礼文西海岸・礼文岳・内路川(礼文)

MR374 礼文西海岸・礼文岳・内路川(礼文)

date 1998/6/24-28
コース 【6月25日】スコトン岬〜西上泊〜宇遠内〜知床林道〜桃岩荘
【6月26日】桃岩荘〜香深:内路〜知床岳〜内路〜内路川〜内路
【6月27日】桃岩荘〜桃岩展望台〜・233引返点〜桃岩展望台〜香深:内路〜内路川〜内路
実働 第2日:9h30m、第3日:4h20m、第4日:3h15m、第5日:40m、計:17h45m。
概要 花の浮島で登山・渓流釣り、桃岩荘も懐かしい。。
メンバー すうじい(単独)、25日のみ桃岩荘のみなさんと
行程 →:山道、:溯行、\\:藪漕ぎ
【6月24日】 快晴
稚内FT 7:30〜〜9:30香深FT 9:45=(定期観光バスAコース)=12:45香深FT 14:15=→14:40桃岩荘YH(泊)

【6月25日】 曇・強風
桃岩荘5:43=5:55香深6:10=スコトン岬7:25→10:10西上泊10:30→14:05宇遠内14:20→17:30桃岩荘(泊)

【6月26日】 曇のち霧雨
桃岩荘9:00→9:35香深9:55=内路10:10→起登臼分岐10:55→11:50礼文岳11:55→12:30起登臼分岐12:40→内路13:10→13:20内路川畔14:30→14:35内路14:42=15:02香深15:45→16:30桃岩荘(泊)

【6月27日】 曇のち雨
桃岩荘6:40→桃岩展望台7:30→・233引返点8:25→展望台9:00→9:35香深9:48=10:10内路→10:20内路川畔14:30→内路14:40=15:03香深15:10=桃岩YH前→15:30桃岩荘(泊)

【6月28日】 曇のち晴
桃岩荘7:30→8:10香深FT 8:45〜〜10:45稚内FT 11:45=17:45札幌
記録  ”花の浮島”礼文。「山らしい山が無い、ミーハーだ、アクセスが大変だ。」等の先入観から、敷居が高かった礼文島だが、たった一人で、とうとう出掛けてしまった。「溢れんばかりの高山植物、入れ食いの渓流魚、美味しい海の幸。」といった想像を膨らまし、悪名高い桃岩荘YHに、4連泊も予約を入れて。

【6月24日】 快晴
 モシリパYHから、徒歩10分ほどで稚内FTに至る。フェリーは先着順受付なので、とにかく並ぶ。バスで次々に団体さんが到着し、列が延びてゆく。

 香深に着いたら、定期観光バスに乗り込もう。「地元で、ゴメと呼ばれる海鳥は、脚の黄色いのがウミネコで、ピンクがカモメ。」といった、ガイドの説明を聴きながら、西上泊に向かう。途中、エゾカンゾウが目立つ。ゴメの舞う漁港の駐車場から澄海岬まで歩いて登ると、断崖の上にエゾカンゾウやオオカサモチ、寒冷植物が花開く。眺めは良い。次に向かった最北限スコトン岬は、殺風景で、風が強い。トド島を望む展望台の足元に、漁師の小屋が見える。寒いので、客は売店に避難している。

 最後は、南西の元地へと向かう。地蔵岩付近の海岸には、ハマエンドウの赤紫の花が可愛らしい。地蔵岩への歩道で、焼きウニや焼きトドを売っており、誘惑に負けて、食してみた。結構うまかった。香深に戻り、FTの二階にある寿司屋で、特上寿司2500円を味わう。

 YHのブルーサンダー号(幌付きのトラック)に乗って、桃岩荘に向かう。全てが新鮮で、感動的である。番屋を改造した、しっかりした木造の建物は、中に入ると良さが判る。猫岩が間近に見える、素晴らしいロケーションだ。ヘルパー達による、鳴り物入りの歓迎も楽しい。

 チェックインして、桃岩荘の内部の案内など聴くうちに、すぐに馴染んでいくのであった。広間を取り巻く二階の廊下を囲んで、蚕棚状の二段ベッドがある。4泊の根城である。風呂に入って、夕食が済むと、いよいよ桃岩荘名物のミーティングが始まる。(ミーティング、ジャジャンガジャン)のリズムは、リフレインとなって、脳裡にこびり付くことになるのだった。明日の8時間コースに参加することにして、早めに寝る。

【6月25日】 曇・強風
 朝、8時間コース担当のヘルパーが、起こしに来る。準備して、弁当を受け取り、桃岩荘の車に乗って出発する。香深で、始発の町営バスに乗り換え、スコトン岬に向かう。

 強風の中、記念撮影をして、早速、南へ向け出発だ。吹きっ晒しの車道を急ぎ、舗装道を離れると、青いクサフジ等のマメ科の花が現れる。鮑古丹の小さな集落を過ぎ、ゴロタ岬への急登に取りかかる。西からの潮風が強烈だが、周りの草地は花の宝庫だ。ゴロタ岬頂上での眺めは最高だが、風がものすごい。チシマフウロやレブンシオガマ、ハマエンドウ、ハマナス、エゾカンゾウまたオオハナウド等セリ科の花々が、たくさん見られる。デジタルビデオを回すうち、ゴロタ岬の先にて、ついにメカが故障してしまう。

 階段状の道を下って行くと、ゴロタノ浜に出る。穴あき貝が拾える。鉄府の集落が近付くと、左手の丘陵に、頑丈そうな金属製の柵が設けてある。これが、貴重なレブンアツモリソウ保護区なのか?ちょっと悲しくなる。鉄府の集落を抜けて、左手の丘に登って行き、これを下ると神社の横に出て、ゴメが群れ飛ぶ、見覚えのある西上泊の港が見えてくる。

 ここでYHへの定時連絡を入れる。私は、澄海岬は昨日訪れたので、省略して休憩する。西上泊の集落の裏手の歩道を登り、丘陵地帯を進めば、召国への一般車両進入禁止の車道に合流する。この辺りでも、車道脇にコケモモやガンコウランが見られる。暫く車道を行く。桃岩荘のヘルパー「ベルボトム」らの乗った車が通りかかる。召国ツアーだと言う。

 召国分岐を過ぎて、少し行くと、赤いマメ科の花、上向きに咲くレブンソウと下向きに咲くチシマゲンゲが咲きこぼれるお花畑に出る。召国お花畑と呼ばれる所だろうか。風が強いが、カメラを取り出す。レブンシオガマのピンク、ネムロシオガマの白も見られる。更に少し進んだ所の灌木の陰で、弁当を拡げる。パーティは、かなりバラバラとなった。この先、暗い樹林を抜けたり、レブンウスユキソウやミヤマオダマキにカメラを向けたりしながら、先を急ぐ。

 やがて、急降下が始まる。赤土の露出した山道を、海に向かって下って行く。ハマナスの赤い花が目立つ。砂スベリの急斜面を下れば、アナマ岩近くの海岸に出る。チシママンテマやタカネナデシコの花を見つける。海岸のゴロゴロ岩を踏みつつ、宇遠別へと急ごう。宇遠別の小さな集落を進むと、オバチャンのいる休憩所「ひとやすみ食堂」がある。YHへの連絡所である。

 ここからは、地蔵岩までの海岸線コースを避けるよう指示されていたので、礼文林道へ登る道に入る。民家の庭には、オダマキの花が咲いている。礼文林道近くまで来ると、ギョウジャニンニクの葉を見つけた。礼文林道に入ると、今までの道とは全く違った、殺風景な雰囲気の砂利道で、どっと疲れが出てしまう。ひたすら歩くしかない。

 曇っているので、残念ながら利尻岳は見えない。それでも、西海岸からの冷たい風が吹き上げる、礼文林道のお花畑まで来ると、レブンウスユキソウやレブンシオガマ等が見られる。車で訪れる人もいる。この先の林道端で、エゾスカシユリを一輪見かけた。程なく、バス道路に出る。桃岩トンネルを抜け、桃岩荘への道に入る。やがて、8時間コース踏破者に対する、熱烈歓迎が待ち受ける桃岩荘に到着する。

【6月26日】 曇のち霧雨
 今日もどんよりだが、内路から礼文岳を往復することにする。桃岩荘から、歩きで香深まで行く。桃岩トンネルを抜けるまでは、車道を歩かねばならない。トンネルから先は、遊歩道に入る。香深で時間があったので、漁協のマーケットで食料を購入する。町営バスに乗り、内路で下車する。

 民家の裏の登山道に入り、低い丈の笹の斜面を登る。暫く登ると、樹林帯に入る。針葉樹林の中で、起登臼からのコースが合流する。この辺から霧雨が降り始める。雨具の上を羽織る。山頂付近は、樹林が無くなり、晴れたら眺めが良さそうだが、今日は生憎のガスと風だ。西海岸への踏跡は皆無だし、ツタウルシのこともあるので、藪漕ぎは不快そうだ。とても、沢から登頂する気にはなれない。展望は得られず、寒いので、早々に辞する。樹林帯で、数人と擦れ違う。こんな天気でも登る物好きは、いるもんだ。樹林を抜け、内路まで下る。

 バスの時刻までの時間を有効に使おうと、小学校の横の道を進み、民家の裏を抜けて、内路川に入渓する。川幅2m、深さも踝上程度の、小川である。少し踏跡を辿ると、取水口らしき物がロープで囲ってある。この下付近で、オショロコマのご機嫌伺いをする。2時間程遊んで、小物多数をリリースする。内路のバス停に戻り、町営バスで香深へ。「ちどり」で、名物ホッケのチャンチャン焼と生バフンウニで生ビールを飲む。美味い。桃岩トンネルを抜け、歩きで桃岩荘へ戻る。

【6月27日】 曇のち雨
 昨日の朝ゆっくりしていて、大掃除大会に付き合わされたのに懲りて、今朝は早々とYHを出て、桃岩歩道を歩くことにする。例によって、桃岩トンネルまで車道を歩き、遊歩道に入って、桃岩展望台へ向かう。センダイハギの黄色が、多く目に入る。チシマフウロやレブンシオガマ、ツルフジバカマ、ミヤマキンポウゲ、エゾカンゾウ、イブキトラノオなど、展望台から遊歩道を西へ向かうにつれ、沢山の種類の花が目を楽しませてくれる。

 桃岩荘を見下ろせる場所もある。ちょっと湿った谷間では、レブンキンバイの大群落が見られる。ヒオウギアヤメやレブンウスユキソウも姿を見せる。急登した・233引返点で引き返す。帰りもカメラが活躍する。ギョウジャニンニクらしき花も見かけた。カラフトハナシノブは、花弁の色はチシマフウロに似ているが、雄蘂が黄色である。センダイハギの黄色い花を良く観察した後、香深へ下る。

 漁協マーケットで買い出し後、今日も町営バスで内路に向かう。内路川に入渓し、取水口の先辺りまで溯り、オショロコマにご挨拶。雨が降り出すが、メゲずに雨具を着込んで頑張る。藪っぽい小川なので、竿を出すのが大変だ。そのうち、雨も激しくなり、取水口を避けて、川沿いに釣り下る。所々、膝上ぐらいのプールが出来ている。17cm、15cmを筆頭に、小物多数をリリースして納竿し、激しい雨の中、バス停まで戻る。

 バス停では、ズブ濡れ状態で、立ち続ける。やっと到着したバスに乗り込むも、濡れものも脱げず、そのまま香深まで行く。香深で元地行に乗り換え、YH桃岩荘前で下車して、何とか桃岩荘まで辿り着く。

 今日は、コインランドリーを使って、濡れ物を洗濯、乾燥する。

【6月28日】 曇のち晴
 最終日。荷物だけYHの車で運んでもらい、桃岩荘のお見送りを受けた後、香深まで歩く。フェリーターミナルでは、年配の団体観光客が、ズラリと並ぶ。フェリーに乗り込めば、桃岩荘の諸君が、大歓送パフォーマンスを繰り広げる。「しょーもない、恥ずかしい」と思いつつも、ジーンとした感慨が、こみ上げてくる。独身最後の旅、置き忘れてきた青春のかけらなのか。

 フェリ−の中は混んでいた。稚内で時間があったので、桃岩荘でご一緒した皆さんと、ウニ丼等の昼食を摂った。その後、みんなと別れ、札幌行きの長距離バスに乗る。

アルバム

【一日目】
西上泊
澄海岬から南方を望む
澄海岬から、ゴジラの背のような稲穂ノ崎越しに、ゴロタ山が望まれる
澄海岬の湾岸
西上泊
スコトン岬からトド島
元地から猫岩方面
地蔵岩付近の海岸
ハマエンドウ
香深フェリーターミナル2Fで食した寿司
香深から見た利尻山
YH桃岩荘
桃岩
猫岩
【二日目】
スコトン岬とトド島
ゴロタ山から鮑古丹を振り返る
ゴロタ山
ゴロタ山のチシマフウロ
ゴロタ山を振り返る
ハマエンドウ
ハマナス
召国お花畑
レブンシオガマ
レブンウスユキソウ
チシマフウロ
ハマナス
ミヤマオダマキ
ミヤマオダマキ
レブンシオガマ
ハマナス
アナマ岩への急降下とハマナス
エゾカンゾウ
チシマフウロ
チシママンテマ
タカネナデシコ
エゾスカシユリ
レブンシオガマ
チシマゲンゲ
【四日目】
桃岩展望台付近から桃岩
レブンシオガマ
ミヤマキンポウゲ
エゾイブキトラノオ
猫岩を俯瞰
桃岩と猫岩
エゾイブキトラノオと利尻島
レブンキンバイ
レブンシオガマ
チシマフウロ
エゾカンゾウ
ミヤマキンポウゲ
ヒオウギアヤメ
YH桃岩荘と元地を俯瞰
レブンウスユキソウ
ギョウジャニンニク
カラフトハナシノブ
センダイハギ
内路川
【最終日】
YH桃岩荘の見送り

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