三ツ岩岳・大戸沢岳スキー縦走(駒-朝日)

date 2003/5/3 快晴
コース 下大戸沢スノーシェッド南口〜村界尾根〜三ツ岩〜三ツ岩岳〜大戸沢岳〜東尾根
〜下大戸沢スノーシェッド南口
実働 7h10m
概要 下大戸沢出合から周回。雪少な目で尾根下部藪漕ぎ、東尾根上部大滑降最高。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:ツボ足、\\:藪漕ぎ、:シール、:スキー滑降、=:車・交通機関
【5月3日】 快晴
檜枝岐民宿5:15=5:30下大戸沢スノーシェッド南口6:00→\\村界尾根7:25\\7:30 1270M付近7:508:20 1426.7P 8::308:35 1360Mコル8:509:55 1670M岳樺10:1010:50 1884P 11:05稜線11:35三ツ岩岳11:4511:50三ツ岩岳西峰2070MP 12:0512:20 2060P 12:2512:40 2057P 12:5013:05 1918コル13:2013:50 大戸沢岳2070M肩14:2014:40 1640M 14:451553P 14:501386P 14:5715:10 1200M付近15:25\\→16:00下大戸沢スノーシェッド南口
16:15=檜枝岐民宿
記録  南会津の駒-朝日山塊では、'81年6月の会津朝日岳〜燧岳残雪縦走以来の三ツ岩岳の再登頂と、大戸沢岳東尾根滑降を狙っていた。今回、檜枝岐民宿に3泊したので、まずは下大戸沢出合からの周回コースで、この二つを一日でやることにした。予想したより雪が少なく、下部では藪漕ぎを強いられたが、大戸沢岳東尾根の大滑降は、素晴らしかった。

【5月3日】 快晴
 少し寝坊して、宿を出る。下大戸沢スノーシェッド南口の旧道に、車を停める。準備をしていると、先客の釣師が、心配げに話しかけてくる。スキーだと判ると、安心した様子だった。スキーをザックに、A字型に固定する。

 さて、昨日の偵察で、登りに使う尾根の下部には、踏跡があることが判っているので、安心してこれを辿る。下大戸沢は、スノーシェッドの下に潜るような形になっており、スノーシェッドの屋根の上を歩いて、対岸に渡る。ここで、デジカメのメモリーを、忘れたことに気付く。一眼レフも持って来てはいるが、何たるドジだ。左岸尾根に取り付き、踏跡を快調に辿る。尾根沿いにしばらく行くと、990M付近で、踏跡は左手の下大戸沢の方へ下って行ってしまう。

 これを見送って、尾根筋に忠実に行く踏跡は、かなり薄くなる。なおも登ると、いつの間にか、踏跡は消失してしまう。例年、雪の残っている時期にしか、人が入らないのであろう。藪を漕ぎながら、尾根沿いに高度を上げる。スキーが引っ掛かって、消耗する。たまに、イワナシの花が咲いていたりして、少しは慰められる。

 村界尾根が右手から登ってくる辺りになると、少し雪が出てくる。更に少し登ると、雪の上を歩けそうなので、休憩してシールに換える。1270M付近であろう。村界尾根の北面には、かなり下まで雪が着いているようだった。

 シール登高に換えて、随分と楽になる。それでも、ザラメ雪の急登は、油断するとシールが滑り、バランスを崩してしまう。30分で、1426.7Pに至る。ここは、他の尾根からも、それとすぐ判る、顕著なピークである。大戸沢岳から三ツ岩岳に続く稜線の、南東面が良く見える。シールのまま、1360Mコルまで、急斜面の快適な滑降だ。

 コルで休憩を入れ、オニギリを頬張る。次は、1670M岳樺まで一気に登る。黙々と暑さに耐え、ひたすらシール登高を続ける。日除けの覆面タオルとマスクが暑く、息苦しい。ブナ林が途絶え、岳樺の大木の蔭で、休憩する。

 ここから、しばらく雪の斜面を登り、樹林は岳樺から針葉樹に変わって、やがて三ツ岩が見えてくる。1884Pから見上げれば、三ツ岩はどこから攻めれば良いのやら。南面は、急な岩壁と崩れかかった雪の斜面だ。北東側は、雪の斜面に亀裂が走る。地形図からは、北側の方が、傾斜が緩そうだ。

 先ずは、最初の岩峰直下まで、広い雪稜を登る。右手の雪庇に乗らぬよう、注意する。そこから、岩峰北側のブッシュ沿いに、雪の斜面を斜めに登って行く。雪の亀裂を、幾つも騙して越える。二つ目、三つ目の岩峰も、北側をトラバースすると、避難小屋の方からのトレースと合流する。2人パーティが、下って行くのが見えた。

 主稜線に乗ると、さすがにホッとする。スキーで三ツ岩岳から下ってきた、単独者と遭う。写真を撮ってあげた。一部雪の解けた三ツ岩岳山頂に、別の単独者が休んでいた。シールのまま、針葉樹林をクリアして、西峰2070MPへ向かう。途中、越後・会越方面の山々の展望が素晴らしい。

 西峰から、シール滑降で下り、2060Pへ登り返す。東側の雪庇に近付かないよう、常に注意が必要だ。まだまだ先は長いが、頑張ろう。再びシール滑降して、2057Pへ登り返す。2057Pから1918コルへの下りは、雪が大きく波打っていて、すんなりとは下れない。針葉樹林の中にルートを捜す。

 1918コルで、休憩した後、最後の大登りだ。この登りで、男性2人パーティ、犬連れの年配夫婦と擦れ違う。2070M肩で疲れ果て、大戸沢岳2089Pまで行くのを断念する。一昨年に滑降した南尾根上部は、今年は既に、かなり雪が落ちている。最後の大休止をして、シールを外し、踵を固定する。

 東尾根は、始め尾根がハッキリしないので、コンパスで東南東の方向を見定め、無立木大斜面に大胆なシュプールを描く。ザラメが快適だ。今日は晴れているので、1553Pの尾根が眼下に見えており、さほど不安は無い。尾根の繋がりが確認出来る位置まで下ると、更に調子良く下ることが出来る。20分ほどで、1640Mまで滑降する。

 この先、尾根上にブッシュが出る所もあるが、南側の雪庇状の上を、快適に滑降出来る。1553P手前は、雪の広場状になっている。1553Pから先も、北東へ続く尾根の南東側の雪庇状を滑る。1386Pから先は、少し東へ進み、北東への急な尾根の北側斜面を下る。次第にブッシュが顔を出し、1200M付近で板を外す。

 スキーをザックにA字型固定し、しばらく雪の上を下るが、やがて枯れ葉の積もった泥斜面を下る。滑り易く消耗する。1060M付近から、右手の小沢状に入り、沢床を下る。小沢はやがて左へカーブする。下大戸沢右岸の笹藪を漕いで、スノーシェッド南口近くへ出た。

 無事、車に戻り、檜枝岐の民宿へ向かう。燧の湯で汗を流す。明日は、御池から燧往復だ。

 

アルバム

下大戸沢源頭部を望む
1270M付近の落葉樹林帯で、シール登高に替える
1360Mコルから大戸沢岳
大戸沢岳
1670M岳樺付近かな
・1884付近から、三ツ岩と三岩岳
・1884付近から、窓明山が見えているのか
三岩岳西峰から大戸沢岳
三岩岳西峰から窓明・坪入方面
三岩岳西峰から、・2060P、・2057P、大戸沢岳
三岩岳西峰から、坪入山・丸山岳方面
三岩岳西峰から、未丈・毛猛方面か
・2060P付近から大戸沢岳・会津駒ヶ岳
奥利根・越後の山々
・2057Pから三岩岳方面を振り返る
・2057P付近から大戸沢岳
・2057P付近から、三岩岳を振り返る
・2057P付近から、登って来た三ツ岩尾根尾根の1360Mコルを俯瞰する
2070M肩から、大戸沢岳の左に燧ヶ岳
2070M肩から、東尾根上部の大斜面を俯瞰
1640M付近から、大戸沢岳東尾根を振り返る
大戸沢岳東尾根1640M付近より、三岩岳三ツ岩尾根を望む

MR471_ 燧岳スキー登山'03-05

の表紙へ
本館トップページへ