入山川並木沢・谷急山(妙義)

date 2005/4/24 快晴
コース 入牧橋〜牛名ノ滝〜大滝〜2段40m〜谷急山〜北稜ナイフリッジ尾根(裏谷急沢右岸尾根)下降
〜裏谷急沢出合〜裏谷急沢下降点
実働 登り:4h06m、下り:1h18m、計:5h24m。
概要 大滝直登、山頂展望、裏谷急沢右岸尾根下降。
メンバー のじやんさん、すうじい
行程 →:山道・踏跡、:溯行、\\:藪漕ぎ、=:車
【4月24日】 快晴
さいたま3:30=4:45甘楽PA4:52=5:55裏谷急沢下降点6:15=入牧橋6:25→6:40牛名ノ滝7:00
7:28大滝8:009:15 15m滝9:259:45 2段30m滝10:05780M二俣10:3010:50上流の連瀑帯
11:05最後の二俣11:40\\稜線11:55→12:08谷急山12:45→\\裏谷急沢出合14:00→14:03
裏谷急沢下降点14:13=霧積温泉16:15=16:38麻苧ノ滝駐車場17:20=17:40仙ヶ滝駐車場18:05
=松井田妙義IC 18:10=18:45上里SA 19:00=川越IC 20:00=20:40さいたま
使用装備 渓流シューズ水無、ヘルメット、E-1、11-22mmF2.8-3.5、三脚、9mmφx40mザイル、アイスハンマー、ハーネス
不用装備
記録  近場で未登だった妙義の最高峰:谷急山に登る沢ということで、入山川並木沢に出掛けた。並木沢の水量は少なく、滝の迫力が今一つではあったが、快適な溯行と、期待通りの展望に恵まれた。ナイフリッジ尾根(裏谷急沢右岸尾根)の下降も、楽しめた。

【4月24日】 快晴
 集合場所の甘楽PAに到着すると、既にのじやんさんは来ていた。裏谷急沢下降点へと移動するが、ちょっと場所が判りにくい。車1台をデポして、入牧橋へと移動する。ここにもう1台をデポし、並木沢への林道を辿る。

 並木沢左岸の林道を、工事中の沢底を見下ろしながら進み、やがて山道を辿る。15分ほどで、牛名ノ滝に着く。水量が少なめで残念だが、8m程の形の良い滝だ。この滝は、左岸の斜面を登って巻く。沢に入って、快適な滑床を溯行する。水量が多いと難儀しそうなゴルジュ状も、楽々通過し、30分ほどで、大滝3段30m下に至る。水量が少なくて、ちと迫力が減少しているのが惜しいが、なかなかの落差だ。

 落差の小さい下段を左から越えて、中段の滝壺右に三脚を立てる。中・上段は、右手のリッジ右のガリーから巻けるようだ。一旦下に戻って、ソールをフェルトに換え、荷を担ぎ、中段左壁の立木まで登る。ここを開始点とし、のじやんさんトップで、ザイルを出す。

 立木からバンド状を水流へ近付き、ハーケンを1枚打ち足し、登り始める。ハーケンが2枚連打されている辺りから、ホールドが細かく傾斜も増す。更に少し登った所から、ホールドの間隔が離れ、ガバも無い。ハーケンが打てそうな場所も無く、のじやんさんは、「ファイトーッ!イッパーッツ!」で越えて行く。

 これを越えると、傾斜が緩み、楽になる。終了点とした場所では、もう1枚ハーケンを打った。40mザイル一杯であった。セカンドでも、結構厳しかったので、のじやんさんの気合と登攀力は、大したモノだ。これで水量が多くて岩が濡れていたら、ちとヤバかったかも。

 大滝の上で、左岸から枝沢が出合い、4m滝とその奥に15m滝が懸かる。本流は、階段状10m滝が続いており、右壁を登る。落口付近は、ナメ状になっている。少し行くと、右岸から、5段25m滝を懸ける大遠見沢が出合う。大遠見沢を見送って川原状を進むと、正面は沢床が低い伏流、本流は右手から15m階段状滝を懸ける。

 陽当たりの良い15m滝は、ヌメッている右壁を慎重に登る。滑小滝を幾つか越えて行くと、明るい大岩ゴーロとなり、意外と体力を消耗する。やがて、2段30m滝の前衛滑滝帯となる。5m、3m、4x8mと、前衛滑滝を越えて行くと、いよいよ2段30m滝の滝壺だ。

 下段は、滝壺を左からヘツって、下部で水流を跨ぎ、右壁に取り付くが、意外と悪い。右壁を登ってバンド状に乗り、落口へとトラバースして行く。上段は、カンテを挟んで、はっきりと2条に分かれ、左の水流沿いを登る。上段落口に立つと、国境稜線の白い峰々が望まれる。

 2段30m滝の上部には、滑床が続く。木の生えた大岩のある780M二俣は、水量比(1:3)で、左は滑床が続く。ゴーロとなった右に入り、右岸に涸れルンゼを見送り、左岸に2本ほど枝沢を迎えると、850M二俣となる。

 右俣は滑床で、奥がスラブ状になって高度を上げている。今回は、本流然とした、左俣に入る。5分ほどで、上流の連瀑帯だ。小滝、3m、4m、小滝と越えると、大岩帯となる。その上で右岸に枝沢を見送り、次に左岸に雪渓のある枝沢を見送る。

 少し行くと、左岸から奥がスラブ状になっている枝沢が出合い、続いて左岸から雪渓のスラブ枝沢が出合う。ひたすら沢床の低い本流然を辿ると、滑床が復活し、最後の二俣状になる。雪渓に埋まる右に入り、途中から、左岸の疎林の急斜面へと逃げる。

 もう稜線は目前なのだが、この急斜面と来たら、柔な腐葉土で、ズルズルなのだ。立木から立木へと、木の根頼りに登って行く。やっとのことで、痩せた稜線の縦走路に出た。縦走路を右へと、谷急山まで最後の登りだ。下ってくる2人パーティと擦れ違う。縦走路を13分で、谷急山山頂に立つ。

 期待した以上の、好展望だ。正面に、煙を吐く浅間山。左手には、残雪の八ヶ岳。右後方を振り返れば、裏妙義の岩峰の奥に、白銀の国境稜線。残念ながら、富士山は雲の中らしく、見えなかった。大型の猛禽が三羽、悠然と舞っている。ソールをラバーに換え、下山モードに移る。

 北稜へと下降中に、空身の男性と擦れ違う。やがて北側の小ピークで休憩する、沢登りパーティに出逢う。彼らも、並木沢を溯行したそうだ。尾根筋は次第に北西へと向きを変え、どんどん下るうち、尾根が痩せてきて、西に向かう。

 ナイフリッジ尾根の名に相応しい、岩稜が現れる。左側、裏谷急沢側は絶壁で、正面に浅間山が見事だ。足を踏み外さぬよう、慎重に下る。痩せ尾根の急降下は、これでもかと続く。裏谷急沢右岸に、柱状節理の屏風状岩峰が現れる。

 更に下ると、送電鉄塔の高さとなり、県道脇にデポした車が見えてくる。落葉樹林帯の大岩を少し下った所から、左へと踏跡の無い斜面をトラバースしたら、涸れ沢状に出て、最後が涸棚状となる。やむなく、右手の尾根状へと苦労してトラバースしたら、下降路が降りて来ていた。おとなしく、踏跡を忠実に辿っていれば良かった。

 入山川に降り立つと、裏谷急沢出合のすぐ下であった。浅い川を渡り、県道へと登り返す。車に戻り、入牧橋で、もう一台を回収したのち、コンビニへと向かう。冷たい飲物をゲットしたのは、言うまでも無い。

 一旦、麻苧ノ滝駐車場へと向かうが、麻苧ノ滝は光線が逆光になりそうだ。そこで、霧積川沿いを温泉へと走る。きりづみ館手前の、霧積川左岸枝沢に懸かる、金洞滝を見物した後、きりづみ館の六角風呂にゆっくり浸かる。

 引き返して、再び麻苧ノ滝駐車場へ。遊歩道を登って向かった麻苧ノ滝は、水量少なく、霧降状態だが、ヒンヤリとした日陰の滝となっていた。

 更に欲張って、日没迫る中、九十九川の仙ヶ滝へと車を走らせる。仙ヶ滝は、人影も無く、静かな佇まいを見せていた。大いに満足して、松井田妙義ICから、上信越道に乗る。関越道では、そこそこ渋滞したが、思ったほど遅くならずに帰宅できた。

溯行図

アルバム

滝見亭・北関東の滝」に
入山川並木沢'05-04_」「霧積川左岸金洞滝'05-04_」「入山川鍵沢麻苧ノ滝'05-04_」「九十九川仙ヶ滝'05-04_」
があります

牛名ノ滝8m
大滝3段30m全景
大滝中段滝壺から
大滝落口から俯瞰
大滝上10m滝
大遠見沢出合滝
5段25m
15m滝
2段30m滝手前の
ナメ滝連続
2段30m滝手前のナメ滝
2段30m滝
2段30m滝の
上段2条右手の水流
2段30m滝上から
上越国境方面を振り返る
2段30m滝上の滑床
上流の連瀑帯
谷急山山頂より浅間山
北稜ナイフリッジ尾根
(裏谷急沢右岸尾根)
核心部から浅間山方面
核心部を振り返る
裏谷急沢右岸の
柱状節理の屏風状岩峰
落葉樹林帯のツツジ
霧積川左岸の金洞滝
霧積温泉きりづみ館
入山川鍵沢麻苧ノ滝
九十九川仙ヶ滝

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