小中川弓ノ手沢・下ノ滝沢下降・ヒライデ沢(足尾)

date 1984/06/29-07/01 
コース 相老〜小中〜柏ヶ谷〜滝見橋〜八子岩橋〜弓ノ手沢〜下ノ滝沢下降〜林道〜放山橋〜滝見橋〜八子岩橋〜折場橋〜ヒライデ沢〜1655Mコル〜小丸山〜賽ノ河原〜双輪塔〜沢入
実働 第1日:4h30m、第2日:10h15m、第3日:8h35m、計:23h20m。
メンバー すうじい(単独)
概要 '84小中川第U弾、下ノ滝沢大滝30mは伐採跡を巻き下り、ヒライデ沢源流ではキジの親子に出くわす。
行程 =:バス・鉄道、→:山道、:溯行、\\:藪漕ぎ
【6月29日】
北千住=相老21:00→1:30小中駅(泊)

【6月30日】 曇
小中駅5:10→大滝手前=滝見橋→7:05八子岩橋7:55(弓ノ手沢)1130M二俣10:2512:30 1375M 12:50\\中間尾根13:00\\(下ノ滝沢)13:1013:50 1235M二俣14:0030m大滝上15:20\\大滝下16:0516:45 BP(泊)

【7月1日】 快晴のち曇のち晴
BP 5:50\\6:15林道6:20→7:05滝見橋7:15→8:45折場橋9:10(ヒライデ沢)10:45 1373二俣10:55\\12:20 1655Mコル12:25→13:15賽ノ河原13:20→14:10林道終点14:20→15:35沢入15:49=相老=北千住
記録  前回の、小中川本沢〜後袈裟丸に引き続き、小中川シリーズ第U弾である。北千住で予定の電車に、タッチの差で乗り遅れ、足尾線最終に間に合わず、相老〜小中の深夜のR122を、4時間半も歩く。下ノ滝沢の大滝の巻きでの苦労や、ヒライデ沢で出会ったキジの親子など、印象に残る山行だった。

【6月29日】
 北千住17:32発の、足尾線最終に接続する電車に乗り遅れたのが、今回の「国道・林道歩き地獄」を予感させるハプニングであった。相老から小中まで、R122を、4時間半掛かって踏破する。何百台と通り過ぎた車は、1台として停まってはくれなかった。

 花輪付近の国道で、蛍が飛んでいたし、幼虫も何匹か見掛けた。小中橋の信号が見えた時、思わず「脚よ、あれが小中の灯だ!」と呟いてしまった。無人の小中駅で、仮眠する。

【6月30日】 曇
 小中川沿いに林道を歩く。大滝手前で、釣師の車に拾われ、滝見橋まで、僅かな距離だが乗せて貰う。滝見橋から、弓ノ手沢(大友川)沿いの林道へ入る。八子岩橋で、沢入方面へ続く林道から離れ、弓ノ手沢へ降りる。あまりの眠気に、ここで30分ほどゴロ寝する。

 沢に入り、10m滝は手前の小滝と共に、左岸の踏跡を利用して巻く。右岸に、(1:4)の枝沢を見送り、左岸から10mトヨスダレの枝沢が出合うと、ゴルジュ状になる。左岸を巻いて、7m滝の上へ降りる。続く6mは簡単だ。2段10mは、水線左から巻く。

 1130Mの(3:1)の二俣で、左の本流を進む。8mスダレ滝を水線左から突破すると、沢は平凡なゴーロとなり、1290Mの(2:1)の二俣の左へ入れば、やがてナメが続く。再び平凡なゴーロになるので、1375M付近で、右岸に適当なカレ窪を見付けて、登る。

 殆ど藪漕ぎ無しの10分で、下ノ滝沢との中間尾根に立つ。笹の中を、西へ10分の下降で、下ノ滝沢源流へと出る。藪っぽい流を下降して行くと、ゴーロ状になり、右岸に(3:1)の水量の多い沢と出合う。やがて右岸に小屋(地形図にも記号あり)があり、戸と床板が壊れてはいるが、十分雨風は凌げよう。

 この辺りから、伐採作業の騒音が聞こえ始め、不快だ。左岸から(10:1)の枝沢が入ると、小滝のミニゴルジュとなるので、左岸を巻く。左岸一帯は、伐採跡である。20mトヨ状滝も左岸を巻くが、伐採跡の棘の多い植物群の抵抗が著しい。伐採藪との格闘の末、沢に降りると、すぐに30m大滝となる。

 30m大滝上は伐採木で埋まり、頭上をケーブルにぶら下がった伐採木が通過するので、思案に暮れる。右岸の巻きは、どう考えても不可能なので、意を決し、左岸の伐採跡藪を漕いで、小尾根に乗る。伐採跡藪のため、巻きの踏跡が消え、ルートファインディングが大変である。

 この小尾根は急激に落ち、下降に適さないので、さらに左手のガレルンゼを下ることにする。ガレの上に棘植物群が茂り、「痛てぇ痛てぇ」と言いながら、これらのブッシュをホールドにする辛さよ。棘植物群の下縁付近を、更に左へトラバースして、大木に辿り着く。ザイルで20m懸垂して、ルンゼ底へ下り、あと僅かなルンゼ下降で、大滝下に立つ。

 この大滝の巻きに、45分も要してしまった。大滝下にも、伐採木が重なり、落下する水がそれを打つ。沢がクランク状に折れ曲がり、右岸にガレを見た後、右岸にビバーク適地を見出し、BPに決定。ツェルト設営後、焚火で炊事。久々の沢中泊と焚火に満足。

【7月1日】 快晴のち曇のち晴
 寝不足と疲労にもかかわらず、シュラフカバーのみでは、かなりの冷え込みに眠れない。新聞紙と雨具の助けを借りて、寝たフリをする。朝も焚火をして、ゴミを燃やす。BPより下流には、美ナメ・釜・小滝が連続し、静かな渓流の姿だ。

 ゴーロを少し行くと、右岸に踏跡が現れ、カレ窪を直上しているのを辿る。林道に出て、南下し、放山橋から小中川林道に合流し、滝見橋から沢入方面への林道を行く。ヒライデ沢は堰堤が多く、折場橋から沢に降りる。

 3x 4m、6m 2条、6mトヨを越すと、伐採木が重なる。大釜の小滝からゴルジュとなり、左岸から(4:1)の枝沢が、6m滝で落合う。小滝群を越え、ゴルジュを抜けると、伐採跡が続く。4x 7m滝を過ぎると、流れは、落ち着いた樹林の中で、苔生したゴーロとなる。

 1373二俣で、右岸の枝沢を見送り、4m滝を左岸から小さく巻く。この先のゴーロで、キジの親子を見る。母鳥が先ず飛び去り、雛達5羽はどうするのかな、と見ていると、一斉に飛んだ。黄色に褐色の縦縞のウリ状だった。ゴーロをひたすら溯り、4m滝を越えた所で、北への枝沢を詰めて、1655Mコルに出る。

 小丸山、賽ノ河原を経て、塔ノ沢沿いに沢入へ出る。賽ノ河原下の避難小屋は、小綺麗に建て直されていた。沢入でビール。列車に乗った途端に、左脚のアキレス腱が痛み出した。国道・林道歩きに、脚を酷使したからなあ。

溯行図

アルバム

どの滝だか不明だが・・・
この2条滝は
ヒライデ沢だったような・・・
県界尾根のツツジであろうか

MR197_ 小中川本沢・後袈裟丸'84-06

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