磐梯山・猫魔ヶ岳・雄国沼スキーツアー(磐梯)

MR121 磐梯山・猫魔ヶ岳・雄国沼スキーツアー(磐梯)

date 1982/2/27-28 
コース 猪苗代スキー場〜弘法清水小屋〜磐梯山〜弘法清水小屋〜中ノ湯〜猫魔ヶ岳〜雄国沼〜雄子沢〜桧原湖〜磐梯高原バス停
実働 第一日:4h20m、第二日:5h20m、計9h40m
メンバー すうじい、Ad君
概要 弘法清水小屋から、磐梯山をアイゼンで往復、雪洞泊、桧原湖をスケーティング。
行程 →:ツボ足、:シール、**:アイゼン、:スキー
【2月27日】 晴のちガスのち晴
猪苗代スキー場リフト終点8:509:45沼ノ平入口コル10:0010:25→10:35稜線10:45**11:10弘法清水小屋11:25**磐梯山頂11:50**12:00弘法清水小屋12:2513:20休13:3013:50中ノ湯14:1514:50ゴールドライン(雪洞泊)
【2月28日】 曇のち雨
ゴールドライン7:057:40 1312P 7:457:50コル7:558:15→8:25猫魔ヶ岳8:309:15休9:4010:00休10:0510:10雄国沼避難小屋10:3012:20雄子沢の橋12:40→13:00休13:05ゴールドラインとの合流点13:30車道から離れる13:4013:45桧原湖13:5514:05磐梯高原バス停
記録  '82の東北スキーツアーシリーズの幕開けは、厳冬期二月の磐梯山となった。昨年五月に、妙高山スキーツアーで一緒だった、ワンゲルOBのAd君を先生として、二人で出掛けた。

【2月27日】 晴のちガスのち晴
 上野2355発のばんだい11号で猪苗代に行き、始発のバスまで駅カンする。山スキーは、我々を含め3パーティ。猪苗代スキー場リフト終点まで来れば、猪苗代湖と会津の山々が見渡せる。

 シールを着けて登り始めると、すぐに、雪が少なくて岩々が露出するので、シートラーゲン。赤埴山西面トラバースで、再びシール。ここは、もっと下の谷(広くて樹林が疎)を登る方が、快適そうだ。やがて、二つのピョコタンの間を抜けて、沼ノ平へと出る。

 視界良好で、快適だ。沼ノ平から稜線までは、少し傾斜のある雪面を登るので、途中からシートラーゲン。稜線に出、北面の爆裂火口壁を見下ろしながら、岩陰でアイゼンを着ける。Ad先生曰く「ここからは、落ちたら助けに行けませんからね。気を付けて下さいよ」。全くその通りでございます。

 氷の張った夏道を登って、弘法清水小屋(閉鎖)に辿り着き、スキーとザックをデポして、山頂をサブする。しかし、スキーデポは、敗着であった。小屋から先、急に雪が増え、ラッセル風で、十分にスキー向きなのだ。イヤラシげな雪の斜面を敬遠しつつ、モンスター化した樹林の間を登る。Ad先生「トレーニング不足」と言いつつも、すうじいより遙かに体力があって、ついて行くのがやっとである。山頂では、ガスのため、全く展望無く、Ad先生と握手して、すぐに下る。

 弘法清水小屋に戻り、荷を背負い、スキーで行く。ここから中ノ湯までの、細尾根のトラバースは、地図から予測した通り、大変厄介なものであった。はじめのうちは、クラストした快適な斜面を滑降していたが、次第に傾斜が増し、樹林が濃くなり、吹き溜まり的なラッセルとなる。地獄のラッセル藪漕ぎトラバースで、体力は消耗するし、地図読みも難しい。苦闘の1P半の後、やっと中ノ湯に至る。

 中ノ湯からは、やや快適な滑降を楽しみながら、ゴールドラインと出合う。ここが、今日の宿泊予定地である。

 15時前に着いたので、Ad先生に、雪洞のこさえ方を、実地指導してもらう。クタクタになるほど頑張って、4-5人用の立派な雪洞が出来た。入口にゴアツェルトを張れば、全く濡れを感じさせない、快適な泊まりとなった。

【2月28日】 曇のち雨
 誰かがちゃっかり利用するかも知れないな・・・などと思いつつ、快適だった雪洞を後にする。1312Pへの緩い登りを、シールで行く。コルまでスキーで下り、猫魔ヶ岳へ向けて、再びシールで登る。南側に、若干雪庇が出ている。猫魔直下で、ツボ足になる。

 猫魔ヶ岳からは、北西へと、トラバース気味に滑降する。かなり下ると、傾斜は緩くなり、小沢を何度か渡るので、苦労する。雄国沼の氷の上に出てから振り返ると、白山書房のスキールート図集の指示通り、1349P経由で滑降するのが、大正解ルートであったようだ。

 雄国沼の、立派な二階建て避難小屋脇で、タルむ。沼の西方、金沢峠付近の斜面で、山スキーをしている、数人の人影を見る。今山行初めての、他パーティだ。

 さて、雄子沢左岸沿いの大滑降は、なかなかルートファインディングが難しい。以後、沢沿いの滑降でいつも思うのだが、早めに面倒な箇所を避けないと、ややこしい徒渉だの、スキーをはずしての雪壁登りだの、と時間を食ってしまう。

 やっと、車道の橋に出ると・・・、何と除雪してあって、マイカーがヒュンヒュン通っている。この車道沿いにシールで登り、下りになるあたりから、スキーに乗る。路面に残る雪を、上手く拾いながら、下って行く。ゴールドラインと合流し、やがて桧原湖のすぐ近くまで、車道が接近するようになる。

 ここで、車道を離れ、桧原湖に滑り込む。ワカサギ釣りで賑わう、凍結した湖面を、スケーティングで進む。釣客達は、突然出現したスキーヤーに、さぞや驚いたことであろう。磐梯高原バス停を捜すのに、ちょっと手間取る。

 バスに乗り、いつしか車窓を叩く雨粒を眺めながら、今回の充実した山行の成功を、嬉しく思うのであった。

スキールート図

MR122_ '82東北スキーツアーシリーズU:岩手山〜焼切沢スキーツアー(岩手山)'82-03

MR123_ '82東北スキーツアーシリーズV:八幡平〜山毛森スキーツアー(八幡平)'82-03

の表紙へ
本館トップページへ