滝川右岸道往復(奥秩父)

【注意!】滝川右岸道は、迷い易い箇所・危険箇所が多く、曲沢より上流側は、あまり踏まれていません

date 2010/6/6 薄曇
コース 山薊橋先下降点〜高滝下吊橋〜滝川右岸道〜金山沢横断点〜1290M肩小屋跡〜槇ノ沢(往復)
実働 往き:6h10m、帰り:4h18m、計:10h28m。
概要 滝川右岸道を、槇ノ沢まで偵察往復。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:山道・踏跡、:溯行、\\:藪漕ぎ・不明瞭な踏跡、=:車
【6月6日】 薄曇
自宅3:55=7:10山薊橋先下降点7:20→高滝下吊橋分岐(右岸道合流点)8:00→曲沢9:00→曲沢枝沢9:35→\\11:05金山沢11:25→\\12:30 1290M肩小屋跡12:40→\\崩壊ザレルンゼ13:15\\\\14:00槇ノ沢14:15\\\\崩壊ザレルンゼ14:40\\→1290M肩小屋跡15:10\\→金山沢16:05\\→曲沢17:10→沢小屋沢17:45→高滝下吊橋分岐(右岸道合流点)18:00→18:33山薊橋先下降点18:50=19:00道の駅みとみ19:30=23:00自宅
使用装備 軽登山靴、GPS、μ-725SW、杖(拾った棒)、赤すずらんテープ、赤ビニテ
不用装備 アイスハンマー、渓流靴、ハーネス、8mmx30mザイル
記録  '82年10月の二つの山行(滝川水晶谷・雁坂峠'82-10滝川槇ノ沢・唐松尾山・古礼山'82-10)で、その利用価値が高かった滝川右岸道であるが、滝川金山沢・曲沢下降'04-06滝川右岸道・金山沢・曲沢下降'08-06の山行では、荒れ方が酷く、二度とも道を外してしまうほどであった。

 前回の滝川右岸道偵察'09-09では、金山沢と槇ノ沢の間の尾根上にある1290M肩小屋跡まで達し、その先の崩壊ザレルンゼで引き返したのであった。今回は、前回の偵察で、1290M肩小屋跡の先の林道跡状道形から分かれてジグザグに下って行く踏跡が気になっていたので、そこを確かめに出掛けた。

【6月6日】 薄曇
 寝坊したため、歩き始めは7時を過ぎてしまった。今日もまた、車に戻る頃には、日が暮れてしまうかも。下降点から吊橋までは、比較的良く踏まれていて、普通の登山道なみの道である。ジグザグに下って行くと、一旦旧トロッコ道に出る。旧トロッコ道の林道を少し右へ進み、すぐの分岐をさらに下って行くと、高滝下吊橋に出る。荒川本流を渡って、右岸に移る。

 右岸側に渡ると、すぐに小尾根に取り付いて登って行く。東大演習林のものと思われる、金属製の階段が、取り付けられている。一旦痩せ尾根に乗った後、右手をトラバース気味に登り、広く緩くなった尾根に再び乗る。やがて、右手へとトラバース気味に登り始め、滝川右岸道に合流する。ここは、帰りが暗くなった場合、要注意の分岐である。

 右岸道合流点(吊橋分岐)から、1時間ほどで、曲沢横断点に達する。例の秩父漁協の看板が、立っている。曲沢を過ぎると、右岸道は荒れて来る。植林帯を辿った後、藪っぽいガレ斜面をトラバースして、曲沢970M左岸枝沢を横断すると、その先に崩壊ザレが現れる。あまり役に立ちそうもないトラロープが、渡してある。

 ・1204のある金山沢・曲沢中間尾根を回り込むと、藪っぽいザレ窪を横断し、大倒木斜面に差し掛かる。踏跡は、かなり薄くなる。前回と比べても、更に荒れている印象だ。こんな所あったかな?と思いつつ、倒木を越えて先へ進むと、見覚えのあるザレ窪と岩稜帯が現れる。

 岩稜帯の斜上バンドを登って行き、倒木の下を潜って、ロープ頼りに岩場を横断する。核心部の先の斜上する踏跡を辿ると、岩石の散乱する金山沢手前尾根に乗る。尾根を回り込んで、バンド状を進むと、下り気味にザレ斜面に突入する。斜面中央付近から、適当にジグザグ下りをする。この辺り、ハッキリした踏跡は消失している。眼下に金山沢を俯瞰しつつ、ザレ斜面を騙して下る。

 やがて、左手の岩根沿いに、金山沢横断点へと下り着く。曲沢横断点から、金山沢横断点まで、2時間強かかった。例の秩父漁協の立て札は、ポッキリ折れていた。左岸に渡り、小屋跡と思しき平坦地で、小休する。スポーツ飲料を1本、沢に浸しておく。帰りに冷えたのを飲むためだ。

 金山沢左岸平坦地裏手のガレ斜面に取り付き、右上へと斜上する。小尾根を越すと、踏跡が少し明瞭になる。間もなく、道形が崩壊し、倒木混じりのトラバースを強いられる。幾つか目の小尾根を越し、小尾根の右手を登って折り返し、やがて小尾根に絡んで登る。この辺りから、踏跡は薄くなる。

 目を皿にして踏跡を辿り、上部では、前回のルート(黄色のすずらんテープ)よりもましな、1290M肩小屋跡への踏跡を発見する。今回は、赤(ピンク)のすずらんテープを使用した。1290M肩の小屋跡よりも尾根末端側に出る。

 幹の下部に鉈目風の皮剥が見られる木付近から、尾根の槇ノ沢側に付いている薄い踏跡(獣道?)を辿って行くと、例の顕著な林道跡状道形と交叉する。ここは、重要な交差点である。この交差点から、林道跡状道形の右下方へと分岐する踏跡こそ、正解槇ノ沢下降道なのだ。この交差点は、5叉路となっていると思われる。赤すずらんテープを、ベタ打ちしておいた。

 さて、林道跡状道形の五叉路から、目星を付けた踏跡を辿る。しばらく、ジグザグ下りを続け、さらに下り気味にトラバースして行くと、次第に踏跡が明瞭になってくる。しめしめ、この踏跡が槇ノ沢への下降道に違いない。

 五叉路から20分ほど下ると、浅い窪状のゴーロ状疎林となる。倒木があって、踏跡が不明瞭になる。少し下り気味の場所に、平坦地があって、そこからまたトラバース道形が現れる。さらに5分ほど進むと、例の崩壊ルンゼにぶち当たる。この場所なら、ルンゼ横断が可能そうだ。慎重に横断する。

 その先の尾根に乗り、尾根に絡んで下って行く。次第に瀬音が大きくなり、最後は尾根の左手のザレをトラバースするように踏跡が続いている。適当に下って、槇ノ沢の川原に降り立つ。時間も無いので、小休して引き返す。赤すずらんテープを適宜追加し、登り返そう。

 復路は、槇ノ沢から25分で、崩壊ルンゼに至る。崩壊ルンゼから30分で、1290M肩小屋跡に登り着き、そこから金山沢まで1時間弱。沢水で冷やして置いたスポーツ飲料を回収し、のどを潤す。曲沢まで1時間強、さらに吊橋分岐まで1時間弱、そこから山薊橋先下降点の車まで30分強の頑張りで戻り着いたのであった。

 雁坂トンネルを抜け、道の駅みとみで着替えをする。勝沼からの中央道では、渋滞につかまり、帰宅したのは午後11時になっていた。

GPS軌跡

アルバム

高平:山薊橋先下降点
山薊橋先下降点から踏跡を下る
高滝下吊橋
金属製階段
右岸道合流点
曲沢横断点
曲沢枝沢先ザレ
・1204尾根1130M付近の、緩傾斜樹林帯のトラバース
金山沢手前岩稜帯の斜上バンド
金山沢手前岩稜帯の斜上バンドの難所を振り返る
金山沢手前岩稜帯の斜上バンド
金山沢手前ザレ斜面
斜面から金山沢
金山沢横断点
1290M肩小屋跡南東交差点付近
1290M肩小屋跡南東交差点付近
槇ノ沢下降道
不明瞭地点を振り返る
崩壊ルンゼ横断点
崩壊ルンゼ横断点を振り返る
崩壊ルンゼ横断点

表紙
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