玉川堀内沢シャチアシ沢シャチヒネリ滝見物(和賀)

date 2006/7/15 雨時々曇
コース 堀内沢取水堰手前林道終点〜盗伐林道〜堀内沢〜シャチアシ沢〜ヒネリ滝(往復)
実働 溯行:4h36m、下降:4h、計:8h36m。
概要 取水堰から、盗伐林道利用、堀内沢溯行し、憧れのヒネリ滝見物。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:山道・踏跡、:溯行・下降、\\:藪漕ぎ、=:車

【7月14日】 曇のち雨
さいたま7:35=13:15盛岡イオン14:30=16:50堀内沢取水堰手前林道終点(車中泊)

【7月15日】 雨時々曇
林道終点5:10→盗伐林道5:35→6:23堀内沢ワイヤー6:40朝日沢出合7:30イワイ沢8:03
\\8:45シャチアシ沢出合滝上9:059:09 7m滝9:21\\3m・4m連瀑9:44\\10:15前衛滝
10:30\\10:50ヒネリ滝11:45\\前衛滝12:00\\13:00シャチアシ沢出合下13:10イワイ沢
13:40朝日沢出合14:0214:50堀内沢ワイヤー15:10→16:15林道終点16:40=17:55
田沢湖YH(泊)
使用装備 渓流足袋、E-1、11-22mmF2.8-3.5、7-14mmF4、三脚、ヘルメット、アイスハンマー、(ハーネス)
不用装備 9mmx40mザイル、8環、防虫ネット
記録  7月中旬に、北秋田の滝見に出掛けた。第一弾は、玉川抱返渓谷堀内沢シャチアシ沢のシャチヒネリ滝見物である。

【7月14日】 曇のち雨
 前日のうちに、東北道を長駆して、盛岡IC近くのイオンで買い出し。そこからR46を西走し、田沢湖駅近くで生保内川橋を渡って、南下する。部名垂林道方面を目指すわけだが、途中ゴミの最終処分場までは、舗装されている。その後も、さほどの難路とはならずに、取水堰手前の林道終点に至る。

 初日は、ここで車中泊だ。取水堰すぐ上流右岸から注ぐ枝沢で、缶ビールを冷やしておこう。雨模様なので、暗くなる前に、車内を整理して、寝る場所を確保する。蒸し暑い夜となる。

【7月15日】 雨時々曇
 翌朝、気温は下がっていた。相変わらず、降ったり止んだりだが、起き出す頃に、2台の車が登場する。マンダノ沢から朝日岳に登るという、沢登りの集団だった。

 40mザイルとハーネス・アイスハンマーを担ぎ、雨具の上下を着て出発する。右岸枝沢を渡り、しばらく、右岸沿いの川原を進み、踏跡はやがて林の中に続き、右岸の斜面を、どんどん登るようになる。標高差にして数十m登ったところで、上流側へと斜めに登り気味に進み始める。そのうち、盗伐林道跡の、ほぼ水平な踏跡となる。顕著な滝を懸ける枝沢を、2本横切り、1時間ほどで岩屑斜面の行き止まりとなる。

 ここから、踏跡は下降し、ワイヤーケーブルが2本、沢を横断している場所に出る。少し上流側に、右岸枝沢が出合う。帰りのために、マーキングをしておこう。

 右岸枝沢出合付近で、左岸側へと徒渉する。堀内沢は、流れが速く、今回は水量も多目なので、緊張する。踏跡は、左岸側に続き、左岸枝沢を過ぎ、朝日沢出合の幕営適地まで、50分ほどである。

 朝日沢出合上流の広い所で、再び右岸側へと徒渉する。少し進むと、左岸枝沢出合の先で、両岸が切り立ち、三度目の徒渉をすることになる。この辺りは、流れが速く深いので、要注意だ。安易に岩から岩へと跳んだら、足が滑って流された。何とか事無きを得て、左岸踏跡に取り付く。

 このあとは、滝を懸けるイワイ沢を過ぎ、左岸通しを進む。シャチアシ沢出合手前も、水量が多くて、ややこしいので、結局、シャチアシ沢出合の10mトヨ滝を見ずに、緩いルンゼ状から、早めに左岸高巻きを開始する。効率から考えると、この方が楽ではあった。10mトヨ滝に続く6x10mトヨナメを左手に見下ろしながら、その上流側に下降する。

 その先には、左壁に流木が立て掛かった、F2:7m滝が待ち構える。雨とガスとで、条件最悪ながら、三脚を立てて撮影しよう。さて、F2の巻きは、左岸のズルズル泥付を斜上する。フェルト足袋は滑るが、アイスハンマーが強い味方だ。立木の所まで登れば、あとは簡単だ。

 これを巻き終えて、進めば、3mほどの滝がある。更に行けば、今度は3m、4mの連瀑だ。荒れていて難色だが、左岸の草付ガレから高巻く。樹林帯に入って、不図気が付くと、遙か山頂付近から降り注ぐ、異様な「滝のようなモノ」が垣間見える。「げえっ!あれがシャチヒネリかぁっ!?」と、思わず叫んでいた。苦労しつつ、急斜面の倒木をトラバースして、沢に降り立つ。

 気持ちは逸るが、重荷に脚は捗らない。それでも、釜を持つ小滝を右岸から巻き、歩きにくいガレゴーロを進めば、やがて、右岸からトヨ状滝を懸ける枝沢が出合い、前衛たる8x12m2条滝の下に立つ。ここからでは枝葉で邪魔されて、ヒネリ滝の全容を見ることが出来ないが、怒濤の飛沫と轟音に圧倒される。

 取り敢えず、三脚を立て、撮影しておこう。さて、前衛滝の越え方だが、巻く場合は、右岸巻きが正解のようだ。最初、左岸の踏まれた跡を登ったが、駄目そうなので、引き返す。

 さて今度は、前衛8x12m2条滝と右岸枝沢との中間小尾根に取り付く。ブッシュ頼りに登り、前衛滝を過ぎた辺りで、視界が開ける。正面に見える右岸小尾根の向こうに、ヒネリ滝が注いでいる。その右手には、左岸白糸滝が、50m以上の落差で岩壁に懸かっている。

 足下の悪そうな草付斜面を下り、沢に戻るのも消耗そうだ。ここはそのまま、右岸斜面のブッシュ・草付帯をトラバースして、右岸小尾根に取り付くことにしよう。スラブにへばりついたブッシュ・草付を、騙し騙し斜上してゆく。ブッシュや背の高い夏草をかき分け、ついに小尾根に乗る。

 瀑風が凄いため、雨粒と飛沫が、正面から吹き寄せる。不安定で滑り易い草付小尾根の上で、三脚を立てる。ひたすら、レンズに付いた水滴との闘いが続く。次に、滑り易い草付小尾根を、右岸の岩根に向けて登ってみよう。岩根にへばり付くと、足場はますます不安定だが、滝の飛沫は届かない。三脚を立てる余裕は無いが、手持ちで撮影しよう。

 さて、あとは無事帰るだけだ。草付小尾根から、もと来たブッシュ・草付斜面を慎重に下降する。前衛滝右岸を巻いて、中間小尾根を右岸枝沢出合まで下る。前衛滝下から、もう一度、ヒネリ滝を振り返る。

 ルートが判っているので、帰りは楽である。釜小滝の右岸を巻き、連瀑を左岸から巻く。F2:7mの左岸巻きは、泥付の下降がイヤらしいが、アイスハンマーを効かせながら、慎重に下る。出合のF1を左岸から巻いて、無事堀内沢本流左岸に降り立つ。前衛滝下から、丁度1時間だ。結局、ザイルは使わずに済んだ。

 残る問題は、3ヶ所の徒渉のみだ。左岸沿いに、イワイ沢を横断し、その下流の左岸枝沢出合付近で、右岸へと徒渉する。往きに、滑って流された所なので、幅広で浅そうな場所を慎重に選ぼう。さほど困難無く、右岸へと渡ると、今朝方の沢登りパーティが巻き登った思われる跡が、草付斜面に付いていた。右岸の踏跡を辿ると、朝日沢出合上流で、再び左岸へと徒渉する。ここは、簡単だ。

 朝日沢出合左岸の幕営適地を過ぎ、左岸沿いの踏跡を辿る。左岸枝沢を横切る辺りで、二人連れの釣師に出会う。更に進むと、先程の釣師が付けたのか、右岸枝沢出合で、両岸に真新しい黄色テープが、徒渉点を示す。問題なく、右岸へと徒渉する。もうこの先に難所は無いので、右岸枝沢出合で休憩しよう。

 ワイヤー2本が横断する地点から、踏跡を辿って、右岸斜面に取り付く。盗伐林道跡に乗り、トラバース開始だ。疲れた脚には、やや歩きにくい道だが、頑張ろう。顕著な滝を懸ける沢が2本あり、更に辿ると、やがて緩やかに下り始める。堀内沢へと下り始めれば、間もなく沢沿いの歩き易い踏跡となる。

 川原歩きを交え、やがて右岸枝沢を横切って、取水堰に至る。僅かな林道歩きで、駐車地点へと戻る。片付け、着替えを済ませ、林道走行を経て、田沢湖駅近くのスーパーで買い出しだ。今宵の宿は、田沢湖YHである。温泉なので、嬉しい。連休なので、宿泊客が多かった。

溯行図 (工事中)

アルバム

シャチアシ沢7m滝
シャチアシ沢前衛8x12m2条滝
シャチアシ沢前衛8x12m2条滝
シャチアシ沢ヒネリ滝と左岸滝
シャチアシ沢シャチヒネリ滝
シャチアシ沢シャチヒネリ滝
シャチアシ沢シャチヒネリ滝

MR569_ 玉川湯淵沢二天ノ滝見物(森吉)'06-07

MR570_ 桃洞沢桃洞滝・赤水沢兎滝・様ノ沢九階滝見物(森吉)'06-07

MR571_ 夜明島川茶釜ノ滝見物(八幡平)'06-07

MR572_ 中ノ又沢安ノ滝見物(森吉)'06-07

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