剱岳・池ノ谷ノ頭(北ア)

date 2000/9/22-25
コース 室堂〜剣御前〜黒百合のコル〜剣山荘〜剱岳〜池ノ谷尾根ノ頭(往復)
実働 第1日2h55m、第2日7h05m、第3日0h00m、第4日2h35m、計12h35m
メンバー すうじい(単独)
概要 剣山荘3泊するも天候悪く、雨天のアタックも、池ノ谷尾根ノ頭付近で引き返す。
行程 一般ルートでないルート)
【9月22日】 曇
室堂9:20→9:55浄土沢10:00→11:15剣御前小屋11:30→11:50剣御前12:0012:40黒百合のコル12:45→12:50剣山荘(泊)
【9月23日】 雨
剣山荘4:35→6:05前剣6:10→6:55平蔵避難小屋跡7:10→7:45剱岳7:50長次郎のコル8:209:00池ノ谷尾根ノ頭9:40長次郎のコル10:0010:20剱岳10:25→12:30一服剣12:40→13:00剣山荘(泊)
【9月24日】 雨
剣山荘停滞(泊)
【9月25日】 雨のち曇のち雨
剣山荘9:30→9:40黒百合のコル9:4510:40剣御前11:10→剣御前小屋11:25→12:40室堂
記録  剱岳北方稜線への三度目の挑戦は、入山日こそ、曇りながらも展望良好だったものの、二日目以降は連日の雨で、結局敗退せざるを得なかった。しかし、二日目の雨天をついたアタックで、剱岳を越えて北方稜線に足を踏み入れ、池ノ谷尾根ノ頭付近までルートを確かめることができた。次回の挑戦には、八月下旬がベストのシーズンと思われる。

【9月22日】 曇
 大宮から寝台特急北陸に乗り込むが、上尾宮原間の人身事故の影響で、電車は13分程遅れる。その影響で、地鉄富山駅の立山行始発には、間に合わず。美女平では、荷重9.5kgで、バスの荷物料金を免れた。室堂ターミナルで身支度する。

 ターミナルを出たすぐにある、雷殿の名水「延命水」をPETボトルに入れて出発。曇天なれど、立山三山、大日奥大日の姿が綺麗に見えている。ミクリガ池付近で、白や薄いピンクのツツジ科の小さな果実を、多く見掛ける。雷鳥平への下りでは、歩道工事をしている。殆どテントのないテント場を突っ切り、浄土沢の橋を渡って、小休する。

 雷鳥沢付近では、ナナカマドの赤い実が、まだ紅葉していない葉に映えて美しい。別山乗越への登りでは、汗をかかないよう、ゆっくり行く。剣御前小屋前で小休。剱岳も立派な姿を見せている。

 登山道が荒れているため、剣御前経由では剣山荘方面へは行けない旨の案内板が立ててある。7月の時と違って、今回は残雪の心配はないので、構わず剣御前を目指す。人気が無くて、草紅葉の美しいコースである。稜線の西側がガレている所が二三あるが、特に問題はない。剣御前山頂からの剱岳も立派である。

 剣御前からは、しばらく稜線づたいに進み、一度右手の大岩の間のルンゼ状を下って、岩々累々の上部をトラバースし、踏跡を忠実に辿り、尾根上の這松を漕いで、黒百合のコルに至る。ここで何とか最終連絡のメールを送り、剣山荘へ下る。 剣山荘にチェックインし、明日は朝昼二つの弁当を注文する。十畳間に同室人は、私も入れて、最終的に四人であった。16:30からの風呂に入る。明日は降水確率70%だそうだ。やれやれ。

【9月23日】 雨
 明日以降も天候回復は期待できないので、暗いうちからヘッドランプをつけて出発する。すぐに、ポツリポツリ雨が降り出す。暗いうちには、一服剣直下の岩場は、少し迷いやすい。大岩の横をすり抜け、稜線に出、前剣で一息入れる。小雨が降ったり止んだりだが、まだ周囲の山の展望はある。濡れた鎖のトラバースや、フェース下りを経て、平蔵避難小屋跡で、雨の中の朝飯だ。

 滅入る気分に鞭打って、腰を上げる。カニの縦バイも、濡れていると、余計な力を使う。誰もいない剱岳山頂から、北方稜線へと足を踏み入れる。長次郎のコルへの下りも、ちょっとイヤラシイ所がある。長次郎の頭は、バンドトラバースに取り付くが、濡れていて気分が良くない。ルンゼに入ると、ガレを騙して直上し、小尾根を越す。長次郎谷側の踏跡を辿って、ザレをトラバースして行く。踏跡は、フェース状のバンドトラバースを経て、一旦コル状の稜線に出る。雨とガスとで、周囲の地形が判りにくい。再び長次郎谷側をトラバース気味に進むと、二枚の岩に挟まれた一張分のスペースがある。

 雨はますます激しくなり、ガスも濃くなり、ここから先のルートが、皆目判らない。雨を少しでも避けようと、岩に背中をくっつけて食料を腹に入れる。しばらく周囲を偵察するも、現在位置がハッキリせず、ルートが判らない。この雨の中、ツェルトビバークする元気もないので、剣山荘に引き返すことを決意する。

 帰りは、ルートが判っているし、暖かい小屋へ早く戻りたいので、サクサク進む。無人の剱岳山頂に立つと、ちょっと安心感が湧いてくるが、まだまだと気を引き締める。やはり、濡れた鎖・梯子と岩場は、油断できず、腕力を使う。雨の中、ろくに休憩も出来なかったので、剣山荘に辿り着いた時には、疲れ果てていた。

 今日こそは、剣山荘の風呂が有り難い。

【9月24日】 雨
 一日中雨。メール連絡のため、黒百合のコルへ往復した以外は、剣山荘で停滞。

【9月25日】 雨のち曇のち雨
 同室だった二人の青年と、雨の中、黒百合のコルから剣御前へと向かう。剣御前山頂で休んでいたら、雨が上がって、一瞬、周囲の展望に恵まれた。別山乗越から室堂へ下る途中、再び雨が強くなる。雷鳥沢ヒュッテで入浴するという二人と別れ、室堂のバスターミナルへ向かう。

 富山経由で帰宅する。初日以外、雨に降られっぱなしの山行だった。

【一日目】
室堂バスターミナルを出てすぐ、雷殿の延命水
ミクリガ池と浄土山
ミクリガ池と立山三山
血の池付近の池塘
雷鳥沢の登りから、立山方面
ツツジ科の赤い実
アカモノであろうか
雷鳥沢の登りから、大走りと立山
雷鳥沢の登りから、浄土山方面
雷鳥沢野営場・地獄谷・室堂平方面
室堂乗越と奥大日岳
剱御前小屋前から、浄土山と薬師岳方面
剱御前小屋前から、奥大日岳と大日岳
剱御前小屋前から、剱岳
剱御前小屋前から、白馬連峰
剱岳
剣御前より剱岳
剱沢カールと八ツ峰・白馬・後立山
剣御前から剱岳
イワツメクサかな
剣御前北峰から剣山荘と剱岳
毛勝三山方面か
五龍・鹿島槍
ヒョウタンボクの双子の実
【二日目】
前剣より剱本峰
前剣より剣沢カール
【三日目】停滞日
黒百合のコル手前で見掛けた雷鳥さん
【四日目】下山日
同じく黒百合のコル手前で、雷鳥さんに出会った
ベニバナイチゴの実であろうか
剣御前への登りでたくさん見掛けた
シラタマノキの実であろうか
剣御前付近の岩峰
剣御前付近で出会った
イワヒバリ君
あまり人見知りしない

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