滝川水晶谷・雁坂峠(奥秩父)

MR143 滝川水晶谷・雁坂峠(奥秩父)

date 1982/10/2-3 
コース 川又〜R140〜山薊橋〜吊橋〜滝川右岸杣道〜槇ノ沢営林小屋〜槇ノ沢下降〜水晶谷溯行
〜1570M雁坂小屋分岐〜尾根筋藪漕ぎ〜雁坂小屋トラバース道〜2072P〜雁坂峠〜新地平
実働 第一日:3h35m、第二日:9h33m、計:13h08m。
メンバー すうじい、O君
概要 槇ノ沢営林小屋泊、槇ノ沢出合付近から溯行、雁坂小屋への踏跡消え、藪漕ぎ。。
行程 =:バス・鉄道、→:山道、:溯行、\\:藪漕ぎ
【10月1日】
西武池袋19:20=21:10西武秩父・お花畑21:45=22:06三峰口(駅寝)

【10月2日】 曇のち雨
三峰口6:11=6:40秩父湖7:20=川又7:35→8:30山薊橋8:35→右岸杣道9:05→9:15古吊橋分岐9:20
→曲沢9:45→9:55曲沢枝沢10:00→金山沢10:30→11:15槇ノ沢11:30→11:40営林小屋(泊)

【10月3日】 曇のち晴、一時雨
営林小屋6:20→槇ノ沢6:256:40槇ノ沢出合6:55熊穴沢出合7:308:00三本桂沢出合8:10
ブドウ沢出合9:259:50古礼沢出合10:05魚止ノ滝11:0011:30面蔵ノ滝下11:4512:33
雁坂小屋分岐指導標12:45\\雁坂小屋トラバース道15:05→15:20雁坂峠15:35→峠沢16:10→
17:15新地平18:20=19:10塩山
記録  七月に、金山沢溯行・曲沢下降後、時間切れで断念した水晶谷を、同じメンツで溯行した。国道140号線の工事が、豆焼沢を渡ったことにより、水晶谷の命運もまた、ここ1〜2年で尽きようとしていることもあり、入谷を急いでいたこのごろであった。今回、紅葉に少し早いとは言え、秋の水晶谷に入谷できたのは、大変喜ばしいことである。

【10月1日】
 西武秩父から、秩父鉄道お花畑駅へ歩いて行くと、踏切の遮断機が降りていて、カンカン鳴っている。三峰口行きの電車が、目の前を通り過ぎる・・・。最終に乗り遅れか?と思ったが、もう一本あとがあって、ああ良かった。三峰口駅のベンチで寝る。

【10月2日】 曇のち雨
 7月の金山沢・曲沢で目星をつけた、滝川右岸杣道を利用すべく、山薊橋先から下降し、吊橋を渡って右岸へ。トラバース気味に登ると、やがて、右岸杣道に合流する。古吊橋を経て釣橋小屋へ至る道と「山道」との分岐は、「山道」の方へ入る。

 沢小屋沢、曲沢、曲沢の枝沢、金山沢と流を渡って、1290肩まで登り、槇ノ沢へと降りる。雨が降り出したので、槇ノ沢左岸の営林小屋へ逃げ込む。正午前ではあったが、激しく降る雨と、快適な小屋とに、半日停滞を決め込む。夕食がうまい。

【10月3日】 曇のち晴、一時雨
 営林小屋を出る。夜通し降り続いた雨も、上がっている。槇ノ沢へ降りて、出合まで川原を下降する。槇ノ沢出合は、昨年とは、全く様相が変わっている。幕営適地が、ゴーロと化している。台風の増水のためである。昨夜の雨による増水は、予想したほどでもなく、箱淵は、膝上まで浸かって、右壁に取り付く。

 釣橋小屋から三本桂沢出合までは、砂礫の堆積の厚さに目を見張る。核心部ゴルジュ帯では、水流より2mほど上のバンド上をヘツっていて、ふと手を上方へ伸ばしたら、増水の残した砂礫のバンドに触れて、パラパラ砂が落ちてきた。ゴルジュでは4m以上も増水したのか・・・、たまらんなあ。

 核心部ゴルジュ帯出口付近、ブドウ沢出合手前の2段6m滝は、釜の左を回って、下段4mは左のバンドをヘツって落口の左に立ち、上段2mは、左壁を登る。結局ザイルは出さなかった。さすがに、昨年古礼沢に入った時よりは増水していて、下段の落口を左から右へ渡るのがとても恐ろしく、左壁を苦労して登ることになったのである。

 次の難所は、古礼沢出合手前の「細長渕」のヘツリであるが、昨年あれほど「悪い!」と思った左壁のヘツリも、2回目の今回は、どうと言うこともなく通過する。古礼沢出合から先は、小滝はあるものの、しばらく川原歩きが続く。

 (5:1)の枝沢が左岸から出合うと、2段4m滝を越え、少し行って、3m、5mを越える。ゴーロを歩くと、左前方に立派な15m滝が見える。これは枝沢の滝で、右手のゴーロを進めば、ゴルジュの奥に、8m直瀑「魚止ノ滝」がある。右岸を巻く。次の8m滝も、右岸を高巻く。

 面蔵ノ滝付近は、右岸から4m、5mの滝が落ち合い、続いてまた右岸から、5段30mの滝沢が落ち合う。右手に沢が曲がり、8mの面蔵ノ滝が現れる。右手のクラック状バンドに沿って登る。上部で少しシャワーを浴びる。その上の6mナメ滝は、左のバンド(ヌメっている)から、全身にシャワーを浴びながら突破する。3m、4mのナメ滝を左から越せば、あとはゴーロ歩きで、いつしか青空に、一部紅葉が映える。

 奥に滝をもつ枝沢が左岸から出合えば、「いよいよ、この辺が雁坂小屋への道の入口だ」とばかり、踏跡を捜す。古い道標が見付かって、溯行終了。ヘルメットだけ着用して、登り始めるが、台風でガレていて、すぐに踏跡を見失う。林の中のガレた斜面を登って、小尾根に取り付く。しばらくして踏跡と出合うが、やがて、それも不明瞭となって、どこが雁坂小屋へのトラバース開始点だか判らない。

 諦めて、尾根上を藪漕ぎして行くことにする。シャクナゲ→シラベ風→笹と変化して行くが、大変な藪漕ぎであった。途中、雨まで降り出して、「泣き面に蜂」であった。やっとのことで、2072付近で、雁坂小屋への道に出合って、一旦2072Pまで登り、雁坂峠へ向かう。

 雁坂峠付近は、だいぶ紅葉していて美しい。「峠ミカン」を二人で食べて、新地平まで、1時間40分で下る。目の前をバスが行ってしまい、一時間以上バス待ちをする。

概念図

溯行図

ナメ滝とO君
快適なナメ滝が連続する
ゴーロを歩くと、左前方に立派な15m滝
これは枝沢の滝で、右手のゴーロを進めば
ゴルジュの奥に、下の写真の「魚止ノ滝」
8m直瀑魚止ノ滝
本当はこれが「面蔵ノ滝」か
8m面蔵ノ滝
本当はこれが「水晶谷の滝」か
8m面蔵ノ滝
右クラック沿いを登る
本当はこれが「水晶谷の滝」か
面蔵ノ滝上の6mナメ滝左バンド+2mナメ
の先の3m+4mナメ滝か
最後の4mナメ滝か
登った4mナメ滝を俯瞰する
雁坂小屋への踏跡を見出せず
2072Pに続く尾根を薮漕ぎする
笹の踏跡を辿る
雁坂嶺方面を望む
紅葉の縦走路
2072Pから水晶山であろうか
2072Pから飛竜山方面か
雁坂峠から雁坂嶺方面
雁坂峠からの下りで
水晶山方面を望む
紅葉の中を下る

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