尾ノ内沢道・両神山・天理岳(両神)

date 2003/4/27 曇のち晴
コース 尾ノ内渓谷駐車場〜尾ノ内沢道〜竜頭神社奥社〜剣ヶ峰〜前東岳〜天理尾根〜天理岳〜中ノ沢左岸尾根〜尾ノ内渓谷駐車場
実働 8h45m。
メンバー すうじい(単独)
概要 尾ノ内沢道上部荒廃、剣ヶ峰アカヤシオ蕾、天理岳満開、中ノ沢左岸尾根は踏跡薄い。
行程 →:山道・踏跡、\\:藪漕ぎ、車:=。
【4月27日】 曇のち晴
さいたま3:20=5:05小鹿野5:40=6:00尾ノ内渓谷駐車場6:25→キギノ沢出合7:25→8:00油滝
8:30→8:55シメハリ場9:00→10:00金ササゲトラバース終了点10:05→竜頭神社奥社10:20→
10:50東岳11:05→前東岳11:20→11:35剣ヶ峰11:40→11:55前東岳12:05→12:45 1510MP 12:55
→1306P 13:30→14:10 1120M肩14:20→14:55天理岳15:15\\伐採跡16:30\\送電鉄塔16:47
\\→林道17:10→17:15尾ノ内渓谷駐車場17:25=20:35さいたま
記録  尾ノ内渓谷駐車場を基点にした周回コースの一つである、「尾ノ内沢道〜天理尾根」にチャレンジした。このコースについては、mina○さんの山行記録集を参考にさせて頂いた。核心部は、天理岳からの中ノ沢左岸尾根下降である。尤も、尾ノ内沢道上部も、かなり荒れていて、山慣れていないと、危険かも知れない。

【4月27日】 曇のち晴
 暗いうちから家を出て、秩父市街を通過する頃には、ポツポツ雨が降り出す。おいおい、マジかよ。小鹿野バイパスのコンビニ駐車場で、雨が止むまで、ふて寝する。幸いすぐに上がったので、慌てて食糧を買い込み、尾ノ内渓谷駐車場へ向かう。

 尾ノ内渓谷駐車場手前で車を停め、ガスから顔を出しかけている稜線を撮影する。駐車場には、既に何台か停まっている。大方は釣師のようだ。足周りは革登山靴、手にストック、カメラ・三脚、アイスハンマーも担ぐ。

 吊橋から、一合滝・二番滝を撮影。新緑が美しい。遊歩道をサクサク歩くと、あちこちにヒトリシズカが咲いている。ハシリドコロは盛りを過ぎ、カタクリは種になっている。井戸沢手前で、釣師を見掛ける。スズノ沢付近で、軽装単独の沢屋に抜かれる。彼はキギノ沢に入ったようで、異様に脚が速かった。

 キギノ沢出合で、休憩中の4人パーティを追い越す。例によって、キギノ沢出合を過ぎると、道は更に悪くなる。油滝付近まで登ると、カタクリの盛りを過ぎた花が残っている。油滝で荷を降ろし、滝を撮影する。ここで4人パーティに抜かれたが、地獄穴への踏跡不明瞭地帯で、再び追い抜く。シメハリ場では、アカヤシオ三分咲きで、今回は稜線が望めた。

 ヒンマワシの水場へのトラバース途中で、針金に倒木が引っ掛かって、危険な箇所がある。雪渓を利用して渡る。金ササゲのルンゼトラバースは、やはり緊張する。トラバースを終え、最後の尾根に取り付いて、小休する。ここからは、蜿蜒続く鎖頼りに、ひたすら登って行く。稜線を行く登山者の声が近付き、竜頭神社奥社の前に至る。

 一旦少し下って、東岳への登りに取り掛かる。縦走路の鎖は、使わない方針で行く。東岳で休憩を入れる。赤岩尾根方面の眺めが良い。この辺りのアカヤシオは、まだ蕾だ。また下って、前東岳まで登り返し、縦走路から外れたピークに、ザックをデポする。デジカメだけ持って、剣ヶ峰をサブする。予想通り、山頂は大混雑だ。団体さんの記念撮影などで、山頂を踏むのも容易ではない。早々に引き返す。

 前東岳で荷を担ぎ、天理尾根の下降開始だ。すぐに現れるザレた岩場は、滑りそうなので注意して下る。1510MP手前で、大キギ・小キギが立派な姿を見せる。数少ない撮影ポイントだ。1510MPで小休した後、1306Pまで下りが続く。途中一箇所、踏跡が不明瞭で、右側の枝尾根に引きづられそうな箇所がある。赤テープを追加。

 1306Pから先は、尾根が広くなり、軟らかな土に落ち葉が乗った斜面になる。1150MPを過ぎると、連続する小ピークのアップダウンとなる。1145P?の顕著な岩峰を、よじ登って越えると、アカヤシオが目立つようになり、1120M肩で小休する。

 ここから先は、鞍部に笹が現れる。天理岳直前の鞍部から、少し笹藪を漕いで、天理岳の崩れやすい泥斜面を登る。適当に薄い踏跡を辿って、次第に傾斜を増す斜面を登り、天理岳の南・北峰のコルに出た。先ずは右手の明るい南峰に登り、荷を降ろす。アカヤシオが、満開である。カメラを出して、逆光の主脈稜線などを撮影する。

 まだ、これから下降する尾根も厳しそうなので、長居は出来ない。針葉樹で暗い北峰を経て、先ず北北西へ踏跡を辿り、分岐する薄い踏跡の左、西北西へ下って行く。始めは、尾根がハッキリしないので、方角と薄い踏跡・赤テープに神経を集中する。赤テープを適宜追加する。標高差にして80mほど下ると、傾斜が緩くかつ尾根がハッキリして、北西へ続くようになる。

 1040M肩から北北東へ、不安定な尾根を、ブッシュ頼りに急降下する。もはや「踏跡」と言うより、「人が踏んだことのある跡」程度で、尾根がハッキリしていることと、藪が薄いことが救いである。一部痩せ尾根急斜面もあり、木の根だけが頼りの下りとなる。脚が疲れていることもあり、なかなか行程が捗らない。

 817Pを過ぎると、僅かに登り返す小ピークも二・三あるが、概ね北東へ向け、尾根を辿る。760-750M付近まで下ると、急に北面が開け、伐採植林跡となる。二週間ほど前に登った二子山が、立派に見える。この先の750M肩で、尾根は東北東から北東へ向きを変え、雑木林の疎林で幅広となる。

 ここも一つの注意箇所で、尾根の一番高いところを忠実に辿ると、植林帯にぶつかる。少し迷ったが、植林帯の右側(東側)に沿って下り始める。しばらく下ると、藪っぽくなるので、やむなく尾根に忠実な植林帯に入ってみると、何のことはない、すぐ近くに踏跡が続いていた。これを辿ると、間もなく送電鉄塔に至る。

 送電鉄塔から先が、また踏跡不明である。やむなく、再び尾根に忠実に下降する。やがて、左下に林道が見えてきたが、尾根末端まで下ると、崖の上に出てしまった。付近には安全に下れる場所が無さそうなので、泣く泣くまた登り返す。しばらく登って、北側へトラバースしてみると、運良く東電の巡視路(これまた薄い踏跡)に出たので、これを下降する。無事に林道に降り立ち、ホッとする。

 林道をチンタラ歩いて、尾ノ内渓谷駐車場が見えた時には、嬉しかった。朝と同じ位置から、主脈稜線のシルエットを撮影する。駐車場に戻ると、朝方の4人パーティも戻ったばかりだった。聞けば、西岳新道を下ったとのこと。お互い、ご苦労なことでした。

アルバム

滝見亭」に「尾ノ内沢'03-04」があります

尾ノ内渓谷駐車場手前から八丁尾根・天理尾根上部
大キギ・小キギも見えている
吊橋から
一合滝(奥)と二番滝(手前)
新緑が美しい
吊橋から一合滝
尾ノ内沢道で見かけたヒトリシズカ
油滝
油滝
油滝
シメハリ場から望む東岳・竜頭山・風穴のキレット、そして西岳
連続する鎖場をよじ登り、やっと辿り着いた竜頭山の竜頭神社奥社
東岳への登り途中から、西岳・行蔵坊ノ頭、左奥は赤岩尾根
東岳から赤岩尾根
東岳ではアカヤシオはまだ蕾
同じく埼玉・群馬・長野県境方面
遠方に御座山も見える
同じく狩倉尾根
前東岳から少し下った、天理尾根最上部から見た、天理尾根方面
同じく辺見尾根方面
天理尾根上部1510MP付近から、大キギ・小キギ
1145P先の1120M肩付近で、アカヤシオ
アカヤシオの天理岳南峰から八丁尾根を見上げる
天理岳南峰から両神主脈
天理岳南峰から辺見岳
天理岳南峰から西岳尾根上部
天理岳南峰の祠
中ノ沢左岸尾根下部の760M伐採跡から望む二子山
無事林道に降り立ち、尾ノ内渓谷駐車場手前から八丁尾根のシルエット

両神山の山行記録へ
のホームページの館へ
の表紙へ
本館トップページへ