登川米子沢・巻機山(上越国境・巻機)

date 2009/10/4 晴のち曇
コース 桜坂駐車場〜米子沢〜巻機山避難小屋〜御機屋〜牛ヶ岳〜御機屋〜避難小屋〜井戸尾根〜桜坂駐車場
実働 駐車場〜米子沢〜避難小屋:5h25m、避難小屋から牛ヶ岳往復:1h、避難小屋〜駐車場:1h50m、計:8h15m。
概要 米子沢を溯行し、草紅葉の巻機山へ。
メンバー Ts君、すうじい
行程 →:山道、:溯下行、\\:藪漕ぎ・踏跡不明瞭、=:交通機関。
【10月3日】 曇
集合場所16:00=19:50キャンプ場(泊)

【10月4日】 晴のち曇
キャンプ場5:45=5:50駐車場6:05→最終堰堤6:19ナメ沢出合7:057:45 4段35m下7:558:25 1340M左岸枝沢8:408:55 15m左端水流右スラブ9:1510:40 2段20m上ナメ11:0012:05 1705M左岸枝沢12:151725M二俣12:2012:40 1770M水場13:30→13:35避難小屋13:40→御機屋14:05→14:20牛ヶ岳14:25→14:55避難小屋15:00→15:50 1350M六合目展望台15:55→16:15 ・1128 16:30→17:10桜坂駐車場17:15=17:20キャンプ場17:45=22:00自宅
使用装備 軽登山靴、渓流靴、ヘルメット、E-1、ED12-60mmF2.8-4、三脚、μ-725SW
不用装備 8mmx30mザイル、8環、ハーネス、ハーケン、アイスハンマー
記録  27年ぶりに米子沢を溯行し、草紅葉の巻機山へ登ってきた。この日は、8パーティが入渓したようであった。

【10月3日】 曇
 夕方から車で関越を走り、塩沢石打ICで降りて、清水集落へと向かう。暗いと、現在位置が判り難く、桜坂駐車場まで到達しないまま、巻機山麓のキャンプ場で幕営する。

【10月4日】 晴のち曇
 早朝桜坂駐車場へと移動するが、既に満杯状態だ。米子沢左岸沿いに舗装された林道を、しばらく辿る。地形図から判断して、林道から分かれるそれらしき道を辿ると、真ん中の割れた形の、最後の堰堤下に出る。この最後の堰堤上流は、伏流ゴーロが続く。

 最終堰堤から、ゴーロ歩きを30分強続けると、最初の滝2段7m2条に出くわす。二つ目の2段15m滝の上が、ナメ沢出合となっている。本流は4x6m滝で出合う。右岸のナメ沢は、細い流れのナメスラブが続いているようだ。

 釜を持つ2段10x20mナメから、右岸を巻いて行く。続く5mトヨも深い釜を持ち、取り付くのが大変そうだ。右岸巻きの途中から、下部ゴルジュ核心部の12m滝を覗き見たりして、さらに巻いて行く。右岸高巻きから沢に降りてみると、5m2条滝の下に出る。

 この滝は、下部ゴルジュ帯の出口にあるもので、左壁から越える。沢は右に曲がり、ゴーロを歩いて沢が左に折れると、滑床帯入口の4x8mとなる。続いて8x15m3条を越える。

 滑床帯から沢が右に折れると、明るい岩盤顕著な連瀑帯:4段30mの第一段10m滝となる。立派な滝なので、三脚を立て、しばし休憩する。右壁も登れそうだったが、左岸の踏跡から巻く。第一段を巻いた後は、水流右沿いに進む。

 1140Mで左岸から栂ノ沢が出合うと、本流には10x20mが懸かる。続いて2段7m、2段6m、4mと、しばらく、明るい滑滝が続く。細く抉れた5mヒョングリトヨを、水流右側から覗き込む。4m幅広滝を越えると、ガレゴーロで1200M左岸ガレ沢出合となる。

 1200M左岸ガレ沢出合から始まる、左端水流スラブ滝の前衛ゴルジュ。その入口にある2段10x20mトヨナメは、左壁をトラバースする。先行パーティは、ザイルを出していた。2段10x20mトヨナメ、下段5mトヨ状の釜は深い。奥に、左端水流スラブ滝が見えている。

 2段10x20mトヨナメの左壁トラバースは、慎重に進めば、さほど困難ではない。続く石滝を越えると、特徴的な左端水流スラブの2段20m幅広となる。下段は4mトヨナメ、上段は15mほどで、水量が少ないため、左端のみに水流のある幅広スラブ滝となっている。

 辺りの紅葉が美しく、落口上で、右岸枝沢が滝を懸けている。この枝沢と本流を分ける岩峰が、また迫力だ。今回は、水量が少ないのがちと残念で、雨の後など見てみたいものだ。乾いたスラブのカンテ状を、快適に登る。

 左端水流スラブの上は、滑床状岩盤になっていて、その先はしばらくゴーロとなる。スラブ上から振り返ると、気分爽快な眺めである。落口までは、トヨナメとなって岩盤の上を水流が走る。スラブ上の滑床から、ゴーロを進むと、右岸から水量の少ない枝沢が出合う。

 沢が左に折れ、8x15mトヨ2条を越えると、左岸から水量比(5:1)の1340M枝沢が小滝を懸けて出合う。本流には、6m2条滝が懸かる。枝沢から小さく巻き気味に越える。続く5m2条は、左から越える。2段8mチムニーは、右手のチムニー状バンドを登る。

 先行パーティが、この先の2段12m大釜で苦労していたので、2段8mチムニー上の右岸テラスにて待機する。先行2パーティは、右壁を登り過ぎてしまい、その上の6mチムニー左岸草付のかなり高い所まで登ってしまった。

 さて、我々も先へ進もう。大釜前衛3mCSを越え、大釜左岸をヘツる。大釜の右に回り込んで、右壁に取り付く。一部岩が脆いので、要注意である。簡単に落口へとトラバース出来た。続く6mチムニーで、先行パーティは、ザイルを出して、直登するらしい。我々は、左岸を簡単に巻く。

 6mチムニーを巻くと、3m、3mトヨ、4mスダレ、15m2条の連瀑となる。上部ゴルジュの最後の方に登場する4mスダレと15m2条は、一見二段滝に見える。下の4m幅広スダレを左から越すと、上の15m2条が、滝壺を持った独立した滝であることが判る。

 15m2条を、右壁を登って越えると、上部ゴルジュ出口とも言うべき、2段20m上ナメの前に出る。立派な滝であるし、展望も良いので、20分ほど休憩する。この滝は、左壁を登る。落口へ出るところが、ちとイヤらしい。

 2段20m落口上は滑床となっている。いよいよ、大ナメの始まりかと期待が膨らむが、少し進むと多段20mが現れる。多段20mを越えると、天まで続く大ナメの始まりだ。これでもか、これでもか・・・と大ナメ帯は続き、快適に登って行く。

 右岸に2本の枝沢を見送って間もなく、6x10mが現れる。源流滝群の始まりだ。さらに、小滝に続き、2段5mを右から越える。沢は少し左に曲がり、5mを左から越える。続いて、3m2条、トヨナメを過ぎ、5mは右から、滑滝と越える。

 1705M左岸枝沢が、4mほどの階段状滝で出合う。この枝沢が、奥利根奈良沢川源流上ゴトウジ沢への近道らしい。左岸枝沢を見送ると、最後の滝とでも言うべき4mに出くわす。この後は、小滝しか無いようだ。

 1725Mの(1:1)二俣に至ると、右俣にはロープが張られ、「立入禁止」の立て札まである。少し奥に、滑滝が見えているので、ちと残念だ。この辺りの草紅葉は、美しい。それでは、推奨されている左俣を辿ることにしよう。こちらも、草紅葉が見頃である。左岸沿いに踏跡もあるが、辿る意味はあまりない。

 避難小屋へ突き上げる1770M右岸枝沢出合の少し先に、小屋へと続く水場道が降りてきている。右岸がテラス状台地になっているので、ここで大休止しよう。お茶を沸かし、渓流靴から軽登山靴に履き替える。水場道途中から、御機屋方面の草紅葉を眺めながら、避難小屋へは5分ほどだ。

 避難小屋前に荷物を置いて、空身で牛ヶ岳を往復することにする。結構疲れているので、足取り軽くと言うわけにも行かないが、気分は爽快だ。御機屋「山頂」を過ぎ、最高点付近から、南へと続く上越国境稜線、そして奥利根源流に思いを馳せる。ニセ巻機方面を振り返ると、草紅葉の上に池塘も見えている。

 避難小屋から40分で、牛ヶ岳に至る。ガスや雲が湧いてきて、展望があまり無いのが残念だ。あまり長居はせずに、引き返そう。どこが山頂なのか、ハッキリしないのが、巻機山の特徴とも言えるのだが、この辺りの草紅葉は素敵だ。池塘越しに、最高点を振り返る。

 再び巻機山最高点の脇を通り、三叉路となっている御機屋の「山頂」に戻る。今回は、時間もないので、割引山は割愛する。牛ヶ岳から30分で、避難小屋に戻る。丁度、今日8パーティ目と思しき集団が、米子沢から上がって来た。彼らと前後して、下山に取り掛かろう。

 荷物を担ぎ、ニセ巻機を越え、ドンドン下る。井戸尾根上部の灌木帯に入ると、紅葉が綺麗だ。避難小屋から50分で、1350M肩の六合目展望台に至る。天狗岩とヌクビ沢を眺めながら、小休しよう。

 さらに20分下ると、・1128の五合目展望台だ。米子沢下部の滝が望まれるので、絶好の休憩ポイントである。三脚を立てて、撮影しておこう。桜坂駐車場までは、さらに40分の下りに耐えねばならなかった。一旦、キャンプ場へと移動し、汗を拭いて着替える。

 帰りは、六日町のコンビニで夕食を調達し、関越道に乗る。六日町から、3時間ほどで帰宅出来た。

溯行図

アルバム

桜坂駐車場
米子沢左岸林道分岐
最後の堰堤
堰堤上のゴーロ
最初の滝:2段7m2条
2段15m
4x6m
ナメ沢出合から俯瞰
ナメ沢出合
ナメ沢
2段10x20mナメ
下部ゴルジュ入口5mトヨ
下部ゴルジュ12m
下部ゴルジュ出口5m2条
滑床入口4x8m
8x15m3条
4段30m下部
4段30m上部から俯瞰
栂ノ沢出合の10x20m
2段7m
5mヒョングリトヨ
2段10x20mトヨナメ左壁にザイルを出す先行パーティ
2段10x20mトヨナメ
左端水流スラブ2段20m幅広
左端水流スラブ2段20m幅広
左端水流スラブ2段20m幅広の中上部
スラブ右壁を登る
左端水流スラブ上
左端水流スラブ上から俯瞰
上部ゴルジュ序盤、6m2条
上部ゴルジュ序盤、2段8mチムニー
上部ゴルジュ序盤、2段8mチムニー俯瞰
上部ゴルジュ中盤、2段12m大釜
上部ゴルジュ中盤、2段12m大釜
上部ゴルジュ中盤、2段12m大釜
上部ゴルジュ中盤、6mチムニー
上部ゴルジュ中盤、6mチムニー滝上の連瀑帯
上部ゴルジュ終盤、4mと15m2条
上部ゴルジュ終盤、15m2条
上部ゴルジュ終盤、4m滝上から、6mチムニー滝上の連瀑帯を俯瞰
上部ゴルジュ終盤、15m2条上から俯瞰
上部ゴルジュ終盤出口、2段20m上ナメ滝
上部ゴルジュ終盤出口2段20m滝上のナメ床
多段20m
多段20m上のナメ
大ナメ帯
大ナメ帯
源流の滝、6x10m
源流の滝、2段5m
源流の滝、5m
源流の滝、3m2条
1705M左岸枝沢
源流の滝、4m
1725M源流二俣右俣
1725M源流二俣左俣
1770M水場付近
避難小屋への踏跡
水場道より御機屋
御機屋への登り
最高点付近にて
最高点よりニセ巻機
牛ヶ岳より最高点
最高点を振り返る
御機屋「山頂」
避難小屋
井戸尾根の紅葉
ヌクビ沢と天狗岩
・1128より米子沢

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