沖武尊・手小屋沢滑降(上州武尊)

date 1985/4/9 快晴
コース 田代分岐避難小屋〜セビオス岳〜中ノ岳北面トラバース〜沖武尊〜手小屋沢滑降〜手小屋橋〜湯ノ小屋温泉
実働 5h16m
メンバー すうじい(単独)、沖武尊までは某山岳部春合宿(Hd、Um、Kt、Fs)
概要 中ノ岳北面トラバース緊張、湯ノ小屋温泉で入浴。
行程 →:ツボ足、:シール、**:アイゼン、:スキー、=:乗物

【4月9日】 快晴
田代分岐避難小屋6:156:45セビオス岳7:008:20中ノ岳北側直下8:308:31 2100Mコル9:059:20沖武尊9:4510:20手小屋沢避難小屋10:50手小屋沢林道11:1011:50 1090M渡渉点12:0512:35手小屋橋13:05→13:55楢俣林道分岐14:05→14:20湯ノ小屋温泉16:32=17:23水上17:29=上野
記録  某山岳部の春合宿は、上州武尊まで行くことになったので、最終日に皆と別れ、手小屋沢を滑り、湯ノ小屋温泉に入って帰ることにした。武尊も4度目になるし、昨年の3月の「沖武尊〜西山」ツアーでの経験も岐、今回の山行をスムーズにさせてくれたようだ。某山岳部の諸君には、私の我儘をかなり聴いてもらった。どうもありがとう。

【4月9日】 快晴
 合宿最終日、田代分岐の避難小屋を発った我々は、軽くクラストした尾根を、シールで登って行く。合宿本隊は、小屋に荷をデポしてのサブ行動だ。セビオス岳は、なかなか展望が良く、笠、至仏、燧の姿を振り返る。正面には、これから登る中ノ岳の、岩壁と雪壁が立ちはだかる。

 急登の始まる1490M付近で、本隊はシーデポ、アイゼンで行くことにしたようだ。私は、クトー(シーアイゼン)を利かせて、急斜面を斜登高して行く。北面をトラバースし、二つ目の小沢をツメて、2060M台地に立つ。本隊は、一つ目の小沢を直登してきた。

 彼らは中ノ岳を目指し、私は北側直下の2110M付近にて、立木を頼りにシールを外す。ここから、中ノ岳・沖武尊コルの2100Mを目掛けて、35度を超える急傾斜の、カリンカリンのアイスバーンを、一気にトラバースしてしまう。

 僅か数十秒の斜滑降であったが、基本姿勢の良い復習になった。2100Mコルで板を外していると、本隊が中ノ岳の岩稜を降りて来た。風の無い、コルの南西側で、ひとまず大休止。

 行動食を腹に詰めて、最後のピーク沖武尊に向かう。山頂では、来し方の、笠〜西山〜中ノ岳と続く尾根筋をはじめ、足尾、日光、尾瀬、上越、上信越の山々が、ズラリ、姿を見せる。東面の黒々とした谷川岳や、白き平頂の平ヶ岳は、皆の注目を集めてやまぬ。

 再び中ノ岳を越えて避難小屋に戻る本隊の、見送りを受けながら、私は沖武尊から北へ、1984Pに続く尾根を滑降し始めた。情けないことに、二度目のターンで転倒する。そこから、左手の手小屋沢源頭へと滑り込む。

 次第に狭く、急になる。滝と思しき狭い雪壁を、横滑りでクリアすれば、傾斜はやや緩くなるが、相変わらず狭い谷である。谷底は狭くてターン出来ず、右岸は硬雪、左岸は腐れ雪、兎に角滑り辛い。

 脚力を嫌と言うほど消耗した頃、やっと谷は広く、緩くなり、西北西へと向きを変える。腐れ切った雪を、強引に滑って行くと、手小屋沢の避難小屋に至る。暑くてたまらないので、ヤッケも上着も脱いでしまう。緊張をほぐして、何か腹に入れておこう。

 広くなった沢を、なおも下って行けば、1550M付近から水が出始める。右岸の雪壁を登り、林道を捜しながらトラバースし、それらしきものを辿る。所々ヘアピンをショートカットしつつ、1090M渡渉点まで来たら、橋が無い。スキーを外して対岸に放り投げ、慎重に渡渉する。

 1020Mで再び右岸に渡るが、今度の橋はあったけど、橋の上を滑っている途中で、橋板が最後2m程欠落していることに気付く。ええーっ!?、次の瞬間、幅30cmの骨組みの上を滑り、無事対岸に乗っていた。危なかった。

 手小屋橋まで、所々雪の切れる林道を、踵解放で歩く。出合より1kmほど上流まで、迂回させられて消耗だ。やっと、手小屋橋に到着する。

 板を外し、運動靴に履き替えて、雪の全く無い立派な車道(県道大穴戸倉線)を歩き始める。手に持ったスキーとプラ靴の重さが堪えるし、暑いことと言ったら・・・。1P半で、湯ノ小屋のバス停に至る。

 時間があるので、葉留日野山荘の温泉に浸かる。やったね。今後の「中年山行」のシンボルは、「温泉への下山」なのだ。「山スキーと温泉」は、私のお気に入りの山行パターンになりそうだ。

スキールート図

アルバム

田代分岐避難小屋からセビオス岳へ向かう
セビオス岳付近から中ノ岳を望む
セビオス岳付近で
シールで登る本隊
アイゼンで登る本隊
アイゼンで登る本隊
目指す2100Mコルと沖武尊
中ノ岳を越え、2010Mコルへ下って来る本隊
風の無い2100Mコル南西側で、大休止
沖武尊への登りから、中ノ岳北斜面を振り返る
沖武尊山頂
沖武尊山頂
沖武尊からの展望
手小屋沢源頭に滑り込む

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