尾高山・奥茶臼山(南ア前衛)

date 2010/04/18 快晴のち晴
コース しらびそ峠〜尾高山〜奥茶臼山(往復)
実働 往き:6h00m、帰り:3h34m、計:9h34m。
概要 しらびそ峠から新雪の奥茶臼山往復し、南ア展望。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:ツボ足、$$:スノーシュー、=:車。
【4月18日】 快晴のち晴
ハイランドしらびそ5:25=5:30しらびそ峠5:55→前尾高山6:50→7:30スノーシュー装着7:35$$7:55尾高山8:05$$奥尾高山9:00$$9:23 2175Mコル9:38$$10:30岩本山10:40$$・2354 11:30$$奥茶臼山12:20$$12:35北西展望斜面13:00→奥茶臼山13:07→1358岩本山14:08→15:00奥尾高山15:05→15:40尾高山15:50→16:30前尾高山16:45→17:14しらびそ峠17:45=松川IC 19:30=23:35自宅
使用装備 革登山靴、スノーシュー、ストック、E-1、ED12-60mmF2.8-4.0SWD、μ-725SW、GPS、テルモス
不用装備 アイゼン
記録  前々日、季節外れの積雪があり、前日に登った阿寺の奥三界岳も、山頂付近では新雪のラッセルがあった。前夜から宿泊可となった、ハイランドしらびそに泊まり、藪とラッセルを覚悟して、スノーシューを担いでのロングピストンを決行した。

【4月18日】 快晴のち晴
 ハイランドしらびそを発ち、しらびそ峠へ車で移動する。峠には、登山者と思しき車が1台。既に出発した後のようで、奥茶臼山往復であろうか。わざわざ降雪後に狙ってるようだが、かなりのマニアであろう。ちょっと拍子抜けでもあり、心強くもある。

 峠から前尾高山に向かって左手、昨夜登って来た林道を少し戻ると、尾根取付の階段がある。取付からして、うっすら積雪がある。こいつは、ラッセルが期待出来そうだ。前尾高山へ向け、先行パーティのトレースを追う。多めに担いだ飲料と、スノーシューが重いし、寝不足と昨日の奥三界山の疲れも残り、登高は捗らない。

 前尾高山直下の展望ポイントで、南ア南部〜深南部の稜線が望まれる。双耳峰があれば、池口岳であろうが、こちらからではよく判らない。それから間もなく、・2089前尾高山山頂を通過する。ハイランドしらびそのHPには、たしか峠から30分と書いてあったような気がしたが、ここまで既に1時間弱を要してしまった。

 前尾高山から一旦下って、ダラダラと歩き、再び登り始める。2121Pを過ぎ、尾高山の登り2125M付近で、スノーシューを装着する。雪の斜面を快適に登って、山頂付近の岩場をやり過ごせば、2212.4の尾高山山頂に至る。ザックを下ろして、休憩する。

 尾高山山頂のすぐ先右手には、展望台がある。何だ、こちらで休憩すれば良かったのだ。聖岳を始め、南ア南部の山々が見えている。尾高山からは、スノーシューの特性を活かし、東へ向けて適当に下る。トレースから察するに、先行パーティーは男女ペアのようだが、結構なスピードだ。トレースを壊すと申し訳ないので、なるべく外して行くが、多少は崩してしまったようだ。

 ・2266奥尾高山を過ぎ、2240M付近の展望岩から、奥茶臼山・荒川岳・赤石岳が望まれる。奥茶臼山がまだまだ遠いのに、ちとガッカリする。奥尾高山から下りきった2175Mコルで、小休する。

 その先の・2202を越えた辺りの複雑地形で、左手に展望の良さそうな場所が見えた。樹林の続く縦走で、展望に飢えていることもあり、寄り道してみると、中アがバッチリ展望できた。再びダラダラと進んで行くと、・2269岩本山に辿り着く。この辺り、ルート取りが複雑なので、注意が必要だ。

 岩本山から、一旦南東側へと折れて、再び北東へと向かう。先行パーティのトレースと、目印の赤テープが有り難い。ダラダラした2300MPを越え、2280Mコルを過ぎれば、あとは奥茶臼山への登りとなる。

 2354P付近では、スノーシューの特性を活かし、自由にルートを選ぶ。樹林が開けて、少し展望が良くなる。歩き易い斜面を選んで、ひたすら登って行く。倒木が散らばる所を抜けて、2420Mの南東肩状に出ると、眼前に南アルプス核心部の大展望が広がる。

 さて、南北に長い奥茶臼山頂部へ向け、最後の登りに掛かろう。スノーシューでは、ちと登りにくいが、外すのも面倒なので、そのまま騙して登って行く。山頂部の南端に至り、僅かにアップダウンと藪漕ぎを繰り返しながら、北へ進む。

 意外と手こずりながら進むと、やっとのことで、小さなプレートの付いた、奥茶臼山に到着する。この辺り、根雪の上に、分厚く新雪が積もっている。ここでは休憩せず、北西側の展望斜面へと下ろう。

 凍結した根雪の上に新雪が積もっているため、斜面は崩れ易い。慎重に下る。下からは、先行パーティの声が聞こえて来た。テラス状になっている場所まで下ると、登り返しがシンドそうなので、斜面の途中でザックを下ろし、撮影を開始する。

 休憩を終え、登り返して来た男女ペアは、地元のmisawa夫妻であった。聞けば、出発が30分ほど早かったらしい。それにしても、健脚な方々だ。互いに、「お気を付けて」と声を交わす。奥茶臼山へ登り返す二人を見送って、スノーシューを外す。

 素晴らしい展望に、しばらくの間、E-1で写真を撮りまくる。帰りのために、パンを頬張り、テルモスのコーヒーを流し込んでおこう。午後1時になれば、さすがに引き返さねばならない。スノーシューをザックに固定し、ツボ足で登り返そう。新雪の下の凍結根雪が、滑り易く難色だ。

 奥茶臼山頂を素通りして、ツボ足のまま二人のトレースを追う。南東側展望肩では、やはりE-1を出して撮影せざるを得ないが、バシャバシャ撮って即出発。その先の下り斜面は、ツボ足が快適だ。岩本山までは、1時間弱で到達する。

 岩本山から奥尾高山までは、50分ほどだ。奥尾高山北の展望岩場から振り返れば、赤石岳と、今歩いている長大な尾根が大沢岳へと繋がる辺りが見えている。また、尾根の途中にある丸山越しに、荒川前岳の大崩壊地も見えている。

 奥尾高山から尾高山までは、30分強で到達する。ここで、misawa夫妻に追い付く。misawa氏は、股関節の疼痛を訴え、辛そうだ。かなり戻って来たとは言え、まだまだ、しらびそ峠までは遠い。大丈夫であろうか。まだ16時前なので、休憩を兼ね、南面の展望台から撮影をしておこう。

 池口岳と思しき峰は、確かに双耳峰となっている。29年前の深南部縦走の記憶が蘇る。辿ってきた奥茶臼山からの尾根も、随分と遠くなった。misawa氏の具合も、「痛いには痛いけど、全く歩けない程ではない」とのことなので、ぼちぼち先行させて頂こう。

 尾高山から前尾高山までは、40分ほどで到着するが、この間には他の登山者もいたようで、かなりトレースが付いていた。最後の登り返しに喘ぎ、前尾高山まで至ると、あとは下りのみと言うことで、急に腹は減り、疲れがどっと出る。へたりこんで、テルモスのコーヒーを飲み、行動食を頬張る。

 間もなく鈴の音が聞こえ、misawa夫妻も追い付く。これでどうやら、三人とも無事に下山出来そうだ。ここからは、三人前後して下って行く。新雪が殆ど融けてしまっている、しらびそ峠までの尾根道下りも、意外と長く感じられたのであった。

 しらびそ峠の車に戻り、misawa氏とブログやHPの情報交換をし、地元飯田市のmisawa氏の車を見送る。予想以上に充実した今回の山行(実働9時間34分)を振り返り、同じコースに入山したmisawa夫妻の存在を、幸運に思った。後片付けの後、峠から松川IC目指し、車のライトを点けて、暗くなり始めた林道を下って行った。

GPS軌跡

アルバム

しらびそ峠登山口の階段
前尾高山への登り
前尾高手前にて
ハイランドしらびそ
尾高山山頂
尾高山展望台から聖岳
奥尾高山山頂
奥尾高山北展望岩から荒川・赤石
奥尾高山北展望岩から奥茶臼山
奥尾高山北展望岩から赤石岳
奥尾高山北2175Mコル付近
・2202先展望岩から中央アルプス
少しアップで
岩本山山頂
2280Mコル付近
2354Pから奥茶臼
奥茶臼稜線
奥茶臼山山頂
北西展望斜面から中アと御嶽
北西展望斜面から北ア方面
北西展望斜面から仙丈・甲斐駒
北西展望斜面からアサヨ峰・白峰三山
北西展望斜面から塩見岳
北西展望斜面から荒川岳
北西展望斜面から北西伐採肩
南東展望肩から
奥茶臼南東展望肩から荒川岳
奥茶臼南東展望肩から赤石岳
奥茶臼南東展望肩から聖岳
奥茶臼南東展望肩から光岳
奥尾高山北展望岩から赤石岳
奥尾高山北展望岩から荒川岳
奥尾高山北展望岩から奥茶臼山
尾高山から池口岳
尾高山から奥尾高山、左に奥茶臼山、右奥に荒川・赤石
しらびそ峠から大沢岳と中盛丸山
しらびそ峠から立俣山の尾根と兎岳
しらびそ峠から上河内岳
しらびそ峠から光岳
しらびそ峠から丸山・荒川岳・大沢岳・立俣山・上河内岳

MR642_ 奥三界岳(阿寺)'10-04

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