剣御前(北ア)

date 1999/9/21-22 雨、雨
コース 室堂〜別山乗越〜剣山荘〜黒百合のコル〜剣御前〜別山乗越〜室堂
実働 第一日:3h、第二日:3h20m、計:6h20m
メンバー すうじい、T君
概要 連続する台風と、刺激された前線により、雨に祟られ、剣山荘で一泊して引き返す。
行程 【9月21日】 雨
室堂10:05→12:15剣御前小屋12:30→13:20剣山荘
【9月22日】 雨
剣山荘9:20→剣御前10:;45→11:00剣御前小屋11:20→13:00室堂
記録  兎に角、雨に祟られた山行であった。連続する台風と、それに刺激された前線により、集中豪雨の被害が各地に起こり、無事逃げ帰るだけが精々といった雰囲気であった。高い交通費と、貴重な休暇を浪費した虚脱感は残ったが、安全第一、山は無くならないのだ。悪天による剱岳敗退は、二度目である。北方稜線を含め、次回に期待しよう。

9月21日(火)雨
 大宮から寝台特急北陸に乗り込めば、T君と合流だ。とりあえず寝ておこう。少し明るくなり始めた富山平野の河川は、濁流と化している。地鉄富山駅では、集中豪雨と落雷のため、電車の出発が遅れる。立山駅で鱒の寿司を購入し、急勾配のケーブルカーで美女平へ。ここから荷物料金を取られてバスに乗り、紅葉の始まった溶岩台地を室堂へと登って行く。室堂ターミナルで鱒の寿司を食べ、身支度する。さすがに気温が低くて、暖かい飲み物が恋しい。

 雨具のフードを被り、意を決して出発する。みくりが池を経て、ツガザクラの花や、雷鳥の姿を見かける。雷鳥平への下りでは、温泉の成分なのか、階段の石がヌメっていて滑り易い。一、二張のテント場を抜け、橋を渡り、登り返しにかかると、次第に雨足が早くなる。剣御前小屋まで来ると、小降りになったので小休する。ここからトラバースコースで、剣山荘へと向かう。小雨の中、剱岳の大体の姿は窺える。

 剣山荘に逃げ込み、宿泊手続きをする。北方稜線については、経験者かガイド同行が条件だ、と言っていた。とりあえず、計画書を提出しておく。濡れものを脱いで、一息つこう。快適な小屋だ。寝貯めをしておこう。T君に16時の天気図をとってもらったが、前線がドーンと居座り、台風も近づいて、全然駄目そうな感じでガッカリする。回復の可能性があるなら、この小屋で停滞するのも、悪くはないのだが。

9月22日(水)雨
 小屋のBSTVの天気予報や気象情報でも、台風と前線による、この悪天が数日続くのは確実なので、諦めて下山を決意する。何よりも、下手に停滞することにより、下山の交通手段が止まってしまうのが怖いのだ。それでも、折角だから、小屋の人にルートを尋ねて、剣御前コースを選ぶ。

 小雨降る黒百合のコルで、下山する旨を携帯連絡。少し左手にトラバースした岩々累々帯付近から、ガレを登って踏跡を辿り、剣御前への縦走路に入る。途中、大型の草苺が実っているが、口に入れてもさほど甘くない。雷鳥さん達には、ご馳走であろう。一部ハイマツと格闘しつつ、剣御前を越える。

 岩稜帯で、雷鳥と出くわす。デジカメで追いかけて撮影する。成鳥の大きさなのにピヨピヨ鳴いてたし、もう一羽が近くで、心配そうにクークー言ってたから、親子なのだろう。さらに行くと、草紅葉の平坦地を通る。やっと、秋山らしい雰囲気を味わえた気がする。雨風が強まり、寒いので、剣御前小屋のトイレに逃げ込む。ここで小休。

 雨の中、ひたすら下って、増水をちょっと心配していた橋を無事渡り、室堂へと登り返す。これから入山のパーティも、いないわけではない。室堂近くまで来ると、結構観光客がいるのに驚かされる。室堂バスターミナルの建物に入ってしまえば、一安心だ。 

 バス、ケーブルカー、電車と乗り継いで、富山駅に辿り着く。ほくほく線の特急に乗り、越後湯沢で上越新幹線に乗り換えて帰宅する。

一日目
別山乗越付近から、トラバース道と剱岳
雨の剱岳をバックにT君
剣山荘に向かう途中、剱の勇姿
今宵の宿:剣山荘
頭が覗いているのは前剣か
剣御前への登りで
シラタマノキの実
雨の剣御前で雷鳥若鳥
冷たい霧雨の中で
何を想うのか

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