尾白渓谷道から日向山(南ア)

date 2007/11/23 快晴
コース 尾白渓谷駐車場〜竹宇駒ヶ岳神社〜尾白渓谷道〜不動滝〜錦滝〜雁ヶ原〜日向山〜矢立石〜竹宇駒ヶ岳神社〜尾白渓谷駐車場
実働 登り:3h18m、下り:1h15m、計:4h33m
概要 渓谷道を歩いて滝見、錦滝から急登して白亜の雁ヶ原へ。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:山道・踏跡、:溯行、\\:藪漕ぎ・不明瞭な踏跡、=:車
【11月23日】 快晴
自宅4:45=韮崎IC 6:55=7:50尾白渓谷駐車場8:20→9:00 鼓滝7m2条9:10→9:20旭滝9:40→10:00龍神平10:25→10:55不動滝11:10\\→11:30 1213付近11:35→11:42林道11:45→\\→11:55錦滝12:10→12:50雁ヶ原下13:00→13:05稜線13:08→13:24日向山13:35→矢立石14:16→14:50尾白渓谷駐車場15:10=須玉IC 15:30=17:35自宅
使用装備 登山靴、細引、E-1、14-54mmF2.8-3.5、三脚
不用装備 アイスハンマー、渓流足袋、ED50-200mmF2.8-3.5
記録  葉の落ちた尾白渓谷道を歩き、滝見を楽しんだ上に、日向山に登って展望を満喫した。

【11月23日】 快晴
 中央道に乗り、今回は韮崎で降りる。R20を走って、牧原交差点手前のいつものコンビニで食糧・飲料を調達する。道の駅「はくしゅう」手前で左折し、尾白渓谷への道を辿る。尾白渓谷駐車場は、数十台は停められるトイレ付無料駐車場だ。

 帰りに使う予定の、矢立石への登山道取付がよく判らなかったが、降りてくる分には何とかなるだろう(後で判ったことだが、横宇駒ヶ岳神社手前に分岐がある)。竹宇駒ヶ岳神社を通り過ぎ、吊橋で尾白川右岸へ渡る。

 右岸に渡ってすぐ、川原へと下る明瞭な踏跡があり、これを辿って川原に降りてみるが、その先の踏跡が無い。こんな筈は無いので、引き返す。川原遊びか釣師の踏跡なのだろう。しばらくは、斜面を登り気味に進んで行く。

 やがて、黒戸尾根道と渓谷道とが分岐する。滝見がしたいので、右の渓谷道に入る。千ヶ淵の三ノ滝は、水量が少なくて、撮影はしなかった。千ヶ淵の高巻きが始まり、鉄の階段など、急登に喘ぐ。小尾根上に乗ると、古いルートが崩れたのか、さらに小尾根沿いに登らされる。

 やがて、小尾根が広くなった辺りから、鼓滝へ下降する道を辿るが、そのまま登れば尾根道に合流出来るらしい。鼓滝で、単独男性に出会う。滝壺前の大岩に乗ろうとすると、何やら騒がしい。親子の猿がいた。母猿は、下流側へと逃げたが、仔猿が残されて、ピーピー悲鳴を上げている。

 仔猿も、無事対岸へと逃げ、母猿と合流出来たので、大岩に乗って鼓滝を撮影しよう。滝には半分陽が当たり、コントラストが強すぎだった。ここで、カップルの滝見客と出会う。鼓滝を後にし、途中ナメ滝を見て、旭滝に至る。

 先程の単独男性が、川原から戻って来た。対岸に渡れば、旭滝が見られるかもと行ってみたが、濡れずに徒渉は無理そうだったので、引き返す。右岸岩壁に沿って、旭滝直下のテラス状大岩に取り付いてみたが、飛沫が凍結し、アイゼン無しではツルツル滑ってしまう。少し戻った右岸大岩にも登ってみたが、滝身は一部しか見えず、欲求不満のまま先を急ぐことにした。

 旭滝からは、ゴルジュとなっているようで、鉄製階段を交えた急登が続く。百合ヶ淵など、時折、遙か右下に流れを見下ろしながら、登って行く。急な痩せ尾根を、木の根頼りに登るようになると、龍神平まで、もう一息である。

 神蛇滝の看板の立つ龍神平に到着すれば、先ずは筏状の木橋を渡り、立板状の大岩に乗ろう。正面に、三段の神蛇滝が見下ろせる。紅葉はとうに過ぎたが、落葉樹の葉が落ちて、かなりスッキリと展望出来る。撮影を始める前に、立木を支点とし、細引で自己確保と三脚・カメラの確保をしておこう。

 撮影しているうちに、先程のカップルも到着した。神蛇滝下に降り立つ踏跡も確認したが、今回は日向山まで登る予定なので、先を急ぐことにする。尾根沿いに少し登ると、下山用の「尾根道」が分岐する。不動滝へ続く道は、比較的平坦で歩き易い。

 少しペースを上げて、登山道を辿る。龍神平から30分ほどで、尾白川に架かる吊橋を渡るが、真ん中辺りの床板が新しい。どうやら、これが噂の穴を修復した跡らしい。吊橋を渡り終えた所から、踏跡を下り、大岩に懸かるロープを伝って、不動滝の滝壺へと到達する。

 飛沫が掛かる岩の上は、凍結して滑り易く、油断出来ない。不動滝は落差20m程で、なかなか立派な滝であった。先程の大岩を、ロープにぶら下がって下り、吊橋に戻る。ここから尾白川林道へは、林道崩壊のため通行止、との看板が出ているし、登山道も廃道化しているようだ。

 廃道・踏跡マニアとしては、予定通り前進する。落ち葉が降り積もり、道形がハッキリせず、はじめはルートが判り難い。少し進むと、木の階段の跡や鉄製階段など現れて、それを目標に踏跡を辿ることが出来る。暫く続いた急登も、いつしか右手へトラバースするようになり、1213独標の尾根に乗る。

 痩せた尾根上で休憩を入れる。急登で汗をかき、咽がカラカラだ。ここから林道までは、歩き易くなる。林道に飛び出ると、不動滝への下降点に道標が立っている。さて、錦滝までの林道崩壊はどんなかな・・・と歩き出す。少し進むと、林道が完全にガレに埋まっている場所に出くわす。

 これか・・・。傾斜はあるが、さほど不安定では無さそうだ。細い水流が、凍結した場所もある。適当にルートを選んで、慎重に通過する。あとは僅かな林道歩きで、ゲートを過ぎ、ガンガノ沢に架かる橋に至る。錦滝が見え、対岸に東屋がある。橋の上から錦滝を見れば、水量は少なく、飛沫が凍結して、滝下が白くなっている。

 雁ヶ原への登山口脇から、滝下に降りてみれば、単独男性が1名。雁ヶ原から、降りて来たそうだ。錦滝は水量が少なく、「氷瀑向き」の滝と思われた。何枚か撮影した後、雁ヶ原への急登に取り付く。登山道脇に落ちていた棒切れを、杖用に拾う。この杖、細目だったが、軽くて丈夫な、スグレモノだった(あまりに快適だったので、車に積んで持ち帰った)。

 この登りは、急登に次ぐ急登だった。ペースを崩さぬよう、歩幅を小さくして、コンスタントに登る。途中、何組ものパーティと擦れ違う。40分で、雁ヶ原下の白ザレ末端に出る。紺碧の空の下、白砂の反射が眩しい。ここからは、ザクの登りで消耗必至と見て、木立の下で休憩する。

 ゆっくりと歩き出し、白ザレを登って行く。稜線の錦滝下降点に出ると、富士山が見える。その横に、燕頭山から地蔵のオベリスクへと連なるスカイラインも見える。白ザレの中の踏跡を辿って、ゆっくりと登る。下りのパーティが、続々擦れ違う。時折、奇岩と展望に目を遣りながら、ひたすらマイペース。それにしても、年配の大人数パーティが多いのに、驚く。

 雁ヶ原の白ザレの最高地点付近まで登り、展望を楽しむ。周りには、家族連れや若いカップルも多い。正面には、八ヶ岳が素晴らしい。振り返れば、甲斐駒が真逆光だ。10分ほど展望を楽しんだ後、下山を開始する。

 矢立石への下りは、歩き易い道である。「○/10」といったプレートが打ってあり、次第に○の数字が減って行く。山頂から40分ほどで、林道に降り立つ。

 さらに林道を横切って、竹宇駒ヶ岳神社へと登山道が続くのだが、歩く人が少ないのか、廃道化しつつある。テープなどを参考に、これを辿って行くと、ヘアピンカーブを一つかすめ、二つ目のヘアピンで林道に合流する。舗装された林道を少し辿ると、再び右手に竹宇駒ヶ岳神社への下降点が現れる。道標があるので、見落とすことは無さそうだ。

 この登山道は、道形はしっかりしているが、落ち葉が降り積もり、多少判り難い箇所もある。暗くなると、迷うかもしれない。どんどん下って行くと、左手に貯水池らしきものが見えたり、水路と思しき上を歩いたりもする。最後に、滑り易い急降下をした後、竹宇駒ヶ岳神社入口付近の建物横に出る。尾白渓谷駐車場までは、もうすぐだ。

 充実した周回山行を無事終えて、帰りは須玉ICから中央道に乗る。

アルバム

鼓滝の仔猿
鼓滝7m2条
鼓滝7m2条
ナメ滝大釜
旭滝
旭滝
龍神平から神蛇滝
龍神平から神蛇滝
不動滝
林道不動滝下降点
尾白川林道
林道崩落箇所
橋の上から錦滝
錦滝
錦滝
登山道から錦滝
白ザレ末端
雁ヶ原コルから富士山
雁ヶ原コルからの眺め
雁ヶ原の奇岩
雁ヶ原から
斜面を下るパーティ
雁ヶ原から逆光の甲斐駒
日向山から八ヶ岳
林道脇下降点道標
竹宇神社下降点
日向山登山道分岐

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