前川大滝沢(吾妻)

date 2004/9/24 ガスのち晴のちガス
コース 滑川橋〜前川大滝沢〜潜滝〜本流徒渉点〜大滝展望台〜滑川温泉〜滑川橋
実働 7h02m。(溯行:5h44m、下山:1h18m)
概要 滑・滑滝連続、大滝100m下でガス晴れる、潜滝まで溯行。展望台はガスの中で、大滝見えず。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:山道、:溯行、\\:藪漕ぎ
【9月24日】 ガスのち晴のちガス
滑川橋駐車スペース7:10→大滝沢出合7:157:30 3段19m滑滝7:358:38大滝100m下9:25\\
2段15m滝9:48ネコノ沢出合10:2310:40ホラ貝沢出合10:5511:15 8m幅広11:2011:55
12m2条滝12:1012:13 12m2条滝上12:1812:25 5m左壁凹穴12:3513:50 1330M右岸枝沢
14:001350M右岸枝沢14:1414:38本流徒渉点14:4314:48潜滝25m 15:1015:13本流
徒渉点15:20→姥湯分岐15:30→ネコノ沢徒渉点16:06→16:20大滝展望台16:25→滑川温泉16:40
→16:43滑川橋16:52=17:28五色温泉(泊)
使用装備 渓流シューズ水無、ヘルメット、アイスハンマー、E-1、11-22mmF2.8-3.5、EC14、三脚、ステッキ
不用装備 8mmx30mザイル、ハーネス、シュリンゲ、カラビナ、50mmF2
記録  滑川温泉や姥湯の湧く、吾妻連峰北面の阿武隈川支流松川の前川大滝沢には、滑川大滝として知られる落差100mの大滑滝が懸かる。以前、姥湯に泊まりに出掛けた時には、そんなことも知らずに、惜しいことをしたものである。

 今回、最上川源流松川の大平温泉に泊まった翌日、湯殿山の七ツ滝を見に行った後、板谷の駅前を通り、濃霧の林道を走って、滑川橋先の駐車スペースにて、車中泊。

【9月24日】 ガスのち晴のちガス
 翌朝になっても、相変わらずのガスである。気が滅入るが、雨が降ってないだけ、マシとしよう。溯行準備して、滑川橋の左岸側まで戻って入渓すれば、赤滑の岩盤、大滝沢出合である。大滝沢の滑床を行けば、右岸に大岩々を見て、ゴーロを進めば、大釜を持つ3段19m滑滝となる。

 下段4mは、左壁バンドに取り付いて、落口へとトラバースする。落口を渡り、中段12mは、傾斜は強いがホールドの豊かな、右壁に取り付いて越える。途中、左岸枝沢の、3段20m滑滝が懸かる。上段3x 6mトヨナメは、右壁をトラバース気味に越える。

 大きな釜を持つ2段2m滑滝が現れ、ここからしばらく美滑が続く。この大きな釜は、右からヘツる。3m滑滝を越えると、滑床が続く。3段12x 18m上ナメを過ぎれば、10x 30mトヨナメである。

 しばらくゴーロを行くと、沢は右へと屈曲して、3x 6m滑滝、更に滑床が続く。再び開けたゴーロとなり、しばらくこれを辿ると、突然ガスの中に、幾筋もの白い曲線が懸かる。いよいよ、大滝100mである。ガスのため、その下部20mくらいしか見えていないのが、残念である。

 ここがメインなので、先ずはザックを下ろして、オニギリを頬張る。大滝を見上げながら、ゆっくりと休憩しよう。30分ほど休憩していたら、薄日が射して来た。すると、どうだろう、ガスも吹き飛ばされて行くではないか。チャンス、とばかりに、カメラと三脚を持って、後ろの斜面を登る。広角レンズで、何とか大滝の全貌を撮影する。

 再びザックを担いで、右岸の小尾根脇の窪状に取り付き、やがて小尾根に乗る。小尾根上の踏跡を辿り、ブッシュを掴んでひたすら登る。大滝100m分の高度を、稼がねばならない。やがて小尾根を離れて、右へとトラバース気味に登り、草付斜面を横切る。再びブッシュ帯をトラバースし、二つ目の草付斜面に沿って登る。草付帯の露岩テラス状を横切り、ブッシュ帯をトラバースして、沢に戻る。

 沢に戻ったところは、大滝上の2段15m滝の途中に出る。そのまま左壁を登る。続く8m滝を左壁から越え、ゴーロ帯となる。深い釜を持つ、5m滝堰堤状は、右岸のバンドに取り付き、これをトラバースして巻道に入る。5m滝上に降り立つと、滑床が続き、左岸にはスラブが広がる。

 ゴーロから滑・滑床を行くと、右岸からネコノ沢が、(1:10)の水量比で5m滝上ナメを懸けて出合う。再びゴーロを行けば、水流二分を経て、釜を交えた滑床となり、やがて左岸から(3:1)のホラ貝沢が滑で出合う。ここで、休憩とする。ホラ貝沢の水は、酸っぱいので、飲用には適さないようだ。いつの間にか、すっかり晴れてしまった。

 さらに滑を行き、4mトヨナメを過ぎると、右岸をスラブ壁で囲まれた大釜を持つ、5m滝となる。右壁の、細かいホールドを拾って越える。その上は、トヨナメ・ミニゴルジュとなっている。左岸に白い壁を見て、ゴーロを進んで行くと、正面に岩壁を見て、右手から8m幅広滝が落ちている。右壁に立て掛けられた流木を利用して、これを越える。

 8m幅広滝上は、滑床が続いている。その先は、しばらく、滑・滑滝連続となる。左岸に涸れスラブ滝の懸かる10m滝は、ややこしそうなので、右岸の巻道を辿る。右岸が草付スラブの5m滝は、右壁から越える。12m2条滝は、巻けそうもないので、水流右の直登を決意する。

 シャワークライムを覚悟して、雨具の上を着込み、フードを被る。12m2条滝の右壁に取り付き、水流へと近付いてみると、意外と傾斜が緩くて、ホールドも豊富である。シャワーもさほど浴びずに、あっけなく滝上に立つ。暑いので、すぐに雨具の上を脱ぐ。

 12m滝上からは、連瀑帯となっており、最後の5m深釜左壁凹穴が、難関である。泳ぐのもイヤなので、左壁トラバースに挑戦する。細かいホールドを拾って、斜上してゆくが、登るにつれ、白っぽい岩角が脆くなる。欠けたら、ドボンである。悩んでも仕方ないので、「信ずる者は救われる」大作戦でサクサクトラバースして、無事これを越える。

 インゼル状の滑滝を過ぎ、更に進んで行くと、荒れた感じの沢となる。ふと気が付くと、足元の滑滝状は、古い堰堤であった。大岩ゴーロを進み、振り返ると、頭上に古い吊橋が懸かる。この辺りが、鉱山跡なのだろう。左岸にガレ、黄土色のスラブ、岩石崩壊壁が続き、枝沢が出合う。

 本流は、巨岩急流となり、石滝、4m滝と越えると、左岸に赤黒い岩壁が広がる。10mスラブ滝白糸状の横には、硫黄混じりの湧水滝も懸かる。やがて、右岸から(1:2)の枝沢が出合い、大釜や石滝を越えて、藪っぽくなった本流を進めば、左岸に白い壁を見て、再び右岸から(1:1)の枝沢が出合う。

 更に本流を進んで、左岸に白いガレを見て、石滝を越せば、本流の徒渉点に至る。ここにザックをデポし、カメラと三脚のみ担いで、潜(もぐり)滝を見に行く。滝壺手前の大岩に登り、三脚を立てる。見えているだけで、25mはありそうだ。

 満足して引き返し、徒渉点から登山道を下る。枝沢を一本渡り、姥湯への道を分けた後、もう一本の枝沢を渡ると、軌道跡の水平道がしばらく続く。ネコノ沢を渡って、やがて尾根筋を下降するようになると、間もなく大滝展望台に至る。

 ここで、最後の休憩。既にガスに包まれ、全く展望は無い。ここからの大滝も見たかったが、仕方がない。滑川温泉を経て、滑川橋近くの駐車スペースへと下る。

 霧の中、林道を慎重に走り、峠状で何とか携帯メールを送信する。板谷駅前を経て、本日の宿、五色温泉へと向かう。

溯行図

アルバム

前川大滝沢3段19m滝大釜
3段19m滑滝大釜 中段12m
3段19m滝大釜 左岸枝沢3段20m
3段19m滑滝大釜 上段 3x 6mトヨナメ
3段19m滑滝大釜 上段 3x 6mトヨナメ
前川大滝沢 2段2m滑・3m滑
前川大滝沢 3段12m上滑
前川大滝沢 3段12m上滑
前川大滝沢 3段12m上滑
前川大滝沢 10x 30mトヨナメ
前川大滝沢大滝100m
前川大滝沢大滝100m
前川大滝沢大滝100m
前川大滝沢大滝100m
前川大滝沢大滝100m
前川大滝沢大滝100m
前川大滝沢大滝100m
前川大滝沢 5m堰堤状
前川大滝沢 5m堰堤状の上滑
前川大滝沢 ホラ貝沢出合手前
前川大滝沢 ホラ貝沢出合滑
前川大滝沢 4mトヨナメ
前川大滝沢 5m右岸スラブ
前川大滝沢 8m幅広滝
前川大滝沢 8m幅広滝
前川大滝 2x 4m滑滝
前川大滝沢 8m幅広上の滑床
前川大滝沢 10m滝
前川大滝沢 5m滑滝
前川大滝沢 12m2条滝
前川大滝沢 12m2条滝落口
前川大滝沢 連瀑帯
前川大滝沢 5m深釜左壁凹穴 左壁ヘツリ
前川大滝沢 インゼル上流
前川大滝沢 潜滝25m
前川大滝沢 潜滝
前川大滝沢 潜滝
前川大滝沢 潜滝

MR521_ 間々川火焔滝・佐原沢二階滝偵察'04-09

MR523_ 石筵川銚子ヶ滝見物'04-09

渓流の部屋
の表紙へ
本館トップページへ