大洞井戸沢(奥秩父)

MR111 大洞井戸沢(奥秩父)

date 1981/10/28-29 快晴、雨 
コース 秩父湖〜大洞林道〜惣小屋沢出合〜大洞井戸沢〜将監峠〜飛竜権現〜ミサカ尾根〜サオラ峠〜丹波
実働 第一日:7h12m、第二日:12h26m、計:19h38m。
メンバー 「ゆ」先輩、すうじい、ウニ
概要 奥秩父の名渓大洞井戸沢を溯行し、将監峠からサオラ峠へ縦走。
行程 =:バス・鉄道、→:山道、:溯行、\\:藪漕ぎまたは詰め
【10月28日】 快晴
秩父湖8:00→三峰分岐8:42→9:03 ・743付近9:16→10:10鷹ノ巣橋先工事現場10:30→高巻終わり
10:50→大洞橋11:17→松葉沢手前下降点11:4011:50惣小屋沢出合12:35川胡桃沢出合13:35
無名沢出合15:2016:30キンチヂミ直前BP(泊)
【10月29日】 雨
キンチジミ直前BP7:05栂ノ沢出合8:108:43椹谷・井戸沢出合8:5712:00奥新左衛門窪出合
12:15大滝上13:30作業小屋14:50\\稜線15:13→15:35将監峠15:45→禿岩17:15→20:10丹波
記録  前夜、西武秩父駅前の、屋根のある屋台街で駅寝する。

【10月28日】 快晴
 秩父鉄道のお花畑駅から、始発の三峰口行に乗り、バスで秩父湖に至る。大洞林道を2ピッチ歩くと、鷹ノ巣橋先で法面工事をやっていて、通行止。目の前を、岩石がボンボン飛んで、谷底へ落ちて行く。仕方なく高巻くが、巻き道がしっかり付けられているので驚く。20分程高巻いて、林道に降りる。大洞橋から先も、林道沿いを松葉沢手前まで歩き、ここから下降して、惣小屋沢出合に着く。

 惣小屋沢出合の川原でゆっくり腹ごしらえをして、いよいよ溯行開始。しばらく川原を行くと、釜の連続「三ツ滝」がある。左から枝沢が滝となって落ちている釜は、左側をモモまで浸かってヘツる。最後の釜は左にワイヤーがあり、それをホールドにしてヘツる。またしばらく行くと、釜が幾つか続き、右岸から川胡桃沢が滝となって落ちている。巨岩を越えてゆくと、大釜を持つ小滝がある。

 3m2条滝は右側を巻き、続く細長いトロは、途中で左手を高巻く。3m滝は右壁を巻き気味に登り、続く5m滝の左を巻くと、無名沢が左から出合う。少し行って左折すると、巨岩のある滑があり、その上の釜の右手の巨岩と右壁の間の穴を、空身で抜ける。右岸から奥に15mの滝を懸ける沢が出合い、さらにもう一本右岸に沢が出合うと、20mの滑床があり、川原となる。

 この先にキンチジミのゴルジュ帯がある。この川原の右岸をBPに決め、流木集めをして、盛大な焚火を行う。

【10月29日】 雨
 朝の出発が大いに遅れる。キンチジミの3段9m滝は右岸を高巻き、右岸の小沢へ10m強の懸垂下降。続く3m滝も左側をトラバースして越え、次のトロは真ん中付近で渡って、右壁を巻き気味に2段4mを越す。栂ノ沢が左から出合い、2段4mCSを左壁のトラバース登りでクリアして少し行くと、椹谷・井戸沢の(1:1)の出合である。

 幾つかの石滝を越えて行くと、右岸に5人ほど入れる岩小屋がある。ゴルジュ連瀑帯入口の6m滝は、右手のガリー状を登り、ゴルジュ全体を大高巻きしてしまう。奥に2段20m滝を懸ける前新左衛門窪が、正面から出合う所で、本流は左折し、流木ダムを二つ越える。

 右から(10:1)の沢が出合い、左から枝沢が出合うと、また連瀑帯となる。4m2条滝は左をヘツる。次の3mナメ状は左バンドトラバースだが、ホールドが浮いたものあり。2mナメの上で、右から涸れ窪。続く4m上ナメの滝で、ウニが滑る。右折して、2条5mは、右のクラック状に沿って、クラックの左側の岩にある残置ハーケン2本をホールドにして、やっかいな登りとなる。すうじいがフリーで登り、上でザイルを出す。次の7m滝は、左壁のバンドをトラバースして越える。

 奥新左衛門窪出合は、(3:1)だが、本谷の沢床の方が高く、4m2条滝となって落ちている。右岸に、(1:3)、(1:3)、(1:5)の沢が出合った後、7m、小滝、3mナメ、小滝と越えると、左上方から、ドーンと大滝25mが落ちている。まるで天から降り落ちているかのようだ。小滝一つ分戻って、右岸のブッシュ小尾根に取り付く。岩峰の左側を巻きながら、大滝の大高巻きを行う。

 大滝を過ぎると、倒木の多い平凡な流れとなる。4段15m曲り滝と、続く6mナメ状滝を過ぎれば、もはや溯行興味は失せ、一刻も早く縦走路に出たいと願う。沢沿いに、西へ西へと進み、作業小屋を過ぎ、笹藪を漕いで、間もなく主脈縦走路に出る。

 将監峠を経て、飛竜権現、前飛竜、サオラ峠を経て、丹波へ下る。飛竜権現から先は、久々のヘッドランプ山行とあいなった。ウニは、何でもない緩い下り道で、ステンステンと尻餅を突いていた。丹波からのバスも既になく、タクシーを呼んで、奥多摩駅へと出た。

溯行図

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