小中川本沢・後袈裟丸(足尾)

date 1984/06/17 (前夕発日帰り)
コース 小中〜柏ヶ谷〜林道小中川線〜小中川本沢〜後袈裟丸山〜郡界尾根〜林道小中川線〜柏ヶ谷〜小中
実働 11h05m。
メンバー Kt君、すうじい
概要 '84小中川第T弾、下流は伐採跡とゴーロ、左俣ゴルジュ、郡界尾根の石楠花。
行程 =:バス・鉄道、→:山道、:溯行、\\:藪漕ぎ
【6月16日】
北千住17:24=相老=21:15小中駅(泊)

【6月17日】 曇のち雨
小中駅4:10→押付橋5:05→5:50滝見橋6:00→7:00飯場先溯行開始点7:20 1400M付近9:009:25 1500M付近9:4010:50 Y字ナメの二俣11:05\\11:50稜線12:00→12:05後袈裟丸12:25→13:45 1415.1 13:50→14:20袈裟丸登山口14:30→追付橋16:15→16:50=ヒッチ=17:00小中駅18:37=19:20相老=北千住
記録  小中川流域の偵察を兼ねて、本沢を溯行してみた。単独行ではない足尾は、初めてである。林道歩きが長く、沢は前半は伐採跡と平凡なゴーロで、後半は傾斜の強いナメゴルジュとなる。郡界尾根上部の、石楠花の桃色が印象的であった。

【6月16日】
 北千住17:24発の準急に乗る。もう1本後の、17:32でもOK。足尾線最終で小中に下車。小中橋そばの食料品店は、まだ営業している。無人駅で駅寝。ホーム前の田圃で、カエルの合唱。

【6月17日】 曇のち雨
 4:10行動開始。林道歩き3時間弱で、溯行開始点へ。途中、釣師を10人以上見掛ける。

 沢に降りて、踏跡をしばらく辿ると、伐採跡で消耗する。二つ目の伐採跡を過ぎ、沢は落ち着きを取り戻すが、平凡なゴーロ歩きの連続である。(3:1)の枝沢を左岸に見送り、少し行くと、水が涸れてしまう。水を水筒に詰め、伏流のゴーロを進めば、水流が復活するものの、またすぐに伏流ゴーロとなり、伏流の二俣を迎える。

 右俣は、開けたゴーロである。左俣は、両岸が切り立ち、「暗いよ、狭いよ、怖いよ」と思わずビビリそうなゴルジュで、すぐに右へ屈曲している。左俣の方が、沢床が低い。ここを1560M二俣だと判断して、左俣のゴルジュへ足を踏み入れる。

 すぐにナメが始まり、暗くて狭い廊下は、傾斜の緩急を交えつつ続く。流れは、床を濡らす程度だ。右岸から、CS涸棚の岩屑の詰まったルンゼが出合うと、8m大CS滝が行く手を阻む。右壁から登れなくもなさそうだが、ホールドが細かく、敬遠する。この沢は、ハーケンの効かない、火山特有の泥流の固まった岩質のため、中間ビレイが取れないのだ。

 右岸のルンゼとの中間小尾根に取り付いて、ルンゼのCS涸棚上に出て、さらに中間小尾根を越えて、8m大CS滝上へとトラバースする。6mナメ滝を、細かなホールド頼りに越え、ナメ廊下を進めば、少し明るくなる。やがて、Y字ナメの二俣で、二俣の8mの傾斜のあるナメ滝は、ホールドが細かい。

 限界に近い、ポリプロワラジフリクションで、これを越えたすうじいは、右沢に入って、ブッシュにビレイする。ザイルを投下して、Kt君を確保。左沢を少し偵察した後、右沢を進む。8mルンゼ状滝を、おっかなびっくりで登った後、僅かに雪塊の残る、30x 50mのナメルンゼを抜け、4mOH滝を小さく巻けば、あとは詰めである。

 丈の低い笹の小尾根に乗って、タルむ。登攀具を仕舞い、上方を見遣れば、桃色の石楠花が咲いている。再び登り始めてみれば、さっきの石楠花は、稜線の登山道脇に咲いているものであった。郡界尾根を下ってきたオジサン達は、とんでもない藪から這い上がってきた、ヘルメット姿の若者2人を見て、びっくりしていた。

 沢を抜けての桃源郷は、感激ひとしおだ。後袈裟丸まで登って、タルむ。石楠花目的だろうか、郡界尾根利用の地元登山者が、意外と多い。下山は、郡界尾根を下降し、袈裟丸登山口(小中口)を経て、往きと同じ林道小中川線を歩く。腰越の辺りで、やっと車に拾われ、2〜30分の歩きを省略出来た。

 足尾線は本数が少ない。1985年春で廃止との話なので、今年のうちに、渡良瀬川流域を出来るだけ片付けたいものだ。

溯行図

アルバム

泥流ナメゴルジュにて
郡界尾根の
アズマシャクナゲ

MR198_ 小中川弓ノ手沢・下ノ滝沢下降・ヒライデ沢'84-06

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