和名倉中段道から和名倉山往復(奥秩父)

date 2006/5/21 晴
コース 和名倉沢下降点〜下段道小屋掛〜830M地点〜中段道〜二重山稜〜索道残骸尾根〜上段道〜水場〜二瀬尾根〜和名倉山〜二瀬尾根〜水場〜上段道〜索道残骸尾根〜二重山稜(偵察)〜中段道〜下段道小屋掛〜和名倉沢下降点
実働 登り:5h15m、下り:3h35m、偵察:45m、計:9h35m。
概要 索道残骸尾根と笹藪廊下の登りはキツイ、二重山稜付近偵察兼ねて和名倉山頂往復。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:山道・踏跡、\\:藪漕ぎ・不明瞭な踏跡、=:車
【5月21日】 晴
さいたま3:15=5:25道の駅大滝温泉5:50=6:10和名倉沢下降点6:25→7:10 830M地点7:15
→石津窪8:00→山ノ神尾根8:20→8:35二重山稜8:45\\→上段道索道残骸尾根下降点9:25
→9:45水場10:00→\\10:50 1680Mコル11:00→1820M展望台11:15→1830M索道広場11:20
→11:45北ノタル11:55→二瀬分岐12:10→12:30和名倉山12:35→二瀬分岐12:50→13:05
北ノタル13:10→13:30 1820M展望台13:40→1680Mコル13:50\\→14:15水場14:30→
上段道索道残骸尾根下降点14:44→\\15:10二重山稜(偵察)15:55→山ノ神尾根16:03→
16:45 830M地点16:55→17:35和名倉沢下降点17:45=18:05道の駅大滝温泉18:20=
20:40さいたま
使用装備 軽登山靴、杖、E-1、ED18-180mmF3.5-6.3
不用装備 アイスハンマー、フェルト足袋、三脚
記録  和名倉中段道(和名倉沢左岸中段道)から索道残骸尾根・二瀬尾根経由で、和名倉山を往復してきた。今回は、二重山稜付近の偵察と中段道・索道残骸尾根のマーキングが、主目的である。

【5月21日】 晴
 いつものように、影森のコンビニで食糧を調達し、道の駅大滝温泉で身支度して、和名倉沢下降点へと向かう。三峰道路・大洞林道分岐でUターンして、下降点の路肩に駐車する。先客が1台、釣師だろうか。下降点のガードレールに、数本の天然の杖が立て掛けてある。丈夫そうなのを1本、拝借する。

 急な踏跡を下降し、大洞本流に懸かる吊橋を渡る。二瀬ダムのバックウォーターが、吊橋より更に上流まで満ちている。吊橋を渡り、左岸上流側へと向かう踏跡と分かれ、右手へ登る踏跡を辿る。左手に小屋掛を見て、尾根に取り付く踏跡を見送る。和名倉沢右岸沿いに進み、やがて木橋で左岸に渡る。

 左岸の杉林をジグザグに登って行く。やがて、左手へと斜めに登るようになり、薄暗い杉林の中、ヌタ場と化した水場のある小屋掛に至る。この小屋掛の裏手で、左手にトラバースする「下段道」と、更に登って行く踏跡とに分かれる。

 今回は、この登って行く踏跡を辿る。やがて、右手に成長した針葉樹林帯が現れ、境界沿いに進むと、平坦地形となる。その先の顕著な尾根が、1052独標を経て1330M反射板へと続く尾根「1052独標尾根」である。少し右手の尾根末端側へと、戻るように尾根に乗る。和名倉下降点から、45分である。小休しよう。

 尾根に乗った所が830M地点で、二瀬道の吊橋から、昔の道がトラバース気味に登って来ている。この廃道も、一度は踏査しておきたいが、地形から推測するに、急斜面のトラバースでは、かなり崩壊していそうだ。

 830M地点から、1052独標尾根沿いに少し登ると、踏跡は尾根から離れ、左へ斜めに登るようになる。「中段道」の始まりだ。疎林の斜面を突っ切り、針葉樹林帯をトラバース気味に登って行く。45分ほどで、石津窪の涸れ沢を渡るが、その手前で、昨年登った石津窪左岸道が分かれる。

 石津窪から20分の斜登行で、山ノ神尾根に出る。さらに15分のトラバースで、索道残骸尾根の二重山稜に至る。索道残骸尾根を登る踏跡を探すが、ハッキリしたものは見当たらない。今回は、左手の針葉樹林帯の鹿道を登ってみたが、あまり快適ではなかった。雑木の疎林である尾根上を、忠実に登った方が、良いようだ。

 やがて、馬酔木の疎林の中の、索道残骸まで登ると、踏跡が復活する。尾根上の踏跡を登って行くと、笹藪となり、やがて上段道に至る。1330M反射板からトラバースして来る、1350M軌道跡の道である。

 この索道残骸尾根の下降点は、最近利用者が増えたためか、1330M反射板への軌道跡と同じくらい踏まれているため、迷い込まないよう注意が必要かも知れない。さらにこの尾根を登って行く踏跡も、以前よりハッキリしていたので、上にあると言う反射板へ登った人がいるのかも知れない。

 所々笹藪が邪魔をする上段道を、トラバース開始する。下降点から20分で、不快な小屋跡を経て、水場に到着する。雨が多かったせいか、水量が豊富だ。古いホースを調整して、水が流れるように設定しておこう。冷たい水で喉を潤し、笹藪廊下の登りに備え、休憩する。

 苔生した幅広のゴーロ状を、登って行く。しばらく進むと、ズルズルの急斜面となる。やがて、笹藪が現れ、泥溝状の踏跡を登るようになる。傾斜が緩くなると、笹藪の丈が高くなり、廊下状になってくる。地形が平坦になると、笹藪廊下は蛇行しながら続く。杖を翳して、笹をはねのけながら、前進する。踏跡を外さないよう、足元に神経を集中しよう。

 再び、傾斜が出て来ると、笹藪廊下も終わりが近い。1684独標近くで、下ってきた単独男性と出会う。少し言葉を交わして、別れる。間もなく、笹藪を抜けて、1680Mコルに出る。水場からは、50分ほどだ。この場所は、割と風が通るので、涼しくて心地よい。荷を降ろして、休憩する。

 ここからは、樹林帯の尾根登りとなる。相変わらず展望は得られないが、歩き易い。15分で、1820M展望台に至る。針葉樹に邪魔されつつも、二瀬尾根では、珍しく展望の利く場所である。和名倉山山頂も、眺めることが出来る。少し先には、休憩に適した、1830M索道広場がある。

 索道広場から、道は尾根を外れ、南東面をトラバースするようになる。次第に高度を上げ、突然開けて、笹ッ場に飛び出す。 笹ッ場を抜けると、北ノタルの苔生した針葉樹林帯に入る。薄暗い林の中、苔の踏まれた帯が、踏跡を示す。平坦な鞍部から、次第に登りとなり、和名倉山西峰の西側を巻くように、背の低い針葉樹林、岳樺の疎林を経て南下し、二瀬分岐に至る。

 将監小屋・山ノ神土方面からの道と合流し、東へ向かうと、大きく開けた斜面に出る。千代蔵ノ休場と呼ばれる、山火事跡である。さらに、緩やかに登って行くと、疎林を抜けて、再び開けた場所に出る。ここで本日二人目の単独男性に出会う。聞けば、川又道を登って来たとのこと。道がハッキリせず、かなり藪を漕いだらしい。

 最後の密林を抜けると、僅かな切り開きのある、五度目の和名倉山頂だ。密林の中なので、相変わらず、展望は全く無い。長居はせずに、引き返そう。

 千代蔵ノ休場からは、期待していた富士山は見ることが出来なかった。千代蔵ノ休場を過ぎ、二瀬分岐から二瀬道に入る。この辺りの木々は、未だ芽吹いていないためか、明るい林である。西峰西面を巻くように、踏跡は続いている。

 やがて、北ノタルが近付くと、針葉樹の深い森となり、薄暗い林床は、苔生して来る。平坦な鞍部に至ると、独特の雰囲気だ。倒木にも苔が被い、所々に木漏れ日が当たる。木々には、小鳥達の囀りがこだまする。和名倉山の中でも、大好きな場所だ。

 笹ッ場を抜け、トラバース道に入る。1830M索道広場で、再び二瀬尾根に乗る。1820M展望台で、携帯メールを何度かトライするが、交信出来なかった。1680Mコルで、やっと交信に成功。笹藪廊下も、下りなら、さほど体力を消耗せずに、通過出来そうなので、休憩無しで突入する。

 迷路のような、笹藪廊下をクリアし、1680Mコルから25分で、水場に到着。ここで、携帯メールを送信し、冷たい水で喉を潤し、休憩しよう。小屋跡を突っ切り、上段道(1350M軌道跡)のトラバースに入る。所々、薄い笹藪を払いながら、15分ほどで、索道残骸尾根下降点に至る。

 マーキングをしながら、索道残骸尾根の笹藪の中の踏跡を下降する。やがて笹は薄くなり、馬酔木の疎林となると、索道装置の残骸に至る。ここから下は、尾根の傾斜が急になり、右手には針葉樹林が広がるが、この樹林帯には、良い踏跡が無いことが、登りで確認出来ているので、尾根に忠実に下降する。

 落葉樹の疎林を頼りに、急な尾根を下降すると、やがて傾斜が緩み、1120M付近?の二重山稜に至る。登りで見付けて置いた、中段道の延長と思われる踏跡を辿ってみる。針葉樹林の踏跡は、浅くて急なガレ窪に消え、その先の藪ガレ尾根に乗ってみるも、続く踏跡は見当たらない。断念して引き返す。

 二重山稜に戻り、今度は更に下って行く。尾根が急になる場所から、尾根筋が不明瞭になる。これは、ヤバイ。一度は登ったことのある尾根だが、午後3時半を過ぎたこの時間から、迷ってしまうのは危険だ。索道残骸尾根の下降を断念し、二重山稜まで登り返す。やれやれ。

 安全第一、中段道を忠実に戻ることにしよう。要所要所にマーキングをしながら、山ノ神尾根、石津窪を越えて、1052独標尾根に乗る。少し下って、830M地点に至る。ここは、二瀬尾根取付の吊橋からトラバースして登ってくる道と、和名倉沢出合上流の吊橋から登ってくる道とが、合流する峠となっている。

 ここで、最後の休憩をし、右手の平坦地を経由して、下段道分岐の小屋掛へと下る。ここから先は、もう迷うような所は無い。ひたすら下って、和名倉沢の木橋を渡り、大洞本流の吊橋を渡る。最後の急登をこなして、和名倉沢下降点の車に戻る。拝借した杖は、元の位置に返しておこう。結局、今回は滝見が出来なかった。

 道の駅大滝温泉に寄るが、入浴する時間もなく、着替えだけして、帰路を急ぐ。

概念図

アルバム

大洞本流の吊橋
和名倉沢に懸かる木橋を振り返る
1052独標尾根の830M地点
小屋跡の近くの水場
この先で笹藪廊下の急登が始まる
1820M展望台から和名倉山
1820M展望台を振り返る
笹ッ場に飛び出す
笹ッ場を振り返る
千代蔵ノ休場
和名倉山頂
同上
再び千代蔵ノ休場
千代蔵ノ休場からカバアノ頭方面
二瀬分岐
北ノタルの踏跡
同上
北ノタルにて
1830M索道広場

表紙
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