泙川三俣沢前小屋沢・湯之沢赤根沢下降・龍ノ沢・皇海山・庚申山(足尾)

MR180 泙川三俣沢前小屋沢・湯之沢赤根沢下降・龍ノ沢・皇海山・庚申山(足尾)

date 1983/10/7-10 
コース 切通し〜奈良〜三重泉橋〜平滝〜三俣沢前小屋沢〜1847P〜1840P〜赤根沢下降〜湯之沢下降〜龍ノ沢〜1890P〜皇海山〜鋸山〜庚申山〜一ノ鳥居〜銀山平〜小滝〜=通洞
実働 第1日:2h35m、第2日:9h25m、第3日:7h05m、第4日:7h05m、計:26h10m。
メンバー すうじい(単独)
概要 '83泙川シリーズ第五弾、三俣沢前小屋沢・湯之沢赤根沢・龍ノ沢を繋ぎ、紅葉の皇海山から庚申山まで縦走。
行程 =:バス・鉄道、→:山道、:溯行、\\:藪漕ぎ
【10月7日】 晴
沼田16:05=切通し17:15→奈良18:25→19:50三重泉橋(泊)

【10月8日】 雨
三重泉橋5:30→平滝5:50泙川川原6:15湯之沢出合7:108:25前小屋沢出合8:40\\→12:35 1847P 12:45→1840P 13:10\\15:00赤根沢出合15:1015:30広沢出合(泊)

【10月9日】 雨
広沢出合7:208:45龍ノ沢出合9:0010:15 1290M枝沢出合10:3012:10 3段25m滝下13:15\\中間尾根13:30\\15:50 1890P 16:10\\16:20 1850Mコル(泊)

【10月10日】 高曇り
1850Mコル8:10\\9:10 2090P 9:20\\9:30皇海山西峰(2102P)9:40\\皇海山10:00→11:10鋸山11:30→庚申山13:10→13:55庚申山荘14:25→銀山平15:50→小滝の先16:25=ヒッチ=16:35通洞
記録  第五弾は、紅葉山行となった。沢の中の二日間は雨に降られたが、広沢を断念した最終日は、皇海山〜庚申山の稜線で、美しい錦繍を纏った足尾の山々を、目の当たりにすることが出来た。なお、予想されたことではあるが、皇海山北面の各沢の最上流部は急で、特有のボロボロ滝と、摺り鉢状スラブ壁、OHした涸棚などに苦しめられるわけで、龍ノ沢も例外ではなかった。鋸山〜庚申山の道は荒れていて、意外と手こずる。連休ということもあって、ハイカーが結構多い。秋の夜は、鹿も遠吠えをするらしく、衣片敷く身に、寂しさが堪えた。

【10月7日】 晴
 朝寝坊をしてしまい、午後発になってしまう。切通しから30分も歩くと暗くなり、ヘッドランプを点す。三重泉橋まで来ると、川原に快適そうなサイトを見付け、行動を打ち切る。冷える。

【10月8日】 雨
 林道をさらに平滝へ。平滝はその名の通り、平らな大きい滑である。林道をそのまま進み、堰堤の先の急なガレ沢を下って、泙川の川原に降りる。流れは冷たい。ニグラ沢の出合いに気付かないまま、一時間で湯之沢出合。ス沢出合手前の広河原入口で、雨が本降りになり、雨具の上を着て登攀準備をする。

 前小屋沢に入り、最初の大滝を見れば、傾斜はさほどきつくなく、3段25mで登れそうだ。ワラジを着けて、下・中段は右を登る。そのまま大岩の右側に回り込んで登り、上段の落口へとトラバースする。続く4x6mを左から小さく巻くと、少し行って連瀑がある。入口の4mを越え、次の7mトヨ・ヒョングリは左岸を巻く。滑の上に下降し、少し戻ると、7mトヨ・ヒョングリの上に、落差不明の滝が続いていることが窺われる。

 この後は、平凡なゴーロが続く。1200M枝沢出合でタルんだ後、さらにゴーロを進み、右岸から2本、(1:3)の枝沢が出合う。左岸に白いザレが現れると、流れは階段状になり、やがて滑から再びゴーロで、10m階段状滝を越える。美しく整った25m階段状滝の上で、左岸から、(10:1)の枝沢が出合う。これが、1740Mコルに突き上げる沢らしいのだが、あまりに狭く暗いので、パスして次の左岸からの枝沢を選ぶ。水が涸れ、右手の小尾根を越えて、隣の窪状に沿って詰める。

 ガスっていて、稜線に出ても、現在位置に自信が持てないため、北東へと尾根を登り、1747Pで位置確認をする。雨風が強く、寒い。戻って、1740Pへ向かう。この辺りの稜線は、踏跡はしっかりついているが、スズタケが濃い。1840Pから西南西目指し、針葉樹の薮を漕ぐ。なかなか沢地形にならず、歩きづらい。滑り易い草地を下り、苔生したゴーロに飽きる頃、水が出る。

 赤根沢は、滝らしい滝は皆無、と言って良い。出合近くになると、滑床が続く。見覚えのある湯之沢本流に出、広沢出合まで下降する。適当なサイトを見付けて、行動を打ち切る。雨降る中、震えながら焚火をする。火の勢いよりも、雨の方が強く、早めに止めて、ツェルトに潜り込む。

【10月9日】 雨
 龍ノ沢の後、広沢を下降する予定なので、重いミカン1kgとボロ傘を、サイトに残置して出発。広沢出合からナメ沢出合まで、本流下降は意外とホネである。6m斜瀑の巻きは、落口から左岸を3m程登らねばならない。シリーズ第二弾では、空身でフリーで登ったが、今回は、ハーケン・シュリンゲ各1残置で、A0にして越える。荷は、7mmザイルで引き上げる。結局、龍ノ沢出合まで、一時間半もかかってしまう。

 龍ノ沢の30m大滝スダレ状は、ちょっと登れそうもなく、巻きの踏跡も見当たらない。右岸の草付を登って、小尾根に乗る。急なブッシュ混じりの岩尾根を、木の根頼りに騙し騙し登り、慎重にトラバースして滝の上に降りる。踏まれておらず、悪い。その後は、単調なゴーロ歩きが続く。(3:1)の1290M枝沢出合から、滑滝が現れる。美しいスラブ状の滝が続き、(1:1)の二俣に至る。

 予定では右俣を行くつもりだったが、最初の10mボロボロ滝が、どうしても越えられない。全くハーケンが効かず、岩角は全て浮いているので、断念する。左俣出合の8m階段滝を越え、12mスラブは水線左を登る。ここで荷を置いて、空身で中間尾根に取り付き、偵察する。中間尾根は、少し登るとブッシュ混じりの急なボロボロ岩峰が立ちはだかり、右俣への下降も不可能である。右俣は、10mボロボロ滝の上に、10mスラブ、12m滝、20mOH滝と続き、全て摺り鉢状スラブの側壁に囲まれていて、溯行は困難なようだ。

 荷へ戻り、左俣の3段25mを越えた所で、中間尾根に取り付き、これを詰めることにする。左俣は巨岩ゴーロ状だが、どうせ奥には壁があるだろう。中間尾根は、途中、ブッシュごと土の層が剥がれ落ちた岩壁などあって、苦労する。シャクナゲの密薮を抜けると、普通の尾根になり、行程が捗る。突然、幅1.5m程の水平林道様の踏跡が、尾根を横切る。鹿道にしては立派すぎるし、いったい何だろう。1800M付近で尾根地形は吸収され、ブッシュ混じりのボロ岩壁が立ちはだかる。左へトラバースして、窪状に沿って登り、傾斜は緩くなる。樹林帯の鹿道を拾って行くと、1890Pに出る。

 南面の落葉松林で、気象通報の概況を聴く。落葉松林を下って、1850Mコル(ナメ沢乗越)にツェルトを張る。ここは、シリーズ第一弾で、小田倉沢からナメ沢へと下降した乗越で、当時巻いた赤テープが残っていた。夜になると、ナメ沢の落石の音、ツェルトに降りかかる落葉松の落葉の音、そして鹿の遠吠えと、秋の深山に独り寝る孤独感を、かき立てるものばかり。

【10月10日】 高曇り
 広沢下降を断念したことと、新聞紙をシュラフカバーの中に沢山入れたことで、よく眠れ、大幅に寝坊する。ツェルトから顔を出せば、日光の山々が見えている。撤収して、皇海山へと向かう。

 1928Pから先は、踏跡がしっかりする。皇海西端峰への登りの幅広尾根も、途中まで踏跡顕著だが、その後不明になり、鹿道を拾う。西峰(2101P)では、木登りして写真撮影。谷川連峰、越後三山、平ヶ岳、至仏山、燧岳、日光の山々etc.良く見えている。ツツジ・ナナカマド・カエデの赤、ダケカンバの黄、針葉樹の深緑。錦織りなす足尾の山々の晴れ姿。

 皇海山から先は、登山者・ハイカーが多い。鋸山〜庚申山は、道が荒れていて手間取る。庚申山荘で、紅茶を入れて大休止。一ノ鳥居から林道歩きで、銀山平、小滝と飛ばす。小滝の先で、山中で会った単独のハイカーの車に拾われて、通洞まで送って貰う。駅前の肉屋では、良い匂いがして、嫌いなはずのコロッケを3つも買って食べる。揚げたては旨い。

概念図

溯行図


溯行図1(泙川三俣沢越前小屋沢)


溯行図2(泙川湯之沢赤根沢下降〜湯之沢龍ノ沢)

アルバム

3段25m
前小屋ノ滝
7mヒョングリ滝
前小屋沢
階段状流れ
龍ノ沢大滝
龍ノ沢6mヒョングリ滑滝
同上
皇海山西峰から1928P方面
皇海山西峰から小田倉沢源頭・上州武尊方面
皇海山西峰から日光の山々
皇海山から鋸山方面、右奥は袈裟丸
皇海山から庚申山方面
鋸山付近から皇海山
鋸山から表日光連山
鋸山から庚申山
鋸山から女峰山方面
鋸山から皇海山
鋸山から三俣山方面
庚申山付近から
皇海山と鋸山
庚申山付近から皇海山
庚申山付近から国境平
庚申山付近から錫ヶ岳・奥白根山

渓流の部屋
の表紙へ
本館トップページへ