桃洞沢桃洞滝・赤水沢兎滝・様ノ沢九階滝見物(森吉)

date 2006/7/17 曇
コース 野生鳥獣センター〜桃洞滝〜兎滝〜九階滝〜野生鳥獣センター
実働 計:7h50m。
概要 桃洞滝・兎滝見物後、赤水沢から尾根越え、九階滝見物。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:山道・踏跡、:溯行・下降、\\:藪漕ぎ、=:車

【7月17日】 曇
野生鳥獣センター5:30→6:07桃洞・赤水分岐6:10→6:30桃洞滝7:15→桃洞・赤水分岐7:35→
669M二俣9:00兎滝9:159:20左岸枝沢滝9:25669M二俣9:45655M左岸枝沢出合9:57
\\745Mコル10:28→10:35九階滝展望台11:12→11:16 745Mコル11:27\\12:36九階滝13:25
\\745Mコル14:50\\15:13 655M左岸枝沢出合15:38→桃洞・赤水分岐16:30→17:07
野生鳥獣センター17:37=19:30田沢湖YH(泊)
使用装備 渓流足袋、E-1、11-22mmF2.8-3.5、18-180mmF3.5-6.3、三脚、ヘルメット、アイスハンマー、(ハーネス)
不用装備 7-14mmF4、8mmx30mザイル、8環、防虫ネット
記録  7月中旬の北秋田滝見シリーズ、第三弾は、赤水沢から尾根越えで、様ノ沢九階滝見物に出掛けた。

【7月17日】 曇
 野生鳥獣センター駐車場で、夜を明かすと、珍しく、雨が降りそうもない空模様である。急に、元気が出てきて、急ぎ準備する。先ずは、赤水・桃洞分岐を経て、桃洞沢の桃洞滝を見物に出掛けよう。森の中で、様々な野鳥の声を聴きながら、遊歩道を進む。時折、驚いたカモが飛び出したり、キセキレイがチョコチョコ現れる。

 やがて、桃洞沢を渡り、右岸沿いの岩盤に造られた道となると、もう間もなくだ。鳥獣保護センターから小一時間で、独特の形状をした、桃洞滝に至る。三脚を立てて、夢中になって撮影開始だ。

 思わず長居をしてしまったが、今日は先が長い。そろそろ、引き揚げることにしよう。先ずは、赤水・桃洞分岐まで引き返す。

 赤水・桃洞分岐まで引き返し、今度は、桃洞沢の滑を渡って、赤水沢左岸の遊歩道に入る。しばらく、左岸沿いを歩くと、やがて沢登りが始まる。ヘツったり、浅い所を選んだりして進んで行くと、滑の連続となる。何処でも歩けそうだが、油断すると深みに填る。

 時折現れる滑小滝を、適当に越えて、滑床をどんどん進むと、意外と距離が稼げる。時間が心配なので、兎滝は後回しにして、先ずは九階滝を見に行こうと思っていたが、ふと気が付けば、玉川・兎滝分岐を示すプレートが、正面の立木に打ち付けてある。赤水・桃洞分岐から約1時間、いつの間にか、669M二俣に到着していたのだ。

 ここまで来たのなら、ということで、赤水沢を更に進み、兎滝を目指すことにしよう。しばらく、藪っぽい流れとなる(ここは、右岸に踏跡があることが、帰りに判った)。そのうち、また滑床が復活し、歩き易くなる。669M二俣から、30分ほどで、兎滝に到着する。

 正面に、丁度良い大岩がある。その上に立って、三脚を立てよう。さて、急ぎ引き返さねば。と思っていたら、兎滝下流の685M右岸枝沢にも、滑滝が懸かっている。取り敢えず、これも撮影しておこう。

 赤水沢の滑床を、引き返す。藪っぽくなる手前で、右岸に踏跡があるのに気付き、669M二俣近くの大曲りをショートカットする。帰りも、二俣まで30分。669M二俣からは、地形図とにらめっこしながら、慎重に現在位置を調べつつ、滑床を下降して行く。10分強で、目指す655M右岸枝沢出合に至る。

 赤水沢の655M右岸枝沢出合まで戻り、傾斜のある滑滝連続沢に取り付く。次第に、直登は厳しくなる。ホントにこんな所を登るんかいな?と思っていたら、どうやら右岸側の草付に踏跡があるらしい。右岸の草付スラブを登ると、上方の立木から、残置ロープが下がっている。

 藪っぽくなった沢を進むと、倒木に埋まった広場を経て、再び傾斜のある滑滝連続となる。もう一段登った705M付近で、745Mコルへ向かう枝沢出合となる。帰りのために、林檎ジュースのペットボトルを、冷やしておこう。

 溝状となった枝沢沿いに、藪漕ぎを続ける。薄い踏跡は、やがて745Mコルへと至る。赤水沢から、約30分の登りであった。数本のブナの大木に、目印が刻んである。ここからでは、九階滝は見えない。右手へ続く尾根上に、明瞭な踏跡が続くので、これを辿る。やがて、九階滝が見えてきた。

 位置によって、微妙に九階滝最下段の見え方が異なるので、少し動き回って三脚を立てよう。側壁スラブが、物凄い。さて今度は、様ノ沢へと下降しよう。九階滝展望台から、踏跡を辿って、745Mコルの「大川ブナ」へと戻る。

 様ノ沢への下り始めは、ハッキリした踏跡とはなっていないが、笹やブッシュを掴みながら、急斜面を下って行く。やがて、窪状に沿って、激藪に突入するが、どんどん下ろう。そして、窪状は突然、涸棚の上に出る。

 これは下れない。見回すと、左手に踏跡がある。小尾根を乗越すと、木の根やブッシュ頼りに、左へ左へと下って行く。適当に、赤いスリングを目印を兼ねて残置して行こう。急な草付泥スラブ窪を慎重に横断して、更に左手のブッシュ小尾根に乗ると、トラロープが固定されている。これに沿って下って行く。ズルズルの急斜面なので、腕力を消耗する。やがて、小さな窪を下ると、雪渓・スノーブロックと倒木の詰まった沢に出る。

 この沢の左岸沿いに下って行くと、やがて右手に顕著な多段滑滝が現れ、様ノ沢右俣に出合う。右俣を下って行くと、滝の上に出る。この滝は、左岸のブッシュを利用し、腕力と微妙なバランスで巻き下る。登り返しのために、ブッシュに、赤いスリングを残置しておこう。更に下って行けば、滑滝状となり、右岸のブッシュ沿いに下って、様ノ沢左俣に出合う。

 様ノ沢左俣には、流倒木が多く詰まる。小滝を右から越えて、九階滝下の瀞釜に至るが、ここにも、流倒木が多い。逆手にとって、その上に立って、撮影を試みる。

 次に、右岸側のブッシュ帯を藪漕ぎして、スラブとの境界に出る。ブッシュにセルフビレイして、テラス状で三脚を立てよう。命は惜しいし、なかなか、思うような角度からは、撮影出来ないものだ。さて、そろそろ引き揚げるとしよう。

 再び藪を漕いで、右岸のブッシュ帯から様ノ沢左俣へと下降する。二俣から、右俣出合の滑滝を、右岸のブッシュ沿いに登り返す。問題の滝は、左岸の急な草付に取り付き、残置しておいたスリングを利用して、ブッシュ帯へと登って行く。

 右俣の顕著な多段滑滝を見送り、左岸枝沢沿いに登ると、雪渓・ブロック・流倒木帯となる。さてこの辺から、左岸の窪状からブッシュ帯に取り付くのだが・・・。しばらくウロウロするが、やっと取付を見付けて、残置されたロープ頼りに登り始める。もっと、マーキングしておけば良かった。

 ズルズルの急斜面に下向きに生えたブッシュを掴み、腕力で登って行く。やがて小尾根状の残置ロープ終点付近で、左手の急な窪状を横断するはずなのだが、どこだったかな?。また、しばらくキョロキョロしていると、左手の窪状の対岸に、自分で掛けて置いた赤いスリングが見えた。少し下った場所で、慎重にトラバースする。

 ブッシュ斜面を登り返し、木の根頼りに小尾根を越えて、涸棚上の窪状に降り立つ。あとは、この窪状を登って行けば良いだろう。しばらく忠実に登って行くと、激藪帯となる。ここで、弱気になって、右手の藪の薄そうな所を登ったのが、ちと敗着となった。すぐに、目標のない藪となり、やむなく、左へ左へとトラバース気味に登るが、大変な藪漕ぎを強いられた挙げ句の果て、大川ブナのコルより、10m程右手に出てしまった。九階滝からの登り返しは、1時間半ほどだった。

 すぐに、赤水沢へと下降を開始する。踏跡を辿り、小沢を下って行くと、705M付近で、より水量の多い沢との出合となる。ここで、冷やして置いた林檎ジュースのペットボトルを回収する。急な滑滝連続を、残置ロープとブッシュを利用しつつ下降する。流倒木広場を通過し、傾斜のある滑滝連続は、右岸の大木から、残置ロープを利用しながら、右岸草付スラブを慎重に下降する。あとは、右岸草付の踏跡を下れば、655M右岸枝沢出合で赤水沢に合流する。

 出合で、登攀具をザックに仕舞いながら、冷やした林檎ジュースを飲もう。ここまで来れば、もう難所は無い。あまり食べていなかった行動食を頬張りながら、赤水沢の雰囲気を楽しむ。ゆっくり休んだ後、赤水沢の下降開始だ。

 赤水沢は、難所は無いものの、油断すると深みに填るので、注意が必要だ。右か左か真ん中か、素早く判断しながら、ジャバジャバ進む。やがて左岸側の遊歩道に乗り、655M右岸枝沢出合から50分ほどで、桃洞・赤水分岐に至る。

 さらに、森の中の遊歩道を歩いていると、もう17時だというのに、桃洞滝見物と思われる中高年の集団と出会う。この人達大丈夫なのか?。梅雨時の沢沿いコースだぞ。これから往復すると、18時半は過ぎるぜ。まあ、人様のことは置いといて、重い脚を引きずり、野生鳥獣センター駐車場の車まで戻る。

 後片付けを始めたら、大粒の雨が激しく降り出した。急いで着替えて、田沢湖YHへと向かう。あの集団は、ズブ濡れだろうな・・・。諦めて、引き返したかな・・・。

アルバム

桃洞沢桃洞滝
桃洞沢桃洞滝
桃洞沢桃洞滝
赤水沢兎滝
赤水沢右岸枝沢滝
九階滝展望台から様ノ沢九階滝
九階滝展望台から様ノ沢九階滝
下から見上げる様ノ沢九階滝
右岸スラブから様ノ沢九階滝
赤水沢655M付近
赤水沢655M付近
赤水沢小滑滝

MR568 玉川堀内沢シャチアシ沢シャチヒネリ滝見物(和賀)'06-07

MR569 玉川湯淵沢二天ノ滝見物(森吉)'06-07

MR571 夜明島川茶釜ノ滝見物(八幡平)'06-07

MR572 中ノ又沢安ノ滝見物(森吉)'06-07

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