魚野川仙ノ倉谷東ゼン・平標山(上越谷川)

date 2004/8/8 晴のち雷雨
コース 毛渡沢林道ゲート〜吊橋〜仙ノ倉谷徒渉点〜東ゼン〜仙人小平〜平標山〜平標新道〜仙ノ倉谷徒渉点〜吊橋〜毛渡沢林道ゲート
実働 10h40m(アプローチ:1h05m、溯行:5h50m、下山:3h45m)。
概要 毛渡沢林道ゲート基点、大滝60mなど東ゼンの滝・滑滝群を登る、稜線で雷雨。
メンバー のじやんさん、すうじい
行程 →:山道、:溯行、\\:藪漕ぎ
【8月8日】 晴のち雷雨
湯沢0:35=1:10毛渡沢林道ゲート5:00→6:05仙ノ倉谷徒渉点6:207:10両ゼン出合7:35
8:15大滝下8:45大滝登攀開始9:0510:40大滝上11:101570M左岸枝沢12:0012:15
休12:201750M二俣12:351840M二俣13:00\\13:35仙人小平13:45→13:55仙人大平
14:10→14:25平標山14:35→15:10休15:20→15:30 1660M「第二スラブ展望台」15:50→16:15
「滝見台」16:25→17:35仙ノ倉谷徒渉点17:50→18:35毛渡沢・仙ノ倉谷出合吊橋18:40→18:55
毛渡沢林道ゲート19:25=1955湯沢
使用装備 渓流シューズ水無U、9mmx40mザイル、アイスハンマー、ハーネス、ヘルメット、シュリンゲ、カラビナ、ハーケン、E-1、11-22mm、50mmマクロ、EC14、三脚、ステッキ
不用装備 特になし
記録  一昨年の秋、単独で西ゼンを溯行して、大滝を始めとする、東ゼンの滝群に興味を覚えた。今回、のじやんさんと言う、ザイルパートナーを得て、「午後から雷雨」を示唆する天気予報にもめげずに、勇んで出掛けたのであった。

【8月8日】 晴のち雷雨
 集合場所の土樽PAでウトウトしているうち、のじやんさんが到着する。湯沢でコンビニに寄り、毛渡沢林道のゲートまで行って、仮眠する。ゲート前では、釣師だろうか、車2台の先客が、それぞれテントを張っていた。

 朝、明るくなってから出発。1時間ほどで、遭難碑兼道標のある仙ノ倉谷徒渉点に至る。ここでソールをフェルトに換え、溯行開始する。

 例によって、右岸から出合う筈のダイコンオロシ沢は、藪で出合が不明である。イイ沢出合付近は、イイ沢からの押し出しで、藪岩々帯となっており、イイ沢は伏流している。早めに、左岸側寄りを進んだ方が、藪漕ぎを避けられる。イイ沢出合付近から、美しいナメ滝群が始まる。

 両ゼン出合二俣直下の6m滝は、下が平坦な岩盤となっており、その上の西ゼン出合滑滝20x40mと併せて、絵になる風景である。ここは当然、撮影必須ポイントだ。6m滝の右壁を登って、両ゼン出合二俣に至る。

 先ずは、西ゼン出合滑滝20x40mに、目を奪われる。赤褐色がかったスラブの上を、白い泡波が、滑り落ちてくる。青空へと続く、滑り台のようだ。東ゼン出合滝は、10x20mトヨナメ滝の上に20x30m滑滝が続く。左岸の外傾したスラブと草付の境界沿いに進む。続く10m、2段10x20m滑滝を越えると、正面に、中ゼンが大スラブを落としている。

 中ゼン出合手前の20m滝は、右岸の草付から巻く。この滝の上部のナメに中ゼンが出合う。早くも、L字滝20mが姿を見せ、右壁のバンドに取り付くが、結構イヤらしい。先が思いやられる。L字滝上部は、ナメが続いている。

 正面には、前衛5mトヨナメ滝を従えた、大滝2段60mが現れる。ここは、メインなので、三脚を立て撮影する。さて、登攀準備して、大滝下段の右壁に取り付く。一段登ったテラスで、ブッシュに支点を得る。

 先ず、のじやんさんがトップで、斜上するバンドに1枚ハーケンを打ち、すぐ先に、残置ピンを見出す。水流に接近した所で、もう一枚ハーケンを打つ。今度はやや右上方向に登り、残置ピンで支点を取り、ホールドの乏しい外傾バンドを右にトラバースしてから、一段上に登る。ブッシュの下を潜って左へ行けば、残置ピン2枚の小テラスで1P目を切る。

 2P目は、すうじいトップで、バンドを水流へと近付き、残置ピンで支点を取って、下段の落口へと抜ける。落口の残置ピンにも支点を取る。さらに右奥に進んだ所にも、残置ピンはあるが、見送って落口を横断する。上段は、右岸側の凹角に取り付き、安全のため、ハーケンを1枚打つ。更に登った所の残置ピンAに支点を取る。

 そのまま凹角を直上するのが厳しそうなため、少し戻って、バンド状を右へトラバースする。浅いルンゼ状草付に入ると、怪しいシュリンゲの付いた残置ピンBがあり、このシュリンゲを捨てて、支点を取る。やや左寄りに、草付を登って、ブッシュ下の外傾テラスで2P目を切る。

 支点の取り方が下手くそなため、ザイルが流れず、難色である。やむなく、上から苦労して、残置ピンAのカラビナを外し、ザイルの流れを少し改善させる。後から考えると、残置ピンBを外した方が、正解だったような・・・。最後は、泥ルンゼを、ブッシュ頼りに強引に登って滝上へ出る。

 大滝上段の上部は、ナメが続いている。15x30m滑滝を越えたところで、大休止する。この少し先で、右岸から(1:4)の水量比で、ゴーロ状の三ノ字沢が出合う。標高1420M地点である。ここに左岸から出合うスラブ状小沢は、中ゼン溯行時の下降ルートに使われているらしい。

 小滝連続を越え、15m滝、7m滝、と越えて行くと、立派な20m滝が現れる。少し離れた右手の凹角を登り、落口へとトラバースする。その後も、左岸側を登って行く。連瀑帯最後は、左曲する30x60m滑滝で、その途中で、左岸から水量比(10:1)の1570M枝沢が出合う。

 沢は源流風ゴーロとなり、溯行興味が減ったためか、どっと疲れが出てくる。稜線の望める辺りで、小休する。沢水は、とても冷たくて、美味い。右岸に特徴ある岩峰を見て、左岸から(3:1)の1720M枝沢が出合い、その先で(1:2)の1750M二俣となる。予定通り、右に入る。

 1840M地点と思われる(2:1)の二俣で、右に入ると、藪っぽい細流となる。藪漕ぎしながらこれを辿ると、水は涸れ、ブッシュから草地、草地から笹藪へと変わり、微かに踏まれた跡を頼りに、ひたすら登って行く。踏まれた形跡は何時しか消え失せ、オマケに雨まで降り出した。濡れた笹藪を、ひたすら漕ぎ登る。

 稜線が近付くに連れ、雷鳴まで聞こえてきて、雨が強まる。結局、1840M地点から、藪漕ぎ35分で、仙人小平の縦走路へ飛び出す。慌てて雨具を羽織り、ザックカバーを着ける。ガチャ物を帯びているので、雷が怖い。仙ノ倉山ハントは断念して、平標山へ向かう。

 仙人大平の鞍部で、ソールをラバーに貼り換え、休憩するうち、雷雲は稜線を越えて、湯沢方面へと移ったようだ。本日唯一の山頂、平標山を経て、平標新道の下降を開始する。雨は、止んだようだが、ぬかるんだ道は、とても滑り易い。池塘のある辺りで、西ゼンを溯行したと思しき3人パーティと、擦れ違う。

 平標新道は、笹が刈り払われてはいるが、利用者が少ないためか、あまり良い道とは言えない。のじやんさんの、苦難の道が始まる。すうじいは、ステッキが有る分、有利なようだ。途中、「第二スラブ展望台」で、西ゼンの第二スラブの眺めを堪能する。

 雨とガスが、時折襲って来る。矢場ノ頭手前の「滝見台」付近では、西ゼン第一・第二スラブ、東ゼンL字滝、大滝が望める。矢場ノ頭から下では、樹林帯のズルズル下りとなり、のじやんさんの苦難が続いた。やっとのことで、仙ノ倉谷徒渉点まで降り立ち、休憩とする。

 この後の山道は、はるかに楽になる。毛渡沢・仙ノ倉谷出合の吊橋を渡り、座り込む。あとは、林道歩きを残すのみ。ゲート前の車に戻って、ホッとする。充実した山行であった。

 帰りに、湯沢のコンビニに行こうとして、道を間違え、タイムロス。コンビニで、のじやんさんと別れて、関越に乗る。sokouzu

溯行図

アルバム

魚野川仙ノ倉谷両ゼン出合下6m
魚野川仙ノ倉谷西ゼン出合滝
魚野川仙ノ倉谷東ゼン出合滝
魚野川仙ノ倉谷東ゼン10m滝
魚野川仙ノ倉谷東ゼン 中ゼン出合下20m
魚野川仙ノ倉谷中ゼンスラブ
魚野川仙ノ倉谷東ゼン20mL字滝
魚野川仙ノ倉谷東ゼン大滝2段60m
魚野川仙ノ倉谷東ゼン大滝右壁取付
魚野川仙ノ倉谷東ゼン連瀑帯の20m滝
遠望:西ゼン第二スラブ上部
遠望:西ゼン第二スラブ下部
遠望:西ゼン第一スラブ
遠望:東ゼン大滝2段60mと20mL字滝

MR451_ 魚野川仙ノ倉谷西ゼン・平標山'02-09の記録へ

MR520. 赤谷川笹穴沢'04-09の記録へ

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