野門沢布引滝氷瀑見物(奥鬼怒)

date 2009/3/1 小雪のちガスのち曇
コース 林道ゲート〜布引滝展望台〜遊歩道〜ベンチ広場〜野門沢〜前衛滝〜布引滝(往復)
実働 往き:4h50m、帰り:3h13m、計:8h03m。
概要 寡雪の年に、布引滝遊歩道を利用し氷瀑見物。
メンバー ふたつぎさん、渡辺さん、すうじい
行程 →:ツボ足、**:アイゼン、\\:藪漕ぎ・踏跡不明、=:車
【3月1日】 小雪のちガスのち曇
自宅2:20=宇都宮4:20=5:20龍王峡駐車場5:30=6:10駐車スペース6:25=6:40ゲート7:00→7:45山ノ神7:50**展望台8:10**8:35遊歩道入口8:50**下降点9:10**ベンチ広場10:00**野門沢10:25**10:40前衛滝下11:00**12:30布引滝下13:30**14:30前衛滝下14:40**15:05ベンチ広場15:20**16:10下降点16:20→遊歩道入口16:30→16:45展望台16:50→山ノ神16:58→17:23ゲート17:29=17:35駐車スペース17:50=18:06四季の湯(入浴)18:53=宇都宮19:55=22:25自宅
使用装備 登山靴、アイゼン、ピッケル、ストック、ヘルメット、ハーネス、8環、9mmx40mザイル1本、8mmx30mザイル1本、E-1、ED12-60mmF2.8-4、ED7-14mmF4、μ725SW、テルモス
不用装備 9mmx40mザイル1本、アイスハンマー
記録  雪の多い渓谷に、氷瀑見物に出掛けるのは、雪崩の危険がある。今年は、暖冬寡雪の年である。一週間前にふたつぎさんが、野門沢布引滝前衛滝下まで偵察してきたという情報に、急遽第二次偵察隊が編成された。

【3月1日】 小雪のちガスのち曇
 鬼怒川龍王峡の駐車場に集合した三人は、野門へと移動する。林道に入ると、次第に雪がうっすら積もり、途中の駐車スペースに、すうじいのノーマルタイヤ車をデポし、渡辺さんの車に便乗させて頂く。スタッドレスの二台は、林道ゲートまで何とか到達できた。

 一つ目のヘアピンの先で、雪斜面に取り付き、最初の林道ショートカット。山ノ神から、アイゼンを装着し、再び雪斜面に取り付き、1374付近の尾根に出る。そのまま尾根沿いに進み、展望台で林道に出る。生憎のガスと雪で、展望台からは、布引滝が全く望めない。展望台から、再び雪の林道を忠実に進み、ベンチと看板のある遊歩道入口に到達する。ゲートからここまで、約1時間半かかった。

 遊歩道入口から、本格的にラッセル登りとなる。道形が判り難く、尾根沿いを適当に登って行く。直登する形となって、かなりショートカット出来た。最後は道形に合流し、遊歩道入口から、25分のラッセルで、看板のある階段下降点に至る。旧登山道の道形は、なおも尾根沿いに続いている。

 階段へ続く遊歩道は、少し開けた峠状というか肩状を越える。生憎のガスと雪だが、晴れていれば、ここからも布引滝が見えるに違いない。ジグザグに急降下して行くが、帰りの登り返しを思うと、シンドそうだ。かなり下った辺りから、トラバース気味になる。

 水の出た枝沢の横断も、何箇所かある。ガレ沢と思しき斜面は、完全に雪で埋まっており、ちとイヤなトラバースである。ベンチ広場手前の枝沢トラバースが、徒渉点がハッキリせず、ややこしい。ベンチ広場は、雪原の中に、数個のテーブル・ベンチが並んでいる。林道ゲートからここまで、実働2時間40分。担いだ登攀具が、重い。

 ベンチ広場の先の、雪に埋まった窪状地形で、少し迷ったが、小尾根上を捜索し、なんとか階段の丸太を見出す。あとは、目印を参考に、ひたすらトラバースを続ける。岩場をトラバースし、目印とロープを参考にして、野門沢へと下降する。

 野門沢左岸トラバースから降り立った場所は、ゴルジュの上である。氷柱状の氷瀑が、幾つか目に入る。沢床に降り立つと、ガスに覆われている。この分では、よほど近くまで行かないと、氷瀑は見えないのでは・・・と不安になる。沢床では流れが一部顔を出していて、水没が怖いので、左岸側雪斜面を慎重に進む。

 15分ほど溯行すると、前衛滝10mの下に出る。釜は一部出ているし、先週は凍結していたという滝身も、幅50cmほどの氷の隙間から、勢い良く流下しているのが見える。かなり、融け始めているようだ。どう見ても、直登は出来そうもない。

 右壁に出現した氷瀑も、我々には登れそうもないので、そのまた右手の斜上するバンドを登ることにする。前衛滝左岸巻きの始まりだ。取付の傾いたテラス状に着いた雪は、簡単に剥がれ落ちて、油断できない。無雪期にはザレルンゼになっていると思われる雪壁の左端沿いに30mザイルを伸ばして、小尾根上の立木に固定する。

 さらに、小尾根を少し登り、大岩の下を左上方へと登って、雪の着いたルンゼ状を斜上し、40mザイルを固定して行く。ここで滑落すると、前衛滝右壁氷瀑下まで一気であろう。

 あとは、ガレ斜面から深雪の斜面へとトラバースを続け、最後の小尾根に乗り、布引滝氷瀑を目の当たりにする。結局、40mザイルを1本温存したまま、最後の小尾根を下降して、布引滝前空間に降り立つことが出来た。前衛滝左岸巻き取付から、1時間半もかかってしまった。

 布引滝前広場に出ると、圧倒的な空間だ。ラッキーなことに、いつの間にか、ガスが晴れてきている。苦労して辿り着いた甲斐が、あったというものだ。下段は、見事に凍結しているが、中段下部は、一部崩落しかかっている。上段も、下部の滝身が覗いている。

 滝前空間で、1時間過ごした。帰りも時間が掛かりそうなので、そろそろ切り上げなければならない。帰りも、往路を忠実に辿る。先ず、二人が左岸小尾根に取り付く。小尾根を少し登って、深雪斜面からガレ斜面をトラバースし、固定ザイルに至る。二人がザイル伝いに下った後、回収しながら下降する。帰りの前衛滝巻きにも、結局1時間を要した。

 前衛滝下から見上げると、布引滝右岸枝沢氷瀑らしきものが見えている。前衛滝を撮影後、E-1をザックに仕舞い、引き揚げだ。野門沢左岸雪斜面を進み、左岸遊歩道取付点へと向かう。取付点手前から振り返ると、布引滝氷瀑の中・上段が望まれる。

 ゴルジュ手前で、左岸大岩に乗り、遊歩道へとよじ登る。遊歩道へとよじ登る途中から、見納めとばかりに、布引滝を振り返る。歩きにくい岩々のトラバース道を辿り、雪に埋まった浅い谷を越え、ベンチ広場へと至る。ここで、小休する。再びややこしい枝沢の徒渉をし、トラバースを続ける。アイゼンに、腐れ雪が団子となって、不快だ。やがて、ジグザグの階段道が続き、この日一番の苦しい登りとなる。

 ベンチ広場から、50分ほどかかって、下降点まで登り返した所で、またも休憩。再びガスって来たのか、布引滝は見えない。ここで、アイゼンを外す。遊歩道入口まで、適当に駆け下りる。林道を辿って、展望台まで戻ると、携帯メールが可能だ。往きと同様、ここから山ノ神まで、雪の中をショートカットする。

 再び、林道を辿り、往きにショートカットした雪斜面を下って、林道ヘアピンに出る。下降点から、実働1時間ほどで、林道ゲートに辿り着いた。帰りに、四季の湯に入る。500円で露天風呂のみだが、なかなか良い湯であった。ここで、二人と別れ、宇都宮ICへと向かった。

アルバム

林道ゲート
山ノ神から展望台への尾根道を行く、・1374付近
展望台
布引の滝遊歩道入口
遊歩道入口
布引滝下降点
布引滝下降点
ジグザグに急降下
ジグザグに急降下
トラバース
トラバース
ガレ沢トラバース
ベンチ広場
ベンチ広場
ベンチ広場
野門沢に降りる
野門沢下流側
野門沢はガスで視界不良
前衛滝
前衛滝左岸大岩右の氷壁
野門沢布引滝氷瀑 1233
帰りの前衛滝左岸巻
見納めの布引氷瀑
前衛滝
前衛滝と左岸氷壁
野門沢左岸を下る
左岸登り返し取付きから、布引氷瀑を振り返る
野門沢左岸登り返し取付き
野門沢左岸登り返し途中から、布引氷瀑

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