上信魚野川本流・赤石山(上信越)

date 1984/07/21-24(前夜発3泊4日) 
コース 野反湖〜地蔵峠〜渋沢出合〜上信魚野川本流溯行〜1960Mコル〜赤石山〜大沼池〜四十八池〜渋池〜硯川
実働 第一日:3h55m、第二日:10h45m、第三日:8h、第四日:5h55m、計:28h35m。
メンバー T師匠、Tk氏、Kt君、Um君、すうじい(某山岳部'84夏合宿)
概要 沢登りの夏合宿、泳ぎ・釣り・焚火、志賀高原で注目。
行程 =:バス・タクシー・車・鉄道、→:山道、:溯行、\\:藪漕ぎまたは詰め
【7月20日】
上野22:43=高崎駅(泊)

【7月21日】 雨
高崎駅6:12=7:44長野原7:50=9:20野反湖9:55→13:20渋沢出合13:50\\14:05魚野川川原14:20
14:35 BP(泊)

【7月22日】 曇
BP 6:30千沢出合6:4510:25 12mOH滝出合10:45坊主沢出合12:05黒沢出合14:15
魚止滝巻きはじめ16:05\\魚止滝巻き終わり16:3017:35奥ゼン沢出合先BP(泊)

【7月23日】 曇のち霧雨
BP 6:358:20 10m滝上8:2511:30 4条5m釜12:40実際の魚止5m 15:3015:50 BP(泊)

【7月24日】 ガスのち晴
BP 6:151880M二俣7:10\\8:40 1960Mコル8:50→9:40赤石山10:25→11:20大沼池11:35→
12:30四十八池12:40→13:20前山13:30→13:40硯川14:00=15:25長野原=高崎
記録  今年の夏合宿は、例年とは趣向を変え、沢登りを行った。7月17日には、トレーニングのため、丹沢・新茅ノ沢に出掛け、大滝の懸垂下降や、モミソ岩での岩登りなどをして、本番に備えた。泳ぎ、釣り、焚火の夏合宿は・・・。

【7月20日】
 上野22:43発の高崎行に乗る。乗り遅れた人、約1名。Sr氏、ヒマラヤ髭を蓄えて、見送りに現れる。高崎で全員集合し、蚊のいる駅で寝る。

【7月21日】 雨
 始発の列車で、長野原へ。国鉄バスで、野反湖まで。ニッコウキスゲ揺れる、素敵な高原だ。千沢右岸高く付けられた道を、渋沢ダム方面へ歩く。途中、地蔵峠の辺りで、空がしっかり泣き出す。渋沢の吊橋に至る頃には、雨も止む。

 手前の壊れかけた小屋の裏から、イイ加減な踏跡を辿って沢へ向かったら、とんでもない悪い藪漕ぎトラバースを強いられ、やっとのことで正規の下降路の出る川原に辿り着いて、サイトにする。小雨の降る中、焚火で炊事。

【7月22日】 曇
 千沢出合までは、川原歩きと徒渉の繰り返しで、水流の手強さに緊張する。桂ノ沢出合手前の直線状廊下を、ひたすら浅そうな所を選んで、水流に耐えつつ通り抜ける。桂ノ沢出合から、左岸スラブの水際を、V級のトラバース。青灰色の滑釜ゴルジュは、左岸をヘツり気味に行くが、ザイルを付けての泳ぎを、3回強いられる。

 左岸から12mOH滝が落ちる所で、左岸から右岸へと徒渉する。水流強烈で、トップのすうじいが、ザイルを付けて、跳ぶ。対岸の大流木にザイルフィックスして、全員渡る。十六沢出合で、単独の釣師に遭うが、彼は、我々の行く先を聞いて、諦めて坊主沢に入った模様。

 流木の丸木橋を渡ったりしながら、大ゼン5x 10m幅広に至る。大きな釜の左岸をヘツって、右壁下のテラスから、右壁を登る。T師匠が、滝の直登を企て、釜を泳いで水線右に取り付こうとしたが、流れに引き込まれ、姿を消す。一同慌てて、ザイルだ何だと騒ぐうち、釜の端に、ぽっかり頭が現れる。

 5m幅広のいわゆる魚止滝(カギトリゼン)が現れる頃は、もう夕方近くになってしまう。右岸にスラブ壁がかなりの高さで目に入る。少し手前の、左岸枝沢の8x30m滑滝を登って、巻道を辿るが、風倒木のため、不明瞭である。続く5m幅広の滝(イワスゴゼン)は、3人が右岸スラブのW級トラバースから、水線左を登る。残り2人は、左岸を巻く。

 イワスゴゼン(5m幅広)・スリバチゼン(3x8m幅広)・ヘリトリゼン(3x8m幅広)の間および上に続く滑床は、T師匠曰く、「大雪・クワウンナイ川の滝ノ瀬十三丁みたいだ」そうな。水平な滑床に、沢幅いっぱいの、滑るが如き水流が美しい。奥ゼン沢を左岸に分け、少し行った左岸の、林の中にサイトを決める。蚊などがいて、少々不快。焚火。今日は、行動時間が長かったので、皆、疲れたようだ。

【7月23日】 曇のち霧雨
 小ゼン沢は、あたかも本流のようで、本流は右手から、ツバクロゼン5mトヨ状となって出合う。右壁を登る。白ナメ連続のうちに、左岸から庄九郎沢が出合う。白い水流に迫力のある10m滝(これが庄九郎大滝か?)は、左岸の枝沢を騙し騙し登って巻く。この先、巨岩がゴロゴロしていて、通過に手間取る。左岸に、薄い獣道らしきものが、利用できる。

 4m5条滝の釜には、左岸から2本の枝沢が各々15m滝を懸ける。5m滝の左壁を登り、しばらくサイトを捜して溯る。流れは小沢になってしまい、心配するが、無事右岸に、快適な砂地を発見する。流倒木も豊富にあり、薪に不自由しない。整地して設営。今宵は岩魚汁と塩焼きが、ささやかながら、夕餉に華を添える。

【7月24日】 ガスのち晴
 水量の減った本流を、さらに溯る。1880M奥二俣から先は、左右ともに倒木がもの凄い。右に入って、1960Mコルを目指す。藪に覆われた流れとなり、やがて猛烈な笹藪と風倒木のジャングルジムとなる。これは、逆手に取って、風倒木の平均台を繋いで進む。かなりのバランスを要求される。

 奥二俣から1P半のターザン・アルバイトで、1960Mコルの登山道に飛び出す。赤布を打った後、赤石山へ向かう。山頂の岩の上で、大タルミ。大沼まで下ってみると、林間学校と思しき小・中・高生で一杯だ。地下足袋・ワラジ・ヘルメット・手拭いの山岳ドカタ・スタイルが、女子高生に何故か大受けしたりする。頼まれて、彼女らの記念撮影の中に加わる。

 四十八池の池塘に目を遣り、前山リフトに背を向け、硯川のバス停に辿り着けば、程良い待ちでバスが来る。志賀・草津ルートで、長野原へ。こうして、夏合宿は、無事終了したのであった。

溯行図・アルバム(ブログにLINK)

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その1:
溯行図・坊主沢出合まで
(溯行図)
初日のサイト 青灰色の滑釜ゴルジュ
その2:
大ゼン〜赤石山
大ゼン5x10m幅広 魚止滝5m幅広
カギトリゼン
10m滝
庄九郎大滝?
4条5m釜

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