赤谷川笹穴沢(上越谷川)

date 2004/9/12 曇のち快晴のちガス
コース 川古温泉〜赤谷川林道終点〜笹穴沢〜源頭草原〜平標山ノ家〜平元新道〜元橋登山口駐車場
実働 12h16m(アプローチ:1h20m、溯行:8h40m、下山:2h16m)。
概要 滝が連続し、大滑滝も豪快、源頭の草原、下山真っ暗。
メンバー のじやんさん、すうじい
行程 →:山道、:溯行、\\:藪漕ぎ
【9月11日】
さいたま18:50=20:30赤城高原SA 21:15=22:10元橋登山口駐車場(仮眠)

【9月12日】 曇のち快晴のちガス
元橋登山口駐車場3:45=4:30川古温泉4:45→6:05笹穴沢出合6:307:10 6x8m滝7:20
金山沢出合8:101050M右岸枝沢8:469:35 2段20m滝10:0510:35 12m滝10:4511:35
20m赤岩滝12:001310M右岸滑枝沢12:2212:30 30m滝12:4514:15大滑滝下14:40
20m斜瀑2条末広15:2015:45 8m直瀑15:55\\滝上16:071610M三俣16:1516:20
1660M右岸枝沢16:25最後の三俣16:55水汲み17:00\\17:10草原17:25\\17:35踏跡17:40
→18:13平標山ノ家18:15→19:05林道登山口19:22→19:55水場20:05→20:25元橋登山口駐車場
21:00=21:35川古温泉21:40=22:15赤城高原SA 22:35=23:05寄居PA 23:25=0:20さいたま
使用装備 渓流シューズ水無U、9mmx40mザイル、アイスハンマー、ハーネス、ヘルメット、シュリンゲ、カラビナ、ハーケン、E-1、11-22mm、50mmマクロ、EC14、三脚、ステッキ
不用装備 特になし
記録  8月に、のじやんさんと出掛けた北面の東ゼンは、なかなか良かった。また二人で、谷川連峰の沢に出掛けよう、と言うわけで、今度は南面の笹穴沢にチャレンジした。登攀具・撮影用具を担ぐと、笹穴沢日帰りは、なかなか辛いモノがあった。アプローチも、下山も、ヘッドランプのお世話になってしまった。

 スケールの大きな滝群、豪快な大滑滝、イヤらしい草付スラブ、源頭の大草原。苦しくも楽しい、充実した撮影溯行となった。

【9月11日】
 赤城高原SAで集合し、月夜野ICで降りて、下山予定地の元橋へ向かう。R17は、三国トンネル近くまで来ると、雨と濃霧となり、先が思いやられる。登山口駐車場は、真っ暗で静かな所だ。車の中で、仮眠する。夜中に目が覚めると、満天の星空であった。

【9月12日】 曇のち快晴のちガス
 暗いうちに、1台の車で登山口の川古温泉へ移動する。途中、猿ヶ京温泉のコンビニで食糧調達。赤谷川林道のゲートは、一昨年の本谷溯行時よりも更に手前にあり、川古温泉先には駐車スペースは殆ど無い。橋の手前に、数台分の駐車スペースあり。

 ヘッドランプを点けて、真っ暗な林道を歩いていると、後ろから無灯火のミニバイクが追い越して行く。無謀な釣師だ。途中から明るくなり、1時間20分の歩きで、林道終点となり、笹穴沢出合へ下降する。ここから、溯行モードとなる。あいにくの曇り空だが、降っていないだけましである。

 笹穴沢出合は、水量比(1:2)となっており、少し行くと、良い感じのゴルジュとなる。左岸の踏跡を辿って巻く。しばらくは、平凡なゴーロを進み、小滝を越えて、870M左岸枝沢が4m滝で出合う所で、6x 8m滝となる。右岸から、これを越えてゆく。

 再びゴーロを進むと、釜を持つ小滑滝下2条、その上では、大岩を挟んで水流二分となっている。左岸から、2段10m滝を懸ける枝沢が出合い、3x 6m大釜を越える。巨岩ゴーロ帯となり、石滝を右岸から巻くと、やがて980Mの(3:1)金山沢出合である。金山沢は、かなり急なルンゼ状の沢で、奥の方には、スラブ滝が見えている。

 本流の石小滝を越えて行き、3x 6m滑滝を右岸から巻くと、左岸から15mスダレ階段状黒スラブ滝が懸かる。3x 6mCS滑滝を越えると、釜を持つ3m滝で、釜の左をヘツり、左クラックから越える。2段7x 10m斜瀑を左岸から小さく巻き、4x 10m滑滝や滑床を進む。

 右岸から、3m滝を懸ける1050M枝沢が(1:3)で出合う。15m滑床、さらに2段12m滑滝下2条、2段7mトヨナメを越える。右岸から涸れスラブルンゼが出合い、3m幅広滝を越えると、再び右岸から、水量の少ないスラブルンゼが出合う。本流には、5m滝が懸かる。いつの間にか青空が見え、陽射しを浴びる滝水が、白く輝いて眩しい。

 この5m滝は、水量の少ない、右岸ルンゼ下部の滝を登って越える。この上は、トヨナメのミニゴルジュ状で、左岸を進む。その先で、正面は涸れルンゼ、沢は左に屈曲し、釜を持つ5m2条滝となる。釜の上に、虹が架かる。左壁沿いに、水流左端を、シャワーを浴びながら登る。滑床、6m滑滝を過ぎると、1140M二俣となる。

 左俣は、水流二分しており、上流側は4m滝を懸けるが、いずれも水量は少ない。右俣に入ると、2段20m滝が現れる。下段4mは、右壁のクラックを少し登り、残置ハーケンを利用して、左へトラバースして越える。ここの外傾テラスで確保し、のじやんさんトップで、滑り易い右壁に取り付いて、上段16mを越える。

 続く12m滝は、左壁の草付混じりに取り付くが、途中が悪い。外傾したスタンスの所で、詰まってしまう。残置ハーケンにシュリンゲを掛け、気合で登ったのじやんさんに、ザイルを出して貰う。この滝の上部は滑床になっている。10m滝右フェースを越えると、しばらく滑が続く。

 15x 30mくの字滑滝を登ると、正面に滝を懸ける1230M左岸枝沢が、(3:1)で出合い、本流は左から、5m階段スダレ滝を懸ける。シャワーを浴びながら、水流左を登る。左岸がスラブになっている15x 30m滑床を過ぎると、石小滝の所で、左岸から(10:1)の水量比で、1280M枝沢が滑滝で出合う。

 その先で、存在感のある20m赤岩滝が現れる。岩肌は赤黒く、威圧感がある。草付混じりの左壁を登って越えると、上部はナメになっている。右岸から1310M枝沢がナメで出合い、滑小滝群を進むと、30m滝と大滑滝が望まれる。30m滝下で、右岸から、1330M枝沢が出合う。

 さて、いよいよ核心部である30m滝に取り付く。宇都宮の弘田さんの情報では、右壁下からだと、45mザイル一杯に伸ばさないと、上の確保点に到達しないらしい。そこでまず、右壁のクラックを登り、左上するバンドに乗る。少し登って左へトラバース。残置ハーケンのある外傾小テラスで確保。ここを開始点とする。

 のじやんさんトップで、バンドを水流へとトラバースし、そこから直上して、草付混じりのリッジに乗り、灌木帯の末端まで40mザイル一杯に伸ばす。後続パーティのトップが、すうじいの確保する支点の上のカンテ沿いに、ザイルを伸ばすが、やはり下からでは灌木帯まで到達出来ないようだ。

 のじやんさんの声は聞こえないが、ザイルが伸びきって、灌木が揺れるのが見えたため、灌木帯で確保出来たと判断する。再び、ザイルが引っ張られたため、すうじいも登攀開始。外傾気味の草付混じりを経て、灌木帯末端まで登る。ここから、灌木帯をトラバースして、30m滝の上部大ナメ側を偵察すると、沢へと下降可能であった。

 上部大ナメ30x 100mの水流右を、慎重に登り、いよいよ大滑滝の直下に至る。右岸には、1380M枝沢がスラブ滝を懸けている。大滑滝は、その下部の2段スラブ滝のみが見えており、左岸側は草付スラブとなっている。遙か上方から、滑り落ちてくる感じである。右壁の乾いた草付スラブを登る。上段の途中から、水流沿いを登る。

 大滑滝の傾斜が緩くなり、流れはU字谷状岩壁の間を大きくうねって、中部の逆S字滑滝に入る。独特の地形である。スリップに注意しつつ、しばし、撮影タイムとなる。ここで後続の5人パーティ(町田グラウス山の会)に、先行して貰う。傾斜が増して階段状の右壁を登り、中部の逆S字滑滝は終了する。

 これを越えると、傾斜の緩い上部の滑床となる。地形図から見ると、下部・中部・上部併せて、大滑滝は90x 200mといったところであろうか。体感規模からすると、200x 400mくらいありそうだが。その先のトヨナメ滝では、右岸のミニスラブのトラバースに、手こずったりする。

 1490M付近で、右手から20m斜瀑2条末広が懸かる。左手の草付から簡単に巻くと、上部はナメになっている。この先は、小滝群が続き、正面には、最後の難関8m直瀑が懸かる。先行した5人パーティは、8m直瀑の右岸の笹藪を大高巻きしている。

 8m直瀑直下で、撮影を済ませ、右岸の草付に取り付く。やや左寄りに直上して、笹藪に突入し、落口へ向けてトラバース開始。8m直瀑左のガリー上部と思われる窪を渡って、無事滝上に降りる。少し行くと、(1:5:3)の1610M三俣である。

 小滝を幾つか越えると、(1:4)の1660M右岸枝沢が出合い、右岸に1本枝沢を見送り、4m滝を二つ越えると、(1:1)の二俣となる。二俣と言っても、右は仙人小平方面から流下する傾斜のある枝沢である。左の本流に入り、3m滝を右手の草付から越えると、やがて両岸笹藪の流れは左へ屈曲し、少し西へと進んだ後、右へ屈曲して北へ向かう。

 1800M付近で、最後の三俣状となる。まず北西方向へ水量の殆ど無い左沢を見送り、すぐ先で(2:3)の二俣となる。真北方向への中沢は、mina○さんの情報では、笹藪の中に消えてしまうらしい。そこで、一旦北東へ向かい、すぐに北上する右沢を進む。5分ほど進むと、周囲は草原状となり、水流も乏しくなるので、水汲みをする。既に午後5時である。

 水が涸れ、草紅葉が始まっている草原を登るようになる。途中、草原の真っ直中で荷物を下ろし、ソールの張り替えをする。天上の楽園と言った風情だ。ガスが時々晴れて、仙人小平方面が見える。大きく西北西へと向きを変え、草原を登って行けば、やがて廃道となったトラバース道に出る。

 時間も遅いので、平標山はパスして、トラバース道を左へ下る。廃道だけあって、笹藪の中の道は、滑り易く歩きにくい。15分ほどで、稜線の立派な階段道に合流する。平標山ノ家から、林道へ向けて階段道を急降下して行くうちに暗くなり、ヘッドランプのお世話になる。山ノ家から50分で、林道に到着。

 途中、水場での小休を入れ、1時間ほどの林道歩きで、元橋登山口駐車場に辿り着く。着替えを済ませ、川古温泉の車を回収に向かう。ここで、のじやんさんと別れ、関越道で帰る。自宅に着いた時には、日付が変わっていた。

溯行図

アルバム

滝見亭」に滝写真集「赤谷川笹穴沢'04-09_」(画像31枚)があります。

6x8m滝
2段12m下2条
5m滝
5m2条滝
6m滝
2段20m滝
12m滝
10m滝右フェース
15x30mくの字滑
5m階段スダレ
20m赤岩滝
小滑滝群
30m滝
30m滝右壁を登る
(町田グラウス山の会撮影)
後続のトップが
カンテ状を登る
(町田グラウス山の会撮影)
大滑滝下部
大滑滝右壁の
草付混じりスラブを登る
(町田グラウス山の会撮影)
大滑滝中部
大滑滝上部
20m斜瀑2条末広
8m直瀑
源頭草原
笹穴沢源頭と仙ノ倉山

MR453_ 赤谷川本谷・万太郎山'02-10の記録へ

MR519_ 魚野川仙ノ倉谷東ゼン・平標山'04-08の記録へ

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