薄川キワダ平ノ沢(両神)

MR444 薄川キワダ平ノ沢(両神)

date 2002/7/14 晴
コース 日向大谷口〜会所〜キワダ平ノ沢〜キワダ平〜エビヅルノ頭〜一位ヶタワ〜清滝小屋〜会所〜日向大谷口
実働 6h35m
概要 日向大谷口基点、会所のベンチ直下が七滝沢出合、梅雨の晴れ間で水量豊富、大滝3段30mは充実。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:山道、:溯行、\\:藪漕ぎ
日向大谷口6:10→6:40会所7:00キワダ平ノ沢出合7:258:50大滝下9:30同滝上9:55
940M二俣10:0510:50 1080M二俣上台地11:151160M二俣11:25\\稜線キワダ平11:47
→12:25 1410Mエビヅルノ頭12:35→一位ヶタワ12:55→13:05清滝小屋13:20→14:10会所14:20
→14:45日向大谷口
記録  1週間後の豆焼沢オフミのトレーニングを兼ねて、梅雨の晴れ間にキワダ平ノ沢を溯行した。日帰りフル装備の重荷を背負い、暑い山行であった。

 例によって、日向大谷口のバス停横駐車場に車を停める。会所までは登山道を辿り、会所のベンチで、溯行準備をする。下流側へトラバース気味に沢へ降りると、そこは既に七滝沢出合より下流であった。ベンチのある石積み直下が、七滝沢出合なのだ。水量比は(2:1)である。

 早速、薄川本流に入る。2x5m滑滝など小滝を幾つか越え、少し行くと、正面からキワダ平ノ沢が出合う。本流は右に屈曲する。水量比は(3:2)で、キワダ平ノ沢の水量の方が多い。小滝を二つ越え、更に少し行くと、小滝二つの上に4m2条CS階段状が続き、右壁から越えるが、この時足元の岩が剥離し、膝と踝を打撲する。足の上に岩が落ちなかったのは、幸運であったが、しばし悶絶。

 正面に滑滝の枝沢を見送って、沢は右に曲がり、ナメ2条の上に4mCS逆くの字滝が続く。水量が多く、とてもシャワーを浴びる元気が出ない。右壁のバンドトラバースも悪そうなので、左岸を高巻く。3m滝を越えると、左岸の岩の上から細い水流が伝って流れ落ちている。2段6mくの字滑滝の落口から、分かれている流れのようだ。

 くの字滑滝を越えると、「最後が意外と手強い」連瀑で、小滝、3m滑、3m滝、4m滝と続く。最後の4m滝は、左岸のハング状凹角から越えようとするが、困難であった。水流左は、滑り易そうなので敬遠し、結局最下段まで下降して、右岸の小尾根に取り付いて、簡単に越える。

 小滝群とゴーロを行くと、赤いチャートのゴルジュになり、滑・滑滝を越える。右岸からガレが押し出して、沢が右に曲がると、ついに3段30m大滝が現れた。噂に違わぬ美瀑である。右岸の炭焼窯跡の高みに荷を降ろして、三脚を出し、休憩・撮影モードに入る。結局、ここでの撮影が、本日最初で最後の銀塩写真であった。

 十分に堪能した後、直登にかかる。下段21mは傾斜も緩く、スリップに気を付けながら、水流を左から右へ越えて登る。小釜を持つ中段5mは、水流沿いがツルツルなので、右壁にルートを探す。右端の凹角状はホールドは割と豊富だが、上半分では側壁にザックが引っ掛かりそうで、断念する。最後に、右壁中央の、細かめのホールドを拾って、突破に成功する。中段の落口から、俯瞰すれば、結構な高度感だ。上段2mは難なく越える。

 この上で、沢は左に曲がり、5x10mトヨナメが続いている。これを過ぎると、やがて(5:1)の940M二俣である。右俣には、大木が根を張り巡らした大岩が、デンと鎮座している。左俣のゴーロを進むと、滑滝連続の上に大岩が乗っている場所がある。巨岩が無ければ、結構な美滑帯なのかも知れない。

 左岸からカレ沢、小滝、右岸からカレ沢、左岸からカレ沢と続く場所を過ぎ、水流の減ったゴーロを進む。1080M二俣と思われる場所では、正面に大岩、右から水流のあるゴーロ沢、左は本流のようであるが涸れたゴーロとなる。大岩の後ろに回り込み、その上の台地状へと獣道を辿って、休憩する。ここで渓流足袋を脱ぎ、軽登山靴に履き替える。

 地形図から見て、本流沿いに進んだ方が傾斜が緩くて楽そうなので、再び水の涸れた本流へとトラバース気味に合流し、すぐに1160M奥ノ二俣で、辺見岳へ突き上げる左を見送り、右へ進む。やがて平坦な地形となり、炭焼窯も見られる。キワダ平の最低鞍部と思しきあたりを目指して、ルートを選び、殆ど藪漕ぎもなく、稜線に至る。いつもながら、キワダ平の鞍部は、枯れ葉の敷き詰められた気持ちの良い林である。

 休む間もなく、辺見尾根を一位ヶタワ方面へ縦走開始。1351Pを通過し、1310Mエビヅルノ頭の天狗トリオの後ろで休憩を入れる。ここから一位ヶタワ方面へは、天狗トリオの向かう正面に対し、左後方へ下降するのがポイントである。ハッキリしない急な広い尾根を下降し、狭いコルに至る。コルから、やせ尾根を辿り、岩峰を左から下巻く箇所もある。

 1418三笠山のピークは、今回薄い右トラバースの踏跡を辿ったので、石像三体とは顔を合わせず通過する。一位ヶタワへの最後の稜線を、慎重に下って、そのまま清滝小屋へ向かう。錆びた鎖が残っているが、この道も廃道化しつつあるようだ。清滝小屋の前では、小屋のオヤジさんが、芋か何か剥いていた。荷を降ろし、水を補給し、休憩する。

 ここから会所まで、一気に下る。途中、何人かの登山者が休んでいた。会所のベンチの近くには、キツリフネが咲き、ヘビイチゴの赤い実が多く見られた。最後の休憩を入れて、日向大谷口へ向かう。長尾沢付近では、ホタルブクロの花も見掛けた。沢登りでも暑かったのだから、尾根コースの登山者達は、さぞや大汗をかいたことであったろう。

溯行概念図

アルバム

滝見亭」には「薄川キワダ平ノ沢'02-07」(画像7枚)があります

会所直下の七滝沢出合、正面が本流、右が七滝沢
七滝沢出合、左が本流で、正面が七滝沢
「最後が意外と手強い連瀑」
「最後が意外と手強い連瀑」
小滝、3m滑、3m滝、4m滝と続く
右岸の小尾根に取り付いて、簡単に越える
大滝下段21m滑滝スダレ
大滝下段21m滑滝スダレ
大滝下段21m滑滝スダレ
大滝下段21m滑滝スダレ
大滝下段21m滑滝スダレ
大滝下段21m滑滝スダレ
大滝下段21m滑滝スダレ
大滝下段21m滑滝スダレ
大滝下段21m滑滝スダレ
大滝下段21m滑滝スダレ
大滝下段21m滑滝スダレ
中ほどまで登って
大滝下段21m滑滝スダレ
中ほどから俯瞰する
大滝下段21m滑滝スダレ
上部から俯瞰する
940M左岸枝沢の大岩
木の根が取り囲んでいる
大岩2条滑滝かな
1080M二俣、水流の無い左沢
1080M二俣の水流のある右沢
1200M付近の平坦地にある炭焼窯跡1148
キワダ平の平坦な樹林
会所で見つけたキツリフネ
ホタルブクロ

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