梓川二ノ俣谷・大天井岳・燕岳(北ア)

date 1993/08/01-02 
コース 涸沢ヒュッテ〜横尾〜二ノ俣谷〜大天井岳〜燕岳〜中房温泉
実働 第一日:5h33m、第二日:7h40m、計:13h13m。
メンバー すうじい(単独)
概要 未知の谷二ノ俣谷溯行、雪渓と草付の巻き、2220M三俣泊、大天井から燕縦走。
行程 =:バス・鉄道、→:山道、:溯行、\\:藪漕ぎまたは詰め

【8月1日】 晴
涸沢ヒュッテ7:50→7:50本谷橋8:00→8:40横尾8:45→二ノ俣出合9:35\\9:45溯行準備10:2011:05 1830M右岸枝沢大ガレ押し出し11:2011:50峠沢出合12:0512:45 ・1948 13:1014:00 ・2066二俣14:4014:43 5m滝15:1515:55ゴルジュ16:0016:25 2220M二俣BP(泊)

【8月2日】 晴
2220M二俣BP 6:00\\・2549コル7:40→8:05大天井ヒュッテ8:35→9:35大天井岳9:45→11:00 ・2678 11:05→11:45燕山荘12:00→12:15燕岳12:25→14:50中房温泉(泊)
記録  涸沢定着のついでに、沢登りをしてみたいと、いろいろ考えてみた。結構長くて、さほどハードでなさそうな沢があった。梓川二ノ俣谷である。以前、出合のちょっと入った所まで、偵察したことがある。沢の記録を見たことが無いので、ワクワクして入渓した。下山を中房温泉にしたのは大正解で、山行の充実に華を添えてくれた。

【8月1日】 晴
 朝食後、横尾谷右俣に行くNg君と共に、出発する。屏風の頭から涸沢へ落ちているガレ沢で、横尾谷右俣へ向かうNg君を見送り、本谷橋を渡って横尾へ向かう。二ノ俣谷出合から、人目を忍んで、右岸沿いの藪にサクッと入ると、久々の二ノ俣谷だ。右岸沿いに行けるところまで進んで、溯行準備する。

 川原状を辿って行く。・1908を左岸に見ながら回り込み、左岸のガレ押し出し付近に小滝がある。先を急ぐ。峠沢出合付近は、広河原となっている。・1948右岸枝沢の先で谷が狭まり、いよいよ雪渓が現れる。雪渓200mは、慎重に上を歩く。2000M左岸枝沢には、30mと40mの美しい2条の白糸滝が懸かる。2015M右岸枝沢の先で、再び雪渓50mが現れ、上を歩く。

 ・2066(2:1)二俣は、右は連瀑を懸ける。左の本流に入ると、傾斜の強いゴーロとなり、少し先で直登できない5m滝に出くわす。左岸は取り付けず、右岸の傾斜の強い草付の壁に取り付くが、悪い。僅かに草の剥げた跡が、溯行者の存在を示してはいるようだが、踏跡は無く、ここ数年に溯行者がいたとは、思えない。

 これを越えると、ブロックが散乱し、2140M右岸枝沢で再び雪渓となる。上を越えて行くと、7m、5mトヨ、6mトヨナメ2条と続くゴルジュが現れる。左岸は垂壁で、問題外だ。右岸の草付の、凹角気味の所を、直上して巻くが、やはり悪い。6mトヨナメの上に降り立ち、沢に戻ると、すぐにビバーク予定地の2220M三俣だ。到着は、午後4時半前である。

 正面の本流源頭には、雪渓が見える。この辺りは、傾斜のあるゴーロである。整地して、ツェルトを張り、流木を集めて焚火の準備をする。さあ、焚火と食事だ。心配された二ノ俣谷核心部も、無事通過出来た事に満足して、早めに寝る。

【8月2日】 晴
 早めに撤収し、6時に三俣を発つ。左の枝沢に入り、6mナメスダレを越えて行くと、(1:1)の二俣になる。右に入るが、間もなく水が涸れる。藪を漕いで、左の沢へトラバースする。ぐいぐい高度を上げて、2390M付近で水が涸れる。さらに忠実に沢形を詰めて、あまり藪漕ぎせずに、7時40分、・2549コル付近の縦走路に飛び出す。傾斜が強い沢だったので、効率は良いが、疲れた。

 さすがは表銀座、人通りは多い。ヘルメット被って、ゼーゼーやってるオジサンは、怪しく見えるに違いない。せめてヘルメットを脱いで、普通の縦走者のフリをしよう。大天井ヒュッテまで行って、休憩する。足元に、昨日溯行した二ノ俣谷が見下ろせる。

 大天井岳の北西面をトラバースし、北の分岐に荷物を置いて、空身で山頂往復。岩々の間をよじ登り、久々2度目の大天井岳山頂に立つ。二ノ俣谷源頭としての山頂は、感激もまたひと味違う。早々に山頂を辞して、北の分岐に戻る。荷を背負い、燕岳を目指して歩き出す。この稜線漫歩は長いが、所々コマクサの群落などもあり、少しは気が紛れる。

 ・2678で小休を入れ、1時間40分で燕山荘前の人混みに突入する。ここにザックを置いて、空身で燕岳を往復してこよう。花崗岩の白いザレを踏みながら、小走りに山頂を目指す。花崗岩の奇岩が林立する中をよじ登り、今山行最後のピークに立つ。槍穂の山並みが美しい。

 燕山荘に引き返し、荷を背負って合戦尾根を下ろう。途中、膝の笑いと肩の痛みに負けて、富士見ベンチと第二ベンチで小休した。この尾根は、登りには使いたくないぜ。燕山荘から約2時間の下りで、中房温泉に到着する。

 中房温泉には、幾つもの源泉があり、味わい深い宿であった。

MR292_ 屏風の頭'93-07

MR293_ 北穂池・A沢のコル・北穂高岳'93-07

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