滝川金山沢・曲沢下降(奥秩父)

date 2004/6/11 曇のち雨
コース 山薊橋先下降点〜吊橋〜滝川右岸道〜曲沢横断点〜曲沢枝沢〜金山沢横断点〜金山沢溯行〜川又分岐〜川又道〜曲沢下降点〜曲沢下降〜曲沢横断点〜滝川右岸道〜吊橋〜山薊橋先下降点
実働 10h28m(アプローチ:3h30m、溯下行:5h43m、下山:1h15m)
概要 入下山に滝川右岸道を利用、金山沢の連続するナメ滝と奥の大滝、曲沢を下降して日帰り。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:山道・踏跡、:溯行、\\:藪漕ぎ・不明瞭な踏跡、=:車
【6月11日】 曇のち雨
さいたま2:30=4:40道の駅大滝温泉5:20=5:40山薊橋先下降点5:50→吊橋6:02→分岐6:36
→沢小屋沢6:40→曲沢横断点7:10→7:30曲沢970M左岸枝沢横断点7:501250M引返点
8:15曲沢970M左岸枝沢横断点8:33→\\9:40金山沢横断点10:001300M枝沢11:58
1410M枝沢11:301500M枝沢11:4012:05大滝12:201630M枝沢12:271720M二俣
12:431750M二俣12:50\\13:20川又分岐付近の稜線13:30→13:56曲沢下降点14:03
1590M奥二俣14:321460M枝沢14:501270M二俣15:251120M枝沢16:00曲沢横断点
16:15→沢小屋沢横断点16:37→分岐16:40→17:35山薊橋先下降点18:05=21:00さいたま
使用装備 渓流シューズ「水無」、ヘルメット、ステッキ、E-1、11-22mmF2.8-3.5、三脚
不用装備
記録  22年前に、滝川本流から金山沢・曲沢下降をした際に、上流の伐採藪ではキイチゴの激藪に苦しめられた。その時とほぼ同じコースで、先週、和名倉山頂も踏んだというmina○さんの記録を拝見し、キイチゴの藪も姿を消したようなので、久々に出掛けてみた。

 22年前の滝川水晶谷・雁坂峠滝川槇ノ沢・唐松尾山・古礼山で利用した、滝川右岸道の踏査も兼ねて、これを辿ったが、金山沢徒渉点手前の、ガレと岩稜付近で踏跡を見失い、少し苦労した。

 この日は昼頃から雨の予報だったが、金山沢溯行開始頃から降り始め、曲沢下降開始する頃には本降りになってしまい、沢の中は暗くて足元が見辛く、ズブ濡れで不快だった。カメラが活躍したのは、金山沢上流の大滝のみとなった。

【6月11日】 曇のち雨
 早い時間に自宅を出たつもりだったが、寝不足でボーッとしていて、道の駅大滝温泉での準備に時間が掛かり、山薊橋先の路肩の駐車スペースに到着したのは、5時半を過ぎていた。既に、2台の車が停めてあった。ここで高度計を、950Mに設定する。

 ガードレールの切れ間から、下降する踏跡があり、それを辿る。かなり下ると、軌道跡の水平道(865M)(以下高度計の数値)に出る。右へ行くと、すぐに尾根沿いの踏跡が下っており、どんどん下る。右手の小沢には滝が懸かり、その上方には、先程の水平道に銀色の橋が見える。滝川本流近くまで下降すると、右手に吊橋が見える。

 使用禁止の看板が辛うじて読める吊橋(820M)は、橋板も腐りかけているが、そーっと歩けば何とか渡れる。対岸に渡り、急な登高が始まる。やがて急登は一段落し(915M)、右手へトラバース気味に登って行く。沢小屋沢手前の沢を渡り(975M)、下降する山道の分岐(1005M)がある。これを下降すれば、沢小屋沢と曲沢の間で、滝川左岸へ渡るのであろう。

 水平道を更に行けば、間もなく、沢小屋沢を渡る(1010M)。曲沢右岸の顕著な尾根を越え(1080M)、曲沢を渡る(1085M)。横断点の少し上流側右岸には、廃屋となった小屋がある。22年前の曲沢下降時には、まだ新築で、お世話になったっけ。この横断点には、目印を追加しておこう。

 曲沢を過ぎると、道は荒れてくる。次の沢(1100M)は水量も多く、小屋跡もあって、うっかり金山沢と間違える。ソールをフェルトに換え、流れの方向も一致していたので、どんどん登って行くが、ずーっとゴーロ状で屈曲点に到達しない。奥に崩壊壁の見える1300M右岸枝沢が出現して、曲沢の枝沢であったことを確信する。やれやれ、引き返そう。約45分のタイムロスだ。

 気を取り直して、トラバースを続けると、ザレの急斜面を横切る。トラロープが1本張られているが、あまり役には立たない。顕著な尾根を越え(1150M)、もう一つ尾根を越える(1195M)と、道は下り気味になる。金山沢直前にガレ窪状を下り気味に横断し、岩稜に突き当たる。

 ここで、踏跡を見失う。いくら探しても、目印も見当たらない。そのまま強引に岩稜を横断するのは、ちょっとヤバそうだったので、岩稜沿いに、ガレ窪を20mほど登って、鹿道を利用して岩稜に乗る。岩稜を少し下り、更に急な斜面を、慎重にトラバース気味に下降して、何とか無事、金山沢に降り立つ。

 少し下流側へ行くと、左岸側に小屋跡(1100M)があり、曲沢方面への踏跡もあった。先程の岩稜は、ガレ窪を下降気味に下巻いて行くのが正解だろう。左岸の小屋跡の裏手に、ジグザグ登りの踏跡らしきものが見られたので、おそらく槇ノ沢への道が見付かるだろう。

 さて、金山沢の溯行開始だ。しばらくは、ゴーロが続く。沢が左へ曲がる辺りから、滑滝・滑床が連続するようになる。晴れていれば、さぞや快適であろうが、小雨模様では、あまりパッとしない。沢は右へと屈曲し、なおもナメは連続する。やがて(1:10)の水量比で、1300M右岸枝沢が、白糸状階段滝を懸ける。本流は釜を持つ小滝である。

 さらに幾つかの滝を越えると、奥の小屋跡(1335M)となる。ゴーロ状にナメを交え、どんどん進むと、左岸から(10:1)の枝沢(1355M)が出合い、やがて(1:3)の1410M二俣である。右の本流を進むと、間もなく水流が二分する。本流を見失わぬよう、二本の水流の中間を、しばらく辿る。水流二分の終了直前に、左岸から、(2:1)の1500M枝沢が出合う。

 その先で、左岸から(3:1)の1550M枝沢が出合い、そろそろ大滝の筈だが・・・と期待しながら進むと、右岸にガレ崩壊カレ沢を見る。本流には、小滝の上に、大滝2段16mが現れる。大滝下(1610M)で、右岸のポイントに荷を降ろし、初めて三脚を立てる。傾斜の急な下段は、落差8m程だが、その上に傾斜の緩い滑滝が続いている。

 大滝は、右手の泥斜面を少し登り、草付混じりの右壁に取り付く。下段を越え、上段の滑滝が8x10m程度の規模があることを、確認する。なおも小さく捲き気味に、上段落口へとトラバースして越える。この大滝を記載していないガイドブックが多いのは、何故だろうか。

 大滝を越えると、間もなく右岸から(4:1)の1635M枝沢を迎え、2段4m滝を越えて進めば、傾斜のあるゴーロ沢はなおも続く。22年前には、この辺りから伐採跡のキイチゴの激藪に苦しめられたのだが、今は全くその気配すら無い。1720M二俣で、左の明るいザレのカレ沢を見送り、右の沢へ入る。続く1750M左岸枝沢も見送って、水流の殆ど無くなった急なゴーロを登る。

 そのうち、登り辛さに負けて、右手の小尾根に取り付き、樹林帯を南東へ登って行く。登っても登っても、川又道に出ないので、いい加減イヤになる頃、稜線に出た。稜線を少し下り、和名倉山から東仙波に続く尾根であることを確認し、登り返すと、道標のある川又分岐(1920M)に出た。

 小休し、午後1時半なので、またも和名倉山頂往復は断念し、曲沢下降へと向かう。川又道は、トラバース気味に下降して行く。最初の顕著尾根(1875M)を越え、次の金山沢・曲沢の中間尾根である、馬酔木の群生する尾根(1850M)も、難無く越える。22年前には、これらの尾根越えの度に、伐採跡の藪で踏跡を見失い、大変難儀したのが、信じられないほどだ。

 やがて、水流のある最初の沢を横切る(1830M)。これが曲沢であることは確実なので、下降開始。5m階段滝を下る頃には、雨が本降りになって来た。出合の多段10mミニゴルジュを下降すると、1590M奥二俣である。今回右沢を下ってきたが、22年前は、左沢を下降したようだ。

 3mトヨなどを下降して行くと、左岸から(5:1)の1460M枝沢を合わせ、流れは北西へと向かう。平凡なゴーロ沢をズンズン下ると、右岸から(1:10)の1340M枝沢を迎える。6mトヨ、3mトヨを下り、2段5m階段を左岸から巻いて下ると、やがて(2:3)の1270M二俣となる。左岸には、小屋跡らしき一升瓶などが見られる。

 かなり疲れてはいるが、午後3時半少し前でもあり、雨で休む気もしない。とにかく、右岸道までは頑張って下ろう。2段4mを過ぎ、左岸に大岩のある7m階段状を左岸から巻き下る。右岸から(1:3)の1120M枝沢を迎えると、左岸に踏跡が現れる。この踏跡を利用して、2段8mと6m滝を過ぎ、3mトヨ付近で、右岸高台の例の作業小屋に気付く。

 午後4時15分、曲沢横断点(1080M)を確認し、ソールも貼り替えずに、滝川右岸道に入る。疲れ果てているので、僅かな登りでも堪える。吊橋直前の急降下は、足を滑らせないよう、慎重に下降しよう。吊橋の橋板は、釘も抜けかけだったり、ミシミシいっている。足の踏み場に注意して、そーっと渡る。最後の登り返しがとんでもなく辛かったことは、言うまでもない。

 午後5時半過ぎ、R140の車に戻り、濡れ物を脱いで着替える。脱水と空腹でフラフラなので、飲食する暇が無かった、パンとアミノ酸飲料を胃袋に押し込む。道の駅大滝の湯で、最後の食糧を摂り、一路家路へと向かう。

和名倉山概念図

溯行図1(金山沢)

溯行図2(曲沢)

アルバム

滝見亭・南関東の滝」に滝写真集「滝川金山沢大滝'04-06」があります

金山沢大滝2段16mを
スローシャッターで
PLフィルター外して
少し速いスピードで
ISO感度を上げても
速いスピードにはならない

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