不動道・二瀬道から和名倉山川又道下降(奥秩父)

【注意!】不動道・川又道は、迷い易い箇所が多く、二瀬道ほど踏まれていません

date 2009/4/24 晴のち曇
コース 川又バス停〜不動滝〜不動道〜1369.4P西コル〜二瀬道〜和名倉山〜二瀬分岐〜金山沢中間尾根上部下降〜川又道〜川又バス停
実働 登り:6h07m、下り:3h04m、計:9h11m。
概要 川又基点、不動道から二瀬道に合流、川又道下降周回。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:山道・踏跡、:溯行、\\:藪漕ぎ・不明瞭な踏跡、=:車
【4月24日】 晴のち曇
自宅3:10=4:50影森コンビニ5:10=5:47川又バス停6:20→不動滝入口6:44→6:57不動尊(不動滝見物)7:14→大除沢木橋7:29→8:05 870Mコル8:10→作業道引返点8:27\\不動尾根上8:36→8:50 1070P 9:00→9:30 1180M付近トラバース開始点9:40\\\\10:35 1369.4P西コル10:40→11:10水場11:25→\\12:15 笹藪上1680Mコル12:25→12:43展望台12:49→13:13笹ッ場13:23→13:43二瀬分岐13:51→14:03和名倉山14:08→14:19二瀬分岐14:22\\(金山沢中間尾根上部下降)\\14:40川又道14:50→曲沢下降点15:00→1826肩15:20→15:27 曲沢左俣右沢源頭1830M作業場跡15:32→15:48 1762P北15:53→\\(850M付近針葉樹植林帯)\\→17:35川又バス停18:08=20:35自宅
使用装備 長靴、ヘルメット、μ-725SW、杖(拾った棒)
不用装備 6mmx10m細引、運動靴、ピッケル
記録  大除沢溯行時の下降に使った不動道を登りに使い、昨年雪で敗退したヒルメシ尾根の川又道を下降に使って、周回してみた。

【4月24日】 晴のち曇
 例によって、影森のコンビニで食料を調達し、R140の川又バス停観光トイレ裏に駐車する。軽量化を図るために、今回の足周りは登山靴・アイゼンを省略し長靴、カメラはE-1・三脚を省略しコンデジμ-725SWのみである。

 舗装された旧道を歩き、不動滝遊歩道入口へと向かう。25分の歩きで、遊歩道入口の東屋が見えてくる。ここから、ジグザグの遊歩道を吊橋(不動橋)まで下る。対岸に渡って、今度はジグザグに登りである。歩き始めて40分で、不動尊前のテーブル・ベンチへと到着する。

 ザックを下ろして、お茶を飲もう。時間節約のため、滝写真は撮らないつもりであったが、ここまで来て、不動滝を見ないのは、やはり惜しい。空身で滝見物に向かう。今日の不動滝は、結構、水量がある。数枚のコンデジ写真を撮って、引き揚げる。暑くなりそうなので、上着を脱いでおこう。

 不動尊の祠の横から、尾根沿いに登って行く。すぐに左へトラバースする薄い踏跡は、不動滝上へ向かうものだが、尾根沿いにしばらく登る方が、ハッキリした杣道となる。やがてトラバースとなり、数ヶ所のザレ沢を横切り、やがて大除沢を木橋で渡る。木橋の下流側は、綺麗なナメとなっている。

 右岸に渡ると、ヒトリシズカの群生が、あちこちに見られる。少し沢沿いに登ると、大除沢右岸杣道から戻るように分岐する薄い踏跡があるが、これが不動道の入口だ。不動道の踏跡を辿り、戻るようにトラバース気味に登って行くと、やがてジグザグ登りとなる。

 踏跡は、一旦小尾根に出て、不動尾根871Pの南面をトラバースするように登って行く、比較的明瞭な道形となる。道形を辿ると、871P南の平坦地形に出る。道形は、さらに続き、やがて871東コルへと至る。

 871東コルから先も、尾根の南西面にトラバースの道形が続くが、どんどん尾根から離れるようなので、途中から尾根へとよじ登る。少し登った900-950M付近で、左へとトラバースする踏跡を見付け、これを辿ってみたが、植林帯の小尾根に出たところで、さらにやや下り気味にトラバースしていた。東大演習林の作業道のようだったが、上中尾向沢方面へ続いているのかもしれない。

 戻るのも癪なので、植林帯の小尾根を直登する。1000M付近で、不動尾根上に復帰する。少し登ると、1060Mで傾斜が緩くなる。先程の植林帯直登で消耗したので、1070Pで小休しよう。垣間見えるのは、二瀬尾根1515P方面であろうか。1070Pの先はストンと下って、東コルに出る。

 東コルから、再び尾根沿いを登って行く。1800M付近の尾根上の立木に、古い目印があったが、トラバース開始点付近は、枯葉が積もっており、道形が全く判然としない。目印(昨年巻いた黄ガムテープと今回のスズランテープ)を巻いた立木から、水平に行くと、踏跡を見失う。正解は、左上方へ登る、極めて薄い踏跡だ。この踏跡を見出すのに、10分ほど歩き回った。

 トラバース開始点付近の不明瞭な踏跡も、少し辿ると、ややハッキリしてくる。これをひたすら辿って、どんどん進もう。小尾根を回り込むと、やがてガレ沢地帯に突入する。このガレ沢地帯は、踏跡が不明瞭なので、注意が必要だ。スズランテープで、目印を補強しておこう。

 ここを過ぎると、再び踏跡が明瞭になり、トラバースを続ける、やがてザレルンゼの手前で、ジグザグ登りとなり、少し高度を稼ぐ。再びトラバースの踏跡がザレルンゼにぶつかると、踏跡は一段登る。その後、ルンゼに降りて、慎重に渡ることになる。急なザレの上に、枯葉が降り積もって、不安定だ。対岸の踏跡目指し、少し登り気味にルンゼを横切る。

 最大の難所を過ぎて、再びトラバース気味に進んで行く。やがて1369.4P北西の平坦な尾根に乗り、向きを変えて、1369.4P西コルへと至る。小休後、南へ下り、二瀬道の1350Mトラバースに合流する。ここからは、水平軌道跡と思われる明瞭な道形が続く。

 少し行くと、東大演習林のバス停型看板がある。左下へ、石津窪左岸道が分岐する。これを見送って、新反射板のある尾根を、大きく回り込むと、左前方に和名倉山頂が見えてくる。 トラバース道が、作業小屋跡に消え、残骸を通り抜けると、小沢状に突き当たる。さらにトラバースを続ける道形もあるが、水平道は次第に薄くなり、和名倉沢1380M右岸枝沢出合に至る。

 二瀬道の方は、小沢状に沿って登って行く。小沢状を少し登った場所に、水場がある。水場から先は、苔生したゴーロ状の左側に沿って、登って行くことになるが、少々判り難いので、目印を見落とさぬようにしたい。次第に藪っぽくなり、ズルズルの泥斜面をよじ登る。やがて、和名倉山名物の笹藪となる。

 以前の笹藪に比べ、近年かなり薄くなってきている。木々の成長に伴う陽当たり減少が一番の理由であろうが、二瀬道利用の登山者増も、かなり影響しているであろう。笹藪廊下に飽きる頃、1680Mコルに出て、笹藪廊下は終了する。'07-09の大除沢溯行時、このコルに突き上げたのだった。

 1680Mコルからは、二瀬尾根をほぼ忠実に登る。針葉樹・常緑樹に覆われていて、展望は得られない。コルから20分ほど登ると、肩状の小ピークで展望を得る。二瀬尾根では、数少ない展望台である。展望台から少し進むと、尾根上のちょっとした広場に出る。索道施設の跡のようで、樹木に囲まれていて、展望は得られないが、休憩に適している。ここからは、二瀬尾根の南東面をトラバースするように、道が付けられている。

 索道広場から、樹林帯のトラバースを20分ほど続けると、笹ッ場と呼ばれる、開けた草地斜面に出る。笹ッ場下の樹林の中には、僅かながら雪も残っていた。笹ッ場を抜けると、北ノタルの鬱蒼とした樹林帯に入る。薄暗くて、林床は、切り株・倒木も含め苔生している。苔の踏まれて薄くなっているところが、道である。

 道は、しばらく南へ緩やかに登り、いつの間にか鬱そうとした針葉樹林を抜ける。混淆林となり、広い尾根の西側を巻くように進む。金山沢・曲沢の中間尾根上部は、針葉樹の藪が濃く、また尾根筋がハッキリしないため、下降には適さないと思われた。やがて、岳樺の疎林となった金山沢中間尾根上部を通過するが、ここは下降できそうだ。

 間もなく、二瀬分岐に至る。ザックをデポし、和名倉山頂を往復してこよう。二瀬分岐からトラバース気味に進むと、すぐに千代蔵ノ休場と呼ばれる、広い荒れ地斜面に出る。道はその下端を通り抜けて、緩やかに登って行く。やがて、山頂手前の荒地に出る。ここから、密林に突入し、数分で、山頂の切り開きに出る。

 相変わらず、展望のない山頂である。方向感覚が、麻痺しそうだ。すぐに引き返し、二瀬分岐へと戻ろう。千代蔵ノ休場を通過し、二瀬分岐にデポしたザックを回収する。二瀬分岐は、およそ2000M付近である。ここから、川又分岐まで回るのでは、ちと時間が掛かる。時間節約のため、金山沢中間尾根上部を直接下って、川又道に出ようと言う作戦なのだ。

 適当に西へ向けて、藪を漕いで行くと、やがて、次第に尾根がハッキリして来る。この金山沢中間尾根上部を、標高差にして、150mほど下ってゆく。途中、傾斜が強くなるが、やがて傾斜が緩み、1850M付近で、予定通り川又道の踏跡に出合う。ホッとする。時刻は14:40、何とか日没前に下山できそうだ。小休して行動食を頬張り、水分を補給する。あとはこの川又道を下るだけだ。

 10分も歩くと、曲沢下降点である。立木の根元に、赤丸ペンキ印が付けられている。道は、少々アップダウンがあるので、見失わぬよう注意が必要だ。さらに30分弱進むと、昨年4月に雪で敗退した、曲沢左俣右沢源頭1830M作業場跡。ここも、見覚えのある地点である。

 1830M作業場跡を過ぎて、なおもトラバースを続けると、やがて1735Mコルへと至る。この辺りから、笹藪帯となるのだが、一昨年のことだか、刈払いが行われたらしく、歩き易くなっている。道は、なだらかに、1762Pの北側を巻いている。1762Pは、まさに藪の中である。

 さらに、道は北へと続く。樹林帯は、所々藪っぽくなっているが、尾根の西面をトラバースするように、踏跡は続く。笹藪の方が、刈り払われていて、道が明瞭である。やがて、久渡ノ沢右岸斜面の笹藪の中を、下って行くと、1400-1450M付近で、広場のような斜面に出る。

 さらに下ると、再びトラバースが始まり、久渡ノ沢右岸枝沢である涸れたガレ沢を横切り、笹藪は消えてくる。1173Pの尾根に乗る前のトラバースの辺りから、ドコモの携帯メールが届くようになる。尾根に乗ると、歩き易い。尾根の左手には、平坦地が広がる。水さえあれば、快適なサイトになりそうだ。

 道は、1173P手前の馬酔木の多い1165Mコルから、右手の斜面を下り始める。トラバース気味の下りと、ジグザグ下りを繰り返しながら、次第に高度を下げて行く。涸れ小沢を渡って、小尾根を下ると、850M付近の針葉樹植林帯に突入するが、この辺り極めて迷い易い。暗い植林帯で踏跡を外し、適当に下って、再び踏跡に復帰する。右手に和名沢を見ながら左岸を下って行くと、やがて吊橋へと至る。

 やっと吊橋に辿り着き、川又バス停のあるR140を見上げる。釣り橋を渡り、最後の登り返しを頑張れば、愛車が待っている。長かった一日行程も、フィナーレを迎える。

概念図

アルバム

川又バス停の観光トイレ
(前年4月撮影)

 

不動滝入口の東屋
川又吊橋
不動尊
大除沢不動滝
大除沢不動滝
大除沢不動滝
大除沢木橋下流のナメ
大除沢杣道木橋
ヒトリシズカ
不動沢杣道から不動道取付
・871P南平坦地
・871P南平坦道形
875Mコル
875Mコルから先も、尾根の南西側に道形が続く
尾根から離れてゆくので、途中から強引に尾根に登って復帰する
・1070P
・1070P
1180M付近トラバース開始点
1180M付近トラバース開始点 920
上中尾向沢源頭トラバース
上中尾向沢源頭トラバース
上中尾向沢源頭トラバース
二瀬不動分岐で1350M水平道に出る
二瀬不動分岐から、1350M水平道を行く
水平道と石津窪杣道の分岐、東大演習林バス停
水平道と石津窪杣道の分岐
水平道から和名倉山頂方面
水平道を振り返る
水平道その先
小屋跡の先の水場
水場近くのハシリドコロ
笹藪廊下
笹藪廊下
笹藪廊下も、そろそろ終了
笹藪廊下上の1680Mコル
展望台からの眺め
笹ッ場
笹ッ場
笹ッ場
北ノタル
北ノタル
千代蔵ノ休場
千代蔵ノ休場
和名倉山頂手前の荒地
和名倉山頂
千代蔵ノ休場
二瀬分岐北から、金山沢中間尾根上部を下降して、川又道に出た
金山沢中間尾根上部、川又道に合流
川又道・曲沢下降点
川又道・曲沢下降点
・1826肩
・1826肩
1830M作業場跡
・1762P北付近
・1762P北付近
・1762P北付近からは、笹藪がきれいに刈り払われている
・1173の尾根道
・1173の尾根道
・1173の尾根道
・1173の尾根から離れ、北斜面を斜めに下って行く
川又吊橋

 

曲沢左俣右沢源頭1830M作業場跡
(前年4月撮影)

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