浅草岳ヤジマナ沢左岸尾根滑降(守門浅草)

date 2008/4/30 快晴
コース ホテル大自然館〜白崩沢橋〜ヤジマナ沢左岸尾根〜嘉平与ボッチ〜浅草岳(往復)
実働 登り:5h22m、下り:1h32m、計:6h54m
メンバー すうじい(単独)
概要 白崩沢橋からヤジマナ沢左岸尾根往復。
行程 →:ツボ足、:シール、**:アイゼン、:スキー、=:乗物
【4月30日】 快晴
ホテル大自然館5:35→5:39白崩沢橋5:456:10林道635M付近6:20665M林道終点6:346:47(→)695M沢状6:527:50 920M尾根上7:558:20(→)980M肩8:308:50(→)1040M付近9:159:40 1080M林道小尾根10:001246肩10:4311:30 1460M肩11:4511:49嘉平与直下11:53→11:57嘉平与ボッチ12:0412:39浅草岳直下コル12:44→12:49浅草岳13:11→13:14浅草岳直下コル13:1813:30前岳13:4513:50嘉平与ボッチ13:55→14:00嘉平与直下14:051246肩14:1814:35 1040M付近(→)14:5014:55 980M肩(→)15:0715:21 695M沢状(→)15:35665M林道終点15:3815:48白崩沢橋15:53→15:58ホテル大自然館16:50=17:30コンビニ18:00=21:10自宅
使用装備 山スキー専用靴、スキー、クトー、シール、ストック、ヘルメット、μ-725SW、E-1、14-54mmF2.8-3.5、テルモス
不用装備 ピッケル、アイゼン、ED18-180mmF3.5-6.3、ツェルト
記録  前日、大原スキー場から守門岳を目指し、下祝沢右岸尾根を登る途中、雪が少なくて藪漕ぎ敗退したのだった。浅草岳も雪不足かと思い、山スキーを諦めかけていたところ、ホテル大自然館の駐車場で、下山してきた山スキーの一行に、ヤジマナ沢左岸尾根が使えるという情報を聞いた。

【4月30日】 快晴
 スタート地点の白崩沢橋は、標高505Mである。浅草岳山頂は、1585.5Mなので、標高差1080Mということになる。今回は、雪のある林道状を登って行くので、始めからシールで行く。昨日のパーティのものと思しきトレースが続いている。林道状のルートは、雪も締まっており、登り易い。ツボ足でもOKのようだが、板を担ぐよりは、履いた方が遙かに楽である。

 635Mで小尾根を越え、僅かな下りとなる。もう一つ小尾根を過ぎた辺りで、進行方向には、複雑な地形が見えてくる。ここで、最初の小休止を入れる。さらに南東方向へ、林道を緩やかに登って行くと、右手に池のような場所を見て、林道終点らしき広場へ到達する。665M付近と思われる。

 南東方向の斜面を登っているトレースを追って、雪の薄い斜面を騙して登る。一段登った場所からは、守門山塊の眺めが良い。その先で、藪が出ており、どうしても回避出来なくなる。トレースに倣い、板を外して沢床へ降り立つ。695M付近である。

 今度は沢状の右岸沿いに登る。一部ブッシュが出ているので、左手から回り込んで針葉樹林を抜け、再び沢状を登って行く。775M付近から振り返れば、守門岳が目に入る。写真左側の白樺(?)の幹には、目印の赤ペンキが着けられている。

 しばらく、登りやすい斜面を進み、高度を稼ぐ。その先の、800M付近の広い斜面に出たら、左手の針葉樹林の隙間を目指し、斜登高して行く。針葉樹林の隙間を抜け、藪っぽい斜面を登ると、やがて890M付近で開ける。

 尾根がハッキリし、左手にヤジマナ沢を見下ろして、左岸尾根に乗ったことを確認する。狭くて急な雪尾根を、慎重にシール登高して行く。950M付近では、左手が切れ落ちた急登を強いられる。ヤジマナ沢の大滝が、雪に埋まっていない部分だけでも、結構な落差を見せている。

 急登尾根上部まで登ると、980M肩直下にシュルントが現れる。ここは、スキーを外し、ブッシュをよじ登って、980M肩付近の尾根に乗る。ここからしばらく、尾根上の藪を避け、北面をトラバースして、1040M付近まで進む。

 ここで、ルート選択に悩む。スキーと荷物をデポして、北面を偵察する。大滝上流のヤジマナ沢は、ほぼ雪に埋まっているようだったので、北面をトラバースし、ヤジマナ沢を1050M林道まで登るのが正解だったのかも知れない。結局、藪を漕いで、尾根の南面に出て、密な落葉樹林帯を苦労して進み、1080M付近で林道に出た。

 守門山塊を望む林道の小尾根上で、現在位置を確認しつつ、休憩を取る。休憩した小尾根の右手の沢状が、雪が豊富で快適そうだったので、これを登ることにする。この辺り、トレースがあちこちに付いていて、判断に迷うところである。

 取り付いた沢状は、概ね快適な登りであった。少し狭いところを通過すると、広い源頭状に出て、あとはどこでも登れる。振り返ると、守門山塊が立派である。1230M付近で、再び左岸尾根に乗り、正面に嘉平与ボッチを望みながら、明瞭な尾根を進む。まさに、稜線漫歩である。

 尾根はやがて傾斜が増し、ムジナ沢の滝から登ってくる小尾根を右から合わせる。ヤジマナ沢源頭斜面をトラバースして、ブッシュの出た1440M肩を北面から回り込む。コル状から、南面の雪の上をシールで登る。大きなシュルントが現れ、嘉平与ボッチ直下で、板を外す。荒れた夏道を、板を担いで登る。

 嘉平与ボッチを越えた所で、再び板を履くが、稜線の雪庇は崩れ掛けており、かなりヤバそうな感じである。コル状を過ぎて、前岳への登り斜面から振り返れば、雪の状態は相当危ない。前岳北西面の小雪庇状は、上を巻いて、浅草岳直下のコルへと北面トラバースする。

 直下のコルにスキーとザックをデポし、カメラと食糧を持って山頂へと登る。白崩沢橋を出てから、約7時間。やっと山頂を踏んだ。取り敢えず、展望を満喫しよう。毛猛・未丈は、未踏なので、どれがどれだか全く不明である。鬼ヶ面山の東面の悪絶さには、強烈な印象を受けた。

 浅草岳直下コルからスキーを履くが、前岳北東面には雪庇があるので、結局前岳山頂近くまで登らされることになる。前岳山頂の北側を巻き気味に通過し、嘉平与ボッチ東コルまで、慎重かつ快適に滑降する。このコルは、雪庇が崩れ掛けているので、油断は出来ない。

 ここで、板を担ぎ、嘉平与ボッチを越えて下ると、単独男性がスキーで登って来るのに出会う。本日遭遇した、初めての登山者である。同じコースの往復だと言う。軽く情報を交換して、別れる。再び板を履き、南面を滑降し、1440M肩で北面へと移る。

 ここからは、彼が言うように、ヤジマナ沢を林道下まで滑降して、1040M付近で左岸尾根に乗るのが正解だったのかも知れない。だが、安全のため、往路を忠実に戻ることにする。ヤジマナ沢源頭を斜滑降して左岸尾根に乗り、快適に下って行く。

 1300M付近からは、傾斜の緩い尾根上を、守門山塊を正面に見ながら、再び稜線漫歩の世界となる。確かに、ヤジマナ沢滑降は、魅力的なコースのようである。予定通り1230M付近から、往路に利用した小沢状に滑り込み、1080M林道まで、一気に下降する。

 右手の小尾根状を越え、やや密になった落葉樹林を漕ぎながら、1040Mの左岸尾根越え地点へと出る。ここでもう一度板を外し、藪を漕いで北面へと下る。あとは、980M肩まで斜滑降だ。980M肩から急登尾根へは、再び板を外してシュルントを越え、雪庇に乗らねばならない。

 急登尾根の狭い雪尾根を滑降し、890M付近から尾根を離れて左へと滑降する。藪っぽい所を抜け、広い斜面を左手へと進み、ほぼ往路に忠実に滑降して行く。695M付近の沢床で、板を外し、左岸に乗る。665M林道終点へと下り着き、あとは林道滑走となる。635M付近までは、ほとんど歩きとなるが、峠状から再び滑降開始。

 白崩沢橋には、先程の単独男性のものと思しきピックアップトラックが一台、停まっていた。白崩沢橋から、さらに除雪された林道左側の雪の上を滑降して、小沢まで進み、板を外す。駐車場まで板を担いで、トボトボ歩く。

 荷物を整理し、濡れ物を乾かした後、車の中でくつろいでいたら、先程のピックアップトラックが通り掛かる。彼も無事に下ってきたのだ。手を振って挨拶し、自分もそろそろ帰途に就こう。

地形図

アルバム

白崩沢橋・左岸林道
林道の登り
635M付近で振り返る
635M付近から先
665M林道終点から南東側
665M林道終点から南側
665M林道終点から東側
林道終点から、北方の黒姫
一段登って、林道終点を俯瞰
一段登って、林道終点と守門山塊
695M付近の沢床へ
775M付近から守門
775M付近の登り
800Mから守門山塊
800M付近斜面
890M付近で振り返る
尾根に乗る、920M付近
ヤジマナ沢大滝
ヤジマナ沢源頭部
急登尾根上部
急登尾根上部から、急登尾根を振り返る
980M肩シュルント
980M肩付近から、ヤジマナ沢左岸尾根
980M肩付近から守門
ヤジマナ沢左岸尾根北面トラバース1040M付近から、ヤジマナ沢右岸尾根の林道
ヤジマナ沢大滝上流
1080M林道と左岸尾根
林道小尾根から守門
林道道形と小尾根右手の沢
小尾根右手の沢状を登る
小尾根右手の沢状を俯瞰
源頭斜面から守門
1230Mから嘉平与ボッチ
・1246肩から、ヤジマナ沢と嘉平与ボッチ
・1246肩から、守門山塊
・1246肩から、会越・越後の山々
・1246肩から、北岳方面
・1246肩から、破間川源流域方面
1440M肩から、嘉平与ボッチと前岳
1440M肩から、狢沢カッチへの稜線
1440M肩から、狢沢・鬼ヶ面・北岳
1440M肩から、毛猛山塊であろうか
1440M肩から、早坂尾根方面
1440M肩から、守門岳・破間川源流
1440M肩から、守門岳
嘉平与直下から前岳
嘉平与直下から鬼ヶ面山方面
前岳の登り途中で、嘉平与ボッチを振り返ると、かなり危ない状態だ
前岳への登り
早坂尾根
前岳北面から浅草岳
浅草岳山頂
浅草岳山頂から、田子倉湖方面
浅草岳山頂から、横倉山と未丈岳
浅草岳山頂から、鬼ヶ面山と毛猛山塊
浅草岳山頂から、前岳
浅草岳山頂から、守門山塊
前岳北東面の雪庇
1320Mから1246肩
1246肩から嘉平与ボッチ
1040Mでヤジマナ沢左岸尾根北面へ
980M肩付近で、左岸尾根北面を振り返る
980M肩付近から、ヤジマナ沢大滝
980M肩急登尾根
800M付近から斜面
780M付近の浅い沢状

MR601_ 大原スキー場から守門岳山スキー敗退(守門浅草)'08-04

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