牛王院平・リンノ峰スキー登山(奥秩父)

MR466 牛王院平・リンノ峰スキー登山(奥秩父)

date 2003/3/9 快晴
コース 三ノ瀬〜七ツ石尾根〜牛王院平〜山ノ神土〜一杯水〜リンノ峰西面(往復)
実働 7h28m
概要 三ノ瀬から往復。深雪にシールが威力発揮、一杯水先のコルで富士山展望、リンノ峰で時間切れ敗退。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:ツボ足、:シール、:スキー滑降、=:車・交通機関
【3月9日】 快晴
=6:25三ノ瀬先路肩6:50→6:55三ノ瀬登山口7:059:45牛王院平9:55山ノ神土10:07
10:55一杯水先のコル11:1511:55リンノ峰西面引返点12:15一杯水先のコル12:45
山ノ神土13:3013:40牛王院平14:10林道15:2015:40三ノ瀬登山口15:47→
15:55三ノ瀬先路肩16:00=
記録  昨年12月に、二瀬尾根からチャレンジして敗退した和名倉山だが、今回はスキーを用いて、三ノ瀬から牛王院平経由でトライした。奥秩父でスキーを使ったという話は、聞いたことがないが、今回深雪の条件下で、その威力を発揮したのであった。しかし、この季節、さすがに日帰りは無理な話であった。一杯水先のコルで、素晴らしい富士山を望むことが出来た。

【3月9日】 快晴
 青梅からR411青梅街道をひたすら西へ辿る。奥多摩駅を過ぎ、奥多摩湖を過ぎ、丹波川沿いを登るうちに、次第に明るくなってくる。一ノ瀬川沿いの道に入ると、凍結箇所が出てくるので、途中でタイヤチェーンを着ける。三ノ瀬登山口付近には駐車スペースが無く、数百メートル先の路肩に、スペースを見つけて駐車する。

 登山口まで車道を戻り、朝日谷沿いの林道に入れば、いきなり雪道だ。少し進んで、シールに換える。スノーシューの、新しいトレースが続いている。この林道歩きも、ツボ足ではラッセルが大変そうだ。やはり、シールが大正解のようだ。

 やがて、スノーシューのトレースが続く林道沿いから離れ、トレース皆無の七ツ石尾根を登って行く。時折、富士山や南アルプスらしい雪山が、樹林越しに垣間見える。しばらく尾根通しを登ると、今度は尾根の左手を巻き気味に登ってコル状に出る。ここから再び尾根上の、少し窪んだ切り開きを登って行く。ここから先は、風の影響か、雪の状態が微妙に変化して、カリンカリンのバーンだったり、吹き溜まりだったり、下りが思い遣られるぜ。

 小さなピークを二つほど越すと、オオシラビソだろうか常緑針葉樹の密林となる。夏道は全く不明なので、右手に少し下って、常緑樹林と落葉樹林のコンタクトライン沿いに進む。この辺まで来ると、すごい深雪で、スキーでも膝下まで潜る。やがて、夏道らしいものに合流するが、間もなく、再び怪しくなる。トラバースを続け、小沢状にぶつかった所で、林道状らしきものを辿る。ここは、この小沢状を直登した方が、早かったようだ。

 林道状沿いに、一つ尾根状を迂回し、再び沢状地形に出る。林道状は更に右手へトラバースしているようだが、明らかに遠回りしているので見送る。沢状地形に入り、適当な所で、右手の小尾根に取り付いて、稜線に出た。少し左手へ、広い切り開きを下れば、牛王院平の指導標に至る。ここは、沢状地形の本流を登れば、牛王院平の指導標に至ったものと思われる。

 三ノ瀬登山口から2時間40分、ツボ足なら、倍近くかかったのではないだろうか。ここで、初めてのタルミを入れる。気分の良い、落葉樹の疎林である。夏道(と思われる)沿いに進み、雪原状の山ノ神土に至る。ここからいよいよ、和名倉山への縦走が始まる訳だ。右手の樹林の中に、切り開きがあり、シールで進んで行く。

 一部雪崩れそうな斜面もあるが、迷うような所は無い。幾つかの小沢を渡り、トラバースを続ける。やがて、樹林が途切れ、雪の斜面を横断する。雪面が切れ落ちそうなので、なるべく樹林の近くをトラバースする。右手に、竜喰山・北天ノタル方面が望まれる。やがて、1920コルに至る。牛王院平から1時間だ。少し進めば、富士山の眺めが素晴らしい。

 三脚を立て、しばし写真撮影に勤しむ。リンノ峰手前の1940M峰を、夏道沿いに北面トラバースする。ここは、スキーでは、南側を迂回した方が、容易だったようだ。倒木を乗越し、嫌な雪の急斜面を横切って、尾根上に出る。さらに、リンノ峰とのコルまでの下降に苦労する。この辺りから、和名倉山の一角が望まれる。

 リンノ峰西面トラバースに入り、藪っぽいラッセルで登って行く。急登をこなして、ミニテラス状に出た所で、12時近くになったため、引き返すことにする。西仙波・東仙波までも、まだまだ時間が掛かりそうだし、和名倉山までは、あと何時間を要するであろうか。折角なので、両神山の撮影をする。浅間山は頭を雲に隠して、全貌を露わそうとはしない。テルモスの紅茶が旨い。

 帰りは、少しは楽である。引返点から約1時間半、牛王院平まで戻る。ここで最後の大タルミをして、シールを外し、踵を固定する。南西へ続く尾根を少し下り、尾根の南面をトラバース気味に迂回する。例の小沢状を渡り、密な針葉樹林の下部を突っ切って、例のコンタクトライン沿いに進む。今度は、登りでは見失った夏道沿いに、針葉樹林帯を通り抜ける。

 この辺りから、本格的に滑降出来るようになる。雪質は、モナカだったり、カリカリバーンだったり、吹き溜まりだったりと、なかなか大変な条件だが、何とかスピードを制御して、尾根沿いに滑降する。下るにつれ、ブッシュが出てきて、滑れるコースが限られて来る。山道沿いの狭い範囲で滑降するのは、なかなか厳しい。やがて、尻餅でしかスピードが制御出来なくなり、悪戦苦闘が続く。

 将監小屋からの林道に合流すると、少し楽になる。しかし、却ってスピードが出過ぎて、谷底に転落しそうで、ヒヤヒヤする。牛王院平から1時間半、やっと三ノ瀬登山口に至り、板を外す。ここにスキーとザックをデポし、車道をトボトボ登って、車に戻る。

 靴を履き替え、三ノ瀬登山口のスキーとザックを回収し、一ノ瀬川沿いの道を走る。R411に入って、しばらく行った路肩で、タイヤチェーンを外す。青梅までの道が遠かった。帰りは圏央道を利用する。

アルバム

三ノ瀬登山口の様子
いきなりシールが使える
スノーシューのトレースがあった
朝日谷沿いの林道のトレースと別れ
七ツ石尾根をシールで登る
この後はトレース皆無だ
牛王院平の指導標
三ノ瀬から2時間40分
この雪の深さでは
シールならでは、であろう
雪原の奥にある山ノ神土の指導標
一杯水付近のトラバース途中から
竜喰山・北天ノタル方面
一杯水先の1920コルから
大菩薩の右手に見える富士山
同じく2075P方面
同じくリンノ峰手前の1940P
同じく将監峠越しに
大菩薩・富士山
リンノ峰手前の1940P北面から
和名倉山・西仙波・東仙波
リンノ峰西面トラバース
引返点付近で
同じく深雪ラッセルのトレース
引返点から両神山方面
同じく2075P・唐松尾山方面
再び一杯水先の1920コルから
富士山
牛王院平付近の樹林帯

表紙
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