横尾谷左俣・北穂高岳(北ア)

MR446 横尾谷左俣・北穂高岳(北ア)

date 2002/7/26 快晴のち曇
コース 上高地〜横尾〜本谷橋〜本谷左岸巻道〜涸沢出合〜横尾谷左俣〜左俣カール〜A沢ノコル〜北穂高岳〜南稜〜涸沢カール
実働 10h。
概要 上高地から、横尾谷左俣・北穂高岳経由で、涸沢入山。右岸から落下する北穂池ノ滝
メンバー すうじい(単独)
行程 →:山道、:溯行、\\:藪漕ぎ
【7月26日】 快晴のち曇
上高地6:15→6:55明神館7:15→8:50横尾山荘9:15→10:10本谷橋10:15\\涸沢出合10:55
11:35二俣12:0013:00北穂池ノ滝下13:1013:50左俣カール尻14:0515:00A沢ノコル
15:05→15:35休15:40→15:55休16:05→16:35北穂高岳16:45→18:15涸沢(泊)
記録  夏の穂高涸沢定着で、ボランティア活動に参加することになり、ついでに入山・定着中・下山の3山行を企画した。横尾谷左俣から北穂高岳経由での入山、涸沢基点で前穂高岳北尾根から奥穂高岳、奥又白池からA沢経由で明神岳縦走して下山、という欲張りなものである。幸い、毎日のように好天が続き、全ての山行を成功裡に終えることが出来た。真っ黒けに日焼けするという、オマケまで付いたが。

【7月26日】 快晴のち曇
 さわやか信州号集合場所の、新宿西口都議会大型駐車場は、暑くて排気ガスの臭いが不快である。直通バスは、安くて、乗り継ぎの面倒が無くて良いが、あまり眠れないのが難点だ。沢渡で低公害車に乗り換え、6時頃上高地着。

 軽く40分程歩いて、明神館で足の点検。革登山靴が当たって、靴摺れしそうな箇所にパッチを当てる。昨年の剱北方稜線の時には、酷い靴摺れになったので、念入りにチェックする。最終日に縦走予定の、明神岳を見上げながら、横尾を目指す。横尾山荘で水を補給し、本谷橋へ向かう。標準的なペースで本谷橋まで至り、予定通り横尾谷左俣に入ることにする。

 本谷橋を渡らず、本谷左岸のゴーロを少し行くと、ブロック(雪)が現れ、踏跡が左岸に登って行くので、これを辿る。踏跡は、次第に夏草に覆われ、歩きにくくなるので、川原に戻ろうとするも、水量が結構多いので、川原通しは無理のようだ。諦めて、頭を没する程の夏草をかき分けて、歩きにくい踏跡を辿る。固定ロープも張ってあったりするので、最近通ったパーティがあるようだ。

 涸沢出合近くまで来ると、右岸側に壊れ掛けた雪渓が広範囲に残っており、左岸側も雪渓が消えたばかりで、泥を被った不安定なゴーロとなっている。この不安定なゴーロに降り立ち、涸沢を見送って、そのまま左岸沿いに進む。二俣までは、水量も多く、左岸を登って行く。

 二俣では、右俣の4m階段状滝の下で、水流を渡る。左俣左岸の大岩上で、日除けのため傘をさして休憩。この少し上流で、ゴーロ滝状になっているが、それを越えるとすぐに左俣雪渓が続く。右岸は断崖状で、雪渓上にも落石が多く転がっているので、なるべく左岸寄りに歩く。傾斜は緩いので、ステッキと拾った木の枝で、ダブルストックにして歩けば、さほど難儀しない。

 二俣から一時間ほどで、右岸の北穂池付近から落下する、結構な落差と水量の滝「北穂池ノ滝」に至る。意外と見事な滝なので、デジカメしか持ってこなかったのが残念だ。このすぐ上部で、雪渓は二分し、右の本流に入る。少し傾斜が急になるが、キックステップでこなして行くと、雪渓が消え、カール尻下の小滝が現れる。左岸の草付から巻いて越える。

 滝上に出ると、景色が一変する。これが左俣カールだ。正面に大キレット、右手に南岳、左手に北穂と、ぐるっと囲まれたカールの風景。目の前には、カール底の雪渓が大きく残っている。左俣では安全地帯が無かったので、とにかくここで休憩を入れる。振り返れば、北穂池の台地越しに、屏風ノ頭と耳が見える。

 A沢ノコル目指して、雪渓を登って行く。高度を上げるに連れ、ガレ・ザクが不安定になるので、なるべく雪渓上を歩くが、次第に傾斜が急になる。ダブルストックとキックステップで、油断が出来ない。体力的に大分バテているので、バランスが悪い。ゆっくり、ゆっくり、高度を稼ぐ。雪渓が切れ、僅かなザク登りで、A沢ノコル近くの草付岩場に到達する。

 午後3時になるからか、キレットには、もう誰も歩いていないようで、ちょっと寂しい。縦走路に出ても、フラフラに疲労しているので、脚が思うように上がらない。喰いバテかもしれん、と思い、カロリーメイト等頬張ってみる。「安全第一、慎重慎重」と呟きながら、とにかく集中力を切らさないようにし、飛騨泣きを越え、やっとの事で、北穂岳山頂にまで至る。

 あとは南稜を下るだけ、と思うと、随分と気が楽になる。余裕が出て、涸沢カールを囲む山々に目を向ける。1時間半かけて、18:15無事涸沢まで下降する。5年ぶりの涸沢定着である。 

アルバム

河童橋横から西穂高岳・奥穂高岳
明神X峰、左の谷はワサビ沢か
明神館前から明神X峰
徳本峠分岐手前の川原から、明神X・W・U・主峰東稜
・1555付近から、長七ノ頭越しに、明神X〜主峰、前穂高岳・北尾根
・1555付近から、前穂高岳
・1555付近から、明神岳V峰・U峰・本峰東稜
・1555付近から、明神X〜主峰
・1555付近から、中山と大天井岳
長塀沢付近から、奥又白と前穂高岳東面
横尾から、前穂高岳東面と奥又白雪渓、左端は明神主峰
本谷橋手前の展望所から、キレットカール方面
本谷橋手前の展望所から、屏風岩
本谷橋から、屏風岩
本谷橋から北穂高岳方面
涸沢出合の雪渓
涸沢出合の雪渓と横尾本谷、奥は南岳東尾根の・2652か
涸沢出合の雪渓を振り返る
横尾本谷二俣と左俣
横尾本谷二俣から屏風岩
横尾本谷二俣から右俣出合滝
二俣から左俣
左俣雪渓を登る
左俣右岸北穂池ノ滝
北穂池ノ滝下から、常念岳、・2592P方面
北穂池ノ滝下から、左俣奥二俣
少し雪渓を登った所から、北穂池ノ滝
左俣カール尻から、北穂池ノ台地、屏風ノ頭・耳、蝶ヶ岳
左俣カール尻から、常念岳、・2592P方面
左俣カール尻から、北穂池ノ台地、屏風ノ頭・耳をアップで
左俣カール尻から、北穂東稜上部
左俣カール尻から、南岳南東面
左俣カール尻から、・2841長谷川P方面
A沢ノコルから左俣カールを俯瞰する
北穂高岳山頂から、前穂高岳北尾根
北穂高岳山頂から、奥穂高岳
北穂高岳山頂から、東稜、屏風ノ頭・耳

MR447_ 前穂高岳北尾根・奥穂高岳(北ア)'02-07

MR448_ 奥又白池・A沢・明神岳(北ア)'02-07

MR516_ 梓川横尾谷右俣下降・左俣・北穂池(北ア)'04-07

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