付けよう。コル状から、右手へ続く明瞭なバンドをトラバースするのが、正解ルートである。

 独標トラバースが始まってすぐのザレバンドでは、残置された細引きが目印になる。このザレバンドトラバース途中には、可憐なミヤマオダマキが咲いている。印象的なコの字バンドトラバースでは、一歩下がったスタンスを利用すれば、通過は容易である。

 独標への取付であるチムニーが近付くと、上方に先行パーティの姿が見えた。残置シュリンゲの下がる、独標取付のチムニー下に至ると、取り付く前に、ザックを下ろして小休する。チムニーを抜けると、スラブ帯のバンドに出る。さらにスラブ帯を登り、適当に踏まれている所を辿る。稜線に出た所は、独標の少し南側であった。

 独標に到達すると、先行パーティ4人が休憩していた。降り出した霧雨の中、4人は南へ縦走して行った。雨具とザックカバーを出して、しばし小休止する。展望皆無だが、取り敢えず、前回踏めなかった独標に立つことが出来た。

 P10:独標から南へ岩稜を下り、コルからP11へと登る。P11は、幾つかの岩峰が連なり、C稜ノ頭と岩穴岩峰の間から南へルンゼを下る。先行した4人パーティは、岩穴岩峰に取り付いて苦戦していた。P13:・2873を越え、下りの岩峰を千丈沢側ルンゼから大きく下巻く。

 次の白ザレ峰(A稜ノ頭)取付で、右へトラバースする踏跡を偵察するが、途中で引き返す。結局、白ザレ峰を正面から登る。P14へは、何段もの登りがキツく、大バテする。P15は、前衛峰手前から右へトラバースする踏跡に入り、前衛峰先で尾根に乗る薄い踏跡を辿る。

 P15と思しき顕著なピークで、風を避け岩陰で休む。後続の2人パーティが、「諸君頑張れ」のプレートを見付ける。前回は、このピークの千丈沢側を巻いたようだ。2人パーティに続き、岩場をクライムダウンすると、トラバース道と合流して、鞍部に出る。

 北鎌平は、千丈沢側から巻いて行く。ガスの中、現在位置が判り辛く苦労する。大岩の脇を通り、右手に小槍らしき岩峰を見て、岩々累々の斜面を登って行く。再び稜線に出て、岩々累々を登って行くと、岩壁下に出る。

 岩壁下で、休憩を入れる。岩壁右手の岩稜沿いに一段登ると、第1チムニーが現れる。第2チムニーは、重荷が辛かったが、何とか登れた。ヘロヘロになりながら、ひたすら登って行くと、人の声が聞こえて来る。直下のルンゼに入り、山頂の祠近くに飛び出す。

 山頂は、祠前で記念撮影する人々が順番待ちしている。呼吸を整えたら、早々に下ることにしよう。下りの梯子も順番待ちがあり、鎖場でも待たされる。30分かけて、槍ヶ岳山荘に降り着く。

【8月5日】 雨
 この日は、一日中雨の予報だったので、横尾右俣下降・左俣・北穂池の計画を断念する。仕方ないので、大キレットを越えて涸沢を目指そう。テント場を過ぎた辺りから、霧雨が降り出す。中岳で、韓国からのツアー集団に追い付く。雨具を装着している間に、彼らは出発して行った。

 展望皆無の雨の中、ひたすら南下する。濡れた岩は滑り易く、下りは厄介だ。南岳小屋でセルフのインスタントコーヒーを飲み、大休止する。南岳小屋で一緒だった2人パーティと、北穂小屋まで行動を共にする。雨風は止むことなく、大キレットは、A沢コルからの登り返しが、キツかった。北穂小屋で聞いた話では、例の韓国集団はそのまま奥穂へ向かったそうだ。

 2人パーティと別れ、南稜を下る。雨の中、シャクナゲの花に慰められる。濡れ岩で足を滑らせ、転倒を避けて飛び降りたら、着地で足の爪先を強打する。しばし悶絶。やっとのことで涸沢に降り立ち、定着する。

【8月6〜8日】(定着)
 血豆状態の哀れな爪先は、翌日石畳の岩角にぶつけ、さらに出血の危機に。必死の治療の甲斐あって、爪が剥がれることは無かったが・・・。

【8月9日】 快晴
 下山日になっても、爪はまだ本調子ではなく、当初の下山路、奥又白池〜ひょうたん池計画は、放棄せざるを得なかった。おとなしく、横尾経由で上高地に向かう。

 上高地からは、さわやか信州号で帰京する。

:

GPS軌跡

アルバム

明神館から明神岳方面を望む
・1555から下又白谷カールを見上げる
下又白谷カールカールとF5
一ノ俣橋
二ノ俣橋
水俣乗越から天狗原方面を望む
頭を覗かせているのは北穂高岳か
水俣乗越から天上沢を俯瞰する
北鎌独標
雪渓を下降
雪渓から水俣乗越
北鎌尾根
北鎌沢出合
出合から天上沢
天上沢下流側
北鎌沢右俣に入る
右俣の滑滝
この日のサイト
P8登りでP4-7俯瞰
独標基部へ
印象的なトラバース
ミヤマオダマキ
トラバース振り返り
チムニー上の先行者
チムニー
チムニー上のスラブ
独標から南下する先行パーティ
P15前衛峰
P15の「諸君頑張れ」プレート
累岩斜面を登る
第1チムニー
第2チムニー
大槍より北鎌俯瞰
山頂祠と独標
中岳山頂
南岳山頂
シャクナゲ

MR363_ 横尾右俣・北鎌尾根・槍ヶ岳97-08(北ア)

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