天理岳・両神山・尾ノ内沢道(両神)

date 2003/12/26 晴
コース 尾ノ内渓谷駐車場〜中ノ沢左岸尾根〜天理岳〜天理尾根〜前東岳〜剣ヶ峰〜竜頭神社奥社〜尾ノ内沢道〜尾ノ内渓谷駐車場
実働 10h35m。
メンバー すうじい(単独)
概要 尾ノ内渓谷駐車場基点周回コース。雪の尾ノ内沢道は、アイゼン・ピッケル必要、時間掛かる。
行程 →:山道・踏跡、\\:藪漕ぎ、**:アイゼン、車:=。
【12月26日】 晴
さいたま4:25=6:05小鹿野6:25=6:50尾ノ内渓谷駐車場7:25→送電鉄塔7:43\\\\9:35天理岳
9:50→10:45 1160M 10:55→1306P 11:13→12:05 1510P 12:20→13:20前東岳13:25→13:40剣ヶ峰
13:50→14:05前東岳14:20→14:35東岳14:45→竜頭神社奥社15:15→15:25キンササゲ付近15:40
**シメハリ場16:55**スズノ沢出合18:55**19:35尾ノ内渓谷駐車場19:45=22:40さいたま
使用装備 革登山靴、赤ガムテープ、E-1、ステッキ、ヘルメット、アイゼン、ピッケル、ヘッドランプ
不用装備 三脚、7mmx30mザイル、ハーネス
記録  今年4月に、尾ノ内沢道・剣ヶ峰・天理岳・中ノ沢左岸尾根の周回コースを歩いたのだが、今回はその逆コースである。出発時間が遅れたこと、尾ノ内沢道が雪で埋まっていたことなどで、時間が遅くなり、シメハリ場からは、ヘッドランプのお世話になった。数ある徒渉点では、ルートファインディングに手間取ったが、要所要所の目印と、通い慣れたコースであったお陰で、何とか無事下山できた。

【12月26日】 晴
 R299沿いに小鹿野に入り、いつものコンビニで食糧を調達する。R299は志賀坂トンネル手前で通行止となっているが、尾ノ内の竜頭神社までは問題なく入れる。尾ノ内沢沿いの林道は、うっすら凍結しているものの、滑り止めの砂が撒いてあるので、ノーマルタイヤのまま尾ノ内渓谷駐車場まで進入する。

 7時半近くなってしまったが、駐車場を後にして、八丁尾根を振り返り、二子山を眺めながら、林道を少し登ると、東電の送電鉄塔巡視路入口を示す黄色の標柱がある。この巡視路を辿って、中ノ沢左岸尾根に取り付く。15分ほど登ると、鉄塔に至る。鉄塔から下る時は、尾根末端に向かい、左後ろ側のヒノキ林の中に踏跡を捜すと良い。

 鉄塔からは、ヒノキ林の中を尾根沿いに登る。やがて落葉樹の疎林となり、750M肩を過ぎると、伐採跡となる。尾根が痩せてくると、その分踏跡が明瞭になる。817Pなど幾つかある岩峰を乗り越えながら、痩せ尾根を登って行くと、木の根の現れた泥壁となる。

 木の根頼りに、ここをクリアすると、次第に笹が混じるようになる。1070M付近で笹藪が少し濃くなるが、踏跡は尾根沿いに続く。笹藪が消え、尾根が広がると、踏跡が少し不明瞭になるが、間もなく天理岳北峰に至る。ここには、針葉樹の岩峰に祠が二つほどあり、両神山主脈の良い展望台となっている。

 天理岳南峰にも登る。こちらも展望良好だ。展望を楽しんだ後、ヘルメットを被り、少し戻った所から、急な踏跡を下降する。一部笹藪を漕げば、明瞭な尾根道となる。しばらくは、高度を稼げない、アップダウンのある尾根道を辿る。所々岩場があるが、概ね南面を巻く。一箇所、顕著な岩峰では、リッジの北側の切り立った凹角を下降する。

 尾根が広がり傾斜が増す1160M付近で、小休する。この辺りは、踏跡がハッキリせず、枯葉と泥斜面で滑り易い。一昨年の11月の天理岳・両神山・七滝沢遊歩道で、このコースを登っており、ここからが高度差があって大変なことが判っていたので、ゆっくりと登る。1306Pを経て、1510Pに至ると、小キギの岩壁が真向かいに望まれる。

 この辺りから、雪が大分着いてくる。藪岩稜の雪に注意しながら、徐々に高度を上げる。樹林の斜面に雪が着いて、滑り易く体力を消耗する。八景岩は、乾いた所を選んで登る。この辺りは展望が良い。残り僅かの登りで、前東岳に至る。

 カメラだけ掛けて、剣ヶ峰を往復しよう。八丁尾根稜線には、雪は着いているものの、凍結してはいない。既に13時半を過ぎているので、山頂には誰もいない。長居はせずに、引き返す。前東岳でハーネスを装着し、ザイルなどザックの上部にパックする。

 稜線の雪は凍結していないが、鎖場では緊張する。東岳から竜頭山へ至るまでに、かなり疲れてしまった。竜頭神社奥社の裏から、いきなり雪の急斜面を、鎖頼りに下り始める。足元が滑るので、殆ど腕力で下って行く。傾斜が少し緩むと、鎖は無くなるし、トラバースが増えるので、かえって始末に終えない。キンササゲ付近で、アイゼン装着を決意する。

 装着に少し手間取るが、アイゼン・ピッケルだと、遙かに足元が安定する。ペースが戻って、慎重かつスピーディに進む。ヒンマワシ付近から、ルーファイが少し難しくなる。要所要所の、ピンクテープが有り難い。シメハリ場まで来ると、少し安心だ。緊張のあまり、喉がカラカラだ。

 既に薄暗くなっているので、ここからのルーファイは至難の業だ。執拗にピンクテープなどの目印を捜し、右側に寄り過ぎて大滝・油滝の上に出ないよう、慎重に下る。何とか、地獄穴に着いたところで、ヘッドランプを装着する。この先、ピンクテープを見失ったので、最大傾斜方向から少し左寄りで下り、油滝の下流と思われる辺りで、尾ノ内沢の流れに下り着く。

 徒渉点は、まだ下流のはずなので、左岸沿いに下って行くと、再びピンクテープを発見する。徒渉点を見落とさぬよう、ピンクテープを確認しながら進み、無事右岸へ渡る。心配された、2段8m滝の右岸の鎖場も、雪は着いておらず、無事通過。キギノ沢を通過し、更に安心感が強まる。あとは、時間さえかければ、無事戻れそうだ。

 雪のゴーロは、アイゼンでは歩きにくいが、杣道では雪・泥・落ち葉で滑り易いので、アイゼンは装着したまま行く。その後も、数箇所の徒渉点で、ルーファイに手間取る。スズノ沢出合で小休して、左岸に渡り、山ノ神を過ぎる。井戸沢出合で右岸に渡れば、もう迷うところは無い。最後に吊橋を渡り、凍結した雪の上を歩いて、駐車場に辿り着く。

 アイゼンを外し、登山靴を脱いで、車に乗り込む。凍結した林道を慎重に下り、下山メールを送る。小鹿野のコンビニで、暖かい飲物と食糧を調達して、家路を急ぐ。途中、激しく雨が降り出し、無事下山できた幸せを、噛み締める。

アルバム

尾ノ内渓谷駐車場
入口付近から
八丁尾根方面
同じく二子山
中ノ沢左岸尾根
痩せ尾根から
八丁尾根稜線
木の根泥壁上から
振り返る
天理岳北峰から
主脈稜線
同じく西岳方面
天理岳南峰から
天理尾根と主脈稜線
1306P付近から
大キギ・西岳方面
1510Pから小キギ
八景岩付近より
辺見尾根
同じく
天理尾根を振り返る
同じく辺見尾根
同じく大キギ・小キギ
同じく小キギ
北側から剣ヶ峰
剣ヶ峰から
赤岩尾根
南側から剣ヶ峰
東岳から
大キギと辺見尾根
東岳から
大キギと天理尾根
東岳から西岳
竜頭神社から
鎖場を急降下
キンササゲ付近

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