滝川槇ノ沢・唐松尾山・古礼山(奥秩父)

date 1982/10/23-24 快晴、ガスのち曇 (前夜発1泊2日)
コース 川又〜山薊橋先下降点〜滝川本流吊橋〜滝川右岸山道〜槇ノ沢溯行〜1940P(リンノ峰西峰)西肩〜牛王院平〜将監小屋〜牛王院平〜唐松尾山〜笠取山〜雁峠〜古礼山〜雁峠〜広川林道〜新地平
実働 第一日:7h27m、第二日:5h45m、計:13h12m。
メンバー すうじい(単独)
概要 滝川右岸山道、沢から縦走へ。
行程 =:バス・鉄道、→:山道、:溯行、\\:藪漕ぎまたは詰め
【10月22日】
池袋19:20=21:10西武秩父→お花畑21:45=22:06三峰口(泊)

【10月23日】 快晴
三峰口6:11=6:40秩父湖7:20=川又7:35→8:25山薊橋先下降点8:30→9:25右岸山道曲沢9:30
→金山沢10:00→10:20右岸山道1290肩10:25→10:45右岸山道槇ノ沢11:1012:10八百谷出合
12:1513:05 1350M広河原13:1513:50 1510M二俣14:0014:52水汲み15:00\\1940P西肩
(稜線縦走路)15:20→牛王院平15:50→16:00将監小屋16:55→17:10牛王院平BP(泊)

【10月24日】 ガスのち曇
牛王院平BP 5:30→5:37山ノ神土5:40→唐松尾山6:16→6:55 2024P 7:05→7:18笠取山手前コル
分岐7:23→笠取山7:34→7:55草地の丘8:05→雁峠8:12→9:13古礼山9:20→10:00雁峠10:05→
10:55 1420M林道分岐11:00→12:00新地平13:00=13:47塩山14:44=新宿
記録  ウニが風邪をひいて、予定していた豆焼沢が中止になり、代案として提出しておいた槇ノ沢企画を、単独で実行した。

 滝川の各沢は、昨年古礼沢を溯行して以来、今年は、金山沢・曲沢(下降)・水晶谷に入谷し、今回の槇ノ沢を数えれば、残る主な沢は、八百谷・熊穴沢・ブドウ沢・豆焼沢・トウグリ沢・久殿沢・沢小屋沢である。また、和名倉山から出ている滝ノ沢(大除沢)、大洞の惣小屋沢・市ノ沢・和名倉沢も溯行してみたい。この山域をホームグラウンド・ゲレンデとして、シコシコ入谷して行きたい。

【10月22日】
 大洞方面に入谷する「ゆ」先輩と、一緒に出掛ける。今回は、シュラフカバーのみなのに、(シュラフカバーの中に丸めて使う)古新聞を忘れ、西武線の電車の中で、新聞紙を集める。三峰口では、待合室で寝る。他に2人パーティがいて、山小屋泊まりのつもりで、寝具を持たないらしく、寒がっていた。

【10月23日】 快晴
 始発のバスで、秩父湖へ。ここで「ゆ」先輩と別れる。例のごとく、朝寒の中で、40分も待ち合わせ、村営バスで川又へ向かう。寒いので、滝川林道を快調に歩く。水晶谷の時と同じように、山薊橋先下降点から踏跡を辿り、吊橋を渡って、滝川右岸山道を通って、槇ノ沢の川原に降り立つ。

 今回は、徹底的な軽量化をしているので、川原歩きや小滝越えは、ヒュンヒュンである。V字型の落口を持つ5m滝は、取り付けないので、左岸を高巻く。4m2条滝は、右の水流の飛沫を浴びて渡り、中央を登る。

 1時間の溯行で、八百谷出合に至る。溯行意欲をそそられる出合だ。古そうな木橋の下をくぐり、ゴーロを少し行くと、ゴルジュとなる。左岸に膨大な量の土砂が坂状に堆積している所を登って、入口の石滝3mの真上から覗く。奥に4m倒木滝、更にその奥に、落下する水流のみが見える、落差不明の滝がある。

 少し戻って、左岸を高巻く。沢に戻り、5mCS滝を越え、倒木の堰堤を越すと、両岸共に岩壁となる。幅広いゴルジュというか、ゴーロというか・・・洪水によって、岩石が膨大な厚みとなって堆積しているようだ。やがて、3段の滝を越え、左岸から(10:1)の枝沢が出合うと、ゴーロゴロの1350M広河原に出る。

 流木で埋まった8m滝を、流木の積み木登りをして越えると、流れはクランク状に曲がって、7mCSトヨ状滝は右側のカンテ状を快適に登る。ゴーロを少し行くと、1510M(3:2)の二俣である。「東京付近の沢」(初版)のコースタイムを、既に追い抜いているので、今日中に稜線に抜ける自信を持つ。

 本流である左俣へ入り、左岸から(4:1)の沢が出合うと、8x15m滝である。ナメ状の小滝が連続したあと、2段20m階段状が目に入る。ややヌメっているものの、ホールド・スタンス十分なので、問題は無い。3段10m滝、最後の5m滝共に岩が脆いので、要注意。

 1800M付近で、水筒に水を汲む。更に忠実に詰めて行く。僅かな水流は、最後まで続く。急な泥岩状(砂岩?)のルンゼを詰めると、針葉樹の林の中に入る。僅かな藪漕ぎで、1940P(リンノ峰西峰)西肩付近の稜線縦走路に出る。

 熊笹の中の踏跡を辿って、山ノ神土、牛王院平、将監峠を経て、将監小屋へ下る。小屋前に、アベックのテント1張。小屋番のオッサンも居るし、オートバイまで置いてあるので、ガックリくる。水場で夕食を済ませ、登り返す。

 牛王院平の三ノ瀬方面分岐で、ツェルトを張る。夜中に鹿が、「ウォキューン」と啼いたりする。あまりに寒くて、夜中に起きて、朝食用のウドンを作って食べる。

【10月24日】 ガスのち曇
 寒い上に、道の真ん中にツェルトを張っていたので、5時過ぎに撤収してしまう。山ノ神土から、雁峠方面へ続く立派な縦走路の他に、唐松尾山経由の山道も、しっかり刈払いしてある。唐松尾山へ向けて、歩き出す。途中、2箇所ほど、ガレ沢を横切る。やがて尾根上の道となり、唐松尾山頂に至る。

 2024Pで休んだ後、1909P手前で、亜大WVの5人パーティと擦れ違う。彼らの発する奇声が、しばらく聞こえた。笠取山手前のコルから、刈払いは南下して、縦走路へと下っている。尾根通しの道は、露に濡れた笹の中を、笠取山へと続く。ここで、雨具の下を着用。

 笠取山から南西へ、「草地の丘」へと行く。雁峠から、古礼山をサブする。往復1時間40分。雁峠から、広川沿いの林道へと下るが、夏の台風の影響で、沢沿いの山道は流失しがちであった。藪っぽい広河原の徒渉点など、ルートファインディングがややこしい。道標によると3時間だが、2時間弱で新地平に到着する。

 1時間ほどバス待ちをして、塩山に出る。バスは、西沢渓谷ハイクと思しき人々で、一杯であった。「草地の丘」から南南西へ伸びる、倉掛山の尾根を、裂石へと縦走したい、という思いが、不図、頭をもたげた。軽量化の勝利と、寒さとが、印象的な今回の山行であった。

溯行図

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