白樺尾根・中山・縞枯山スキー(八ヶ岳北部)

MR187 白樺尾根・中山・縞枯山スキー(八ヶ岳北部)

date 1984/2/8-10 
コース 松原湖駅〜松原湖〜林道山ノ神線〜白樺尾根〜ニュウ〜中山〜丸山〜麦草峠〜茶臼山〜縞枯山〜ピラタススキー場〜親湯入口
実働 第一日:7h10m、第二日:6h05m、第三日:4h30m、計:17h45m。
メンバー すうじい(単独)
概要 ドカ雪利用のスキー縦走、白樺尾根の倒木帯に苦労、蓼科山を諦めピラタススキー場へ。
行程 →:ツボ足、:シール、**:アイゼン、:スキー
【2月8日】 晴のち雪
松原湖駅7:35→8:10松原湖8:20→9:10休9:25→10:30 1450M付近10:4011:30 1550M 11:40林道山ノ神線終点12:0012:30 1680M 12:4513:35 1800M林道13:5515:15 1950M 15:2516:15 2010M肩(BP)

【2月9日】 曇時々雪
2010M肩BP 9:0010:00ニセ四辻10:1511:10四辻11:20ニュウ12:3012:45 2350P 13:0014:00 2430M付近14:102450分岐14:252496P 14:4014:55 2470肩15:0515:20 2249コル15:3016:00丸山16:1016:25 2185コル(BP)

【2月10日】 雪のち快晴
2185コルBP7:30麦草峠7:458:20 2232.0 8:3010:10縞枯山10:30ピラタススキー場ツアーコース11:0511:30ロープウェイ山麓駅11:3512:05→12:35親湯入口12:38=13:22茅野
記録  十日ほど前に、蓼科山目指した人たちが、雪の多さに引き返したという話を聞き、以前より北八ツのスキー縦走を狙っていた私は、「チャンス」とばかりに、蓼科山滑降をメインテーマにした計画を立てたのであった。

 某山岳部の2月乗鞍スキー合宿の帰りに、松原湖から白樺尾根を登るこの計画は、ちょうど一日分の登高時間を、計算違いしていた。バス代をケチらないで、渋ノ湯から入山するべきであった。結局、白樺尾根の長さと、倒木帯のラッセル、深雪の急登に、予想外の時間と体力とを消耗し、北横岳〜蓼科山をカットせざるを得なかった。また、気象条件について言えば、極端な西高東低と寒気団のため、連日連夜の低温と降雪で、かなり厳しい山行となった。

 厳冬の深雪は、シールの有効性を更に強調してくれたし、滑降の楽しさは、テクニック向上の原動力となり続けよう。雪山はスキーのためにあるのだ。

【2月8日】 晴のち雪 -13℃
 無人の松原湖駅に一泊し、松原湖を経て、歩きで白樺尾根の林道を辿る。3Pで白樺林の1450M付近に至り、シール登高に切り換える。林道山ノ神線終点からは、サラサドウダンの林の間を縫う山道を登るが、スキーが臑まで潜るラッセルだ。

 1800Mで林道が横切った後、伐採跡の雪の急斜面を、ジグザグ斜登高でラッセルする。雪の底が抜けると、パニックだ。途中で休めず、ロングピッチとなる。次は、倒木帯のラッセルと藪漕ぎで、スキーでやるのはハイテクだ。

 2010M肩で、僅かなプラッツを見付け、ツェルトを張る。体調の悪さと、白樺尾根コース選定の失敗とで、敗戦処理を考えつつ寝る。風邪症状のため、抗生剤を飲み続けていたが、鼻血が出たので中止する。

【2月9日】 曇時々雪 -18℃
 昨日の疲労から、出発が大幅に遅れる。尾根筋から少し南側に、登山道がついているのを見付け、やっと倒木と藪漕ぎから解放されるが、深雪急登の苦労は続く。2Pで平坦な林となり、山道は南へ向いた後、再び西へ向かい、稲子湯−白駒池のコースと交叉する四辻に出る。'80-81の第1回冬合宿最初の幕営地だ。

 この辺りから、当時のビニテ・赤布が目に付くようになる。平坦な樹林帯のラッセルは、スキーの最も得意とするところで、足首〜臑程度だが、ツボ足では腰まで潜る。ニュウはあっさり通過して、隣の2350Pでタルむ。2450M分岐までの針葉樹林帯の登りが長い。枝の雪が頭からかかって、背中で融けて凍り付く。不快。

 分岐に出れば、期待通り、トレースが一級国道並みについている。すぐにそれを辿って、中山を越え、2470M肩でシールを外し、2249コルまで滑降する。快適。再びシールを貼って、高見石小屋の人声を横耳に、丸山へトレースを辿る。ここで再びシールを外して、次の2212Pとの間の、2185コル付近まで滑降し、行動を打ち切る。

 今夜は、雪の上にスキー板を裏にして並べ、その上にツェルトを張ってみる。床がデコボコせず、快適。明日は、日本ピラタススキー場から茅野に出ることにして、シュラフに入る。あまりの寒さに、1時間あたり5分程しか眠れない。夜中に、何度も起きて、お茶を飲んだり、ウドンを食べたりした。

【2月10日】 雪のち快晴 -19℃
 2212Pまで登り、シールのまま麦草峠へと下る。麦草ヒュッテの2匹の犬が吠える。麦草峠から北は、雪が一段と深くなる。2232.0Pで、1Pを切る。茶臼山への急登はシールの限界を超え、一箇所ツボ足で登るが、やたら潜るので、すぐにシールに戻す。

 縞枯山へは、シールのまま一旦下って、登り返す。山頂付近で、アイゼンを着けた男女ペアに出逢う。今山行、初めて遭遇する登山者だ。細長い山頂の北西端から、登山道は北東へと折れて雨池峠に下っているが、ここは西北西目指し、ロープウェイ駅方面へ直接スキー滑降することに決める。

 はじめ密林とシュカブラに苦労し、意外と少ない雪で、クラストと底抜け、枯木避けと悪条件が重なるが、小沢状の深雪を利用して下る。ロープウェイ駅近くでは、笹の上の雪が薄く、底抜けが多い。

 スキー場の「ツアーコース」に合流すれば、あとは快適な滑降あるのみ。アスピリンスノーを堪能しつつ、ガラガラのピステを独占して、舞うようにダウンヒル。重荷であるにもかかわらず、信じられないほどパラレル・ウェーデルンが決まる。新雪と寒さの協力があればこそ・・・。

 バスが出たばかりなので、車道を滑降して行く。スキーと歩き、各30分で、親湯入口に至り、タイミング良く来たバスで、茅野へ出る。310円分のバス代節約になった。

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白樺尾根・中山・縞枯山スキー'84-02

MR186_ 乗鞍岳スキー登山(北ア乗鞍)'84-02

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