川又から和名倉山・二瀬道・不動道下降(奥秩父)

【注意!】不動道・川又道は、迷い易い箇所が多く、二瀬道ほど踏まれていません。不動道には、危険箇所もあります。

date 2011/5/3-4 曇のち雨のち霙、晴
コース 川又バス停〜川又道〜和名倉山〜二瀬道〜1369.4P西コル〜不動道〜不動滝〜不動滝入口
実働 第一日:5h45m、第二日:5h50m、計:11h35m。
概要 川又道から登り、1975M平坦地で幕営、和名倉山から二瀬道・不動道下降。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:山道・踏跡、:溯行、\\:藪漕ぎ・不明瞭な踏跡、=:車

【5月3日】 曇のち雨のち霙
自宅6:45=10:00道の駅おおたき10:40=10:55川又バス停11:20→12:30 1010M付近12:40→13:05 1165M乗越13:10→13:55 1440M広場14:00→1762P北15:10→1830M作業場跡15:50→16:25曲沢16:40→金山沢中間尾根17:00→二瀬分岐17:25→17:40 1975M平坦地(幕営)

【5月4日】 晴
1975M平坦地6:25→二瀬分岐6:33→和名倉山6:50→7:15二瀬分岐7:20→笹ッ場7:37→8:05 1840M索道広場8:20→8:35 1685M笹藪廊下上8:40→9:10 1390M水場9:25→不動道分岐10:05\\10:10 1365Mコル10:20→\\\\11:15不動尾根1170M 11:25→\\迷い枝尾根引返点11:50\\→12:15 875Mコル12:20→大除沢木橋12:38→13:05不動尊14:05→14:20不動滝入口14:25=14:30川又バス停14:55=20:10自宅
使用装備 登山靴、ゴアライト、ガスコンロ、コッヘル、銀マット、シュラフ、シュラフカバー、GPS、μ-725SW、ストック
不用装備
記録  MR619_不動道・二瀬道から和名倉山川又道下降'09-04の逆コースを周回してみた。連休の渋滞もあり、初日の歩き出しが、11:20と遅くなり、途中から雨も降り出して、辛かった。曲沢下降点で水汲みして、1975M平坦地で幕営することが出来た。雨が夜中に一時雪となり、また獣達が周りを徘徊し、寒さもあって、ろくに眠れなかった。翌日は、晴れたので、予定通りに不動道を下降した。

【5月3日】 曇のち雨のち霙

 例によって、川又バス停の観光トイレ裏に車を停め、R140を渡って、階段を下る。荒川に懸かる吊橋は、横板がかなり古くなっているので、慎重に渡ろう。吊橋を渡ると、和名沢左岸沿いに、踏跡は登って行く。

 小屋跡思しき平坦地を過ぎ、やがて杉の植林帯に入る。枝打ちされた枝が降り積もる杉林は、花粉と樹脂の臭いで息苦しい。杉林で、左手に資材置場を見ると、やや緩やかになった林斜面を、直登気味に登るようになる。傾斜が緩やかになった辺りの杉林は、昼なお暗く、遅い時間になると迷い易い。

 薄暗くて傾斜の緩い杉の植林帯を、ほぼ直登気味に進み、一旦樹林が切れる。すぐに、傾斜がやや強くなり、再び杉林に入る。大きくジグを切って、登って行くと、落葉樹林の尾根に取り付く。870M付近で、落葉樹林の尾根に乗り、これを登る。

 落葉樹林の尾根を登って行くと、940M付近で左手の窪状を渡り、トラバース気味に左手へと登るようになる。左手へのトラバース登りは、なおも続き、時折ジグを切りつつ、1165M乗越目指してひたすら登って行く。1010M付近の幅広尾根で小休後、再びジグを切りつつ左手へと登り続け、やがて馬酔木の目立つ、1165M乗越に至る。

 1165M乗越から、少し尾根沿いに登る。右下には、平坦な地形が見られる。やがて、右手の久渡沢源頭方面へと、踏跡はトラバース気味に登り始める。涸れたガレ沢を横断し、小尾根を回り込み、大倒木を潜る。笹藪の切り開き状を、ジグザグに登り始めると、やがて1440M広場に至る。

 ここは、かつて作業小屋があったのか。さすれば、右手の久渡沢源頭に行けば、水場があるのかもしれない。小休後、再び笹藪の切り開きを登って行く。1500-1600M付近から、雨が降り始めた。気分は落ち込む。雨具の上を羽織り、ザックカバーを被せて、ゆっくりと登って行く。見覚えのある笹藪の1762Pを右手に見て、踏跡は左へと折れる。この辺りで、携帯メールをトライするも、電波は届かない。

 1762P東の1735Mコルを過ぎ、針葉樹林帯をトラバースして行く辺りで、この日唯一の男女ペア登山者と擦れ違う。川又からの日帰りだと言う。見覚えのある1830M作業場跡まで来れば、水は何とか得られそうだ。曲沢源流の幾筋かを渡るが、いずれも雪渓が残っている。曲沢下降点付近で、水を汲む。

 雨の中、長いトラバース道を根性で歩き通せば、やがて川又分岐に至る。川又分岐と二瀬分岐との中間地点である、1975M平坦地に、今宵のサイトを得る。イザとなれば、東側の惣小屋谷源頭へと下れば、水も得られよう。最後の力を振り絞って、テントを設営する。急ぎ潜り込んで、濡れ物を着替えてしまおう。

 厳冬期用を持って来たつもりのシュラフは、3季用であった。大失敗。夜中になって、雨は一時雪に変わった。オマケに、テントの周囲を獣が徘徊して、寒さと緊張で、ろくに眠れなかった。

【5月4日】 晴
 朝起きると、晴れていた。テントの周りを恐る恐る見回すと、数頭の鹿が、こちらを見ていた。一部凍り付いたテントを撤収する。ザックを背負い、和名倉山頂を往復しよう。

 1975M平坦地から一段高みに登ると、二瀬分岐だ。熊さんに持って行かれると困るので、ザックはデポせず、背負ったまま山頂へと向かう。やがて目の前が開け、千代蔵ノ休場の斜面に出る。昨夜の雪が、うっすら積もっている草地もある。山頂前の荒地に至ると、結構雪が残っている。

 最後の針葉樹密林へと突入し、和名倉山頂の切り開きに至る。2年ぶり、七度目の山頂だ。仁田小屋道を示す道標まであって、少々驚いた。千代蔵ノ休場まで下った所で、斜面を少し登り、富士山を捜す。将監峠辺りの上に、結構白くなっているその姿を見付けた。その右手に続くのは、奥秩父主脈の唐松尾山であろう。

 二瀬分岐を経て、金山沢中間尾根上部の落葉疎林を抜け、針葉樹林帯に入り、北ノタルへと向かう。北ノタルへと近付くに連れ、針葉樹林は深く暗くなり、足下は苔生してくる。最低鞍部からは、開けた笹ッ場の草地斜面に陽が当たっているのが見える。笹ッ場から二瀬尾根のトラバース道入口を確認するには、下部樹林帯ではなく、草地の下部沿いに進むと良いだろう。

 笹ッ場からトラバースしてきた道が、二瀬尾根に乗った所が、1840M索道広場である。Fomaのメールも届くし、休憩するには良い場所だ。1840M索道広場から、二瀬尾根上を下降すると、15分で1685M笹藪廊下上コルに下り着く。ここは、大除沢を溯行した際、ツメ上げた場所である。

 笹藪廊下(現在ではかなり藪が薄くなっている)に突入し、1684P付近を経て、踏跡を辿って行く。途中、登って来る男女ペアと擦れ違う。二瀬尾根の往復だと言う。笹藪廊下上から30分で、1390M水場に下り着く。小休して、水を補給する。鬱陶しい小屋跡を抜け、1350M軌道跡の上段道を辿る。

 索道残骸尾根下降点を経て、上段道の水平トラバースを続けると、やがて石津窪左岸道分岐の東大演習林「バス停」を通過する。間もなく不動道分岐となり、薄い藪の不明瞭な所を、1365Mコル目掛けて登る。ここから先は、踏跡探しの能力が必要だ。

 1365Mコルで小休後、少し右手へ下る感じで進み、薄い道形を頼りに、左へとトラバースを開始する。目印は、以前付けた、すずらんテープの名残があるのみだ。トラバースを続けるうち、上中尾向沢源頭のザレルンゼを、数本横断する。踏跡は殆ど崩壊しており、不安定で危険を伴う。ザレルンゼを横断する際は、対岸の踏跡がどこに付いているか、確認してから行動したい。時折、ジグザグ下降を交え、トラバースして行く。

 1365Mコルから、1時間弱のトラバース後、1170M付近で不動尾根に乗る。ホッとして、小休しよう。この先、迷うような場所は無い、と思っていた。1070P付近の、尾根左側を行く明瞭な道形を辿っていたら、1060M肩状から左の枝尾根に下ってしまった。ここは、肩状を左から回り込むように、踏跡が迂回しているようだ。結局、50Mほど登り返す羽目になった。

 やがて見覚えのある875Mコルに出て、一安心する。小休後、踏跡を辿って尾根を下る。左手へとジグザグに下るようになり、薄い踏跡を辿って、大除沢右岸の杣道に合流する。これを右手へと下ると、木橋を渡る。限りなく丸木橋に近い、怪しげなものである。

 左岸杣道にも、ガレ沢横断箇所が幾つかある。やがて、不動滝の高巻きとなり、不動尊裏に出る。不動尊前のベンチにザックを置いて、不動滝を見に行く。いつの間にか、立派な階段道が整備されている。

 ベンチに戻ると、男性に声を掛けられた。MR650_ 滝川右岸道往復'10-06の時、車にメモを残された方であった。しばらく、和名倉山の踏跡や動物について、話し込む。そのあと、不動滝入口から川又バス停まで、車で送って頂いた。

 川又で着替えた後、県道を利用して芝桜渋滞を避け、R140・R254・R17等を利用して帰宅する。

GPS軌跡

アルバム

川又バス停下降点
川又吊橋
枝打ちした杉林
資材置場横
直登気味に登る
840M付近で杉林を振り返る
再び杉林斜面
870M付近の落葉樹林の尾根を登る
940M付近で、左手へトラバース開始
トラバースを振り返る
1165M乗越から振り返る
1165M乗越から尾根を辿る
1440M広場
1440M広場
1762P北の鞍部を抜ける
1830M作業場跡
曲沢源流の雪渓
川又分岐
1975M平坦地
1975M平坦地
1975M平坦地の朝
二瀬分岐
千代蔵ノ休場
山頂前の荒地
和名倉山頂
千代蔵ノ休場から富士山遠望
千代蔵ノ休場から将監峠方面
千代蔵ノ休場から唐松尾山方面
千代蔵ノ休場
北ノタルへ向かう
北ノタル
北ノタル
笹ッ場
1840M索道広場に出て、二瀬尾根に乗る
1840M索道広場から来し方を振り返る
1685M笹藪廊下上
1390M水場のハシリドコロ
石津窪左岸道分岐「バス停」
1365Mコル北側のトラバース開始付近
上中尾向沢源頭のザレルンゼを横断する
1170M付近で不動尾根に乗る
1070P付近の踏跡
875Mコルから大除沢へ下降する踏跡を辿る
大除沢の木橋
不動滝

MR619_ 不動道・二瀬道から和名倉山川又道下降'09-04

MR600_ 和名倉山川又道1820M作業場跡敗退'08-04

MR590_ 荒川大除沢・不動道下降'07-09

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