八丁尾根・大キギ・剣ヶ峰・金山岳西尾根下降(両神)

date 2008/12/23 晴
コース 上落合橋〜八丁峠〜東岳南コル〜大キギ〜東岳南コル〜剣ヶ峰〜金山岳西尾根〜1389P〜落合橋
実働 剣ヶ峰までの登り:4h35m、剣ヶ峰からの下り:1h50m、計:6h25m。
概要 新雪の八丁尾根縦走、大キギ登頂、金山岳西尾根下降。
メンバー Ts君、すうじい
使用装備 登山靴、アイゼン、ピッケル、ヘルメット、オーバーミトン、μ725SW、E-1、ED12-60mmF2.8-4SWD
不用装備 8mmx30mザイル、ハーネス、8環、細引
行程 →:山道・踏跡、\\:藪漕ぎ・踏跡無し、**:アイゼン、\*\:藪アイゼン、車:=。
【12月23日】 晴
自宅3:40=Ts君=6:15影森コンビニ6:25=7:00道の駅大滝温泉7:10=7:40相原橋(チェーン装着)7:50=8:15上落合橋9:00→八丁峠9:55→10:20アイゼン装着10:45**11:35西岳12:00**13:05東岳13:10**\*\13:35大キギ13:50\*\東岳南コル14:15**14:45剣ヶ峰15:10**15:20金山岳15:35\*\登山道16:35**17:15落合橋17:25=18:25道の駅大滝温泉18:35=西武秩父19:05=20:40自宅
記録  昨年12月の金山沢中間尾根(金山岳西尾根)・剣ヶ峰・大キギ・八丁尾根の逆コースにトライした。今回は、前日に新雪が積もり、八丁尾根の鎖は使えたものの、難易度はかなりアップしていたように思う。

【12月23日】 晴
 中津川沿いの相原橋付近でチェーンを巻き、金山志賀坂林道へと入る。小倉沢のニッチツ鉱山付近から、路面に雪が積もっていた。チェーンさえ巻けば、特に問題なく、落合橋・上落合橋間の駐車スペースに至る。

 登り始めてすぐに、適当な棒を拾い、杖とする。登山口から30分強登ると、大岩の横を通過する。この辺り、吹き溜まりになっているようで、吹き溜まった落ち葉の上に、吹き溜まった雪が積もり、やたら潜る。ガレの上の落ち葉と新雪のミックスを、ラッセルしながら登って行く。

 八丁峠付近の看板が見えて来ると、間もなく縦走路に出る。まだ誰も踏んでいない、新雪の縦走路を辿って、八丁尾根に入る。索道跡の台地を過ぎ、鎖の岩場が始まる。雪は未だ凍結していないので、鎖を引っぱり出して利用できるが、岩は滑り易い。

 鎖場を一つ越えた、1540M肩状ピークでアイゼンを着ける。快晴の空の下、展望は頗る良い。小休を兼ねて、カメラを構える。八ヶ岳が立派だ。御座山の右手には、蓼科山の円頂が白い。浅間山も白い。

 この先も、岩稜・岩峰が続くが、この辺りの鎖場で、一度足が滑って、鎖にぶら下がり、肋を打撲してしまった。新雪に覆われてはいるが、まだ凍結箇所は殆ど無い。西岳の一つ手前の岩峰が、行蔵坊ノ頭(行蔵峠とも言う)である。取り敢えず、このまま西岳まで進むことにする。

 高度感のある、雪混じりの西面の鎖場を登ると、西岳山頂に至る。北側には、西岳新道が登ってきているが、殆どの登山者は、それに気付かないに違いない。さて、これから大下りとなるので、十分に休憩しておこう。ここで、後続の二人パーティに追い越される。

 西岳から風穴キレットへは、陽当たりの良い岩場を下る。一気に下り、風穴キレットを通過する。北東側は、尾ノ内沢道のキンササゲまで続くルンゼとなっている。風穴キレットから、竜頭山への登り返しも、なかなかハードである。雪の着いた岩場は、鎖無しでは相当難しそうだ。

 竜頭山には、竜頭神社奥社がある。奥社から北へと急降下する小尾根が、尾ノ内沢道の下降ルートとなっている。鎖連続の難路で、雪の着いた季節は、メチャンコ大変なのだ。竜頭山から、岩峰を越えたり巻いたりして、最低コルまで下り、もう一度、東岳まで登り返さねばならない。今回のコース取りは、下りがほぼ乾いた岩場なので、幾分楽ではある。

 最低コルから東岳へ、再び雪の鎖場を登る。今回、全ての鎖が使えたので、さほど困難は無かった。東岳山頂が近付くと、左前方に大キギ北西壁が見えてくる。雪が薄っすら、へばり着いているようだ。東岳山頂のベンチでは、先程の二人パーティが休んでいた。彼らは、ここで引き返すらしい。午後1時を過ぎているので、大キギと剣ヶ峰の両方を踏むのは、時間的に結構厳しいかも。

 東岳から南コルまでは、すぐである。ここから、金山岳北面をトラバースし、大キギコルへと下る小尾根に乗る。途中、急な箇所もあるが、藪を漕ぎつつ適当に下る。大キギコルからは、北ルンゼが落ち込んでいる。痩せたコルを慎重に渡り、大キギ南西稜に取り付く。すぐに、岩稜にぶつかるので、南東面の踏跡を辿る。

 踏跡が不明瞭になった辺りで、南西稜を乗越し、北西側斜上バンドへと降り立つ。雪の着いた斜上バンドを登り、1mほどの段差を、立木頼りに越える。左手は、ブッシュはあるものの、スッパリ切れ落ちているので、慎重に。シャクナゲ混じりの斜上バンドを、更に少し登って、再び南西稜に乗る。

 南西稜の痩せ尾根沿いに登ると、ブッシュ混じりの壁に突き当たる。ここは、立木を利用して乗越すと、ボロボロ浮き石だらけの肩に出る。慎重に進めば、間もなく大キギ山頂である。山頂は、灌木の林となっている。振り返れば、東岳東壁が、衝立のようにそそり立つ。

 帰りも、浮き石の肩から立木頼りに壁を下降する箇所が、ザックが引っ掛かってバランスを崩し易いので、要注意だ。南西稜から北西側斜上バンドを下降するが、さほど困難は感じない。往路を戻って、東岳南コルへと登り返す。大キギまで、往復実働45分であった。

 東岳南コルから、金山岳・前東岳を経て、剣ヶ峰まで30分。山頂の雪の上には、沢山の足跡が残されていたが、既に午後3時では、誰もいない。大分雲も出ており、八ヶ岳は見えないが、御座山と上武信国境の山々が見えている。和名倉山の平べったい姿が目に入る。雁峠に、富士山のシルエットが一瞬見えたが、すぐに隠れてしまった。北方を見遣れば、枯れ枝越しに、下降する予定の金山岳西尾根が見えている。さて、そろそろ金山岳へと戻り、西尾根を下降することにしよう。

 金山岳で小休し、午後3時半過ぎ、藪を漕ぎつつ西尾根下降を開始する。やや藪っぽい急斜面であるが、下りではどうと言うこともない。10分ほどで1640M付近の緩斜面に出る。前回は、この辺から北へとトラバースして、東岳南コルへと出たのだった。この辺りは、尾根が広いが、方向にさえ気を付ければ、迷うことは無いだろう。

 尾根が痩せて来て、顕著な1590M付近枝尾根ノ頭に至る。ハッキリとした尾根の分岐となっており、左側の尾根の方がそれらしく見えるのだが、右側の十メートル先が肩状になっている尾根が、正解西尾根である。肩の先は、急降下となり、立木に掴まって下る。

 顕著な枝尾根分岐を過ぎて、ちと油断したか、その先で右手の枝尾根に入ってしまった。早めに気付いて修正したが、日が沈みかけており、「遭難」の二文字が脳裡を過ぎる。ひたすら主尾根を辿れば良いのであるが。岩稜っぽくなって、例のギャップから、右手のバンド状へと進む。ここを過ぎれば、もう難所は無い。

 登山道に合流し、ホッとする。ヒノキ林の1389Pへ登り返すと、急に足元が暗くなる。気持ちは焦るが、転倒が怖くて、急げない。過去に、この道で転倒して、メガネを谷底へ落としたことがあるのだ。途中から、ヘッドランプのお世話になる。結局、登山道に合流してから40分もかかって、落合橋の駐車スペースに降り立った。

金山沢流域概念図

アルバム

上落合橋
八丁沢右岸沿いから、八丁峠へ向け登って行く
落葉樹の林を登る
八丁峠で縦走路に合流する
八丁峠から八丁尾根縦走開始
八丁尾根1540M肩から八ヶ岳
八丁尾根1540M肩から蓼科山方面
八丁尾根1540M肩から赤岩尾根
八丁尾根1540M肩から浅間山
八丁尾根1540M肩から奥秩父方面か
行蔵坊ノ頭を望む
鎖場を登る
浅間山
鎖場を登る
行蔵峠
西岳を見上げる
東岳・金山岳・剣ヶ峰
西岳
西岳から行蔵坊の頭と赤岩尾根P1
西岳から、東岳・金山岳・剣ヶ峰・右俣ノ頭
西岳から行蔵坊ノ頭と赤岩尾根、奥に蓼科山、御座山、八ヶ岳
西岳からの下り
風穴
竜頭山への登り
竜頭山の竜頭神社奥社は、尾ノ内側を向いている
竜頭山から東岳
竜頭山の下り
東岳への登り
竜頭山と西岳方面を振り返る
東岳の登り
東岳から大キギ
東岳南コルから金山岳北面をトラバースして、大キギコルへ下る小尾根に乗る
大キギコルから、北ルンゼが落ち込んでいる
大キギ南西稜の南東面の踏跡を登る
南西稜を乗越し、北西側斜上バンドを登る
大キギから東岳東壁
大キギ頂上
大キギから金山岳
大キギ浮石の肩から、立木頼りに下降する
剣ヶ峰から御座山方面
剣ヶ峰から奥秩父方面
剣ヶ峰から金山岳
剣ヶ峰から右俣ノ頭と大笹か
金山岳西尾根を下る
金山岳西尾根1640M付近
1640M付近で、金山岳西尾根を振り返る
金山岳西尾根を下る
金山岳西尾根1590M枝尾根ノ頭から正解尾根肩
1460M岩場
金山沢右俣左沢右岸杣道に降り立つ

MR581_ 日向大谷から剣ヶ峰・大キギ'06-12

MR597_ 金山沢中間尾根・剣ヶ峰・大キギ・八丁尾根'07-12

MR614__南天山'08-12

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