大洞和名倉沢偵察(奥秩父)

date 2003/8/10 快晴のち曇
コース 三峰道路分岐〜大洞本流吊橋〜和名倉沢木橋〜左岸大高巻き山道〜連瀑帯上〜「通らず」〜大滝〜舟小屋窪出合滝(往復)
実働 6h40m
概要 和名倉沢左岸大高巻き山道偵察、「通らず」・大滝・舟小屋窪出合滝まで。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:山道・踏跡、:溯行、\\:藪漕ぎ・不明瞭な踏跡、=:車
【8月10日】 快晴のち曇
三峰道路分岐5:35→和名倉沢木橋6:05→6:30小屋6:35→山ノ神7:03→7:30連瀑帯上7:40
8:20「通らず」入口7m滑滝8:409:10 3段40大滝下10:35\\11:30右岸枝沢出合11:40
11:50舟小屋窪出合12:25\\大滝下12:5313:40連瀑帯上13:50→山ノ神14:10→
小屋14:35→14:45和名倉沢木橋14:50→15:15三峰道路分岐
記録  前回、大洞井戸沢の偵察では、鳶八さんの案内で、惣小屋沢出合から栂ノ沢出合までの、大洞本流大高巻き横断踏跡を調査した。今回は単独で、和名倉沢左岸大高巻き山道調査を兼ね、台風後の水量豊富な時期を狙って、大滝と舟小屋窪出合滝撮影目的で出掛けた。

【8月10日】 快晴のち曇
 R140の雁坂道から分かれ、二瀬ダム経由で三峰方面へ向かう。大洞林道と三峰道路の分岐にある駐車スペースに、車を停める。先客が一台停まっている。準備している間に、単独者が声を掛け出発していった。

 少し遅れて、車道を200m程戻り、小尾根を急降下する踏跡を辿る。台風のせいか、まだ緑色した朴の葉がたくさん落ちている。やがて小尾根から離れ、踏跡は左へトラバースして行く。大洞本流に懸かる吊橋を渡り、左岸を上流に少し戻る感じで進むと、右へ登って行く山道が分かれる。一番踏まれているこの道を、辿れば良い。

 途中、一箇所、左へ分かれて登って行く踏跡を見送り、山道は和名倉沢右岸へトラバースして行く。和名倉沢を渡る場所には、木橋が懸けられており、水量の多い沢を徒渉せずに済んだのは、ラッキーであった。

 左岸へ渡ると、枝打ちしたばかりの、暗い杉林の中に入る。落ちた杉枝で、山道が見分けにくく、慎重に登って行く。ジグザグの急登は、やがて左へトラバース気味に登るようになり、小屋掛けを見る。小屋の裏手から、ほぼ水平にトラバース道が続くが、この辺りも鬱蒼とした杉林なので、要注意だ。

 やがて、杉林の斜面に、ハッキリとした水平道が続くようになり、歩行のペースが上がる。石津窪を大きく迂回して、伏流になった所を横切り、広葉樹林の急斜面をトラバースして行く。岩場に突き当たり、ジグザグを切って一段上がると、山ノ神のある小尾根のコルに出る。

 再び杉林の斜面をトラバースして、なおも進むと、左手に連瀑帯が見下ろせるようになる。先程の単独者らしき人が、滝の撮影から登り返して先行する。ザレ斜面を横切り、やがて連瀑帯の上流に降り立つ。単独者と声を交わし、渓流シューズのソールをフェルトに貼り替える。

 ここからは、沢沿いに進む。やはり、水量は多いので、徒渉の度に緊張する。なるべく釣師の踏跡を利用し、40分ほどで「通らず」入口7m滑滝に至る。ここは、三脚を立てよう。水量が少なければ、登れそうな滝ではあるが、今回は論外である。

 右岸の巻道を辿る。途中、ゴルジュの連瀑を見下ろすが、トヨナメ状の滝が、切れ目無く繋がって、一気に高度を上げて行き、大滝へと続いている。ちょっとイヤらしいトラバースとクライムダウンを経て、勢いの強い流れを渡り、大滝下の2段5m滝下に至る。

 ここで三脚を立て、降り注ぐ大滝の飛沫を浴びながら、撮影を試みる。やたら寒いし、レンズは曇るし、もう大変である。悪戦苦闘していると、先程の単独者がやって来た。彼も滝ヤラレらしく、三脚を立ててカメラを構える。更に2段5m滝の右壁を登り、大滝撮影を試みるが、正面から右手では、滝風と飛沫が猛烈で、ズブ濡れ状態となり、撮影不可能であった。仕方なく、左手に回り込んで、なんとか撮影する。いつの間にか、彼の姿は消えていた。

 さて、左岸のガレルンゼから高巻いて、舟小屋窪の滝を見に行くことにする。ガレルンゼ取付きから見た大滝水流の跳ね具合は、凄いの一言。このルンゼは、登るにつれ不安定になってくる。昔の「ゆ」先輩の記録では、右手の小尾根に逃げて登り、上部をトラバースする仕事道に出たらしい。今回は、ルンゼ途中から、立木に付けられた目印を参考に、左手へ登って行く。幾筋かの踏跡があるが、やや悪い。一旦、大滝の水流際のリッジまで近付くが、少し戻ってから直上すると、比較的しっかりした踏跡に合流する。

 踏跡を辿り小尾根を越え、大滝上の10m滑滝上流の、右岸枝沢出合付近に降り立つ。この枝沢も、20m程の滝を懸けている。本流には4m程の滝があるので、再び左岸の小尾根に取り付き、少し登ると、「ゆ」先輩の辿った仕事道に出る。これを辿れば、木立の合間に、40m級の滝が見えて来て、舟小屋窪出合付近に降り立つ。

 出合にザックを置き、出合の滝を撮影しに行く。2段40m舟小屋窪ノ滝は、素晴らしく跳ねて、水流を空中に飛ばしている。苦労してここまで来た甲斐があった、と言うものだ。右手の斜面に三脚を立て、また左手の斜面にもへばり付く。

 満足して、引き返すことにする。出合から仕事道を辿り、小尾根沿いに下降して、踏跡を斜めに下って行く。ガレルンゼに降りて、慎重にクライムダウンしよう。大滝の飛沫に追われるように、2段5m滝を下り、水流を渡って「通らず」右岸の巻道を辿る。

 連瀑帯上の入渓点まで下ると、左岸に赤テープやレジ袋の目印がある。ここで渓流シューズのソールを、ラバーに貼り替える。あとは、トラバース道を辿るだけである。山ノ神、石津窪、小屋を経て、山道は下って行く。木橋で和名倉沢を渡り、吊橋で大洞本流を渡れば、あとは車道までの登り返しだ。

 大汗をかいて、三峰道路分岐の車に戻り、暑い中での着替えや荷の整理に時間が掛かる。R299の正丸峠手前で、大渋滞があったが、これは交通事故によるものであった。川越やさいたまの花火大会に巻き込まれ、大いに難儀しながら帰宅する。

溯行概念図

アルバム

滝見亭・南関東の滝」に滝写真集「大洞和名倉沢'03-08_」があります

大洞本流を渡る吊橋
「通らず」ゴルジュ入口の7m滑滝
同じく左岸をヘツリ
7m滑滝右壁に近付いて
右岸巻道から見た
「通らず」ゴルジュ上部の様子
2段5m滝下から見た大滝
大滝正面は飛沫で撮影不能
右岸側から見た大滝
大滝左岸のルンゼ取付から見た
大滝の跳ねる水流
舟小屋窪滝
舟小屋窪滝
右手の斜面から見た跳ねる水流
舟小屋窪滝
左手の斜面から見た跳ねる水流
舟小屋窪滝
同じく左手の斜面から見た跳ねる水流
帰りに見た山ノ神の祠
山道が和名倉沢下部を渡る箇所には
こんな木橋が懸かっていて
徒渉せずに済んだ

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