魚野川仙ノ倉谷西ゼン・平標山(上越谷川)

MR451 魚野川仙ノ倉谷西ゼン・平標山(上越谷川)

date 2002/9/20 快晴のち曇
コース 毛渡沢林道ゲート〜吊橋〜仙ノ倉谷徒渉点〜西ゼン〜1860コル〜平標山〜平標新道〜仙ノ倉谷徒渉点〜吊橋〜毛渡沢林道ゲート
実働 7h55m
概要 毛渡沢林道ゲート基点、秋晴れの日に西ゼンのスラブ滝登攀。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:山道、:溯行、\\:藪漕ぎ
【9月20日】 快晴のち曇
湯沢IC5:35=6:00毛渡沢林道ゲート6:15→毛渡沢・仙ノ倉谷出合吊橋6:35→7:25仙ノ倉谷徒渉点
7:508:40東ゼン出合下6m滝8:508:50東ゼン出合9:059:35第一スラブ2段7m滝9:55
10:10第一スラブ下部10:2510:40第一スラブ出口4m滝10:5011:10第二スラブ4段15m滝11:30
11:35第二スラブ中間部11:4512:10 7mスダレ12:20水枯れ12:50\\13:40 1830Mコル
登山道13:55→14:15平標山14:30→15:10平標新道「滝見台」15:25→16:10仙ノ倉谷徒渉点
16:15→毛渡沢・仙ノ倉谷出合吊橋16:55→17:10毛渡沢林道ゲート17:30=湯沢IC17:50
記録  上越は谷川連峰の平標山に突き上げる、仙ノ倉谷西ゼンへ、快晴のスラブを夢見て出掛けた。谷川連峰の沢といえば、大昔に、ヒツゴー沢と万太郎谷本谷と湯桧曽川本谷を溯行したきりである。西ゼンは、ルートミスさえしなければ、特に難しい所もなく、ザイルもアイスハンマーも使用しなかった。ツメの笹藪漕ぎと、平標新道の下降の辛さは、覚悟しておいた方が良い。

【9月20日】 快晴のち曇
 3時半過ぎに家を出て、川越から関越に乗る。6時に毛渡沢林道ゲート前に到着すると、車二台が停めてある。釣師であろうか。

 林道を20分ほど歩くと、毛渡沢・仙ノ倉谷出合で、吊橋があり仙ノ倉谷を渡る。仙ノ倉谷右岸の登山道を辿る。河原沿いの登山道が荒れたためか、途中から新たに付けられたらしい道は、どんどん登り始めるので、不安になる。やがて、トラバースが始まり、枝沢を渡って、河原沿いの旧道と合流する。そのうち、遭難碑のある仙ノ倉谷徒渉点に至る。

 ここで渓流足袋に履き替え、ゴーロ状の仙ノ倉谷に入る。30分ほどのゴーロ歩きで、滑滝が始まる。2段4x8m、4段15x30mは右から越える。東ゼン出合下の6m滝は右壁を登る。この辺りから、西ゼン出合の滑滝群が望まれ、ワクワクしてくる。

 東ゼン出合では、出合の7x15mトヨナメと10m滑滝が懸かる。はるか奥には、2段60m大滝であろうか、落差のある滝が見えている。西ゼン出合は、20x40m滑滝で、さらに滑滝群が続く。右壁のスラブ状草付を登る。滑滝群を登って行くと、上方に第一スラブも望まれる。

 滑滝群を過ぎると、5mチムニー滝が現われる。左壁を登ってこの滝を越えると、滑床となり、第一スラブ入口の2段7m滝だ。左からこれを越え、続けて第一スラブ末端の滝を左から越える。そのまま、右岸側の踏まれた安全そうなルートを辿って登る。時には水流沿い、時には草付をと、適宜ルートを選んで行く。時折、周りを見回して、大スラブの眺めを満喫する。すごい開放感と高度感だ。

 右岸側から、僅かに水流のあるスラブ状枝沢が出合うが、これもバンド状を利用して横切る。第一スラブは、上部でトヨナメ状になり、右岸のバンドをトラバースして、出口の4m滝下に降り立つ。4m滝を右から越え、続く2段10m階段状スダレは、途中から右岸の笹藪に突入して巻く。右からの方が楽だったようだ。巻き終えると左岸から枝沢が入り、第二スラブ入口の2段15m滝が立ちはだかる。

 第二スラブ入口の2段15m滝は、右岸の凹角状左から取り付き、左手の草付リッジ状に乗る。そのまま、踏跡を忠実に辿って、落口付近へトラバース気味に登り、水流沿いを登る。あとは、右岸側の草付スラブを、第一スラブよりも傾斜が強いので、より慎重にルートを選びながら、確実に高度を稼いで行く。間もなく、4段15m滑滝状を右岸から越える。

 第二スラブは、第一スラブよりもスケールが大きく、高度感もさらなるものがある。存分に楽しみつつ、右岸通しに登る。途中、右岸からスラブ枝沢が出合うが、これもバンド状を利用してトラバースする。第二スラブ出口近くの滑滝状も、右岸から越えれば、出口の小滝である。

 出口の小滝を、右岸のブッシュ頼りに、強引に越える。続く2段4m滝は、右壁を登る。すると、7mスダレ滝が現われる。なかなかの美瀑である。右岸を小さく巻いて越える。なおも、滑・滑滝が連続する。2段5m上2条を越えると、(1:2)の二俣になり、右に入る。滑はやがてゴーロ状となり、すぐに(1:1)の二俣となる。さらに右に入って、3m滝を越え、やがて湧き水状の水溜まりとなる。

 これ以上は、伏流らしく、藪も凄い。水を補給すべく、ザックを下ろすと、右手の笹藪の中に、明瞭な踏跡が続いている。うむ、これか。この後、笹の丈は高くなったり低くなったりするものの、50分ものスズタケ漕ぎの急登が連続するのであった。途中、一箇所だけ、笹が禿げた地面の露出した場所があったが・・・。

 腕力と脚力を消耗した登りの果てに、1860Mコルの池塘に出る。登山道の真ん中で、ザックを下ろして、大休止したのは、言うまでもない。草紅葉が始まっており、仙ノ倉山方面の稜線の眺めが、たおやかである。気を取り直して、ザックを背負い、平標山を目指す。この最後の登りが、辛かったこと・・・。

 すでに、ガスが懸かり始め、展望は今ひとつであったが、独りぼっちの山頂を楽しむ。仙ノ倉山方面から、年配の単独男性が登ってきた。本日初めての遭遇者は、元橋から仙ノ倉山往復だそうだ。さて、平標新道の下降という大仕事が残っている。ザックを背負い、山頂を後にする。

 平標新道は、上部は尾根通しの展望の良いコースである。矢場ノ頭手前の1500M付近で、西ゼンの第一・第二スラブの展望の良い「滝見台」とでも呼びたくなる場所がある。ここで三脚を立て、最後の撮影を行った。矢場ノ頭からは、樹林帯の急降下が、蜿蜒続く。脚がガクガクしてきて、ホントに「もう勘弁して下さい」と弱音を吐きたくなる下りである。参り切った頃、仙ノ倉谷徒渉点に下り着く。

 ここで、最後の休憩をし、水の補給をして、一気にゲート前の車まで戻った。

溯行図

アルバム

両ゼン出合下6m
西ゼン出合滑滝
第一スラブ入口滝
第一スラブ
第一スラブ出口滝
第二スラブ入口滝2段15m
第二スラブ
7mスダレ滝
最後のスズ竹漕ぎの途中から
源頭の笹斜面と仙ノ倉山
1860Mコルの池塘
同じく仙ノ倉山と池塘
平標山への途中にある池塘と
仙ノ倉山
1500M付近の滝見台から、第二スラブであろうか
1500M付近の滝見台から、第一スラブであろうか
1500M付近の滝見台から

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