梓川横尾谷左俣・北穂池・奥又白池(北ア)

date 2015/10/10-12 晴のち曇、雨(一時雪)、晴のち曇のち雨
コース 横尾〜本谷橋〜横尾谷左俣〜左沢右岸取付尾根〜北穂池〜東稜ノコル〜涸沢〜五六ノコル〜奥又白池〜梓川右岸治山林道〜明神橋〜上高地
実働 第一日:6h30m、第二日:4h25m、第三日:7h35m、計:18h30m。
概要 左俣左沢右岸取付尾根から北穂池、奥又白池。
メンバー Tn君、Ig君、Km君、すうじい
行程 →:登山道、:藪漕ぎ・踏跡不明、:溯下降、=:車。
【10月10日】 晴のち曇
横尾8:10→9:05本谷橋9:20→10:20涸沢出合10:4011:30二俣12:0512:25枝沢水場12:3013:30北穂池滝下13:4514:25左沢右岸取付14:3014:55台地15:15\\15:55一ノ池(泊)
【10月11日】 雨(一時雪)
一ノ池7:209:30東稜のコル9:45→10:05涸棚3m 10:45→\\南稜登山道11:30→12:40涸沢(泊)
【10月12日】 曇のち雨
涸沢7:40→8:25小休8:45→9:50五六ノコル10:00→10:25小尾根10:35→10:45岩場11:30→12:00奥又白谷12:10→→12:55奥又白池13:15→新村橋入口15:35→16:25明神館16:40→17:25上高地17:30=17:50沢渡=23:30自宅
使用装備 軽登山靴、コンデジ、GPS、ストック、ヘルメット、スリング、細引、コンロ一式、シュラフ一式、マット、アイスハンマー、ハーネス、8環、(テント一式、8mmx30mロープ)
不用装備 ハーケン
記録  某山岳部の学生諸君と、穂高の紅葉の池巡りに出掛けた。前日のうちに、単独で下又白谷F1の偵察を試みたが、痩せた雪渓に阻まれ、F1の姿すら拝めず、敢え無く敗退。横尾山荘泊で、翌朝合流した。一泊目は、北穂池一ノ池畔。二泊目は、強風の涸沢カール。

【10月10日】 晴のち曇
 横尾大橋の袂で、学生諸君と合流する。明日の天気は悪そうだが、今朝は好天だ。本谷左岸の道を進み、樹林帯のトラバース道を登ると、突然展望が開け、北穂高岳が目に入る。対岸には、屏風岩の巨大なマッスが聳え立つ。

 本谷橋を渡らず、ヘルメットを装着し、左岸沿いの踏跡を辿る。結構な上り下りがあるので、そこそこ疲れる。踏跡が不明瞭になった所で、本谷に降り、飛び石を交えて適当に進む。本谷橋から1時間、涸沢出合付近の左岸で小休止する。

 さらに左岸沿いを進む。正面には、南岳が見える。二俣が近くなり、適当な所で右岸に渡る。振り返ると、屏風ノ頭が目に入る。二俣で大休止する。後続の2パーティは、右俣へ入ったようだ。

 左俣は巨岩ゴーロとなり、両岸が迫り、傾斜も急だ。左俣に入って最初の左岸枝沢で、水を汲む。この先にも、水流のある枝沢があったようだ。さすがに10月ともなると、夏には続いていた雪渓は消失している。崩れ易い岩屑ゴーロを、落石を避け、なるべく右寄りに登る。

 二俣から1時間強登った所で、崩壊した雪渓に至る。山行直前に調べたネット情報によれば、秋でも雪渓が残るとのことだった。その雪渓の名残が、この崩壊雪渓だ。慎重かつ素早く、通過する。

 崩壊雪渓を抜けると、右岸岩壁に北穂池ノ滝が懸かる。水量は、さすがに少ない。ここまで来れば、奥二俣は目と鼻の先だ。北穂池ノ滝の白いものは、飛沫が凍結しているようだ。

 左沢に入ると、傾斜が増し、岩屑ゴーロは不安定になる。やがて見覚えのある岩壁と涸棚が現れ、右岸の崩れ易い岩屑斜面を登る。振り向けば、キレットカールが、だいぶ見えて来た。見下ろしても、かなりヤバそうな斜面だ。取付尾根は、もうすぐだ。

 藪岩稜の取付尾根を登る。台地への最後の登りは、木登りを避けて、小バンド状を左へ5mほどトラバースする。木枝と格闘して、台地状へ乗ると、ひたすら左へと藪漕ぎトラバースだ。取付尾根に摂りついて25分、草地に出る。

 北穂池の台地だ。明るいうちに台地に乗り、安心感が広がる。振り返れば、キレットカールが広がっている。今宵の幕営予定地である、一ノ池を目指そう。・2479南東の干上がった二ノ池を見て、少し嫌な予感がした。ブッシュピークを回り込み、小鞍部の草地に立てば、眼下に干上がった一ノ池が見えた。

 岩々帯上部の草地の中に、流水を期待して、草地斜面をトラバース気味に下る。残念ながら、水音は聞かれなかった。歩きにくい岩々帯を下り、干上がった一ノ池畔へと向かう。今宵の宿は、夢にまで見た北穂池だ。

 夕食後、早めに就寝するが、夜半の雨音にため息をつく。大した積雪にならぬことを、ひたすら祈りつつ、兎に角寝ておこう。

【10月11日】 雨(一時雪)
 朝になってみると、夜中の雨で一ノ池が復活していた。雨の中撤収して、出発する。岩々帯を登り、草付斜面の小沢状沿いの踏跡を辿る。昨日は水は流れていなかったのに、今朝は水流が復活している。

 草付帯を抜けると、再び岩々帯となる。左手のブッシュ帯沿いに、岩々帯を登り、草付小尾根に乗る。草地トラバースの踏跡を辿り、ルンゼへ向かう。

 ルンゼ沿いに登り、右岸の岩に逆L字の白ペンキを見て、斜面をよじ登る。右岸尾根に乗り、踏跡を辿って登って行く。雪の積った・2814付近まで登り、南へ進路を取り、高度を維持して、東稜ノコルへ至る。

 東稜ノコルで、軽アイゼンを装着し、雪の付いた草付の踏跡を慎重に下る。Y字ルンゼ右俣核心の3m涸棚は、岩角に支点を取り、ロープを利用して下降する。Y字ルンゼ右俣の右岸沿いから、左俣と合流後も右岸沿いを下る。

 北穂沢の岩々帯を横断し、やがて南稜登山道に合流する。ここで、軽アイゼンを外しておこう。やはり、登山道は歩き易い。ガスが途切れて、涸沢のテントが見えて来た。その数が意外と少ないのは、この悪天のせいであろう。

 一旦ヒュッテまで行き、今後の方針を考える。半日停滞を決め、強風の中、苦労してテントを張る。

【10月12日】 曇のち雨
 最終日、風は収まり、撤収して行動開始する。北穂沢も、上部には雪が見える。五六ノコルへは、どこが踏跡だかよく判らぬ岩々帯を進む。やがて、徐々に踏跡が明瞭になり、黙々と登る。途中、小休止を入れ、2時間ほどで五六ノコルに至る。

 コルからは、奥又白池が望まれ、これから辿る道も一部見えている。コルで軽アイゼンを装着し、草付の踏跡を下る。足元がザレている岩根トラバースの難所では、残置ボルトにスリングを掛けておく。下降尾根に乗り、少し下って軽アイゼンを外す。先行する単独登山者の姿が見えた。

 しばらくは、稜線漫歩気分を味わう。やがて岩場の下降箇所に出て、ハイマツに支点を取り、ロープを使用する。やはり、時間をくう。その後、右手のガレルンゼに下降し、しばし不安定な下りを強いられる。右岸側の草付斜面に乗って踏跡を下れば、奥又白谷の岩々帯横断左岸地点に至る。

 あとで聞いた話では、この岩々帯横断の正解右岸地点は、やや下流側にあるらしい。我々は、ほぼ水平に横断してしまったため、右岸台地状草付帯に乗るまで、不安定な不正解ルートを登らされた。

 それでも、薄い踏跡を辿るうち、正解踏跡に合流出来た。奥又白カールとでも呼ぶべき斜面を、トラバースして行く。午後1時頃、秋色の奥又白池に至る。単独先行男性のテントが、張られていた。しばし雰囲気を堪能して、下降を開始する。

 奥又白谷と松高ルンゼに挟まれた、尾根沿いの道を下る。疲れた脚には、かなり辛い下りであった。パノラマコースとの合流点で、学生諸君に我が荷物を分担してもらう。情けないが、歳には逆らえない。林道に出て、ペースを上げる。上高地までが、長かった。

 タクシーで沢渡に出て、学生諸君のレンタカーで自宅まで送ってもらう。感謝。

:

GPS軌跡

アルバム

横尾〜涸沢出合
横尾大橋と前穂 北穂高岳 屏風岩 涸沢出合 横尾谷と南岳
二俣〜北穂池ノ滝
二俣下から屏風 左俣 左岸枝沢 崩壊雪渓 崩壊雪渓
北穂池ノ滝 滝と奥二俣 左俣俯瞰 左俣俯瞰 北穂池ノ滝
取付尾根〜北穂池
左沢右岸岩屑斜面 左沢俯瞰 南岳 取付尾根を登る 北穂池の台地
台地斜面と東稜 キレットカール 一ノ池俯瞰 草地を下る 一ノ池
北穂池〜東稜コル
〜涸沢
復活した一ノ池 一ノ池俯瞰 斜面を登る 草地トラバース ルンゼ右岸逆L字
涸棚の下降 涸沢俯瞰
涸沢〜奥又白池
涸沢から北穂沢 五六ノコルへ登る コルから奥又白池 コルから五峰 トラバース難所
下降尾根にて 尾根と奥又白池 尾根とガレルンゼ 草付トラバース 奥又白池

MR729_ 梓川下又白谷偵察(北ア)'15-10

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